ALFA MUSIC ~イタリアの「粋」を体現するジャズ・レーベル~

2014/03/28
イタリア・ジャズ界の重鎮ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィをはじめ、アンドレア・ベネベンターノや女流ピアニスト、ステファニア・タリーニなど、イタリアを代表するアーティストを多く輩出、ここ日本でも欧州ジャズ・ファンを中心に根強い人気を誇るレーベル「ALFA MUSIC」。その珠玉の作品群10作が一挙ハイレゾ配信スタート。

世界中でヒットを記録し、イタリア産ピアノ・トリオの超人気盤としても知られる『TRINACRIA』をはじめ、イタリアジャズ界のオールスターが一同に会したハードバップの傑作『Seven』。更に繊細な美しさを放つ若手ピアニスト、フランシスコ・ネグロによる『Silentium』など、ピアノ・トリオを中心に、どれもが独自のカラーを放つ作品となっている。

ここでは、ジャズ・ファンを魅了する「ALFA MUSIC」の音楽性とサウンドの秘密を紐解くべく、レーベル創立者のひとりであり、A&R/プロデューサーも務めるファブリツィーオ・サルバトーレ氏にメールインタヴューを敢行。「ALFA MUSIC」のサウンドと音楽性について大いに語っていただいた。
ALFA MUSIC 配信タイトル一覧



左より レーベル創立者のFabrizio SALVATORE氏とALESSANDRO GUARDIA氏


- ALFA MUSICの歴史についてお教えください

Fabrizio Salvatore(以下 Fabrizio):会社を立ち上げたのは1989年ですが、当初はスタジオ機能のみで、自社作品ではなく他レーベルのアーティストのレコーディングやポストプロダクション業務を請け負っていました。 レーベル業務をスタートしたのは2000年からです。以降、Enrico Pieranunziをはじめ、Dino & Franco Piana、Andrea Beneventano, Stefania Talliniなどイタリアジャズ界でも有数のアーティスト作品を多数手掛けてきました。


- 音楽的なこと、またはマインドの部分でのレーベルの方針をお教えください。

Fabrizio:私たちは永続的に野心的な芸術作品を作り続けたいというポリシーをもっています。世界的にも有名なイタリアンジャズ界において、より優れた作品を生み出すために、技術面を重視した高品質な音づくりの追求、そしてサウンドレコーディングに対する内なる情熱をもって音楽制作に取り組んでいます。

また、私たちにとってアメリカ、ヨーロッパ、アフリカそしてアジアの文化との出会いは、いつも極めて重要なものです。こうした異文化との出会いによりイタリアンジャズは魅力的な発展を遂げました。今では、世界的に最も知られているオペラとほぼ同レベルで、”美しいイタリア音楽”の代名詞として現在広く認知されるに至りました。今こうして、最高のイタリアンジャズのミュージシャンたちについて紹介させて頂く機会を頂けたことを大変誇らしく思っています。


- サウンドに関してレーベルが定めるコンセプトは?

Fabrizio:はじめに「Hi-Jazz Italy」(2012年の始めに開始したALFA MUSICとForward Studiosのパートナーシップ)についてお話させて頂きます。
この画期的な制作スキームは、イタリアン・ジャズやインターナショナル・ジャズの専門家からの多くの要望に応じて構築されています。ALFA MUSICとForward Studiosは、プロデューサーやアーティストに利用してもらえる4つのレコーディングスタジオだけでなく、最先端のテクノロジーを備えたマスタリング・スタジオを所有しています。さらに、私たちのチームには、20年の音楽制作経験がある大変優秀なエンジニアたちがいます。ローマからたった数分のところにあるCastelli Romaniでは、リラックスした雰囲気の中で今までにないユニークな環境を提供しております。
最近では、自宅のレコーディングスタジオが一般化し、プラグインやデジタル製品が普及しているおかげで、誰もがエンジニアとなり、マスタリング工程までいつでも気軽に行うことができます。ただ実際にはマスタリング工程における決まりごとは、かなり複雑で細かいものです。
ハイレベルな機材と高品質な音づくりを追求してきた経験豊富なエンジニアによって生み出されるサウンドは、一般のそれとは格段の差があると私たちは自負しています。

「Hi- Jazz」では、サウンドづくりにおける「最善策の研究」に常に力をいれてきました。私たちのアウトボードを形成する音響機器の細かい吟味に長い時間を費やし、『ディザリング』の技術を高め、スタジオ内で利用できる音響機器に準拠した最適な『配線』を考慮しています。

私たちのサウンドづくりのコンセプトは「最大限にダイナミックであること」です。



- レコーディングの際は特定のエンジニアなどいらっしゃるのでしょうか?

Fabrizio:私たちのチームには、レコーディング/ミキシングとマスタリング専門のエンジニアが数人います。それぞれに専門的な技術をもつエンジニアたちは、制作工程(レコーディング/ミキシング/マスタリング)を通して常に協力し合いながら、お互いの経験を共有しています。「Hi-Jazz」の哲学は、レコーディング/ミキシングとマスタリングにかかわる全てのエンジニアが共有しています。根本的に私たちは常に、お互いの仕事に対して共通した尊敬の気持ちをもっています。




- 今回のハイレゾ配信に際して、どういったマスタリングの工程が行われたのですか?

Fabrizio:ここでは、アナログマスターからデジタルへのマスタリング工程についてお話します。私たちのレコーディング&ミキシングのパラメーターは、レーベル立ち上げ当初より96kHz/24bitに設定されています。この設定であるがゆえ、デジタル領域においても完璧なマスタリングを容易に実現することが出来ます。ただ私たちは自分たちのサウンドづくりの哲学に従って、高品質の優れたコンバーターであるアナログ・アウトボードを使って、アナログ・マスタリングすることに力を注いでいます。ハイレゾ愛好家に向けたALFA MUSIC作品は、先に述べた96kHz/24bitと同じ環境で制作されています。

私たちが目指すのは、ミュージシャンがつくりだす精力的で創造力に富むオリジナルサウンドを大切にし〈最高のナチュラルサウンド〉を実現することです。私たちは、ハイレベルの音楽機器や専門技術を有するチームに支えられ、ALFA MUSICの作品だとわかる〈サウンドコンセプト〉を浸透させてきました。私たちはこうした「Hi-Jazz」の知識を十分に活用して、世界中のプロデューサーやミュージシャンに提供したいと思っています。高品質の機器を備えた防音効果の高い場所で制作に取り組めば、必ず満足のいく結果を得られます。そのため、まずは音響環境を整え、その場所で、全ての音楽ジャンルにおいて重要なステップとなる〈サウンドレコーディング〉を行います。私たちのレコーディングエンジニア、音楽機器の充実や私たちと仕事をする優れたミュージシャンの専門性により、様々
な制作段階を充実させ、私たちが誇りとする独自の音楽作品を目指します。





- 日本では「ハイレゾ配信」が盛り上がりを見せていますがイタリアではどのような状況でしょうか?

Fabrizio:イタリアでは、ハイレゾ市場が急速に発展しており、若い世代からも注目を浴び始めています。加えて、ジャズは、クラッシック音楽のように、ハイレゾを心ゆくまで楽しむことのできる最適な音楽ジャンルといえます。正直な所、私たちは、MP3などの低品質の圧縮音源で音楽を楽しむシーンが近い将来、少なくなることを強く望んでいます。これは大手メーカーが製造している音楽デバイスの今後の方向性により左右されますが、私たちの理念はあくまで、音響技術の発展により実現可能となった最も高品質なサウンドをサポート・推進していくことです。


- 今後「ハイレゾで音楽を楽しむ」という文化に期待することなどあればお教えください。

Fabrizio:卓越したサウンドクオリティのみが〈Good Music〉と呼ぶにふさわしいと私たちは確信しています!ジャズという音楽ジャンルは、ミュージシャンたちの抑制できない感情を表現しています。最初のレコーディング・クオリティを基軸において、臨場感そのままにそのクオリティを最終音源で再現できれば、レコーディング時のミュージシャンたちの感情をリスナーは音源を通して疑似体験できます。これこそハイレゾによって実現可能となった音楽体験です。


- 最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

Fabrizio:ALFA MUSIC&Hi-Jazzは、e-onkyo musicの多大なるサポートにより、日本のファンの皆さまに最高のイタリアン・ジャズをハイレゾ品質でお届けする機会を頂けたことを大変嬉しく思っています。美しく、そして幻想的なイタリアンジャズの世界をどうぞお楽しみ下さい。


- 貴重なお話大変ありがとうございました。


ALFA MUSIC 配信タイトル一覧




機材リスト - Forward Studios
Software:
Sound Blade HD - ProTools 10 - Weiss Saragon - Peak Pro 7

Mastering Consoles:
Maselec MTC-2/Mixer Summing Livio Argentini 8 Channel

Speakers:
Proac Response Four (Customized by Forward Studios)/Chris Pelonis Model 42

Speakers amp.:
Audio Research VT200 Vacuum Tube/Krell 700CX Class A

WorldClock generators:
Antelope Atomic Clock - Antelope Isochrone Trinity

Converters:
Antelope Eclipse - Apogee PSX 100 Special Edition - Prism Sound ADA-8 - Lavry Engineering AD122-96
Forssell MADA2A

Digital Tools:
TC Electronic System 6000 - Weiss DS1-MK3 - Lavry Engineering 3000 S

Compressors:
Shadow Hills Mastering Compressor - Vertigo VSC-2 - API 2500 - Pendulum Audio PL-2
Maselec MPL-2 - George Massenburg 8900 - The Phoenix Thermionic Culture

Processors:
Dangerous S&M - Vertigo Mix Satellite VSM-2 - Kush Audio Clariphonic - De-Esser Valley Audio
Livio Argentini Monster MSAL-118 - DBX 120A

EQ:
George Massenburg 9500 - ITI Equalizer - Dangerous BAX EQ - Pultec EQP-1 (2 x)
Lange Electronics PEQ-2 - API 550 A

Cd Player:
CD Player Studer D731



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