1998年からデンマーク室内管弦楽団(DCO)の首席指揮者を務めるアダム・フィッシャー。2006年から13年にかけてモーツァルトの交響曲全集(DACAPO)、2016年から19年にかけてベートーヴェンの交響曲全集(NAXOS)を録音し、批評家と聴衆双方から高い評価を得ました。特にベートーヴェンの交響曲全集では欧州各国で賞賛され、ICMA(International Classical Music Award)ではベートーヴェン・イヤーに出たすべてのCDの中のベストの評価を得ました。フィッシャーのDCO首席指揮者25周年を迎える2023年へ向けて録音されたブラームスの交響曲全集もこれまで以上の挑戦が聞かれる注目作です。フィッシャーとDCOのアプローチは、ヴィブラートを控えめにした透明感の高いサウンドと、速めのテンポでアクセントをしっかりと出した、いわゆるHIPスタイルが基調ですが、長年の研究に加えてフィッシャーの情熱的な性格も反映したと思われる大胆なフレージング、管と弦のバランスの巧みな操作などから生まれる新鮮な響きが随所に聴かれます。またヴァイオリン両翼配置と明確なボウイングさばきにより、例えば第1番第4楽章などに頻発する第1第2ヴァイオリン間でのフレーズの受け渡しの効果などが大変刺激的。ブラームスの交響曲を聞き込んだ人ほど驚きの瞬間が多々味わえるスリリングな演奏となっています。交響曲第1番は終始快速テンポを貫きながらも、要所要所にタメをいれることで曲全体にメリハリをつけています。落ち着いた第2楽章での表現や終楽章でのクライマックスに向けての盛り上がりが聴きどころです。第2番では、艶やかな弦の響きと対比する金管の高らかな音色が印象的。極めて弱音で始まり、突然の音の爆発が心地よい終楽章もフィッシャーならではの解釈と言えるでしょう。第3番は、とりわけデュナーミクやテンポの処理が大変印象的。思わずスコアを再確認したくなるほどの細やかな指揮に応えるオーケストラの手腕を存分に楽しめます。フィッシャーのピリオド解釈が光る第4番は、楽章ごとの性格が良く描き分けられており、息をもつかせぬ音楽が紡がれていきます。
【ブラームス: 交響曲全集/アダム・フィッシャー, デンマーク室内管弦楽団/ハイレゾ】
1 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
2 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
3 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
4 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
5 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
6 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
7 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
8 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
9 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
10 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
11 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
12 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
13 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
14 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
15 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]
16 デンマーク室内管弦楽団[アーティスト], アダム・フィッシャー[指揮], ヨハネス・ブラームス[作曲]