2016年スピヴァコフ国際ヴァイオリンコンクール第2位!話題の大型新人ヴァイオリニスト、鈴木舞スペシャル・インタヴュー!

2017/09/20
若手No.1指揮者の山田和樹もピスト・ピアニストとして登場するデビュー・アルバム『Mai favorite』をリリースしたヴァイオリニスト、鈴木舞。2016年5月に、ロシア・ウファで行われた「第1回 スピヴァコフ国際ヴァイオリンコンクール」で堂々の2位を獲得し、話題の大型新人として注目を集める彼女に、e-onkyo music独占でメールインタヴューを敢行。デビューアルバムについて、そして彼女の活動拠点であるミュンヘンについてなど、お話を伺ってみた。


『Mai favorite』/鈴木舞




「愛」と「死」にまつわる名曲を集たアルバム

--アルバムのリリースおめでとうございます。率直に現在のお気持ちをお聞かせください。

鈴木:どうもありがとうございます。沢山の方々のおかげで形になった、宝物の様な一枚です。とても嬉しく、皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

--今作はどのようなテーマを持って作られたアルバムになりますか?

鈴木:「Mai favorite」というタイトルの通り、小さい頃から大好きだったフランス音楽のなかでも、特に思い入れのある、私のお気に入りの曲たちです。

--今作の選曲はどのようにして決められたましたか?

鈴木:生きる上でのキーワード「愛」と「死」にまつわる名曲を集めました。
 なかでもプーランクのソナタは、プーランクの唯一の弟子であったタッキーノ先生のレッスンを受ける機会に恵まれ、またドビュッシーの小品、美しき夕暮れとケークウォークの二曲は、私の恩師アモイヤル先生の師であったハイフェッツによる編曲です。サンサーンスの序奏とロンドカプリチオーソも長い間温めてきた、私にとって特別な一曲です。

--ピアニストの實川風さんについて少しお教えください。

鈴木:東京芸大附属高校からの同級生で、現在はオーストリアのグラーツ在住です。もう10年もの間、度々共演してきました。ソロも素晴らしいのですが、アンサンブルでもバランス感覚に秀でていて、一緒に音楽を深めていけるピアニストです。

--今作には指揮者の山田和樹さんがピアニストとして参加しています。どのような経緯で参加となったのでしょうか?

鈴木:私のCD録音を知った山田和樹さんが、注目の作曲家の方々に新作委嘱するプロジェクトの一環として、このアルバムに2曲ほど加えてみないか、と発案してくださいました。そして山田さん自らがピアノを演奏してくださるという所までトントン拍子に決まっていきました。とても贅沢なボーナストラックになり、私としても思いがけない贈り物を頂いた気持ちです。大切に演奏していきたい曲です。

--山田和樹さんと一緒に演奏してみていかがでしたか?

鈴木:一言でいうと、音楽の吸引力がとても強い。共演者の新たな一面を引き出す事のできる音楽家だと思います。共演を通して彼の世界にぐいぐい引き込まれていきました。回数を重ねていくうちに自分の演奏が驚く程変わっていくのを感じ、一人では出せなかった音楽を引き出してもらったように思います。

[写真提供:キングレコード]

--現在、ミュンヘン在住との事ですが、どのような街ですか?

鈴木:生活と芸術がとても近くにある街です。素晴らしいオーケストラがいくつもあり、一流のアーティストたちによるコンサートを毎日のようにどこかで聴く事ができ、大きな歴史ある美術館もあります。ヨーロッパの真ん中にあり、どの街にでかけるにも便利な都市です。街中は観光客も多く活気に溢れていますが、その反面、地元のバイエルンの人々は、南ドイツらしい穏やかで優しい人が多いように感じます。以前住んでいたザルツブルクのように田舎すぎず、かといって東京のように都会すぎず、私にはちょうど良く暮らしやすい場所です。
 ヨーロッパの他の都市から演奏に来る音楽家たちに、聴衆の質が高いとよく言われます。私自身、コンサートで華やかな曲よりも、静かなしっとりした曲で会場が湧く事もあるので、心で聴いてくださる方が多いように感じています。

--ご自身で思う、鈴木舞というヴァイオリニストとは?

鈴木:自分を客観的に語る事は至難の技ですが、やはりフレンチレパートリーとの親和性を感じています。弾き込んでいく上で見えてくる風景が、自分の感覚としっくりくる事が多い。
フランスの絵画も好きで、例えばローランサンの特色あるタッチから溢れ出てくる「表情」を、そのまま音にできたらなと思う事もあります。

--最後に、e-onkyo musicのリスナーの皆さまへひとこと。

鈴木:今は驚くほど優れた音質で演奏が再現できる時代なので、演奏者にとってはシビアで、怖くもあります。
 その一方でリスナーの方々には、まるですぐそこで演奏を聴いている様な近い距離感を感じていただけるのではないでしょうか。
 お聴きいただく皆さまに私の表現したいものが少しでも多く届いたら嬉しいです。

--貴重なお話、ありがとうございました。

[写真提供:キングレコード]






◎ライヴ情報

2017年10月9日(月)
ミニライヴ&CDサイン会
タワーレコード渋谷店7Fイベントスペース
*詳細はこちらをご参照ください。

今後のコンサート情報


鈴木舞 プロフィール

神奈川県出身。2005年大阪国際コンクールグランプリ、2006年日本音楽コンクール第二位、2007年チャイコフスキー国際コンクール最年少セミファイナリスト。
2013年ヴァツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール(クロアチア)で第一位、オーケストラ賞。オルフェウス室内楽コンクール(スイス)第一位。2016年スピヴァコフ国際ヴァイオリンコンクール(ロシア)第二位。
東京芸術大学附属高校から同大学に進んだのち、ローザンヌとザルツブルクでピエール・アモイヤル氏に師事。在学中より内外でリサイタルやコンサートに出演し、小林研一郎、円光寺雅彦、飯森範親、金聖響、ニコラス・ミルトン、ヨルマ・パヌラ、イヴァン・レプシックらの指揮で、読売日響、東響、日本フィル、東京シティフィル、山形響、日本センチュリー響、名古屋フィル、広島交響楽団、神奈川フィル、ホーフ響、クロアチア放送響、ザグレブ・ゾリステン、ドブロブニク響等と共演し、バッハ、ベートーヴェン、パガニーニ、ラロ、シベリウスなどの協奏曲を演奏している。

最近ではフィンランド・クオピオ交響楽団と共演したショスタコーヴィチ第1番、チェコ・モラヴィアフィルとのモーツァルト第5番、クロアチア・ザグレブフィルとのメンデルスゾーン、スイス・ローザンヌ室内管とのプロコフィエフ第2番などが好評を得ている。
東京交響楽団と録音したベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲?第3楽章、マスネ:タイスの瞑想曲が日経ミュージックセレクションCD「モーニング・イン・クラシックス」に収録されたほか、山形交響楽団とのモーツァルト第4番は、e-onkyo musicのネット配信で聴く事ができる。
将来を嘱望される新世代のヴァイオリニストとして、2012年度シャネル・ピグマリオン・デイズ・アーティストに選ばれた。
2012年、2013年度、文化庁芸術家在外派遣研修員。2015年度、公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション奨学生。
使用楽器は1683年製のニコロ・アマティ。
ミュンヘン在住。

公式ホームページ

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