【1/18更新】印南敦史の名盤はハイレゾで聴く

2024/01/18

月間50本以上の書評を執筆する書評家であり、ベストセラー『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』の作家としても知られ、更にヒップホップなどのブラック・ミュージックからクラシックまでを幅広くフォローする異色の音楽評論家としての顔を持つ印南敦史による連載「印南敦史の名盤はハイレゾで聴く」。

ルーサー・ヴァンドロス『Any Love』

ルーサーの声が思い出させてくれるのは、日本がまだ元気だったころの夜の光景


前にも書いたことがありますが、大阪の千日前に「バー・ブラコン」というお店があります。カウンターの正面にボビー・ブラウンのポートレートがどーんと飾られた、ソウル・バーならぬ“ソウルスナック”。ちなみに店名の英字表記は“Blackon”ですが、日本語表記は「黒紺」となっております。いちいちセンスが最高でしょ?

オーナーのJAMAという男とは、もう20年以上のつきあい。僕が東京で続けてきた“Juicy”というイヴェントを、神戸のクラブでもやってほしいと連絡をくれたことがきっかけでした。で、2001年末にそれが実現し、以後も一緒に神戸や広島でイヴェントをし、なんだかんだと時間が経って現在に至るという感じ。早いな。神戸Juicyのときはまだ30代だったしな(泣けてくる)。

JAMAは、店名からもわかるとおりのブラコン(ブラック・コンテンポラリー)好き。ブラコンといえばしっとりとしたスロウ・ジャム(簡単にいえばソフトなバラード)が魅力ですが、そもそもJAMAという名前の語源が“Slow Jammer”ですからねえ。年下ではあるものの、ブラコンど真ん中世代である僕と音楽の好みが似ているのは当然なのです。

ちなみにJAMAは愛犬にルーサー(Luther)という名前をつけていたのですが、もちろんそれもルーサー・ヴァンドロスからとったもの。だからJAMAのことを思い出すと自動的にルーサーが聴きたくなるし、ルーサーを聴くとこれまた自動的にJAMAや「バー・ブラコン」のことを思い出してしまうんですよね。

いまさら強調するまでもありませんけれど、ルーサー・ヴァンドロスはR&Bシーンのみならずアメリカの音楽業界において多大な功績を残したシンガー。

『オズの魔法使い』をモチーフにしたミュージカル『ザ・ウィズ(The Wiz)』に“A Brand New Day (The Wiz Song)”という曲を提供して注目を集め、以後もデヴィッド・ボウイ『Young Americans』のアレンジとバック・ヴォーカルを担当したり、その過程で知り合ったベット・ミドラーとも仕事をしたり、セッション・シンガー兼アレンジャーとしてアヴェレイジ・ホワイト・バンドを筆頭とするさまざまなアーティストの作品に参加したりと、デキる裏方として活躍したのでした。

そればかりか、イタリアで結成されアメリカで成功を収めたR&Bグループ、チェンジの1980年作『The Glow of Love』ではメイン・ヴォーカルを担当。自身のグループ“Luther”名義でも、『Luther』(1976)、『This Close to You』(1977)と2枚のアルバムを残しています。

そして1981年にはソロ・アーティストとして、名盤と名高いファースト・アルバム『Never Too Much』をリリース。タイトル曲は、彼の代表曲として広く知られていますよね。

その後もコンスタントにアルバム・リリースを続けていくわけですが、基本的にこの人の作品に駄作は存在しないと僕は思っています。でも、そう感じている方は決して少なくないはず。濃厚でありながらソフトで、ときに抑揚を効かせたシルキーなヴォーカルには、一度好きになったら離れられないほどの魅力が備わっていたからです。

したがって『Never Too Much』のみならず、以後のすべてのアルバムがおすすめなのですけれど、個人的には1988年作『Any Love』がとっても好きなんですよ。リリース当時は、おりしもバブル経済まっただなか。安い中古車で夜の首都高速などを走りながら、このアルバムを(カセットテープで)楽しんでいたことをよく覚えています。“いかにもバブルっぽいシチュエーション”ですが、都会的なサウンドと抜群にフィットする彼の歌声は、間違いなく気分を盛り立ててくれたわけです。

『Any Love』といえば、なんといっても有名なのはファースト・シングルとして大ヒットしたタイトル・トラック。まさに夜のドライヴに最適な、上品でアーバンな(ダサい表現だ)アプローチがたまりません。押しすぎず、引きすぎもせず、とバランスのとれたヴォーカル・ワークは、ルーサーだからこそ実現できたものだといえます。

しかしもちろん、他の楽曲もおしなべて高品質。ストイックなトラック上でしなやかなヴォーカルを展開する冒頭の“I Wonder”からして最高ですし、セカンド・シングル“She Won’t Talk to Me”はパーカッシヴなサウンドも痛快であります。

さらに正統派のバラード・ナンバー“I Know You Want To”においては“あの声”の魅力がさらに際立ち、そうかと思えば続く“Come Back”ではキャッチーで親しみやすいアプローチを展開しています。でも親しみやすさでいえば、後半に登場する“Are You Gonna Love Me”も見逃し難いところ。ルーサーらしさをわかりやすく伝えてくれる楽曲であるだけに、初めて聴く人でも無理なく受け入れられるのではないかと思います。

3枚目のシングルとしてカットされた“For You to Love”も、聴きやすさのなかにしっかりとした芯を感じさせるミディアム。地味なタイプの楽曲ではあるものの、だからこそ訴えかけてくるのです。そして最後は、ゆったりとした落ち着きがポイントの“The Second Time Around”。バック・コーラスとのバランスも絶妙ですが、きわめてオーソドックスなスタイルでアルバムを締めくくってくれます。

ってなわけで全曲がおすすめなのですけれど、じつは個人的にもっともプッシュしたい楽曲が“Any Love”の次に収録されているんですよ。メジャー・ハリスの代表曲をカヴァーした“Love Won’t Let Me Wait”がそれ。コッテリ濃厚なハリスのオリジナルも最高ですけど、ルーサーはその持ち味を生かしつつ、さらに広がりのある表現を展開しているのです。後半の歌い回しなど感涙モノだし、聴くたびに「54歳の若さで世を去ったなんて、どう考えても早すぎたよなあ……」と、改めて感じたりしてしまいます。

でも、何度リプレイしても感動せずにはいられないナイス・リメイクだからこそ、じっくり味わってみていただきたいところです。

ところで冒頭で触れた「バー・ブラコン」、本当にいい店なので、大阪に用事があったときにはぜひ。僕もしばらくご無沙汰だから、今年はまた行かなくちゃ。




この連載が本になりました。

この連載が本になりました。厳選した30本の原稿を大幅に加筆修正し、さらに書き下ろしも加えた一冊。表紙は、漫画家/イラストレーターの江口寿史先生です。

ぜひお読みください!

 

 

音楽の記憶 僕をつくったポップ・ミュージックの話
印南敦史 著
自由国民社
¥1,540

■購入はこちらから⇒



◆バックナンバー
【1/11更新】八代亜紀『哀歌 -aiuta-』
この人のブルースが、誰にも真似のできない説得力を生み出すのは当然の話
【12/21更新】シック『Risqué』
ダンス・クラシック“Good Times”が残した功績の大きさについて、改めて考えてみよう
【12/15更新】ロニー・フォスター『Two Headed Freap』
若いヒップホップ・リスナーも、“Mystic Brew”を聴いてみればきっとピンとくるはず
【12/8更新】スティーリー・ダン『ガウチョ』
ドナルド・フェイゲン監修の最新リマスターで、さらにダイナミズムがアップしたぞ
【11/30更新】アン・ヴォーグ『Funky Divas』
完璧としか表現できないヴォーカルとコーラスは、ヒップホップ・テイストなトラックとも相性抜群
【11/16更新】シカゴ『Chicago Transit Authority』
「やりたいことを成し遂げよう」という意志が伝わる、後期のバラード路線とは違うアプローチが強烈
【11/10更新】プリンス『Prince』
『1999』『Purple Rain』についての個人的見解と、初期作品に関するプリンスについての思い
【11/2更新】ポール・サイモン『Hearts And Bones』
「駄作」とか「失敗作」とか、どこの誰が判断するんでしょうね。少なくとも僕はこのアルバムが大好きです
【10/19更新】アリス『アリスV』
どこの馬の骨かもわからない高校生にさえやさしかった谷村新司さんの逝去が、いまだに実感できない
【10/11更新】アリス・クーパー『School’s Out』
1969年のライヴ・パフォーマンスを観て刺激され、改めて聴きなおしてみたらやっぱり優秀であった
【9/21更新】あがた森魚『乙女の儚夢』
大正浪漫的世界観は、ロックのレコードが2万枚もある高円寺のエスニック料理店にもフィット

【9/14更新】マーヴィン・ゲイ『Here, My Dear』
ただでさえ誤解されやすい作品なのに、『離婚伝説』というセンスのない邦題がついちゃったものだから……

【9/7更新】B.B.キング『Live In Cook County Jail』
ブルースに詳しい先輩方の押しつけがましい自論を、B.B.キングはスルッと覆してくれた

【8/24更新】トーキング・ヘッズ『Stop Making Sense』
蘇ってくるのは、吉祥寺「バウス・シアター」で8回も観た40年前の記憶
【8/17更新】サンタナ『Moonflower』
超絶テクニックだけでなく、総合プロデューサー的な視野の広さがカルロス・サンタナの魅力

【8/10更新】ホレス・シルヴァー『The Tokyo Blues』
「あー! そう」に込めた思いとは? 日本での思い出を詰め込んだ、とても安心できる作品

【8/4更新】ボズ・スキャッグス『Silk Degrees』
同じ年にはイギリスからセックス・ピストルズが登場し、日本ではピンク・レディーがブームだったのでした

【7/21更新】Wham!『The Singles: Echoes from the Edge of Heaven』
1980年代初頭のあのころ、パンクスもワム!のキャッチーな音楽が大好きだったのだ

【7/14更新】グレッグ・オールマン『Laid Back』
小学生時代、一度見たら忘れられないジャケットのクセの強さに衝撃を受けたのでした

【7/7更新】グレイス・ジョーンズ『Nightclubbing』
エアコンが効きすぎてキンキンに冷えた部屋にピッタリの、クールでディープな快作
【6/22更新】ギャング・オブ・フォー『Solid Gold』
唯一無二のオルタナティヴ・パンク・ファンクは、ハイレゾとの相性も抜群だった
【6/15更新】ウィルソン・ピケット『The Exciting Wilson Pickett』
ジメジメと暑苦しい時期は、あえて熱の入ったソウル・ミュージックで乗り切ろう!
【6/8更新】アストラッド・ジルベルト『The Astrud Gilberto Album』
この人って、決して気負ってはいないのに、声を出すだけで空気の色を変えてしまいますよね
【6/1更新】ジミー・スコット『All Of Me ~ ライブ・イン・トーキョー』
人生、生きてりゃなんとかなるーー。そんな“真実”を見せつけたシンガーのライヴ・アルバム

【5/19更新】サマラ・ジョイ『Linger Awhile』
まさか2020年代に、オーセンティックなジャズ・ヴォーカルと出会えることになるとは

【5/11更新】キャロル・キング『Tapestry』
3世代に聴き継がれる名作を聴くたび思い出すのは、中学生時代にうろちょろしていた吉祥寺の風景
【4/20更新】メジャー・ハリス『My Way』
フランク・シナトラのあの曲もフィラデルフィア・ソウル色に染め上げた、“甘と陽”というべき名作

【4/13更新】イエロー・マジック・オーケストラ『テクノデリック』
いち早くサンプリングを取り入れ、数々の斬新な試みをわかりやすく提示してみせた秀作
【4/6更新】坂本龍一『12』
名作は数あれど、あえて新作を最高傑作としたいのは、坂本さんが一貫して自身をブラッシュアップしてきた人だから
【3/23更新】サム&デイヴ『ダブル・ダイナマイト』
ソウル・ミュージックの魅力を凝縮した最高のバラード(邦題も秀逸)が収録された珠玉の名盤

【3/16更新】ボビー・コールドウェル『After Dark』
突然の訃報を受けて聴きなおしてみたら、この人の豊かな才能を再認識させられた

【3/9更新】ブレッド『Baby I’m a Want You』
デヴィッド・ゲイツのメロディーとヴォーカルが思い出させるのは、切なく不器用な青春時代の記憶
【3/2更新】ヘアカット100『Pelican West - 40th Anniversary』
完成度が非常に高いファンカラティーナの名作を聴くと、どうしても思い出してしまうこと
【2/17更新】モブ・ディープ『The Infamous』
クイーンズの若き才能が生み出したヒップホップ・クラシック。でも、彼らは断じて「悪党」ではないぞ
【2/9更新】ザ・レジデンツ『Meet the Residents(pREServerd Edition)』
“目玉おやじのバンド”が50年近く前に発表した、いまだ新鮮でクリエイティヴなファースト・アルバム
【2/2更新】テレヴィジョン『マーキー・ムーン』
ウェスト・コースト・ロック全盛期に別の場所で誕生し、大きな影響を与えてくれたカルチャーの残像

【1/19更新】高橋ユキヒロ『サラヴァ!』
幸宏さんの作品はすべてが傑作。でも、いちばん心に残っているのはこのアルバムかな
【1/12更新】ジェフ・ベック『Blow By Blow』
クロスオーヴァー/フュージョンのさきがけともいえる、いまなお新しいファースト・ソロ・アルバム
【1/5更新】フランク・ザッパ『Joe's Garage Acts I, II & III』
ジャンルを軽く超越した“ザッパ的世界”を体験するたびに思い出すのは、コッソリ尊敬していた先輩のこと
【12/15】マイケル・ジャクソン『スリラー <40周年記念エクスパンデッド・エディション>』
あれから40年も経ってしまったとは。でも、いま聴いてみてもまったく色褪せていないところが圧巻です
【12/8】フリートウッド・マック『Tusk』
まさかクリスティン・マクヴィーが亡くなるだなんて、考えたことすらありませんでした
【12/2】マーヴィン・ゲイ『The Soulful Moods of Marvin Gaye』
マーヴィン・ゲイのデビュー作といえば思い出すのは、モンテル・ジョーダンの悲しそうな表情
【11/17】スティーヴ・ミラー・バンド『Fly Like An Eagle』
このバンドの持ち味は、①イナタさ、②能天気さ、③圧倒的なグルーヴ感、④新しもの好きな感じ
【11/10】E.D.P.S『BLUE SPHINX』
間違いなくニュー・ウェイヴの線上にあるけれど、もはやE.D.P.Sはひとつのカテゴリー

【11/3】KC & ザ・サンシャイン・バンド『All In a Night's Work』
軽く扱われすぎだという気がしなくもありませんが、実は深いソウル愛の持ち主だと思うんです
【10/20】はっぴいえんど『風街ろまん』
いちばん重要なポイントは、異国のJKにすら「なつかしい」と感じさせるニュアンスなのかも
【10/13】スペシャル・エド『Youngest in Charge』
名曲と名高い“I Got It Made”のみならず、アルバム単位でも楽しみどころ満載
【10/7】イーグルス『Eagles Greatest Hits Vol. 2』
考えてみると、このアルバムって聴いたことがなかった。でも当然ながら、思い出深い曲がいっぱい

【9/22】エヴァ・キャシディ『Live At Blues Alley』
旅立ってしまった友人たちのことを思い出させもする、表現力豊かで上質なライヴ・アルバム
【9/15更新】ウィルソン・フィリップス『Wilson Phillips』
存在すら忘れていたはずのお嬢さん方、じつはしっかり記憶に刻まれていたのでした
【9/8更新】サイモン&ガーファンクル『The Concert in Central Park』
ハプニングがカットされているところは少し残念。でも説得力は抜群の伝説的再結成ライヴ

【9/2更新】TLC『Crazysexycool』
明らかに異常だった1994年の後半に登場した、とてつもなくクオリティの高いR&Bクラシック

【8/18更新】リトル・フィート『ウェイティング・フォー・コロンブス“スーパー・デラックス・エディション” 』
評価が低すぎたバンドの底力が存分に発揮された、ライヴ・アルバムの金字塔

【8/4更新】矢沢永吉『YAZAWA』
強い上昇志向が導いたのであろう、1981年時点での“あるべき姿”
【7/22更新】スモーキー・ロビンソン『Being With You』
「この人しかいない!」と、目の前の恋愛を大きく勘違いしていた男を魅了した甘いサウンド

【7/15更新】マッシヴ・アタック『Blue Lines』
新宿CISCOから六本木WAVEヘ。1980〜90年代の記憶と連動している、ブリストル発のヒリヒリとしたサウンド
【7/7更新】高中正義『TAKANAKA』
音楽性、テクニック、ユーモアが見事に絡み合った“1977年のサウンドトラック”

【6/23更新】ザ・バンド『Music From Big Pink』
子どものころはピンとこなかったけど、大人になると、この深みがわかるようになってくるんだよ
【6/17更新】スティーヴィー・ワンダー『Hotter Than July』
誕生日パーティで“Happy Birthday”がかかると、みんなが「うぇ〜い!」ってなるのが耐えられない理由
【6/9更新】TOTO『IV』
TOTOがデビューしてから4年の間に、自分のまわりではいろいろなことが起こっていたのだった
【6/2更新】パーラメント『Motor-Booty Affair』
自分がくそまみれだってことを受け入れて、そいつを冗談にすることができるんなら、おめえはファンクだ
【5/19更新】ジョニ・ミッチェル『レディズ・オブ・ザ・キャニオン』
都会に峡谷があり、しかもそこがウェストコースト・ロックの拠点だったこと自体が純粋な驚き
【5/12更新】グローヴァー・ワシントン・Jr.『ワインライト』
喫茶店の窓から外を眺めながら聴いた、「クリスタルの……」じゃなくて“Just the Two of Us”

【4/22更新】ビル・ウィザース『スティル・ビル』
繊細な“コミュ障”タイプの偉人が残した傑作は、いまなお心に響いてくるのです』

【4/14更新】a-ha『Hunting High and Low』
ノルウェーのシンセ・ポップ・トリオについて、37年も経ってから初めて知ったこと
【4/8更新】リンダ・ロンシュタット『Cry Like a Rainstorm, Howl Like the Wind』
映画『リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス』から得た気づき
【3/25更新】ニュー・オーダー『Low-Life』
アルバムはちょっとねー」と偉そうに否定していたくせに、改めて聴いてみたら発言撤回の必要性が
【3/18更新】クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル『Pendulum』
近所の路地にあった古い一軒家から聞こえてきたCCRが、いまでも心に残っている理由
【3/11更新】ボビー・ウーマック『The Poet II』
失恋当日にボビー・ウーマックの歌を聴いて号泣した純粋な高校生は、いまどこでどうしているのか
【3/4更新】ウォーレン・G『レギュレイト…Gファンク・エラ』
強烈すぎて忘れられないのは、いきなり中止になって幻と化してしまった初来日公演

【2/18更新】ポール・マッカートニー&ウィングス『ヴィーナス・アンド・マース』
貸してもらったLPを、傷つけないように気をつけながら、じっくりと聴いた中学時代の記憶
【2/11更新】ナタリー・コール『Unforgettable…With Love』
戸惑いの向こう側に待ち構えていた、意外な、そして魅力的なイメージ・チェンジ
【2/4更新】フューズ・ワン『フューズ』
大音量で聴いてみたら、余計な思い込みがあっという間に吹き飛んでいったというお話
【1/21更新】マックスウェル『Maxwell's Urban Hang Suite』
個人的な妄想も、とことん突き詰めれば究極的なアートフォームになってしまうのだ

【1/14更新】アトランタ・リズム・セクション『Underdog』
確固たる自信を感じさせる職人バンドが、ヒット作のプレッシャーに負けることなく発表した秀作

【1/7更新】スザンヌ・ヴェガ『Solitude Standing』
35年の歳月を経てもなお“Luka”がズシンと心に響くのは、現実がさらに残酷なものだから?

【12/17更新】ブーツィー・コリンズ『The One Giveth, The Count Taketh Away』
突然耳に飛び込んできた“Shine-O-Mite (Rag Popping)”に、それはそれは衝撃を受けたのでした

【12/10更新】V.A.『Selections From Irving Berlin's White Christmas』
アメリカへの憧れを胸に抱きながら観ていた『ニューヨーク・パパ』は、イメージとちょっと違っていた
【12/3更新】バリー・ホワイト『Just Another Way To Say I Love You』
CMソングがきっかけで興味を持ったソウルのおじさんは、なんだか“語り”が大好きらしかった世間から“駄作”との評価を受ける作品は本当に駄作なのか、あらためて考えてみた

【11/19更新】ブラック・サバス『テクニカル・エクスタシー』
世間から“駄作”との評価を受ける作品は本当に駄作なのか、あらためて考えてみた
【11/12更新】ニック・ドレイク『ピンク・ムーン』
不遇のアーティストが残したミニマルで普遍的な作品が、世代間の溝を埋めてくれた話

【11/5更新】リック・ジェイムス『ストリート・ソングス』
紛うことなきファンク・クラシック“Super Freak”をニセモノ扱いした青年はその後……

【10/22更新】ザ・ビートルズ『レット・イット・ビー』
先入観を取り除いてくれた[スーパー・デラックス]の威力に、ただただ脱帽いたしました
【10/15更新】ジノ・ヴァネリ『ブラザー・トゥ・ブラザー』
ジャケットを見るたび蘇ってくるのは「ジノに申し訳ないことをしたなぁ……」という思い

【10/8更新】メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ『Sweet Sweetback's Baadasssss Song (An Opera)[The Original Cast Soundtrack Album]』
逝去した黒人映画監督が、初期アース・ウィンド&ファイアとともに生み出した遺産

【9/24更新】ボストン『幻想飛行』
MITを卒業したバリバリのエリートであるトム・ショルツが、音楽を極めた理由がわかった
【9/17更新】キャメオ『ワード・アップ』
大幅リストラを敢行して経営難を克服したファンク・バンドが、1980年代に残した歴史的遺産
【9/10更新】オインゴ・ボインゴ『Nothing to Fear』
80’s LAシーンの空気感がぎっちり詰まった、変態ファンク・グルーヴは圧巻のひとこと
【9/3更新】ビー・ジーズ『Timeless – The All-Time Greatest Hits』
「ビー・ジーズはディスコ時代に限る」と断言したくなる理由と、そこに重なる軽井沢の残像
【8/20更新】マディ・ウォーターズ『エレクトリック・マッド』
パブリック・エネミーのチャック・Dが絶賛するも、ブルース・ファンからの評価は低すぎません?
【8/13更新】渡辺貞夫『カリフォルニア・シャワー』
大好きなアルバムなのに、聴くたび“目張りのおじさん”のことを思い出すので困ります
【8/6更新】キッス『キッス・ファースト 地獄からの使者』
ロックンロールの歴史に残る名盤は、チョコレート・ケーキが好きな火吹き男の生真面目さから生まれた?
【7/23更新】SHAKATAK『ナイト・バーズ』
思い出したくもないあのころとは違って聞こえる、どこか愛しいブリティッシュ・ジャズ・ファンク
【7/16更新】スティーヴィー・ワンダー『ホッター・ザン・ジュライ』
“Happy Birthday”の日本での“使われ方”が、どうしても納得いかないんですよ

【7/9更新】キャプテン&テニール『Love Will Keep Us Together』
好きだなんて、ちょっと恥ずかしくて素直に口に出せない。だけど、じつは大好き

【7/6更新】ジョニ・ミッチェル『ミンガス』
初めて買ったジョニ・ミッチェル作品を所有できたのは、ほんの数ヶ月間のこと

【6/18更新】スティール・パルス『True Democracy』
デヴィッド・ハインズのパイナップル頭が、違和感なく説得力を投げかけた理由

【6/11更新】チャック・マンジョーネ『Feels So Good』
高校時代、オーディオ・マニアだったクラスメイトのレコード所有数に驚いた話

【6/4更新】パブロ・クルーズ『A Place in the Sun』
サーファーカットの丘サーファー(ダサい)を魅了した、魅惑のサーフ・ロック・バンド

【5/21更新】ラムゼイ・ルイス『Sun Goddess』
「やっとたどり着いたあの曲」を聴くたびに思い出すのは、夕暮れの高円寺の空

【5/14更新】アメリカ『名前のない馬』
「名前のない馬」を耳にするとなぜもの悲しくなってしまうのか、改めて聴きながら考えてみた

【5/7更新】ザ・ジミー・キャスター・バンチ『Supersound』
「本気のバカ」のかっこよさを、いろいろな意味で実感させてくれる人の“誤解されやすい名盤”

【4/23更新】オールマン・ブラザーズ・バンド『フィルモア・イースト・ライヴ』
「やっぱりオリジナルのフォーマットが超強力だよなぁ」と思わせてくれる傑作ライヴ

【4/16更新】ジョルジュ・ムスタキ『Olympia 1977』
歳中学生時代の古文の先生が教えてくれたのは、フランスの仙人みたいなアーティスト

【4/9更新】グレイトフル・デッド『ブルース・フォー・アラー』
歳を重ねてわかったのは、「グレイトフル・デッドは沼である」という絶対的真理

【4/2更新】ポール・スタンレーズ・ソウル・ステーション『ナウ・アンド・ゼン』
コッテリと濃厚、そしてスウィート。“あの人”がつくった、まさかのソウル・アルバム

【3/19更新】デヴィッド・ボウイ『Heroes』
いろいろな意味で“センス”の大切さを教えてくれた、中学生時代の女友だちの話

【3/12更新】コモン『Resurrection』
ステージを隔てて目が合ったとき、シカゴから来たラッパーはニコッと微笑んでくれた

【3/5更新】エレクトリック・ライト・オーケストラ『ディスカバリー』
思い出させてくれるのは、満ち足りていたころの残像と、多くを失ってしまったあとの記憶

【2/19更新】ジャネット・ジャクソン『コントロール』
物静かな“漫画家の卵”に、お昼ごはんをご馳走してもらった日のサウンドトラック

【2/12更新】ジェイムス・テイラー『JT』
いつの間にか「ハンディ・マン」を必要とせず生きられるようになっていたこと

【2/5更新】ソルトン・ペパ『ヴェリー・ネセサリー』
思い出すのは、御徒町にあったイケてないソウル・バーでのDJプレイ

【1/22更新】ダラー・ブランド『アフリカン・ピアノ』
ハイレゾがリアリティを高めてくれる、情熱的で上品なアフリカン・ジャズ・ピアノ作品

【1/15更新】ブランド・ヌビアン『One for All』
“90年代を代表するヒップホップ・クラシック・アルバムに、「30年」の早さを実感

【1/8更新】ザ・ブルーベルズ『Sisters』
“うまくいかない青春時代”を彩ってくれた、明るくポジティブなギター・ポップの秀作

【12/18更新】ダリル・ホール&ジョン・オーツ『Big Bam Boom』
アーサー・ベイカーのエレクトロニック・サウンドが炸裂する、インパクト抜群の1984年作

【12/11更新】デイナ・デイン『Dana Dane with Fame』
1980年代に残されたマニア好みのパーティー・ラップ・アルバムが、まさかのハイレゾ化

【12/4更新】ジャクソン5『クリスマス・アルバム』
ジェームス・ブラウンも寵愛した5人兄弟の魅力が全開になった、とても楽しいクリスマス・アルバム

【11/20更新】ZZトップ『Tres Hombres』
味園ビルの「ZZ BAR」で意見をぶつけ合った夜のBGMは、ゴリゴリのハード・ブギーでした

【11/6更新】アイズレー・ブラザーズ『3+3』
オリジナル楽曲からカヴァー・ヴァージョンまで、すべてが完璧な極上のソウル/ファンク・アルバム

【10/23更新】ケニー・バレル『Midnight Blue』
高ジャケットはアナログ・レコード・サイズで、音はハイレゾで聴きたくなる珠玉のギター・アルバム

【10/16更新】カマロン・デ・ラ・イスラ『Al Verte Las Flores』
高校生時代の僕にフラメンコの魅力を教えてくれた、テクニカルで情熱的な作品

【10/9更新】ヴァン・ヘイレン『Tokyo Dome in Concert』
急逝したエディ・ヴァン・ヘイレンのプレイも冴えわたる、東京ドーム公演のライヴ・アルバム

【10/2更新】プリンス『Sign O' The Times』
バーニー・グランドマンによる2020年最新リマスターで蘇る、プリンスの最高傑作

【9/18更新】ジミー・スコット『ドリーム』
強烈な個性を備えた大器晩成型のジャズ・シンガーだから歌える、深みあるバラードの数々

【9/11更新】チェザーレ・パスタネッラ・アフロディアスポラ『THE ROUND TRIP』
実力派のパーカッション奏者が、世界各地の音楽のエッセンスを吸収してつくりあげた高精度な作品

【9/4更新】オーティス・レディング『Complete & Unbelievable: The Otis Redding Dictionary of Soul』
上田正樹さんによるカヴァーを通じて知った、“Try a Little Tenderness”を含む、最後のオリジナル・アルバム

【8/21更新】シック『Risque』
オールドスクール・ヒップホップの創造性とリンクする、1970年代後期ファンクの名作

【8/14更新】アラン・パーソンズ・プロジェクト『Eye in the Sky』
1980年代を代表するヒット・アルバムが思い出させるのは、20代から続く友人との思い出

【7/17更新】ドナルド・フェイゲン『Kamakiriad』
決して評価は高くないかもしれないけれど、完成度は文句なし。個人的な思い出とも絡む秀作。

【7/10更新】アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『モーニン』
ファンキー・ジャズの名盤が思い出させるのは、お茶の配達をしていたころの記憶

【7/3更新】ロッド・スチュワート『Every Picture Tells a Story』
最初は魅力がわからず、でも大人になって聴きなおしたら、印象がガラリと変わったサード・ソロ

【6/19更新】ノラ・ジョーンズ『Come Away With Me』
壮大阪から単身上京してきた友人が連れて行ってくれた店で、20年近く前に流れていた作品

【6/12更新】リンダ・ロンシュタット『Hasten Down the Wind』
壮大なアメリカのポップ・ミュージックの実力を痛感させた、歌の実力が際立つ名作

【6/5更新】ザ・クラッシュ『コンバット・ロック』
クラッシュの原点回帰作が思い出させてくれる、うまくいかなかった日々の記憶

【5/22更新】ビリー・ジョエル『Piano Man』
新型コロナが改めて実感させてくれた、“You’re My Home”への思い入れの強さ

【5/15更新】スティーヴィー・ワンダー『In Square Circle』
チープになりがちなデジタル・サウンドを絶妙に使いこなした、1980年代のスティーヴィー・ワンダー像

【5/8更新】ヴァン・ヘイレン『Van Halen』
エディ・ヴァン・ヘイレンの超絶テクニックに衝撃を受けながらも、コピーしようとは思わなかった理由

【4/24更新】ザ・ドゥービー・ブラザーズ『Livin’ On the Fault Line』
三鷹にあったエレキギター専門店の記憶と連動する、後期ドゥービーの“目立たないけど優秀な作品

【4/17更新】Ol' Dirty Bastard『Return to the 36 Chambers: The Dirty Version (25th Anniversary Remaster)』
キレッキレのハードコア・ラップを聴きながら、25年前に知り合った青年の現在に思いを馳せる

【4/10更新】TOTO『TOTO』
思い出させてくれるのは、ロサンジェルスの住宅地でひとり“Hold the Line”を聴いていたときの情景

【3/19更新】シンディ・ローパー『シーズ・ソー・アンユージュアル』
ペラッペラで大嫌いだった80年代前半のポップ・ミュージックのなか、例外的に大好きだった作品

【3/13更新】アニタ・ベイカー『ラプチュア』
趣味全開の音楽バーを開いた大阪の友人を思い出させる、大人のためのスロウ・ジャム

【3/6更新】THE BLUE HEARTS『THE BLUE HEARTS』
あのころ、「終わらない歌」に共感したソウルメイト、チャーリーはいま……

【2/21更新】ジェイムス・テイラー『Mud Slide Slim and the Blue Horizon』
ジェイムス・テイラーを聴くと思い出すのは、喫茶店で知り合ったジェイムスのこと

【2/14更新】クルセイダーズ『ストリート・ライフ』
クルセイダーズのヒット作が思い出させてくれるのは、学校帰りに立ち寄ったコーヒーショップの記憶

【2/7更新】トーキング・ヘッズ『Remain in Light』
タズタに引き裂かれていた気持ちを盛り立ててくれたのは、圧倒的なアフリカン・ビート

【1/24更新】ザ・ローリング・ストーンズ『Beggars Banquet』
サイケデリック路線から原点に回帰。個人的にも最高傑作だと感じている1968年の奇跡

【1/17更新】ジョー奥田『Tokyo Forest 24Hours』
「人工の森」である明治神宮の“音”をバイノーラル・レコーディングした作品

【1/10更新】マンハッタンズ『Atfer Midnight』
高校3年生の春、学校帰りに駅前のレコード店で買った極上のソウル・ヴォーカル・アルバム

【12/20更新】イーグルス『Please Come Home For Christmas/Funky New Year』
オリジナル・アルバムは収録されていない、知られざるクリスマス・ソングとニューイヤーズ・ソング

【12/13更新】KISS『キッス・ファースト 地獄からの使者 - Kiss』
ファイナル・ツアーを開催中の“地獄の軍団”が、45年も前に生み出した完成度抜群のファースト

【12/6更新】ノーティ・バイ・ネイチャー『Poverty's Paradise』
当時の記憶をも呼び起こす、90年代のヒップホップ全盛期を代表する傑作

【11/22更新】ボブ・ディラン『ストリート・リーガル』
評価は高くなかったけれど、いま聴きなおせば完成度の高さを実感。個人的にはいろいろな思いがある作品

【11/15更新】スモーキー・ロビンソン『Yes It’s You Lady』
普通のことを普通にやっているだけ。だからこそ長く聴き続けられる、スモーキーの隠れ名盤

【11/8更新】ジャクソン・ブラウン『Running on Empty』
さまざまなシチュエーションで録音された音源とライヴ・シーンが交錯する、魅力的な作品

【10/25更新】マーヴィン・ゲイ『What’s Going On Live』
「10歳だったあのころ、海の向こうでマーヴィン・ゲイが歌っていたのか」と思いを馳せると……

【10/18更新】トム・ウェイツ『Heartattack And Vine』
20代のころの大切な仲間を思い出させてくれもする、地味ながらも心に染みるさくれた名作

【10/11更新】チェット・ベイカー『イン・トーキョー』
メ映画「マイ・フーリッシュ・ハート」が思い出させてくれた、東京のチェット・ベイカー

【10/4更新】プリファブ・スプラウト『From Langley Park to Memphis』
メロディが魅力を失いつつあった時期に、メロディの美しさを見せつけてくれた秀作

【9/20更新】ザ・カーズ『Heartbeat City』
リック・オケイセックの訃報がきっかけで聴きなおした“Drive”が、思い出させてくれたこと

【9/13更新】ジェイムス・テイラー『The Warner Bros. Albums: 1970-1976』
じっくり聴き込むにも聴き流すにも最適な、ワーナー時代の全アルバムをコンパイルした豪華セット

【9/6更新】ディープ・パープル『Shades of Deep Purple』
チープな牛丼チェーンの記憶と連動してしまう、ディープ・パープルのファースト・アルバム

【8/23更新】ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ『The Velvet Underground & Nico』
アンディ・ウォーホルによる「バナナ・ジャケット」も有名な、絶妙のバランスがクセになる傑作

【8/9更新】ニルヴァーナ『Nevermind』
当時のティーンエイジャーの不満や不安のはけ口となった、グランジ・ムーヴメントの火つけ役

【8/2更新】ケニー・ドーハム『Una Mas』
ボッサのリズムが強力なタイトル曲を筆頭に、モダン・ジャズにおける重要人物の力量が遺憾なく発揮された秀作

【7/19更新】カーリー・サイモン『No Secrets』
素晴らしく完成度の高いアルバム。なのに、余計な情報までがついてまわるサード・アルバム

【7/12更新】フィービ・スノウ『Phoebe Snow』
これからもきっと聴き続けることになる、大好きなシンガーソングライターのデビュー・アルバム

【7/5更新】KISS『Alive!』
ライヴ・バンドとしてのKISSのポテンシャルが最大限に発揮された、スケールの大きなライヴ・アルバム

【6/21更新】マイルス・デイヴィス『Doo-Bop』
頭の硬い方々からの評価は厳しいものの、時代性を色濃く反映した秀作だったことは事実

【6/14更新】ドクター・ジョン『Dr. John’s Gumbo』
謎の留年大学生が教えてくれた、セカンド・ラインの心地よさ

【6/7更新】アース・ウィンド&ファイア『Faces』
リリース当時はいまひとつ評価の芳しくなかった大作も、いま改めて聴けばなかなかに新鮮

【5/24更新】クルセイダーズ『Street Life』
ジョー・サンプルが、本作リリース後のランディ・クロフォードについて語ってくれたこと

【5/17更新】マイケル・ジャクソン『Off The Wall』
アイスコーヒーを飲みながら、井上と聴いた“Don’t Stop ‘Til You Get Enough”

【5/10更新】フリートウッド・マック『Rumours』
コーヒーショップで出会ったクリスチャン・グループの彼はいまどこに?

【4/19更新】ザ・ビートルズ『The Beatles』
ザ・ビートルズの名作に刻まれているのは、中学時代の親友との思い出

【4/12更新】サリナ・ジョーンズ『My Love』
サリナの名作を聴くたびに思い出すのは、本人を怒らせてしまった痛恨のミス

【4/5更新】萩原健一『熱狂・雷舞』
ショーケンの才能が明確に表れたライヴ・アルバムは、亡き叔父との記憶とも連動

【3/29更新】ザ・スミス『Meat Is Murder』
30数年前と現在をつなげてくれることになった、いま聴いてもまったく色褪せない名作

【3/22更新】スティーヴ・ミラー・バンド『Fly Like an Eagle』
日本での評価は低すぎる? 誰にも真似のできない「イナタい」かっこよさ

【3/15更新】ニール・ヤング『Greatest Hits』
深夜の碓氷峠で、トラックにパッシングされながら聴いた“Harvest Moon”

【3/8更新】フォガット『LIVE!』
火事で憔悴しきっていたときに勇気づけてくれた、痛快で爽快なブギー・アルバム

【3/1更新】ニーナ・シモン『ボルチモア』
尊敬する人が旅立った日の夜に聴きたくなった、ニーナ・シモンの隠れた名作

【2/22更新】ダイアー・ストレイツ『Communique』
衝撃的だったデビュー作にくらべれば明らかに地味。わかってはいるけれど、嫌いになれないセカンド・アルバム

【2/15更新】ウィリー・ネルソン『Stardust』
アメリカン・スタンダード・ナンバーを取り上げた、ブッカー・T.ジョーンズ・プロデュース作品

【2/8更新】ビル・ウィザース『スティル・ビル』
コンプレックスを抱えた苦労人だからこそ表現できる、暖かく、聴く人の心に寄り添うようなやさしい音楽

【2/1更新】フランク・シナトラ『The Centennial Collection』
シナトラの魅力を教えてくれたのは、あのときの上司、そしてバリ島のプールサイドにいた初老の男性

【1/25更新】マライア・キャリー『マライア』
南青山の空気と好きだった上司を思い出させてくれる、いまなお新鮮なデビュー・アルバム

【1/18更新】バリー・マニロウ『Barry』
地道な努力を続けてきた才人による、名曲「I Made It Through The Rain」を生んだ傑作

【1/11更新】渡辺貞夫『マイ・ディア・ライフ』
FM番組とも連動していた、日本のジャズ/フュージョン・シーンにおける先駆的な作品

【12/28更新】ビリー・ジョエル『52nd Street』
『Stranger』に次ぐヒット・アルバムは、1978年末のカリフォルニアの記憶と直結

【12/21更新】チャカ・カーン『I Feel For You』
ヒップホップのエッセンスをいち早く取り入れた、1980年代のチャカ・カーンを象徴するヒット作

【12/14更新】ドン・ヘンリー『I Can't Stand Still』
イーグルスのオリジナル・メンバーによるファースト・ソロ・アルバムは、青春時代の記憶とも連動

【12/7更新】Nas『Illmatic』
90年代NYヒップホップ・シーンに多大な影響を与えた、紛うことなきクラシック

【11/30更新】イエロー・マジック・オーケストラ『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』
最新リマスタリング+ハイレゾによって蘇る、世界に影響を与えた最重要作品

【11/23更新】ライオネル・リッチー『Can’t Slow Down』
世界的な大ヒットとなった2枚目のソロ・アルバムは、不器用な青春の思い出とも連動

【11/16更新】クイーン『オペラ座の夜』
普遍的な名曲「ボヘミアン・ラプソディ」を生み出した、クイーンによる歴史的名盤

【11/9更新】遠藤賢司『東京ワッショイ』
四人囃子、山内テツらが参加。パンクからテクノまでのエッセンスを凝縮した文字どおりの傑作

【11/2更新】ザ・スリー・サウンズ『Introducing The 3 Sounds』
「カクテル・ピアノ」のなにが悪い? 思春期の少年に夢を与えてくれた、親しみやすいピアノ・トリオ

【10/26更新】ロバータ・フラック『やさしく歌って』
1970年代の音楽ファンを魅了した才女の実力は、「ネスカフェ」のCMソングでもおなじみ

【10/19更新】井上陽水『陽水ライヴ もどり道』
思春期の甘酸っぱい思い出をさらに際立たせてくれるのは、立体感のあるハイレゾ・サウンド

【10/12更新】カーペンターズ『シングルズ 1969-1981』br>思春期の甘酸っぱい思い出をさらに際立たせてくれるのは、立体感のあるハイレゾ・サウンド
【10/5更新】エアロスミス『Rocks』
倉庫でレコーディングされた名盤が思い出させてくれるのは、クリスチャンの人たちとの思い出

【9/28更新】サイモン&ガーファンクル『Bookends』
消息不明の親友との記憶を思い出させてくれる、個人的にとても大きな価値のある作品

【9/14更新】マーヴィン・ゲイ『I Want You』
リオン・ウェアとマーヴィン、それぞれの実力が理想的なかたちで噛み合った“夜の傑作”

【9/10更新】エアプレイ『ロマンティック』
ジェイ・グレイドンとデイヴィッド・フォスターによる“限定ユニット”が生み出したAORの名作

【8/27更新】上田正樹とSOUTH TO SOUTH『この熱い魂を伝えたいんや』
日本を代表するソウル・シンガーの原点ともいうべき、ハイ・クオリティなライヴ・アルバム

【8/19更新】アレサ・フランクリン『Live At The Fillmore West』
サンフランシスコのロック・ファンをも見事に魅了してみせた歴史的ライヴ

【8/13更新】ボビー・コールドウェル『イヴニング・スキャンダル』
南阿佐ヶ谷のカフェでの記憶と、ボビー本人の意外なキャラクター

【8/2更新】バド・パウエル『ザ・シーン・チェンジズ』
奇跡のピアノ・トリオが掘り起こしてくれるのは、三鷹のジャズ・バーで人生を教わった記憶

【7/27更新】ロッド・スチュワート『Atlantic Crossing』
「失恋マスター」を絶望の淵に追いやった「Sailing」を収録。言わずと知れたロック史に残る名作

【7/20更新】エア・サプライ『Live in Hong Kong』
魅惑のハーモニーが思い出させてくれるのは、愛すべき三多摩のツッパリたちとの思い出

【7/13更新】アース・ウィンド&ファイア『The Best Of Earth, Wind & Fire Vol. 1』
親ボビーとの気まずい時間を埋めてくれた「セプテンバー」を収録したベスト・アルバム

【7/6更新】イーグルス『Take It Easy』
16歳のときに思春期特有の悩みを共有していた、不思議な女友だちの思い出

【6/29更新】ジョー・サンプル『渚にて』
フュージョン・シーンを代表するキーボード奏者が、ザ・クルセイダーズ在籍時に送り出した珠玉の名盤

【6/22更新】スタイル・カウンシル『カフェ・ブリュ』
ザ・ジャム解散後のポール・ウェラーが立ち上げた、絵に描いたようにスタイリッシュなグループ

【6/15更新】コモドアーズ『マシン・ガン』
バラードとは違うライオネル・リッチーの姿を確認できる、グルーヴ感満点のファンク・アルバム

【6/8更新】デレク・アンド・ザ・ドミノス『いとしのレイラ』
エリック・クラプトンが在籍したブルース・ロック・バンドが残した唯一のアルバム

【6/1更新】クイーン『Sheer Heart Attack』
大ヒット「キラー・クイーン」を生み、世界的な成功へのきっかけともなったサード・アルバム。

【5/25更新】ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ『Live!』
「レゲエ」という音楽を世界的に知らしめることになった、鮮度抜群のライヴ・アルバム

【5/18更新】イーグルス『One of These Nights』
名曲「Take It To The Limit」を収録した、『Hotel California』前年発表の名作

【5/11更新】エリック・クラプトン『461・オーシャン・ブールヴァード』
ボブ・マーリーのカヴァー「アイ・ショット・ザ・シェリフ」を生んだ、クラプトンの復活作

【5/6更新】スティーヴィー・ワンダー『トーキング・ブック』
「迷信」「サンシャイン」などのヒットを生み出した、スティーヴィーを代表する傑作

【4/27更新】オフ・コース『オフ・コース1/僕の贈りもの』
ファースト・アルバムとは思えないほどクオリティの高い、早すぎた名作

【4/20更新】チック・コリア『リターン・トゥ・フォーエヴァー』
DSD音源のポテンシャルの高さを実感できる、クロスオーヴァー/フュージョンの先駆け

【4/12更新】 ディアンジェロ『Brown Sugar』
「ニュー・クラシック・ソウル」というカテゴリーを生み出した先駆者は、ハイレゾとも相性抜群!

【4/5更新】 KISS『地獄の軍団』
KISS全盛期の勢いが詰まった最強力作。オリジマル・マスターのリミックス・ヴァージョンも。

【2/22更新】 マーヴィン・ゲイ『ホワッツ・ゴーイング・オン』
ハイレゾとの相性も抜群。さまざまな意味でクオリティの高いコンセプト・アルバム

【2/16更新】 ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース『スポーツ』
痛快なロックンロールに理屈は不要。80年代を代表する大ヒット・アルバム

【2/9更新】 サイモン&ガーファンクルの復活曲も誕生。ポール・サイモンの才能が発揮された優秀作
【2/2更新】 ジョニー・マーとモリッシーの才能が奇跡的なバランスで絡み合った、ザ・スミスの最高傑作
【1/25更新】 スタイリスティックス『愛がすべて~スタイリスティックス・ベスト』ソウル・ファンのみならず、あらゆるリスナーに訴えかける、魅惑のハーモニー
【1/19更新】 The Doobie Brothers『Stampede』地味ながらもじっくりと長く聴ける秀作
【1/12更新】 The Doobie Brothers『Best of the Doobies』前期と後期のサウンドの違いを楽しもう
【12/28更新】 Barbra Streisand『Guilty』ビー・ジーズのバリー・ギブが手がけた傑作
【12/22更新】 Char『Char』日本のロック史を語るうえで無視できない傑作
【12/15更新】 Led Zeppelin『Houses of the Holy』もっと評価されてもいい珠玉の作品
【12/8更新】 Donny Hathaway『Live』はじめまして。




印南敦史 プロフィール

 

印南敦史(いんなみ・あつし)
作家、書評家。1962年東京生まれ。音楽ライター、音楽雑誌編集長を経て独立。現在は書評家として月間50本以上の書評を執筆。ベストセラー『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)を筆頭に、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書に学んだライフハック――「仕事」「生活」「心」人生の質を高める25の習慣』(サンガ)ほか著書多数。12月14日発売の最新刊は『それはきっと必要ない: 年間500本書評を書く人の「捨てる」技術』(誠文堂新光社)。6月8日「書評執筆本数日本一」に認定。音楽評論家としては、ヒップホップなどのブラック・ミュージックからクラシックまでを幅広くフォローする異色の存在。





ブログ「印南敦史の、おもに立ち食いそば」

 | 

 |   |