永遠のマスターピース”Take Five”を含んだ、クール・ジャズの名手の名演アルバム
ジョージ・マーティンのレーベルやCBS等でプロデューサー、エンジニアとして腕を磨いたデイヴィッド・リチャードソンが名ロック・バンド”ジェスロ・タル”のメンバーと組んで設立し、40年以上に渡り数多くの名作品を送り出し現在も活躍中のイギリスの老舗スタジオ&レーベル「SRT(Sound Recording Technology)」。その膨大なアーカイブの中から、ウエスト・コースト・ジャズ、クール・ジャズを代表するアーティスト、デイヴ・ブルーベックの編集盤が登場!
'20年に生まれたデイヴ・ブルーベックは母親のレッスンの元クラシック音楽を学び、現代音楽家のダリウス・ミヨーに従事する等高度な音楽素養を身につけジャズ界に飛び込んできたピアニストで、'49年にアルバム・デビュー。知的で洗練された新たなジャズ”クール・ジャズ”の代表的存在として西海岸を中心に人気を博したジャズ・ジャイアントの一人である。
今作は'59年~61年にかけての録音作品で、彼の歴代の中でも最高のカルテットと言われているデイヴ・ブルーベック(P)、ポール・デスモンド(Sax)、ユージン・ライト(B)、ジョー・モレロ(Dr)という布陣で演奏されたものを集めた作品。日本でもCM等で使用され、多くの人が耳にしたことがあるであろうキラーチューン「テイク・ファイヴ」を収録。スリリングな5拍子に絡まる哀愁と深み溢れる親しみやすいメロディーはいつの時代も色褪せない名曲中の名曲。他の曲もとても聴きやすい軽快なグルーヴとメロディーに溢れ、流れるようなフレージングと澄んだ心地良い音色のピアノとサックスをたっぷりと聴かせてくれる。5拍子、7/8拍子、9/8拍子等変拍子も多く見られるが、ポップなメロディーと柔らかなリズムのため自然にすっと耳に入ってくるのは誰にも真似出来ない彼らならではの持ち味。後のプログレッシブ・バンド達にも影響を与えたという複雑なリズム・チェンジもさらりと聴かせる等、個性派カルテットとしての高い力量もたっぷりと味わえる。オススメは、彼を語る上で決して外す事ができない1曲目「Take Five」、リズム・チェンジのセンスが抜群の2曲目「Kathy's Waltz」、”草競馬”の邦題でCMにもよく使われた曲のカヴァーの3曲目「Campdown Races」、ハンドクラップが楽しい6曲目「Unsquare Dance」。
’50年代に一時代を築いたクール・ジャズの名手としてこれからもずっと語り継がれるであろうデイヴ・ブルーベック率いるカルテットの実験精神とポップな旋律が両立した名曲群がたっぷりと楽しめるオススメ作品!
Dave Brubeck (Piano)
Paul Desmond (Alt Sax)
Eugene Wright (Bass)
Joe Morello (Drums)
【Take Five/The Dave Brubeck Quartet/ハイレゾ】