前作『Because the Night…』が、ここe-onkyo musicでもロングヒットを記録したシンガー、Ryu Miho。その繊細で美しいウィスパーヴォイスで、ジャズファンのみならず、オーディオファンからも支持を集める彼女の待望の新作『Call me』が7月27日に発売決定。e-onkyo musicでは、そのアルバムのリリースに先駆け6月29日と7月13日の2回に渡り、アルバム収録楽曲のDSD11.2MHzバージョンを独占先行配信!
第1弾として今回配信となるのは、エラ・フィッツジェラルドやノラ・ジョーンズらのカヴァーでも知られるジャズ・スタンダード“ザ・ニアネス・オブ・ユー(The Nearness Of You)”と、ミニー・リパートンの代表曲として知られる“ラヴィン・ユー(Lovin' You)”の2曲。“ザ・ニアネス・オブ・ユー”ではギタリストの小沼ようすけを迎えデュオ編成で、“ラヴィン・ユー”では今回サウンドプロデュースも務めたベーシスト川村竜と、ピアニストの宮本貴奈とのトリオ編成となっている。
今回の収録では、キングレコード関口台スタジオのDSDレコーディング・システム「Pyramix」にて収録。「東京の溜息」とも称されるRyu Mihoの繊細なウィスパー・ヴォイスの魅力を余すところなく捉えるベく、スペックはネイティヴDSD11.2MHzにて収録。
今回、e-onkyo musicでは、小沼ようすけと録音に挑んだ“ザ・ニアネス・オブ・ユー”の収録現場に潜入。収録を終えたばかりのハイレゾ・クイーン、Ryu Mihoご本人に新作について、そして今回行われたDSD録音についてのお話を伺ってみた。
― 今日の収録お疲れ様でした。まず7月にリリースされるニューアルバム『Call me』についてお伺いさせてください。心待ちにしていたファンも多いと思うのですが、アルバム『Call me』はどういった内容の作品に仕上がりそうですか?
Ryu Miho: 今作は、すごく「音」が良くて、聴いている人に音が「近い」作品になります。今回はサウンド・プロデュースを川村竜さんに手掛けて頂き、よりそのままというか、何も身に着けていないような、聴いている人に“より近くに感じられる”をコンセプトにしています。より生々しく「声」と「息づかい」が感じられる作品になっていると思います。
今日ギターを弾いていただいた小沼ようすけさんをはじめ、サックスの本多俊之さん、トランぺットの類家心平さんなど、ほぼジャズ・ミュージシャンの方に参加いただいているので、前作『Because the Night...』に比べると、より一層ジャズ寄りな作品になっています。
収録曲も、ノリのよい“Skindo-Le-Le”のような曲もあれば、“Love For Sale”などのジャズ・スタンダード、あとは洋楽ポップスや、オリジナル曲もちょっと収録されています。
― 前作『Because the Night..』はジャズ・ファンだけではなく、いわゆるオーディオ・ファンからも高い評価を得ている作品なのですが、ご自身ではどのように感じられていますか?
Ryu Miho: これは本当に嬉しいです!今日のレコーディングでも、とても良い音で録って頂けたので、本当に嬉しいんですけど、やっぱり今日の小沼さんの演奏を一番いい音で聴いているのってそこにいるミュージシャン側だなと思っていて。そんな音を、リスナーさんもそこにいてくれたら、もっと全身で聴けるのに!と思いました。「音フェチ」な部分は私にもあるので、そういった方に楽しんでいただけるのは、純粋にとても嬉しいです。
― 今作では、初めてDSDレコーディングに挑戦されたと思うのですが、実際に収録をされてみていかがでしたか?
Ryu Miho: 「この部分だけ編集したい」とかはあるのですが、でも、(編集せずに)そのままの方が伝わるものがあるのかな?とも思いました。好きなレコードでエラ・フィッツジェラルドの『ミスティ』というアルバムがあるのですが、実はその一番初めの部分がすごく好きで。ピアニストが演奏を始める前に鼻歌が聞こえるんですよ。それとか唾をのみ込む音や、靴音とかまで聴こえたり。そのアルバムは、彼女の歌やアドリブは勿論好きですけど、そういうところも実はすごく好きな要素だったりします。エラだったら、本当はそういった物音の部分は編集で消したいとか言っちゃうのかな?とも考えたりしますけど。
今日の演奏も、「あの部分をもう一度トライしたい」とか、のどが鳴ってしまったりしてる部分があったりと、直したいところはいくつかありつつも、聴いてくださっている方には近くなれるのかなぁと思います。編集なしの一発録音の緊張感が魅力的な音楽の要素になっていれば良いなと。
― 小沼さんとのデュオについてはいかがでしたか?
Ryu Miho: 小沼さんとの共演は、前作『Because The Night...』に続いて2回目になります。小沼さんがギターを弾き始めると、そこはもう海なので、ゆっくり落ち着いて、もう何も心配せずに行こうと安心して歌えました。
― 今日収録が行われた“The Nearness of You”について、特別な思い入れなどございますか?
Ryu Miho: 元々自分のレパートリーではなかったですが、今作のコンセプトでもある「あなたのよりそばに」にも合うと思って収録しました。ヴォーカル・ヴァージョンではノラ・ジョーンズのものも好きなのですが、一番好きなのは、亡くなったサックス奏者のマイケル・ブレッカーのインスト・バージョンです。癌で余命宣告をされた後に、彼が作ったアルバムが『The Nearness of You』というタイトルで、そのイントロの部分が特に好きで、そこばかり繰りかえし聴いています。実は、今日もスタジオに来る前に聴いてきました。マイケル・ブレッカーも自分の余命宣告をされた後ですから「もう自分はこれで最後だから」という思いで吹き込んだと思います。こういう事なんじゃないかな、この曲は?と思いながら歌いました。
― それでは最後に、e-onkyo musicのリスナーの皆さんに一言お願いします。
Ryu Miho: 小沼さんと二人で収録した、編集なしの一発録音ですので、ライヴのような臨場感が楽しんでいただけると思います。ネイティヴDSD11.2MHzという事で、ひょっとしたらライヴ以上に、更に近くで感じていただける作品かもしれません。ブレスの音やのどが鳴る音も含め、ヴォーカル・マイクになった気分(笑)で楽しんでいただけると嬉しいです。
― 貴重なお話大変ありがとうございました。
◆Ryu Miho ニューアルバム『Call me』カウントダウン企画
7月13日(水): 独占先行音源「第2弾」をDSD11.2MHzにて配信!
7月27日(水): ニューアルバム『Call me』ハイレゾバージョン配信!
Ryu Miho プロフィール
商社マンの父をもつ一家に生まれ幼少期を海外で過ごす。帰国後は鎌倉で育ち、ジャズ好きの父、R&B 好きの母の影響で音楽にふれあう日々を過ごす。
高校時代から本格的な音楽活動を開始。ロックバンドを結成し、キーボード、ギター、また作詞、作曲もはじめ、さまざまなジャンル、アーティストとのコラボ、作品づくりを行う。やがてヘレン・メリルにインスパイアされ、JAZZの世界にも傾倒。<TOKYOの、ため息。>と称される、専門家が「奇跡の声帯」と表現した豊かな倍音と浮遊感のあふれる癒し系ウィスパーボイスが注目を集める。
2009年デビューアルバム「woman with LOVE」をリリースし、その才能が開花。2012年キングレコードよりフルアルバム「・・・and you will find me」でメジャーデビュー。その反応、反響の大きさから一年半余りでセカンドアルバム「Because the Night…」がリリースとなる。幅広いジャンルの音楽知識、本人の精神的支柱でもあるロックスピリッツあふれる独自の世界感を醸し出すカヴァー・レパートリー、クオリティーの高いオリジナル曲、知的な美貌と個性あふれる歌唱力、華麗なステージパフォーマンスがまさに各方面から新しいDIVAの出現と話題を呼んでいる。
2014年、町の公式テーマソング「なかのじょうのうた」を歌う群馬県吾妻郡中之条町の観光大使に就任、同大使としても活動中。
◆Ryu Miho オフィシャルサイト
◆「Call me」トレイラー/Ryu Miho