大塚 愛のベスト・アルバム2枚がハイレゾで登場!「とても自由で伸びやかな音になりました」

2016/02/03
ファースト・シングル「桃ノ花ビラ」から10枚目のシングル「プラネタリウム」までを収めた『愛 am BEST』、そしてセカンド・シングル「さくらんぼ」や16thシングル「ポケット」などを収録した『LOVE is BEST』。デビューから2007年までの人気曲を網羅する2枚のベスト・アルバムのハイレゾ・リリースを記念して、大塚 愛さんにインタビュー!

取材・文◎美馬亜貴子 撮影◎山本 昇

『愛 am BEST』
/大塚 愛

『LOVE is BEST』
/大塚 愛


『愛 am BEST + LOVE is BEST』
/大塚 愛


 ポップで天真爛漫。いつも正直でまっすぐ−−−そんな音楽性と彼女自身のキャラクターの両方で多くのファンを魅了してきた大塚 愛。これまでにも6枚のオリジナル・アルバムをハイレゾでリリースするなど、いち早くハイレゾ音源の可能性に興味を示していた彼女が今回、『愛 am BEST』(2007年)、『LOVE is BEST』(2009年)と、2枚のベスト・アルバムを新たにカタログに加える。
 結婚~出産を経て、ますますしなやかに歩み続ける彼女に話を聞いた。音質に対する意識をきっかけに、話題は彼女自身のアーティストとしてのスタンスや矜持にまで及んだ。

■ ハイレゾでは弦楽器を使った曲に注目してほしい

−−大塚さんご自身は、音質にはこだわる方ですか?

 もちろん音質は良い方がいいという考えではありますけど、聴く環境はお客様によって違うので、自分の作品がどんなふうに聴かれるかはわからないですよね。ですから自分の作品の音決めのときは、音質そのものよりも「どんな環境でも曲が良く聞こえるように」落とし込むことを意識しています。レコーディング中はスタジオのいいスピーカーで音をチェックするんですけど、最終的には、一般的なスピーカーで改めて聴いて、それから決めるようにしてますね。

−−今回は、いずれもベスト・アルバムの『愛 am BEST』と『LOVE is BEST』がハイレゾ配信されます。ご自身の作品がハイレゾになる利点は、どんなところにあると思いますか?

 とにかく弦楽器の伸びがいいんですよね。天井がすごく高い家で聴いてるような、開放的な感じ。『LOVE is BEST』に関してはストリングスを使っている曲が多いので、そこは聴きどころになると思います。弦楽器はやっぱりハイレゾの方が良いです。その一方で、雑多な感じやチープな質感を楽しむタイプの曲など不向きなものもありますから、曲によって使い分けることも必要だと思いますね。カップラーメンはあのカップに入ってるから美味しいんだ!ってことでしょうか(笑)。そういう視点も忘れちゃいけないな、と。

−−曲の特性によって見極めるということですね。確かにアコースティック楽器は明確な違いが出ますよね。

 ええ。音数が多いものに関しては、今までどうしても“押さえつけられてる感”が出てしまってたんですけど、そこをもうちょっとなんとかできないかな?というのはマスタリングのときにいつも思っていたんですよね。それが今回は本当に自由で伸びやかな音になったので、弦を使っている楽曲に関しては私自身も違いを楽しませていただきました。ローも、地下を掘ったというぐらい底が出ますから、グルーヴ感もふくよかになってると思います。

−−音質によって曲の印象が変わりますもんね。

 家にはヘッドフォンが沢山ありまして、そのモデルごとの特性で聴き分けるということをしてるんです。私はローが出るのが好き。音がいいと、音楽が楽しいですよね。着てるものがシルクなのか綿なのか、質感がわかるというか。音も“ウッドな感じ”とかありますし。

−−その喩え、すごくよくわかります! ご自宅にはスタジオがあるそうですが、それも音へのこだわりを具現化したものなんですか?

 いえ、地下の狭いスペースを改造して作ったもので、置いてあるのはごく一般的なスピーカーです。用途はミックスと歌録りが主ですね。

−−延々とこもるタイプだったり?

 ホントはそうしたいんですけど、今は子育てがあるので。入っては短時間で集中してやってまた抜けて、の繰り返しですね(笑)。

■ ムリせず挑戦し続けるということ

−−大塚さんにとって自宅スタジオの一番の利点というのは何でしょうか。

 移動時間を省けるということですね(笑)。実はスタジオを作ったのも、ミュージシャンとしてはもとより、子育てとも両立するためなんです。なるべく娘に時間を使いたくて……。今は目が離せない時期なので、娘もスタジオに入れて中で遊ばせたりしています。私の曲も、本人が気に入ったものは覚えて口ずさみますよ。反対に気に入らなかったら「フツー」とか言われちゃうんですけど(笑)。身内が一番厳しい!

−−(笑)……キャリアを重ね、結婚と出産も経て、まだ挑戦していないことはありますか?

 2015年の春に出した7枚目のアルバム『LOVE TRiCKY』で挑戦したアグレッシヴな作風というのは、それまでやりたかったけどやれていなかったことで、私にとっては新しい挑戦でした。何かに挑むときは「背伸びしないで、ムリしないでできるか」を考えます。服を“着せられてる”みたいになっちゃうのは嫌ですから。

−−それはちょっと意外です。「これカッコイイからやりたい!」って、感覚を頼りに、新しいことをどんどん採り入れていく人なのかなって思っていました。

 才能に自信を持つタイプではないので(笑)。たとえば、私がもっといろんなことができる人間だったら、他のスタイルにもどんどん挑戦していたかもしれない。でも実際は、いま自分が持ってるものの中で勝負するしかないんですよね。鏡はちゃんと見なければ、という感じです(笑)。

−−私には謙遜に思えますけど、それを引いてもずいぶん客観的にご自分を見ているんですねぇ。では、大塚さんが音楽を作る上で最も重視していることは何でしょうか?

 それは感覚になっちゃうんですけど、気持ちいいかどうか。曲によって目的が違いますのでアッパー・チューンの場合はノレるかどうか。バラードだったら泣けるかどうか。そういう用途の違いは意識しています。要は“響くかどうか”ということですよね。私が勝負するところは、そこなんだと思っています。

〈和やかにインタビューに応じてくれた大塚 愛さん。公式ホームページ:http://avex.jp/ai/

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