NACHERRYデビューミニアルバム『CANDY SUNDAY』スペシャルインタヴュー

2022/01/19

『ラブライブ!虹ヶ咲スクールアイドル同好会』でも活動を共にする村上奈津実と田中ちえ美によるユニット、NACHERRY(ナチェリ)のデビューミニアルバム「CANDY SUNDAY」がハイレゾでも登場!NACHERRYらしく、“好きなことだし自分らしくていいでしょ!”という真っ直ぐな想いが詰まった本作についてお話を伺った。

取材・文:工藤寛顕(だいせんせい)
写真(文中):e-onkyo music





INTERVIEW:NACHERRY



――まずは、ユニット初となるデビューミニアルバム『CANDY SUNDAY』の簡単なご紹介をお願いいたします。

村上奈津実(以下、村上):わたしたちのコンセプト(『好きなものに真っ直ぐな、遊び心を忘れない少女のように。ずっとずっと、ワクワクする。』)通りで、どの曲もアメリカン・ロックなバンドサウンドを基調としているんですけども、いろんなシーンで聴ける曲がおもちゃ箱のように詰まったアルバムになっています!

田中ちえ美(以下、田中):全部で5曲収録されてるんですが、同じロックでも方向性が違ったりだとか、それぞれシチュエーションがはっきりしているので、本当におもちゃ箱のように、NACHERRYらしいワクワクを皆さんに届けられると思います。聴いてもらえればきっと楽しい気持ちになれるアルバムです!

――ありがとうございます。仰るとおり、今回のミニアルバムはまさにNACHERRYのコンセプトに合った内容ですよね。そうしたアメリカン・ロックなどのコンセプトはどのように決まったのでしょうか?

村上:NACHERRYを結成するにあたってどういう方向性にするかを会議して、わたしたちの好きなもの、好きな音楽のジャンルなどを打ち合わせていって決めていきました。ロック調の音楽は2人とも好きなんです。

田中:私たちは知り合ってから4~5年くらい経つんですけど、制作陣にはこれまでずっと面倒を見てくださっている方もいて。「2人にこういうことをさせたら楽しんでもらえる」というようなご提案もいただいたので、私たちのイメージ像みたいなものができていたんじゃないかなと思います。それに対して私たちも意見を出していって、良い形にまとまったのが今回のコンセプトです。

――もともと仲の良いおふたりですが、実際にユニットを結成して活動をしてみたお互いの印象としてはいかがでしたか?

田中:どんどん一緒に活動していくうちに思ったのは、(村上は)良い意味で頑固なところがあるというか。


村上:えっ、そうなの!?(笑)


田中:自分自身のことは控えめに考えることも多いんですけど、私とかNACHERRYの楽曲とか、「良い」と感じたものに対しては、すごく自信を持って言ってくれるんです。わたしは「ちゃんとみんなが買ってくれるか心配……」みたいに考えてしまうタイプなんですけど、なっちゃん(村上)は「田中! これは絶対売れるよっ!」って(笑)。そういう強気なところは、NACHERRYを結成してから知った一面でした。活動する以上は「売れる!」って思っておくのはとても大事なことだから、すごく尊敬する部分でもありますね。

村上:わたしはもともと田中と似てるタイプだと思ってて。いろいろ気にしがちだったり、どちらかというと慎重派っていうイメージだったんですけど、一緒に活動していると、わたしのほうが結構気にしていることが多かったんです。田中はそれを励ましてくれるというか、お姉さんみたいにリードしてくれたりとか。

田中:普段は人数が多い作品で共演していることが多いので、その中では私はどちらかというと賑やかしタイプなんですけど、こうやって2人で活動していくとなると、ちょっとだけ「私がリードしていこう」みたいな気持ちにはなってるかも。

村上:わたしがちょっと、ボケボケなので……。

田中:なっちゃん、ラジオとか録る時も台本を見失いがちなんですよ。

村上:「ページどこだっけ!?」みたいなね(笑)。

田中:そしたら私が「ここだよっ!」って(笑)。そこもNACHERRYのコンセプト通りで、お互いが補い合えてると思います。私もなっちゃんに助けられてるところがたくさんあるので。

村上:あるかなあ?

田中:あるよ!(笑)

――お話を聞いていても、お互いがお互いをすごく信頼されていることが伝わってきますね。そんなおふたりで制作を進めてきた『CANDY SUNDAY』ですが、制作時の印象的なエピソードがありましたら教えてください。

田中:私が印象的だったのはやっぱりプリプロ(※プリプロダクション。楽曲制作前の事前準備のこと)ですね。ミニアルバムの制作にあたって、「私たちの声を(制作陣に)知っていただくために練習がてら歌を録ってみよう!」みたいな軽い感じだと思ってたんですが、その場には想像していたよりいっぱい大人の人がいるし、作曲してくださったASIAN KUNG-FU GENERATIONの山田さんなどもその現場にいらっしゃっていて。最初は「あんまり覚えてこなくて良いのかな、むしろここで歌の練習しようよ」くらいのテンションだと思ってたら、最初からちゃんと歌えなきゃいけない状況だった……!? みたいな雰囲気で(笑)。

村上:ちゃんとしたレコーディングをするような雰囲気だったんだよね(笑)。

田中:あとはMVの撮影とか、ジャケットの撮影とか。初めての事だらけだったので、全部が印象的といえば印象的でしたね。

村上:わたしは、1曲目の『フォーチュンテラー』が結構すんなり録れたんですけど、2曲目の『silly silly silly』でちょっと苦戦したんです。歌い方にテクニックが必要な曲で、フォール(音を下げるような歌い方)が難しくて。そこで改めて「頑張らねば」と思ったので、印象に残っていますね。

――おふたりとも、声優としての出演作品では多くの音楽活動を経験されていると思いますが、やはりアーティストとしての活動は感覚が異なるものでしょうか?

田中:全然違いますね。(出演作品では)キャラクターとして歌っているので、自分なりのアプローチというよりは、「このキャラクターはこういう風に歌うよね」というような、台本を読んでいるような感覚に近いんです。だけど、今回は自分自身の楽曲なので。

村上:歌い方もそうですし、自分たちをプロデュースしているというか。『わたしたち』としてどう表現していくかをすごく考えました。

田中:そこは割と苦戦したかもしれません。自分の歌声とは? というところから知るとなると、最初は少しこそばゆいというか。「私の歌ってこんな感じなんだ」ということを改めて考えていきました。

――おふたりらしさを見つけていくところから大変だったのですね。そんな収録を乗り越えて、今回のアルバムには5曲が収録されています。その中でも一押しの楽曲があればぜひ教えてください。

田中:結構いろんなところで言っちゃってるんですが、私が『リブラ』で、

村上:わたしが『パールを落としたマーメイド』。

田中:『リブラ』は単純にメロディとノリが好きです。私はどちらかというと、歌詞に共感するというよりはメロディにノるほうが好きなタイプだったので、リブラもそういう感じで、そもそものメロディやノリが良いところがすごく好きになりました。でも、いざ自分が歌うとなるともちろん歌詞にも注目するようになって。そうすると、かわいい女の子が「どうしよう」って悩んでいるような歌詞が、かっこいいバンドサウンドと相まってめちゃくちゃいじらしくて。メロディも歌詞も愛おしすぎて……。一押しです。

村上:わたしも『パールを落としたマーメイド』はメロディも歌詞も大好きです。5曲の中で一番しっとりしている曲調なんですけど、歌詞にすごく励まされるというか、「背負っている重みを置いていいんだよ」って優しく語りかけてくるような、前向きな気持ちになれるような歌で、初めて聴いた時に号泣しちゃって(笑)。自分の中の重みがほどけていくような感覚になったので、聴いている方を励ませるような歌にしたいと思いながら、気持ちを込めて歌いました。


――ありがとうございます。それでは少し趣向を変えて、本アルバムをハイレゾで楽しむ方に向けて楽曲をオススメするならいかがでしょうか?


田中:それなら私は『HAPPY NACHERRY BIRTHDAY』ですね。他の曲と比べても語りかけるようなメッセージ性の強い歌詞になっていて、歌い方もちょっとウィスパーっぽくて。誕生日にメッセージカードを読んでいるみたいに、語尾の置き方を他の曲より優しく語りかけるように意識して歌っています。それをぜひ良い音質で聴いていただいて、他の曲とのギャップというか、意外性を感じてくれたら嬉しいです!

村上:わたしは……迷うなあ~! 『フォーチュンテラー』と『silly silly silly』で迷っていて……。1曲じゃなきゃダメですか!?

――ぜひ、何曲でも!(笑)

村上:『フォーチュンテラー』は、NACHERRYの1曲目というのもありますし、歌い方も細かくディレクションしていただいたので印象に残っています。歌詞でいうと、「そして世界がキラキラと色付くの見たいわ」のところとか。

田中:「こういう歌い方をしたらかっこいいよ」みたいに教えてもらったんだよね。

村上:『silly silly silly』だと、さっきも言ったフォールを効かせた歌い方にぜひ注目して聴いてみてほしいですね。目立つところはAメロやBメロだと思うんですけど、サビにも取り入れていたりするので。これがもう、主に田中が上手で……。

田中:いやいやいや、なんでそこだけ謙虚になるの(笑)。2人で頑張りましたよ!

――ひとつひとつの楽曲へのアプローチにも注目して聴いていただきたいですね! そんなNACHERRYとして、これから挑戦してみたいことがありましたら教えてください。

村上:わたしは作詞をやってみたいです! 昔から歌詞を書いてみたいと思っていたので、NACHERRYなら実現できるかも? と思っていたり。自分で書いた歌詞なら全部を理解して歌えるから、ストレートな気持ちで歌えそうですよね。あとは、高校の頃にガールズバンドでドラムをやっていたので、どこかでドラムを叩ける機会があればいいな、なんて思ってます!

田中:先日、オンラインでのおしゃべり会があったんですけど、そこで日本中や海外からも応援してくださっている方がいるというのが改めて実感できたので、やっぱりまずはライブをしたいです。最初はきっと東京から始まって、そこから徐々に、北から南へ……むしろ世界まで! 海外だと台湾とか韓国の方が特に多いので。そちらの方でもやってみたいですね。あと、なっちゃんは作詞をやってみたいって言ってましたけど、それでいうと私は衣装のプロデュースとか。デザイン画から考えてみたいですね。

――歌詞や衣装によって、作品におふたりの感性が入り込んでいくのも素敵ですし、それがライブで披露されるのも楽しみですね!

田中:それこそアメリカン・ロックなので、アメリカに行ってPVとかも撮りたいです! NACHERRYのコンセプト通りの場所に行ってみたいんです。

村上:行けるって思ってるよ、私は……!!

田中:強気だ(笑)。私たちだけじゃなくて、制作陣のスタッフさんも「いつかはアメリカに行きたいね」って言ってくださっていて。機会があれば絶対に行きたいですね。

――これからの展開も楽しみにしております! それでは、最後にこの記事をご覧の方々へメッセージをお願いいたします。

村上:このたび、『CANDY SUNDAY』というわたしたちのデビューミニアルバムがリリースされました! 本当に初めてのことばかりでしたが、一生懸命気持ちを込めて歌いました。高音質なハイレゾでそれぞれの楽曲に注目して聴いていただいて、より気持ちが伝わったら嬉しいです!

田中:声優ユニットとしては珍しく、ガチガチのロックなユニットになっています。歌ってる側としてはもちろん歌声も堪能してほしいんですけど、良いオーディオで聴いてもらえると楽器の音も身体にズシンと響くくらい、バンドサウンドもすごくかっこよく仕上がっています! いろんな楽曲が詰まっているアルバムですので、ぜひ堪能してください!

――ありがとうございました!



PROFILE:NACHERRY

声優として活躍中の村上奈津実と田中ちえ美がユニットを結成し、Lantisよりアーティストデビュー。ユニット名「NACHERRY(読み:ナチェリ)」は、自身の名前「奈津実」と「ちえ美」をかけ合わせ、“さくらんぼのように2人でひとつ。楽しいことは2倍楽しんで、足りないところは補い合おう!”という想いで、2人が名付けた。
NACHERRYは、『好きなものに真っ直ぐな、遊び心を忘れない少女のように。ずっとずっと、ワクワクする。』そんなアーティストとして活動。カラフルでポップな2人が、ポジティブで力強いアメリカンロックを歌い、ワクワクを届ける。

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