気鋭のロシア人指揮者ラザレフのチャイコフスキー交響曲シリーズが遂に完結です。
ラザレフはこの第1番でも様々なロシアン・パッションを聴かせます。読響の演奏を劇的な激しさに導きながらもロミオとジュリエットでは情感豊かなロマンティシズムを見せるなど、ロシア人指揮者としての天才的感覚と稀有な存在感を見せています。
また、日本のオーケストラの中でも特に秀逸なアンサンブル力を見せる読響の機能美は抜群で、弦楽器と管楽器のクオリティが非常にバランス良く保たれており、音色のきめ細やかさなど聴きものです。
曲の構成をしっかりと抑えながらも概してテンポの速いラザレフのチャイコフスキー。激しいリズムから歌う旋律まで、聴くものを高揚させるエネルギーに満ちた演奏が轟きます。
【チャイコフスキー:交響曲 第 1番 「冬の日の幻想」、「ロメオとジュリエット」/アレクサンドル・ラザレフ, 読売日本交響楽団/ハイレゾ】