魂に響く伝説のチェリスト、ジャクリーヌ・デュプレのほとばしる情熱
ジョージ・マーティンのレーベルやCBSなどでプロデューサー、エンジニアとして腕を磨いたデイヴィッド・リチャードソンが名ロック・バンド”ジェスロ・タル”のメンバーと設立したイギリスの老舗スタジオ&レーベル「SRT(Sound Recording Technology)」。40年以上に渡り、現在もなお多くの名作品を送り出している「SRT」の膨大なアーカイブの中から、若くして亡くなった天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュプレの代表作をご紹介!
演奏は1904年に設立し、ロンドンで最も古いオーケストラのロンドン交響楽団によるもの。エリザベス女王がパトロンを務める「女王陛下のオーケストラ」としても知られている。伝統を守りつつ、『スター・ウォーズ』など200本以上の映画のサウンドトラックを手掛けていることでも有名。本作は同楽団がソリストにジャクリーヌ・デュ・プレ、指揮者にジョン・バルビローリを迎え、エルガーの最後の大作「チェロ協奏曲 ホ短調作品85」を演奏しアルバムだ。
いまやエルガーの代表作に挙がるほどポピュラーになった本作であるが、初演の評価は芳しくないものだった。エルガー自身がタクトを振った1919年のその初演では、ロンドン交響楽団のチェリストの1人にバルビローリが参加していたという。それから数十年後の1962年、バルビローリの指揮による16歳のデュ・プレとロンドン交響楽団の演奏で「チェロ協奏曲 ホ短調作品85」は名声を獲得し、一気に人気作品へと化した。デュ・プレは20代で難病にかかり、チェリストとして活動したのは12年というわずかな期間だ。彼女の代表作となった生命力と情熱、力強さがみなぎる「チェロ協奏曲 ホ短調作品85」の演奏は今も輝きを失わずに人々を虜にしている。
聴きどころは第2楽章の冒頭、チェロが3度に渡ってオケに呼び掛けるようなメロディを鳴らし、ついにオケが応じて“合流”する瞬間。また、総まとめの第4楽章が、不穏かつ荘厳なメロディから始まり、ラストは聴き手が呼吸を忘れてしまいそうな勢いのある演奏で締めくくられるのもポイント。デュ・プレに心を揺さぶられる感動の1枚!
【エルガー: チェロ協奏曲 ホ短調作品85/Jacqueline du Pré, London Symphony Orchestra, Sir John Barbirolli/ハイレゾ】
1 Jacqueline du Pré[アーティスト], London Symphony Orchestra[アーティスト], Sir John Barbirolli[アーティスト], Edward William Elgar[作曲]
2 Jacqueline du Pré[アーティスト], London Symphony Orchestra[アーティスト], Sir John Barbirolli[アーティスト], Edward William Elgar[作曲]
3 Jacqueline du Pré[アーティスト], London Symphony Orchestra[アーティスト], Sir John Barbirolli[アーティスト], Edward William Elgar[作曲]
4 Jacqueline du Pré[アーティスト], London Symphony Orchestra[アーティスト], Sir John Barbirolli[アーティスト], Edward William Elgar[作曲]