【5/25更新】印南敦史の「クラシック音楽の穴」

2023/05/25

印南敦史のクラシック・コラム「クラシック音楽の穴」。ここで明らかにしようとしているのは、文字どおりクラシック音楽の「知られざる穴」。クラシックにはなにかと高尚なイメージがあって、それが「とっつきにくさ」につながっていたりもします。しかし実際には、そんなクラシック音楽にも“穴”というべきズッコケポイントがあるもの。そこでここでは、クラシック音楽の「笑える話」「信じられないエピソード」をご紹介することによって、ハードルを下げてしまおうと考えているわけです。そうすれば、好奇心も高まるかもしれませんからね。だからこそ肩の力を抜き、リラックスしてお読みいただければと思います。

関白宣言で自滅した作曲家がいる

グスタフ・マーラー




「若いころの、最低限の恋愛経験って必要だよなー」と感じずにはいられないのは、中年近い人の“初恋愛”状況を目の当たりにしたときです。余計なお世話だけど、しかしそれでも。

若いうちに交際経験があれば、たとえ結果的にフラれてしまったとしても、その失敗は経験値として残るものです。そのあと別の人とつきあうことになった際、「こういうとき、こういう行動は避けたほうがいいな」という判断ができるようになったり、過去のお粗末を活かすことができるわけです。

だから、ある程度の恋愛経験はあるに越したことはない。僕だって人に自慢できるほどの遊び人だったわけじゃありませんし、いたって普通だと思いますけれど、その“普通”があることが重要だということ。

ところが、恋愛経験がなく、だいぶ年齢を重ねてから誰かを好きになったりすると、無意識のうちにいろいろやらかしてしまったりすることになる場合も少なくないのですよね。たとえば(誰も望んでいないのに)ラブラブなところを友人や他人に人に見せつけたり、相手の名前のタトゥーを入れてしまったり。キャバクラの女性に入れ込んでしまうようなタイプも、そういう部類に入るのでしょう。

また、なかには必要以上に自分を大きく見せようとする人もいるようです。マウントをとりたがったり、相手を束縛したり。独占欲の強さはコンプレックスの裏返しだと思うのですが、早い話が相手を失いたくないからこそ、逆に失うきっかけになりそうなことをしてしまうのかもしれません。

クラシックの世界でいえば、そのことで思い出すのはマーラーです。幼くして才能を発揮し、10歳のころにはピアニストとして演奏会に出演。15歳でウィーン学友協会音楽院(現・ウィーン国立音楽大学)に入学し、その翌年にはピアノ四重奏曲を作曲。20代前半から指揮者としても活躍し、38歳でウィーン・フィルの指揮者に就任。また話は前後しますが、28歳のときに書いた『交響曲第一番ニ長調』を筆頭に、数々の交響曲を残してもいます。つまり音楽家としては早熟であり、明らかに抜きん出ていたわけです。僕も大好きな作曲家です。

ところが彼、どうやら女性関係については非常に奥手だったようなのですねえ。なにしろ、のちに妻となる女性と大恋愛をしたときにはすでに41歳だったのですから。しかも、その相手であるアルマ・シントラーは当時22歳。もしかしたら当時は珍しくないことだったのかもしれませんけれど、親子といっても無理のない年齢差ではあるわけで。

アルマはピアニスト/作曲家としてのみならず、絵画、文学、哲学にも造詣が深い才女。その美貌も相まって多くの男性を魅了し、画家のグスタフ・クリムトと恋愛関係にあったともいわれています。

かたや神経質で高圧的だったマーラーは、なにかと敵の多い人物としても有名です。多額の借金を抱えているなど経済状態もよろしくなかったようで、当然ながら周囲からも結婚を反対されたそう。しかしふたりは、出会って3週間で婚約したのでした。

と、ここで話がまとまれば美しいのですが、問題はこのあと。先述したとおり、マーラーは独占欲を発揮しまくったのです。しかも、これが非常に極端。『名曲の裏側』(渋谷ゆう子 著、ポプラ新書)から、そのころについての記述を引用してみましょう(ちなみに本書は、著者の文章センスも絶妙です)。


未来への希望は婚約中にさっさと破られる。マーラーはアルマに宛てて旅先から長い手紙を送った。そこにはもちろん愛の言葉があるが、一方では、お前を嫁にもらう前に言っておきたいことがあるかのように、「家に作曲家は二人はいらない」だの「家庭に入ってほしい」だの、「僕の音楽家生活を支えてほしい」だのと言い、一方で言い訳するように「でもご飯作って身の回りの世話してくれる女中にしたいわけではないから安心して」とのたまう。思ってなかったら書かないのでは。(64ページより)



早い話が「関白宣言」を地で行ってたわけです。しかも、あくまで自分本位。同業者である配偶者を気遣うどころか、(無意識のうちにそうしていた可能性も大ですが)自分を優位に立たせようという思惑があったとしか思えません。

アルマもその要求に従って作曲活動をやめ、夫をサポートしたものの、マーラーは妻のそうした献身的な態度を評価していたわけではなかったようです。だから当然、夫婦仲はギスギスしていくわけです。しかもそののち、長女がジフテリアのため4歳で他界。マーラー自身も心臓を患い、アルマの精神状態も不安定になっていきます。

そして彼女は31歳のとき、建築家のヴァルター・グロピウスと不倫関係に陥るのです。すぐにマーラーの知るところとなったそうですが、このことに関する上記『名曲の裏側』の記述も最高です。


アルマのキレっぷりが素晴らしく、魅惑的な女性のある種テンプレなので、ぜひ男性諸氏は覚えておいてもらいたい。自分の不倫を完全に棚上げして、「あなたが構ってくれない、私を大事にしてくれないから他の人に愛されているだけであって、それのどこが悪いの? 寂しいからよ? 浮気したのはあなたのせいよ!」である。(66ページより)


浮気をした彼女が「寂しかったのぉー!」と泣き叫んだとか、そういう話は現代でもよく耳にします。はたしてそれが理由になるのかはともかく、この件について原因の多くがマーラーにあったことは事実ではないでしょうか? 本人もそれを自覚していたのか、以後はアルマのことを尊重するようになったそう。

ただし、彼女がそばにいてくれるかという強迫観念に囚われてしまって精神を病み、精神科医ジークムント・フロイトの診察を受けることになったのでした。しかもアルマ、じつはグロビウスとの不倫関係も続いていたらしく、やがてマーラーは51歳の誕生日の6週間前に敗血症で命を落としたのです。

さだまさしさんの歌詞のように最後にホロっと泣かせるようなものであるなら、「関白宣言」も美しくまとまるでしょう。しかし独占欲に囚われすぎると、こういうことにもなりかねないのですね。


 

 

◆バックナンバー
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【9/27更新】『ブルックナー:交響曲 第6番』上岡敏之, 新日本フィルハーモニー交響楽団
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【8/30更新】『世界の愛唱歌ベスト』V.A.
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【7/26更新】『レーガー: オルガン作品集 第14集 5つのやさしい前奏曲とフーガ/52のやさしいコラール 前奏曲』ジョセフ・スティル
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【5/31更新】『Khachaturian: Suites from Spartacus and Gayane / Ravel: Daphnes et Chloe 』St Petersburg Philharmonic Orchestra, Yuri Temirkanov
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【4/26更新】『ブルックナー:交響曲 第8番 (ハース版) 』朝比奈隆, 大阪フィルハーモニー交響楽団
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【3/28更新】『Satie: Vexations (840 Times)』Alessandro Deljavan
最後まで演奏するのに18時間かかる曲がある→サティ「ヴェクサシオン」

【3/19更新】『Debussy: Piano Works, Vol. 2 - Estampes, Children's Corner, Pour le piano & Other Pieces』Jacopo Salvatori
偏屈で嫌われていた作曲家がいる→ドビュッシー

【3/12更新】『リスト:《巡礼の年》全曲』ラザール・ベルマン
他人の曲を借用しまくって自分のスキルを自慢した作曲家がいる→リスト

【3/5更新】『Rossini:Overtures/ロッシーニ序曲集』アントニオ・パッパーノ指揮、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団
誰よりも早く「働き方改革」を実践した作曲家がいる→ロッシーニ

【2/26更新】 『Kagel: Chorbuch - Les inventions d'Adolphe sax』マウリシオ・カーゲル指揮、オランダ室内合唱団、ラシェール・サクソフォン・カルテット
ティンパニ奏者が自爆する曲がある→カーゲル「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」

【2/19更新】『Haydn: The Creation』ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、フリッツ・ヴンダーリヒ
妻への恨みを曲にした作曲家がいる→ハイドン「4分33秒」

【2/12更新】『Cage: Works for 2 Keyboards, Vol. 2』Xenia Pestova, Pascal Meyer, Remy Franck, Jarek Frankowski, Bastien Gilson
4分33秒、無音の曲がある→ジョン・ケージ「4分33秒」

【2/5更新】『ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番(弦楽合奏版)&序曲集』ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, レナード・バーンスタイン
コーヒーに異常な執着を見せた作曲家がいる→ベートーヴェン

【1/29更新】『プッチーニ:歌劇『トゥーランドット』(演奏会形式)』アンドレア・バッティストーニ, 東京フィルハーモニー交響楽団
たばこ好きが高じて犯罪の域に足を踏み入れた作曲家がいる→プッチーニ

【1/22更新】『ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》 【ORT】』ヴァーツラフ・ノイマン指揮, チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
「鉄オタ」だった作曲家がいる→ドヴォルザーク

【1/16更新】『モリエールのオペラ~ジャン=バティスト・リュリの劇場音楽』ジェローム・コレア&レ・パラダン
床を足で叩いて命を落とした作曲家がいる→リュリ

【1/9更新】『モーツァルト:レクイエム』ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, ヘルベルト・フォン・カラヤン
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【新連載】『エリック・サティ:新・ピアノ作品集』高橋悠治
ふざけた曲名の楽曲をたくさん残した作曲家がいる→エリック・サティ

 



印南敦史 プロフィール

印南敦史(いんなみ・あつし)
作家、書評家。
1962年東京生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「1ページ5分」の超・遅読家だったにもかかわらず、ビジネスパーソンに人気のウェブ媒体「ライフハッカー[日本版]」で書評を担当することになって以来、大量の本をすばやく読む方法を発見。その後、ほかのウェブサイト「ニューズウィーク日本版」「東洋経済オンライン」「サライ.jp」「マイナビニュース」などでも書評欄を担当することになり、年間700冊以上という驚異的な読書量を誇る。
著書に『遅読家のための読書術 情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書する家族のつくりかた』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)など。

◆ブログ「印南敦史の、おもに立ち食いそば」
◆連載「印南敦史の 名盤はハイレゾで聴く」

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