【8/31更新】印南敦史の「クラシック音楽の穴」

2023/08/31

印南敦史のクラシック・コラム「クラシック音楽の穴」。ここで明らかにしようとしているのは、文字どおりクラシック音楽の「知られざる穴」。クラシックにはなにかと高尚なイメージがあって、それが「とっつきにくさ」につながっていたりもします。しかし実際には、そんなクラシック音楽にも“穴”というべきズッコケポイントがあるもの。そこでここでは、クラシック音楽の「笑える話」「信じられないエピソード」をご紹介することによって、ハードルを下げてしまおうと考えているわけです。そうすれば、好奇心も高まるかもしれませんからね。だからこそ肩の力を抜き、リラックスしてお読みいただければと思います。

自分の仕事を雌牛にたとえた作曲家がいた

リヒャルト・シュトラウス



手前味噌で恐縮ですが、少し前に『先延ばしをなくす朝の習慣 コツコツ書き続けて日本一になった書評家が、絶対に締切を破らないためにやっていること』(秀和システム)という本を出しました。

僕は書評家として、複数のメディアに“毎日”駄文を寄稿しています。したがって、締め切りが毎日あるわけです。つまりは「面倒だから先延ばししたい」ということが許されないということ。もちろん面倒なときもありますけど、だからといってそんなことをしちゃったら、信用を失うことになってしまいますからね。

だから毎日コツコツ同じことを繰り返しているのですが、とはいえそこに義務的なものを感じているわけではないのです。というのもこの“毎日コツコツ同じこと”をするということが、なかなか自分に合っているから。「毎日同じことをするなんて、刺激がなくてつまらない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんけれど、毎日するべきことをひとつひとつこなしていけば、確実に一歩ずつ前に進むことができます。そのたびに達成感を覚えることにもなりますし、それは次のモチベーションにつながっていきます。

早い話がいいことずくめなんですよ。日々それを実感しているからこそ、この本では“地味にも見えることをコツコツ続けることの大切さ”を説いているわけです。


締め切りを守るのは当然ですし、それで期待に応えられれば、当然ながらモチベーションも高まります。
すると、さらにやりがいが出て仕事の質が上がり、評価も高まっていく。あとは、このサイクルで以後も進めていけばいいだけです。(「はじめに」より)



結局のところ、これに尽きると思うんですよねー。「まじめかよ」とツッコミが入りそうですが、こうしたライフスタイルって最終的に自分の快適性につながるもの。いいかえれば、自分が快適でいたいからそうしているだけの話なのです。

僕がドイツの作曲家であるリヒャルト・シュトラウスの日常に共感できるのも、そんな思いがあるから。というのも彼は作曲することを、雌牛が乳を出すことにたとえていたというのです。つまり、それは苦しいことではなく、“日常”のひとつにすぎなかったということですね。

彼は1892年の末に、ドイツを一時期離れたのだそうです。それは、あたたかい気候のもとで胸膜炎と気管支炎の療養をするため。つまりは健康状態を重視したということですが、そんなときでさえ、すぐにいつもどおりのスケジュールで仕事をしていたのだとか。

何度かご紹介したことのある『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』(メイソン・カリー 著、金原瑞人、石田文子 訳、フィルムアート社)のなかには、シュトラウスがエジプトのあるホテルから家に宛てた手紙が紹介されており、それを確認すれば彼の“日常”を思い浮かべることができます。


私の一日はいたって単純だ。朝八時に起きて風呂に入り、朝食。メニューは卵を三個と紅茶、手作りのジャム。朝食後、ホテルの敷地内のヤシの生い茂るナイル河畔を三十分ほど散歩。十時から一時まで仕事。第一幕の管弦楽用の編曲は、ゆっくりとだが確実に進んでいる。一時に昼食。そのあとショーペンハウアーを読むか、コンツェ夫人と一ピアストル賭けてトランプをする。三時から四時まで仕事をして、四時にお茶。そのあと散歩に行って、六時にはいつもどおり沈む夕日を愛でるのが私の勤めだ。六時になるとあたりは暗く涼しくなってくるので、手紙を書いたり、少し仕事をしたりする。七時に夕食で、そのあとは雑談をしたり、タバコを吸ったりする(一日八本から十二本)。九時半には自分の部屋に戻って三十分読書。十時消灯。これを毎日繰り返している。(76ページより)



単純というより、じつに「きちんとしている」と表現するべきではないでしょうか?

これが事実であれば日に4時間ちょっとしか仕事をしていないことになりますが、それでも「ゆっくりとだが確実に進んでいる」と断言できるのは、毎日コツコツ同じことを繰り返しているからなのでしょう。

20〜30代で『ドン・ファン』『死と変容』『ツァラトゥストラはかく語りき』『英雄の生涯』などの著名な交響詩を生み出し、20世紀に入ってからは『ばらの騎士』に代表されるオペラ作品へと移行していったシュトラウスは1949年、85歳で世を去りました。時代からすれば長生きの部類だったと思われますが、それも規則正しい生活習慣を守り通したから……なのかもしれませんね。

ちなみに大作曲家のシュトラウスと比較できるほどの人間ではありませんけれど、前述した『先延ばしをなくす朝の習慣』で後悔している僕の日常のルーティンはこんな感じです。


・起床、洗顔など朝の雑事
・トマトジュースを一杯飲む
・コーヒーを淹れる
・朝食
・新聞を読む
・コーヒー片手に書斎へ移動
・パソコンを起動し、メールチェック、ニュースサイトやブログなどの閲覧
・読書
・原稿執筆
・昼食
・原稿執筆、読書
・散歩
・夕食
・Netflix、YouTubeの鑑賞など
・読書
・就寝
(76ページより)



まー、地味ですね。でも、それが心地よいのです。参考までに書き添えておくと、この原稿を書いているのも朝の10時です。

 

 

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他人の曲を借用しまくって自分のスキルを自慢した作曲家がいる→リスト

【3/5更新】『Rossini:Overtures/ロッシーニ序曲集』アントニオ・パッパーノ指揮、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団
誰よりも早く「働き方改革」を実践した作曲家がいる→ロッシーニ

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【2/5更新】『ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番(弦楽合奏版)&序曲集』ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, レナード・バーンスタイン
コーヒーに異常な執着を見せた作曲家がいる→ベートーヴェン

【1/29更新】『プッチーニ:歌劇『トゥーランドット』(演奏会形式)』アンドレア・バッティストーニ, 東京フィルハーモニー交響楽団
たばこ好きが高じて犯罪の域に足を踏み入れた作曲家がいる→プッチーニ

【1/22更新】『ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》 【ORT】』ヴァーツラフ・ノイマン指揮, チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
「鉄オタ」だった作曲家がいる→ドヴォルザーク

【1/16更新】『モリエールのオペラ~ジャン=バティスト・リュリの劇場音楽』ジェローム・コレア&レ・パラダン
床を足で叩いて命を落とした作曲家がいる→リュリ

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ふざけた曲名の楽曲をたくさん残した作曲家がいる→エリック・サティ

 



印南敦史 プロフィール

印南敦史(いんなみ・あつし)
作家、書評家。
1962年東京生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「1ページ5分」の超・遅読家だったにもかかわらず、ビジネスパーソンに人気のウェブ媒体「ライフハッカー[日本版]」で書評を担当することになって以来、大量の本をすばやく読む方法を発見。その後、ほかのウェブサイト「ニューズウィーク日本版」「東洋経済オンライン」「サライ.jp」「マイナビニュース」などでも書評欄を担当することになり、年間700冊以上という驚異的な読書量を誇る。
著書に『遅読家のための読書術 情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書する家族のつくりかた』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)など。

◆ブログ「印南敦史の、おもに立ち食いそば」
◆連載「印南敦史の 名盤はハイレゾで聴く」

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