【イベントレポ】オノ セイゲン&晴豆presents 11MHz DSD/Nu1全曲視聴体験会 vol.1~feat.巻上公一

2022/02/06

世界的レコーディング・エンジニア、オノ セイゲンがホストを務める、DSDの魅力を大音量で楽しむイベント「オノ セイゲン&晴豆presents 11MHz DSD/Nu1全曲視聴体験会 vol.1~feat.巻上公一』が1/23に東京・代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」にて開催された。ここではその模様を写真と共に振り返ってみよう。

文:e-onkyo music
写真:山本 昇




■DSD11.2MHzの高精細なサウンドを大音量で!これまでとは違う試聴イベントを


会場が暗転すると、ヒカシューのアルバム『虹から虹へ』より“大らかな予感”と“LA LA WHAT”が大音量で再生された。今回のイベント名「オノ セイゲン&晴豆presents 11MHz DSD/Nu1全曲視聴体験会 vol.1~feat.巻上公一』とある通り、音源はDSD11.2MHzフォーマットで、再生はコルグ社の1BIT USB-DAC/ADC + PREAMP「Nu 1」。

通常のオーディオ・イベントとは異なり、ライブハウスのPAで鳴らすサウンドは桁違いの迫力で、開始早々に度肝を抜かれた。圧倒的なパワーを感じながらも、音の細部までが非常に鮮明に聴いてとれる。今回のイベントを企画したオノ セイゲン氏が狙った「これまでとは全く違うオーディオ・イベント」の意図が一発で理解できた。

楽曲が終わると、本日のホストを務めるオノ セイゲン氏がステージに登場。「今日はようこそいらっしゃいました。僕がホストなので、喋りすぎない事と時間を守らないと全曲試聴出来ないので、なるべく台本通りに進めます」という挨拶でイベントがスタート。続いて本日のゲスト、ヒカシューのフロントマン、巻上公一氏も大きな拍手に迎えられステージに。「こういう形で作品を聴く機会は初めてなので嬉しいです。昔はレコードコンサートのような形であったかもしれませんが。このようなイベントをもっとやっても良い気がします」との感想を述べた。




本イベントのホストを務めるオノ セイゲン氏(左)とゲストの巻上公一氏(右)



2人のトークでは、ジョン・ゾーンが月に何枚ものアルバムをリリースしている事に触れ、オノ セイゲン氏が1997年からタワーレコード渋谷店だけで限定500枚、2000年までに連続20枚のCD企画()を行った事や、巻上氏も、その制作意欲にヤル気をもらいつつ、制作がいかに重要かを示してくれているなど、ジョン・ゾーンからの影響を語った。

その後、話題はNYや東京でのレコーディングについてや、プロデュースするうえでのファーストテイクの重要性、そしてセオ・マテロのプロデューサーとしての手腕についてなどが語られた。

ここで再び楽曲試聴に戻り、“チンピーシーとランデヴー”“人生の嘘”“東京辺りで幽体離脱”“とびむしのごちそう”“残念なブルース”までを連続試聴。まるで目の前でライブが繰り広げられているかのような迫力はもちろん、“人生の嘘”では音の配置が緻密に練られており、繊細なミックスが施されていることが非常によく伝わってきた。その辺り、ライブハウスのサウンド・システムという大きな音場で聴くメリットだと感じた。

※11MHz DSD remix&remaster 制作中(2022年6月発売目標)
https://saidera.co.jp/sr/sp.html


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トーク第2部では、ヒカシューのベーシストで、アルバム『虹から虹へ』のミキシングを手掛けたサウンド面でのキーパーソン、坂出雅海氏が登場。コロナの影響で海外でのレコーディングができない事から、今作ではヒカシューとしては初となる、アルバム全編を巻上氏の自宅スタジオにて録音したとの事。そして話題は、メンバーがレコーディング用に持ち寄ったマイクが相当良いものが揃ったとの話に。これについてオノ セイゲン氏も、「各自が出したい音、楽器やパートにあった音がとても良い方に出ている」と感想を述べ、更に今作のヴォーカル・マイクとして使用されているという、ラトビアのJZマイクロフォン製「ブラックホール」というマイクについて、ヒカシューのリトアニア・ツアーの際にこのマイクを製造している工場を訪問した話や、このアルバムのミックスの音が良いのでオノ セイゲン氏も後についこれを購入したというエピソードが紹介された。

坂出氏が今作のサウンドをより良くするための試行錯誤を繰り返す中、オノ セイゲン氏に相談を持ち込んだところ、この日のDSD試聴でも大いに活躍したコルグ社の1BIT USB-DAC/ADC + PREAMP Nu 1を薦められたという話題に。そこで、オノ セイゲン氏が会場に来ていたコルグ Nu 1の開発に携わった女性エンジニア、永木道子氏をステージに招き、Nu 1についての解説がされた。坂出氏もコルグ Nu 1を用いたDSDでの音作りについて、微妙なEQの変化や、これまでは難しかった低音の整理が非常にやりやすくなったという印象を語った。



アルバム『虹から虹へ』ではミキシングも手掛けたベーシストの坂出雅海氏





KORG Nu 1の魅力について語る永木氏、坂出氏、巻上氏、オノ氏(左から)


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インターバルを挟んで始まった第2部は、巻上公一氏による口琴とホーメイのライブからスタート。口琴の独奏では普段は聴きなれない口琴の独特の世界観とまるでアナログ・シンセサイザーかのようなサウンドで圧巻の演奏を聴かせた。尚、この日の物販コーナーにはいくつかの口琴も並んでおり、終演後は多くの来場者が口琴を購入していた。



第2部で口琴の独奏を披露する巻上氏



ライブ後は再び楽曲試聴に戻り、“夢見ているかい?”“濃厚な虹を跨ぐ”“門外不出”までを連続試聴。

試聴後のトークでは、アルバム中で使用されたトゥバ共和国の擦弦楽器「イギル」についてや、79年ごろのライブで、会場に入りきれないほど集まった観客を前に、曲を全く演奏をせずに発泡スチロールの音を鳴らしていたエピソード。そして80年代にNYで盛んに起こったフリーインプロビゼーションや、現在はAI作曲にも興味があるなどの話題が語られた。

そしてステージには本日3人目となるゲスト、ヒカシューのギタリスト、三田超人氏がステージへ。1980年に作られ長らくお蔵入りになっていた未完の楽曲“LA LA WHAT”が今作に収録された経緯などが紹介された。

最後にアルバム収録の“又々木の股から”を試聴してイベントは終了。



アルバムに収録の“LA LA WHAT”の誕生秘話を披露する三田氏


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来場者、そしてヒカシューのメンバーも、今回のようなアルバム全編を大音量で、且つDSD11.2MHzというハイスペックで視聴するイベントについて、とても良かったという感想が口々に述べられていた。実際、筆者もいわゆるオーディオ・イベントには数多く参加してきたが、ライブハウス・レベルの大音量で、且つここまでクリアなサウンドには正直驚かされた。

オノ セイゲン氏がホストを務める、代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」でのDSD11.2MHz試聴イベントは今後も定期開催される予定なので、興味のある方は是非お越しいただきたい。



イベント終演後、登壇者全員で記念撮影


今回の試聴プレイヤーとして使用されたKORG「AudioGate4」


アルバム『虹から虹へ』での制作や今回の試聴イベントでも大いに活躍したKORG Nu 1


当日の物販コーナーには巻上氏が独奏を披露した「口琴」も


会場となった代官山「晴れたら空に豆まいて」の天井には、何とAcoustic Revive社の調音ボードが張り巡らされていた。


今回の大音量試聴会を高音質で支えたMeyer Sound「Ultra series UPA-1A」




当日の模様が「Tokyo Hare Mame TV」にて無料配信中!


オノ セイゲン&晴豆 presents 11MHz DSD/Nu 1 全曲視聴体験会 vol.1~feat.巻上公一のイベントの模様が代官山「晴れたら空に豆まいて」の公式Youtubeチャンネル、Tokyo Hare Mame TVにて絶賛無料配信中。是非チャンネル登録&高評価を。





ヒカシュー 25作目となるオリジナル・アルバム


★虹から虹へ、雨上がりのダブルレインボーを現出させる
虹から虹へ』/ヒカシュー



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