【3/30更新】印南敦史の「クラシック音楽の穴」

2023/03/30

印南敦史のクラシック・コラム「クラシック音楽の穴」。ここで明らかにしようとしているのは、文字どおりクラシック音楽の「知られざる穴」。クラシックにはなにかと高尚なイメージがあって、それが「とっつきにくさ」につながっていたりもします。しかし実際には、そんなクラシック音楽にも“穴”というべきズッコケポイントがあるもの。そこでここでは、クラシック音楽の「笑える話」「信じられないエピソード」をご紹介することによって、ハードルを下げてしまおうと考えているわけです。そうすれば、好奇心も高まるかもしれませんからね。だからこそ肩の力を抜き、リラックスしてお読みいただければと思います。

DIYなオーケストラがいる

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団





いまから58年前の1965年に米カリフォルニアで結成された、グレイトフル・デッドというロック・バンドをご存知でしょうか?

カントリー、フォーク、ブルース、ロックなど雑多なジャンルの要素をミックスさせ、独自の世界観を築き上げた稀有な存在。延々と続くインプロヴィゼイション(即興演奏)が醸し出すゆる〜い音楽性は、60年代後半のヒッピー・ムーヴメントとの親和性も高く、大きな支持を獲得したのでした。そして「デッド・ヘッズ(Dead Heads)」と呼ばれる熱狂的信者を生み出すことにもなり、創設メンバーであるジェリー・ガルシアの他界により1995年に解散するも、いまなお残されたメンバーたちはさまざまな形態でグレイトフル・デッドの楽曲を演奏し続けているのです。

ということからも推測できるとおり、彼らはアメリカン・ロックの歴史を振り返るうえで、いや、ロックを総括する際にも無視できない重要なバンド。そして、他ではあまり聞かない大きな特徴を持っている人たちでもあります。

精力的に行っていた大規模ツアーにおいては、スタジアム・クラスの会場がつねに満員。アルバム・セールスも全世界で3,500万枚を超えていたのですけれど、にもかかわらずヒット・チャートとは無縁だったのです。早い話が、ものすごく人気があって売れているのに、ヒット曲がほとんどないということ。不思議な話ですよね。

また、音楽業界の常識に縛られることがなかった彼らのもうひとつのポイントは、レコード会社やプロモーターなどの助けを借りず、バンドにまつわるすべてを自分たちの手で行なっていたことにあります。たとえばファンに向けて手製のファンジンを郵送したり、アートワークも自ら手がけてグッズを売り出してみたり、コンサートの録音(と、録音したテープの交換)を許可するなど。しかも録音に関しては、音を拾いやすい録音スペースまで用意していたというのですから驚きです。

しかし、従来の常識を覆す秘策を次々と考え、実行していくことができたのは、誰の手も借りずに自分たちだけですべてを手がけたD.I.Y.精神があったからこそ。現代においてD.I.Y.志向を持つバンドは少なくありませんが、つまりデッドはその先駆け。理想的なロック・バンドのあり方を、かなり早い時期につくり上げたバンドであるといえます。

さてさて、デッドの話題でかなりのスペースを使ってしまいましたし、「そもそもクラシックのコラムなのに、なんでこんなことを書いてるんだ?」と思われるかもしれません。でも、じつをいうとD.I.Y.志向はロックの世界だけの話ではないのです。つまり、クラシックにかかわる人たちのなかにも、同じようなことをしている人たちがいるのです。しかも、グレイトフル・デッドが登場するよりもずーっと前から。

それは、1842年にオーストリア帝国で誕生したウィーン宮廷歌劇場管弦楽団(現ウィーン国立歌劇場管弦楽団)の奏者からなる、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。意外に思われるかもしれませんが、偉大な作曲家たちと接し、世界的な規模でクラシック音楽を広め続けてきた彼らは、D.I.Y.精神を貫き続ける存在でもあるのです。

そのあり方は、ウィーン・フィルの“行動原理”を明かした『ウィーン・フィルの哲学: 至高の楽団はなぜ経営母体を持たないのか』(渋谷ゆう子 著、NHK出版新書)にある次の文章にも明らか。


毎年テレビ中継されるニューイヤーコンサートの煌びやかさが印象的なウィーン・フィルだが、その運営と経営を演奏家たち自身が地道に行なっていることはあまり知られていない。彼らはそれぞれが個人事業主としてオーケストラを組織する自主運営団体である。王室や国家、企業などの後ろ盾を一切持たず、自らコンサートを企画し、経費を計算し、指揮者に競演交渉を行なう。チケットを販売するのもスポンサーを探すのも演奏家たちだ。アクシデントで演奏機会を失えばギャラを得られないし、赤字が続けばオーケストラの存続も危うい。華やかなステージとは対照的に、演奏のバックステージでは、日々実直な実務が行われている。(「はじめに」より)


著者がいうように、ウィーン・フィルといえばすぐに思い出すのはニューイヤーコンサート。僕も毎年テレビでの放映とハイレゾ音源のリリースを楽しみにしているのですが、あの華やかで楽しい世界の裏側には、楽団員ひとりひとりの地道な努力があったわけです。

ちなみに楽団員が自ら運営を担うという体制の基礎は、設立当初すでにつくられており、1860年には会員制の仕組みが整い、収益分配の方法も決められていたのだとか。以後、ベートーヴェン以来の音楽の伝統を絶やさず後世につないでいくという音楽的理念の継承はもちろん、その組織の原理も継承しつづけているわけです。つまりは180年以上も初心を貫き続けているということで、それは驚くべきことではないでしょうか?

とはいえ、そこにはひとつの疑問が絡まってくることにもなるでしょう。「ぶっちゃけ、食っていけんの?」って問題です。オーケストラの一員として生計を立てていくことはそれ自体が難しいという話を聞く機会は少なくありませんが、こうした理念を維持していくのであれば、ハードルがさらに高くなったとしても無理はありません。

でも、奏者が全員「ウィーン国立歌劇場管弦楽団員」であるからこそ、そうした難しい問題もクリアできているということのようです。

 

奏者は歌劇場で日々開催されるオペラの演奏で基本収入が確保できるのである。仮にウィーン・フィルからの収入が全くないとしても、国立歌劇場管弦楽団員として生活していくことができるのだ。奏者にとっては安定した収入があるという精神的な余裕は大きいだろう。個人の収入の面から言えば、ウィーン・フィルとしての公演のギャラは大きなプラスアルファになる。オペラ演奏で生活のための収入は確保しながら、ウィーン・フィルで演奏することで音楽的欲求を満たし、さらに高いギャラを稼ぐことができる。極めて理にかなった仕組みである。(48ページより)


それだけではありません。ウィーン・フィルの奏者であれば生徒を持つこともたやすいでしょうし、自身でアンサンブルを組み、自主的に演奏を企画することもできるはず。いわばこうした運営手法が、自由で豊かな芸術活動を可能にするということ。

いずれにせよ、所属する各人が“自己”をしっかりと持ち続けているからこそ、それが相応の結果につながっていることは間違いないはず。そしてそういった本質的な部分は、グレイトフル・デッドにしてもウィーン・フィルにしても同じだと思うわけです。

 

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【9/27更新】『ブルックナー:交響曲 第6番』上岡敏之, 新日本フィルハーモニー交響楽団
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【8/30更新】『世界の愛唱歌ベスト』V.A.
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【7/26更新】『レーガー: オルガン作品集 第14集 5つのやさしい前奏曲とフーガ/52のやさしいコラール 前奏曲』ジョセフ・スティル
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【6/28更新】『R.シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》、他』ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
家庭の事情を仕事に持ち込んだ作曲家がいる→リヒャルト・シュトラウス

【5/31更新】『Khachaturian: Suites from Spartacus and Gayane / Ravel: Daphnes et Chloe 』St Petersburg Philharmonic Orchestra, Yuri Temirkanov
突貫工事でつくられた名曲がある→ハチャトゥリアン「剣の舞」

【4/26更新】『ブルックナー:交響曲 第8番 (ハース版) 』朝比奈隆, 大阪フィルハーモニー交響楽団
実の息子に対抗意識を持った指揮者がいる→朝比奈隆

【3/28更新】『Satie: Vexations (840 Times)』Alessandro Deljavan
最後まで演奏するのに18時間かかる曲がある→サティ「ヴェクサシオン」

【3/19更新】『Debussy: Piano Works, Vol. 2 - Estampes, Children's Corner, Pour le piano & Other Pieces』Jacopo Salvatori
偏屈で嫌われていた作曲家がいる→ドビュッシー

【3/12更新】『リスト:《巡礼の年》全曲』ラザール・ベルマン
他人の曲を借用しまくって自分のスキルを自慢した作曲家がいる→リスト

【3/5更新】『Rossini:Overtures/ロッシーニ序曲集』アントニオ・パッパーノ指揮、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団
誰よりも早く「働き方改革」を実践した作曲家がいる→ロッシーニ

【2/26更新】 『Kagel: Chorbuch - Les inventions d'Adolphe sax』マウリシオ・カーゲル指揮、オランダ室内合唱団、ラシェール・サクソフォン・カルテット
ティンパニ奏者が自爆する曲がある→カーゲル「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」

【2/19更新】『Haydn: The Creation』ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、フリッツ・ヴンダーリヒ
妻への恨みを曲にした作曲家がいる→ハイドン「4分33秒」

【2/12更新】『Cage: Works for 2 Keyboards, Vol. 2』Xenia Pestova, Pascal Meyer, Remy Franck, Jarek Frankowski, Bastien Gilson
4分33秒、無音の曲がある→ジョン・ケージ「4分33秒」

【2/5更新】『ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番(弦楽合奏版)&序曲集』ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, レナード・バーンスタイン
コーヒーに異常な執着を見せた作曲家がいる→ベートーヴェン

【1/29更新】『プッチーニ:歌劇『トゥーランドット』(演奏会形式)』アンドレア・バッティストーニ, 東京フィルハーモニー交響楽団
たばこ好きが高じて犯罪の域に足を踏み入れた作曲家がいる→プッチーニ

【1/22更新】『ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》 【ORT】』ヴァーツラフ・ノイマン指揮, チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
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【1/16更新】『モリエールのオペラ~ジャン=バティスト・リュリの劇場音楽』ジェローム・コレア&レ・パラダン
床を足で叩いて命を落とした作曲家がいる→リュリ

【1/9更新】『モーツァルト:レクイエム』ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, ヘルベルト・フォン・カラヤン
お尻をなめることを要求した作曲家がいる→モーツァルト

【新連載】『エリック・サティ:新・ピアノ作品集』高橋悠治
ふざけた曲名の楽曲をたくさん残した作曲家がいる→エリック・サティ

 



印南敦史 プロフィール

印南敦史(いんなみ・あつし)
作家、書評家。
1962年東京生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「1ページ5分」の超・遅読家だったにもかかわらず、ビジネスパーソンに人気のウェブ媒体「ライフハッカー[日本版]」で書評を担当することになって以来、大量の本をすばやく読む方法を発見。その後、ほかのウェブサイト「ニューズウィーク日本版」「東洋経済オンライン」「サライ.jp」「マイナビニュース」などでも書評欄を担当することになり、年間700冊以上という驚異的な読書量を誇る。
著書に『遅読家のための読書術 情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書する家族のつくりかた』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)など。

◆ブログ「印南敦史の、おもに立ち食いそば」
◆連載「印南敦史の 名盤はハイレゾで聴く」

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