【期間限定プライスオフ】麻倉怜士が厳選「マイスター・ミュージック」ベストセレクション&名録音を徹底解説

2020/08/21
左右2本のマイクのみという最小限のセッティングでの「ワンポイント録音」で、楽器とホールの響き、更にはアンサンブルの各楽器の最善のバランスまで捉えるという高度な録音技術で、多くのオーディオ・ファン、クラシック・ファンの支持を集めるレーベル「マイスター・ミュージック」。その録音の全ては、レーベルオーナーであり日本人初のトーンマイスター(ドイツの録音技師の国家資格)としても知られる平井義也氏の手によるもの。ここでは、その魅力に迫るべく、オーディオ評論家としてのみならず、音楽講師として津田塾大学と早稲田大学で教鞭を執る麻倉怜士氏が「マイスター・ミュージック」の録音現場を取材。名録音の秘密を徹底解説いたします。さらに、マイスター・ミュージックの誇る膨大なカタログより、オーディオ的にも音楽的にも優れた作品を厳選してご紹介。是非この機会に日本が誇るクラシック・レーベル「マイスター・ミュージック」の魅力を存分にご堪能下さい。

■ワンポイント録音の名匠、トーンマイスター平井氏が手掛ける「マイスター・ミュージック」の名録音を、
麻倉怜士が徹底解説



□麻倉怜士が厳選「マイスター・ミュージック」ベストセレクション期間限定プライスオフ□

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 マイスター・ミュージック作品の素晴らしさは、「響きと明瞭度」が最高度にバランスしていることだ。クラシック音楽は楽器からの直接音と、そこから発した演奏会場の響きとの融合を味わうアコースティックな芸術だ。したがって録音では、この二つの要素が極めて重要になる。ところが、この二つが佳くバランスする作品は、ハイレゾでも稀だ。響きが多すぎると直接音が希薄になり、音の姿がぼける。逆に響きのない楽器音ほど、味気ないものはない。

 マイスター・ミュージック作品は「直接音か、響きか」の二択ではなく、「直接音も、響きも」なのである。ひじょうにクリヤーで緻密なアンビエントの中に、ひじょうに明瞭で、明確な音像が立ち、細部まで解像している。しかも、単に細かい部分をはっきり出すという即物的な解像力ではなく、音楽性を涵養するための必要な音情報がひじょうに多いのが、マイスター・ミュージック作品の美質だ。

 その音の秘密は創業者で、700以上のすべての作品のプロデュース、エンジニアを務めるトーンマイスター(Tonmeister)、平井義也氏の録音にある。平井氏はドイツの国家資格であるトーンマイスターを初めて取得した日本人。そもそもトーンマイスターがつくったレーベルだから、「マイスター・ミュージック」という。
 「録音の現場において、このテイクでよいのか、それともさらにテイクを重ねるのか、音楽と演奏に関する最終責任を負うのがトーンマイスターです」と平井氏は言う。それは単なる音の技術者ではない。音楽家であり、最高の聴き手でもある。1970年代にドイツのデトモルト音楽大学トーンマイスター学科に留学し、音楽学、作曲法、音響工学、電子工学、さらにはピアノ、チューバの実技も習った。「実技試験は、もうまったくピアノ学科と同じ入学試験でした。ピアノの課題曲を数十人の試験官の前で弾くのです。つまり技術的な知識だけでなく、音楽性があるかどうかも厳しく問われるのです」(平井氏)。

 マイスター・ミュージックの音の素晴らしさの理由は端的に言って、トーンマイスターが作る音であるからだ。トーンマイスター視点はさまざまな分野で貫徹している。その1が「ワンポイント・ステレオマイクへのこだわり」。
  マイスター・ミュージックの録音は、ソロ、小編成から、大編成まですべてがワンポイント・ステレオマイクで行われる。理由は二つ。まず「最良の場」で録ることだ。「ホールの一番良い席で体験する音場を再現するためです。収録する作曲家に合った響き、演奏家の音楽性、楽器のバランスを考え、一点を選びます」(平井氏)。
  7月の末に、横浜・みなとみらい小ホールで、元NHK交響楽団主席チェロ奏者、現在はイルミナートフィルハーモニー主席として活躍している木越洋氏のソロチェロの録音セッションを見学した。舞台後方にチェロが居る。そこから約4メートル前方の舞台端にワンポイント・ステレオマイクを約1.5メートルの高さに固定した。この楽器からの距離、マイク高さこそ、トーンマイスターとしてのプロフェッショナルな采配だ。

 もうひとつワンポイント・ステレオマイクでなければならない理由が「倍音」だ。「楽器から発せられた音は、演奏空間に響き行きます。響き成分の大部分は倍音です。つまりマイクが倍音領域まで正しく、豊かに捉えて、初めてホールトーンが再現されるのです。マルチマイクでは、倍音が正しく収録されないのです。なぜならばマルチマイクでは距離が異なる配置となり、各マイクに入る倍音の位相が異なります。それ故に2チャンネルにミックスダウンする時に、異なる位相どうしが干渉し、多くが消えてしまうのです。ワンポイント・ステレオマイクなら、倍音領域まで消えずにそっくりそのまま収録できます。だから私は、ワンポイント・ステレオマイクにこだわるのです」(平井氏)。なるほど、ワンポイント・ステレオマイク選好には明解な音楽的、音響的理由があった。

 次に問われるのは、マイクロフォンの性能だ。倍音まで含んだ楽音、響きをどのように捉えるか。トーンマイスター視点の2として恃むはスウェーデンのデトリック・デ・ゲアール氏の手作りマイク「エテルナ・ムジカ(永遠の音楽)」。世界に数十ペアしかない、特殊な銅を使用したオール・ハンド・メイドの大型マイクだ。「私は、90年代の半ばに、このマイクに邂逅。惚れ込み、それ以来、マイスターミュージックの録音はすべて2本のエテルナ・ムジカのワンポイント・ステレオ使用で行っています」(平井氏)。。

 デトリック・デ・ゲアール氏は、有名なスウェーデンのカッテングマシン設計者。かつてノイマンの中古の真空管マイクM-49の改造を頼まれたが、それは現実的には不可能とわかり、その構造を参考に、一から開発したのが、真空管マイク、エテルナ・ムジカ。高さ27cm、重さ2.2kgという世界一の大きさだ。M-49とはAKGの振動板を使っていることは共通しているが、それ以外はゲアール氏のオリジナルだ。最大の特徴が内部配線に特殊な銅を使った。スウェーデンの銅山をまるごと買い込み、そこで産出した高純度銅で回路基板を構成した。「周波数帯域は8Hz ~ 200kHzという、世界に類を見ない大変優れたマイクです。高域の倍音もたっぷり収録できますし、最近、マイスターミュージックが追求している384kHzサンプリングの帯域も十分にカバーしてくれます」(平井氏)。

 トーンマイスター視点3は「マイキング」だ。セッション毎に楽器本来の響き、楽器と編成の音響特性、作品の時代や調性……などの音楽的要素を考慮し、マイクの位置を選び、指向性をセットする。音の指向性は、楽器や周波数の違いによって、異なる。例えばチェロ。垂直面の音の指向は200Hzでは前方、250Hzでは後方へ、そして2000~5000Hzの倍音領域では上と、前方下の2方向へ分かれる。水平面の指向も周波数帯により、変化する。違う楽器になれば、同じ周波数帯域であっても、指向は異なる。つまり楽器による、そして周波数帯域による指向の違いを鑑みて、マイク位置を決めなければならないのである。さきほどの木越洋氏のソロチェロの録音セッションで、マイク位置を15センチ上げたところ、驚くことには、チェロの響きがより空気に馴染み、音場の空気の隅々までチェロの音で満たされた!

 指向性を可変できるのも「エテルナ・ムジカ」の凄さ、だ。電源ボックスに指向性ダイヤルがあり、単一指向性から全指向性まで11段階で設定できる。平井氏は「エテルナ・ムジカ」の、この機能にも惚れ込んだ。
  「例えば、元NHK交響楽団首席ヴァイオリン奏者の永峰高志とベーゼンドルファー・アーティスト、久元祐子が組んだ、『ロマンス~ヨアヒムの愛器でヨアヒムを聴く~』ですが、シューマンのロマンスでは音をタイトな方向で、ブラームスのヴァイオリン・ソナタは、音の拡がりを追求する方向で、電源ボックスでの指向性、マイク高、音源からの距離を適宜、調整しました。バッハなら明瞭な和声の響きが必要ですから、単一指向にしてフォーカスを上げ、そこに響きを載せるのです。作曲家、時代、様式にあった音にしなければなりません」(平井氏)。

 トーンマイスターならではの視点、発想、行動様式が、「響きと明瞭度」が最高度にバランスした、ひじょうに音楽性の濃い音に結実した。なぜマイスターミュージック作品は傑作の森なのかの理由が、分かった。





マイスターミュージック代表、トーンマイスター(Tonmeister)の平井義也氏。横浜・みなとみらい小ホール。右は筆者。






スウェーデンのデトリック・デ・ゲアール氏の手作りマイク「エテルナ・ムジカ(永遠の音楽)」。
世界に数十ペアしかない、特殊な銅を使用したオール・ハンド・メイドの大型マイク。



電源ボックスに指向性ダイヤルがあり、単一指向性から全指向性まで11段階で設定できる。



木越洋氏による「バッハ:無伴奏チェロ組曲」の録音セッション。
舞台後方の反射板で、チェロから横に放射される音を前方に反射させる。
チェロから約4メートル前方の舞台端に「エテルナ・ムジカ」を約1.5メートルの高さに固定した。






Pyramix画面と、オーディオ・インターフェイスのHapi。録音はDXD384KHz/24bit。
「情報量が多いため、編集もより精緻な作業が必要となり、時間も従来の3倍程を要します」(平井氏)






■麻倉怜士が厳選「マイスターミュージック」ベストセレクション

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■麻倉怜士が厳選した「マイスターミュージック」ベストセレクション:弦楽




J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ
BWV1001-1003』/川田知子

ソリストとして国内外のオーケストラと積極的に共演する一方、リサイタルや室内楽でも活躍する川田知子の「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ BWV1001-1003」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、  DSF 11.2MHz/1bit、2017年)。
 鮮明、鮮烈。音の粒子が鋭角的に音源から飛び散る爽快さ。センターに端正に位置するヴァイオリンから、万華のカラフルな倍音が放射され、緻密で濃密な音像が形成される。ひじょうに透明で、篤い音楽性が聴け、重音を構成する一音一音が個別に聴き取れるほどの、楽譜の縦方向の解像度の高さ、時間方向の響きの飛翔感に感嘆。

パッサカリア ~ヴァイオリンとチェロのための作品集~
大宮臨太郎藤村俊介

大宮臨太郎(ヴァイオリン)と藤村俊介(チェロ)の「パッサカリア  ヴァイオリンとチェロのための作品集」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、DSF 5.6MHz/1bit、2017年リリース)。
 豊かな響きを伴い、ヴァイオリンもチェロも確かな存在感を聴かせる。ヴァイオリンとチェロのデュオは、あるようであまりないが、同じ弦楽という共通点を持ち倍音の音色も似ているので、低域と高域がスムーズに融合する。ヴァイオリンの艶やかで華やか、そして鋭い音色感、チェロのそれとは対照的な渋みを持ち、朗々とした質感が、素敵なコンビを成している。




コダーイ&カサド:無伴奏チェロ作品集
安田 謙一郎

日本を代表するチェロの名匠、安田謙一郎の「コダーイ&カサド:無伴奏チェロ作品集」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、 WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、2016年リリース)。「松ヤニが飛び散る」というチェロの名録音を形容する惹句があるが、ハイレゾな松ヤニを飛び散らせたのが本録音だ。低域の雄大さ、中域の繊細で剛毅な表情、高域の伸びの鋭さ……ワイドレンジな音の拡がりが体感できる録音だ。辺りを睥睨する低音のボリューム感、身悶えるような高音の艶と色気。振幅の大きなヴィブラートが空気を震わせる。

レゾナンス ~チェロ二重奏~
安田謙一郎藤村俊介鴨川華子宮坂拡志

安田謙一郎、藤村俊介、鴨川華子、宮坂拡志の「レゾナンス ~チェロ二重奏~」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、DSF 11.2MHz/1bit、2018年リリース)。
 実に暖かく、ゆったりとした、安寧な響き。音の動きをそのディテールに至るまで、オンマイクで徹底的にすくい取るという高解像度指向ではなく、ある離れた距離から、チェロの直接音と会場に拡がる間接音の二つを同時にたっぷりと堪能するとの録音方針と聴いた。ロッシーニの「チェロとコントラバスのための二重奏曲」には、直接音の細部までこだわったカメラータ・トウキョウの名アルバムがあるが、マイスターミュージック版は、豊かなソノリティと、響きの美しさが味わえる。




メロディー -チェロ小品集-
桑田歩

NHK交響楽団のチェロ奏者、桑田歩の2枚目のソロアルバム「メロディー -チェロ小品集(WAV 96kHz/24bit、2011年リリース)」。ピアノもチェロも 2つのスピーカーの間に、大きな音像で発音する。輪郭を明確に与える音像描画ではなく、音場そのものが楽器となり、音場全体から音が出る。音色はまろやかで、潤いが心地好い。フォルテでも声を張り上げずに、ジェントルに愛情豊かに奏する。

パッサカリア ~4本のチェロのための作品集Ⅶ~
ラ・クァルティーナ

NHK交響楽団首席チェロ奏者の藤森亮一を中心に、N響のチェリスト4人で2000年に結成した「ラ・クァルティーナ. La Quartina」の「パッサカリア  4本のチェロのための作品集Ⅶ」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit。オリジナルスペックは44.1kHz/16bit。2018年リリース)。尖鋭で鮮明。4本のチェロのひとつひとつが明確な音像を持ち、同時にステージ上で、ひとつの響きとして有機的に融合している。堂々たる低音感のチェロのピッチカートが、周りの空気を震わせる。低音の深さ、安定感をたっぷり体感しよう。






■麻倉怜士が厳選した「マイスターミュージック」ベストセレクション:鍵盤楽器


J.S バッハ:パルティータ全曲
J.S バッハカール=アンドレアス・コリー

スイスの古い教会音楽家の家系に生まれた、チューリッヒ国立音楽大学大学院教授のピアニスト、カール=アンドレアス・コリーの「J.S バッハ:パルティータ全曲」(WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、2014年リリース)。
 収録会場の美しい響きのソノリティに包まれた、明確で明晰なバッハが聴ける。各声部が独立して存在し、それらが対位法として見事に融合している様が、美的に捉えられている。

F.F. ショパン:ワルツ(全曲)
カール=アンドレアス・コリー

カール=アンドレアス・コリーの「ショパン:ワルツ集(全曲)」(flac 96kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、DSF 5.6MHz/1bit、2020年リリース)。
 2010年、横須賀芸術劇場の小ホールにて96kHz/24bitで収録されていた音源を、リマスターした。「最新機材でリマスターすると、当時は再生できなかった倍音が豊かに再生できるようなります、その結果、より響きが豊潤になるのです。もともと信号に入っていた微少な部分の再現性が格段にあがるのです」とマイスターミュージックのトーンマイスター&プロデューサー、平井義也氏は言う。 
 録音時、ドイツはハンブルグで修業をした調律師がショパン向けの音色調整(3本の弦のバランスを変える)を施したという。豊潤な響きがショバンの華麗さをよりブリリアントに演出している。サロンでのショバン像が彷彿されるような演奏であり、録音だ。




アルベニス:入り江のざわめき
~スペイン・ピアノ名曲集~
細川夏子

スペイン音楽のスペシャリスト、細川夏子の「アルベニス:入り江のざわめき ~スペイン・ピアノ名曲集~」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、2016年リリース)。豊かな色彩感、煌めきの粒子感、グロッシーな輝き……会場に拡がる響き成分にスペイン音楽を象徴する多くの記号が聴ける。まさにスペシャリストならではの妖艶で華麗な音色を満喫できる好アルバム。

ラ・カンパネッラ』/須関裕子


桐朋女子高等学校音楽科2年在学中、16歳でチェルニー=ステファンスカ国際ピアノコンクール第1位を獲得した須関裕子のデビュー作「ラ・カンパネッラ」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、DSF 5.6MHz/1bit、2018年リリース)。
 音場と音像のバランスが好適で、眼前的な臨場感が聴ける。音色的な華麗さと、ハイレゾ的なヌケの良さ、高解像感が素晴らしい。加えて、それらがいかにも的な人工色ではなく、とてもナチュラルであること、音場は深みがあるのに鍵盤感や音の立ち上がり/下がりが明瞭で、音像が適切なサイズにまとまっていることなど、平井氏の仕事にセンスの良さを感じる。須関のピアノはレガートの優しさが心地良い。




めぐる季節と散らし書き 子どもの音楽
高橋悠治

高橋悠治が20世紀前半の作曲家の子ども音楽を弾いた「めぐる季節と散らし書き 子どもの音楽」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、 DSF 11.2MHz/1bit2017年リリース)。 リリカルでブリリアントなピアノ。一音一音のタッチに魂が籠もり、ハンマーで叩かれた音は、微細な音の粒子となって、音場内に飛び出し、キラキラと輝きながら、響きの軌跡を残す。絶妙なペダリングから生まれる、グロッシーな音の饗宴だ。

『トッカータとフーガ』ドイツのオルガン音楽
~バッハとその周辺
紙屋信義

キルヘムジカ(教会音楽家)は単にオルガンを弾くだけでなく、合唱やオーケストラの指導、作曲、ミサや礼拝においては即興に演奏する……など、教会で行われる音楽活動全般を担当する。キルヘムジカ、紙屋信義の「『トッカータとフーガ』ドイツのオルガン音楽~バッハとその周辺」(flac 96kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、DSF 5.6MHz/1bit、2020年リリース)。壮大で雄大。音の構造は厚いが、各レイヤーの透明度が高く、音場はクリヤーにして、見渡しが深い。緊張感と弾力感に溢れる音のテクスチャーを堪能。






■麻倉怜士が厳選した「マイスターミュージック」ベストセレクション:木管


パルティータ ~無伴奏フルート作品集~
渡邊 玲奈

数多くのコンクールで輝かしい実績を持つ渡邊玲奈の「パルティータ ~無伴奏フルート作品集」(WAV 96kHz/24bit、2012年リリース)。音の粒子が屹立し、ひじょうに鮮明でクリヤー。息継ぎやタンポの開閉音という些少なノイズまで、こと細かに捉えられている。ソロフルートは音場のセンターに大きな音像で位置し、響きがきれいに空間に飛翔する。一音一音が明確、明瞭で、音場が澄む。

G線上のアリア~フルート、ピアノ&ベースによるトリオ・セッション~』/ブルース・スターク工藤 重典ブレント・ナッシー

ブルース・スターク、工藤 重典、ブレント・ナッシーの「 G線上のアリア~フルート、ピアノ&ベースによるトリオ・セッション~」 (WAV 96kHz/24bit、 横須賀芸術劇場のヨコスカ・ベイサイド・ポケットでレコーディング、2012年リリース)。
 バッハやベートーヴェンの名旋律がJAZZを帯び、スウィングする。「G線上のアリア」では、冒頭のフルートの音が会場に広く拡散する様子がリアルだ。途中から加わるピアノはキラキラとしたブリリアントトーン。即興と不協和音を交え中央にて凝縮的に鳴るピアノと、広い空間を浮遊するフルートとの音場的な対比が面白い。
 ファイル・ウェブでのインタビューで平井氏は「横須賀芸術劇場のヨコスカ・ベイサイド・ポケットは可動式舞台なので、客席よりも舞台が低くなるようなセッティングにし、サウンドを逃がさないようにしました。ジャズ風の部分は歯切れ良い音が欲しいし、クラシックの部分は流れるような響きが欲しい…。そのどちらも両立できるようなマイクセッティングを行いました」と述べている。




アラベスク ~クラリネット小品集~
松本健司

NHK交響楽団首席クラリネット奏者で、木管三重奏団トリオ・サンクァンシュの団員でもある松本健司の「アラベスク ~クラリネット小品集~」(WAV 96kHz/24bit、2013年リリース)。  突きぬけるように尖鋭で、同時にウォームで柔らかいクラリネットの人間臭いサウンドが堪能できる。低域のまろやかさ、中域の艶感、高域の華やぎ……とクラリネットの多彩な音色表現のデパート的な作品だ。録音もすこぶる優秀で、音の情報(クラリネットの音色を形成する音の粒子のふるまい)も微視的にクリヤー。

チャールダーシュ
赤坂達三寺島陸也斎藤順

クラリネットのスター赤坂達三、寺島陸也(ピアノ)、斎藤順(コントラバス)のトリオによる「チャールダーシュ」( flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、2017年リリース)。
 人気タイトルの再デビュー版だ。1999年に44.1kHz/16bitでレコーディングした音源を最新技術を使いリマスター&アップコンバートした。平井氏によると、「各作品の調性に合わせ、より細かなリマスター作業を施しました」。鮮烈でシャープなクラリネットサウンドである。くっきりと輪郭を描き、透明な音場に響きを拡散させる。高域の鋭さ、タイト感も聴きどころ。クラリネットもピアノもコントラバスも音像は鮮明で、音が前に飛び出す。音色はブリリアント。




5つのミニアチューレ クラリネット・アンサンブルの芸術 Ⅰザ・クラリネット・アンサンブル

第一線で活躍する豪華メンバーが結集したザ・クラリネット・アンサンブルの「5つのミニアチューレ クラリネット・アンサンブルの芸術Ⅰ」(flac 192kHz/24bitL,flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、 2016年リリース)。
 ドボルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」のクラリネット・アンサンブル編曲。馴染みのペンタトーンメロディが、弦でなくクラリネットで奏されるのは、懐かしさを伴って、耳に心地よい。異楽器でなく、高域から低域まですべて同族楽器だから、音色的な統一感と同時に、周波数帯域が違う楽器による、万華の音のバラエティも味える。録音も極上。5つのクラリネットの個性を見事に捉え、しかも、豊かなソノリティとも相俟ってクリヤーな響きの融合を堪能。53曲も収録されたお徳な(?)アルバムだ。

恋のうぐいす ~バロック作品集~
池田昭子大塚直哉西澤央子

池田昭子(オーボエ、イングリッシュ・ホルン&オーボエ・ダモーレ)、大塚直哉(チェンバロ)、西澤央子(チェロ)のトリオで「恋のうぐいす~バロック作品集~」(WAV 96kHz/24bit、2013年リリース)。オーボエとチェンバロは、典雅なバロック的景色だ。どちらもたいへん明瞭で、解像感が高い。チェンバロの爪弾き的な離散音と、オーボエのすべらかな持続音の組み合わせが、よい案配を醸し出している。2つの楽器の明瞭さと音場の響きの透明感が印象的だ。池田昭子は曲に合わせオーボエ、イングリッシュ・ホルン、オーボエ・ダモーレを持ち替えて演奏している。




エディット・ピアフへのオマージュ
トリオ・サンクァンシュ

NHK交響楽団で活躍中の3人、池田昭子(オーボエ)、 松本健司(クラリネット)、菅原恵子(ファゴット)による木管トリオ「トリオ・サンクァンシュ」による「エディット・ピアフへのオマージュ」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、2016年リリース)。
 オーボエ、クラリネット、ファゴットというリードを持つ木管楽器のアンサンブル。目の覚めるような鮮明な音だ。ひじょうに解像度が高く、クリヤーで粒立ちが良い。ひとつのメロディ楽器だけでなく、残りの二つの楽器も、同時に明瞭に聴ける。つまり主従がないアンサンブルであり、メロディを修飾する他の楽器の音も十分に主役を張っている。「TRIO CINQ ANCHES」とはフランス語で「5枚のリード」の意味。ダブルリードのオーボエとファゴット、シングルリードのクラリネットを合わせると2+2+1=5枚のリードとなる。

田園のコンセール
池田 昭子松本 健司菅原 恵子

同じくトリオ・サンクァンシュの「田園のコンセール」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、2009年制作の44.1kHz/16bit音源からアップコンバート。2016年リリース)。尖鋭で鮮明。3つの楽器が独立性を保ちながらも、合奏で融合する様子が美しい。個個の楽器の特徴的な音色が明瞭に分かり、音場内にクリヤーに響きが拡散する。ミクロとマクロの響きが好バランスした作品。




モノローグ~ファゴット無伴奏作品集
岡崎耕治

日本のファゴット界の第一人者・岡崎耕治の「モノローグ ファゴット無伴奏作品集」( WAV 96kHz/24bit、2013年リリース)。実に鮮明な音だ。ファゴットがセンター位置に明確な音像を持って立つ。典雅でまろやかにくすんだ音が、音場にいっぱいに拡がる。濃密な響きと共にファゴット自体の直接音もたっぷり聴ける。ふだんは目立たないファゴットだが、いかに魅力的な音を発するのかが分かる好ハイレゾだ。

ブレザー・クインテット
一戸 敦杉浦 直基磯部 周平吉田 将

元NHK交響楽団クラリネット首席の磯部周平を中心にN響、読響、新日フィル、東響の首席及び首席経験者が集った、木管五重奏団ブレザー・クインテット(フルート+オーボエ+クラリネット+ホルン+ファゴット)のデビュー・アルバム。磯部が東京芸大で師事した三枝成彰の木管五重奏曲を始め、邦人作曲家の作品集だ(WAV 96kHz/24bit、2012年リリース)。
 鮮明で尖鋭、実に生々しい。会場の響きは少なく、木管楽器からの音がダイレクトに飛んでくる。ソロにおいて個個の楽器の音色が格段に澄んでいることに加え、アンサンブルになっても個個の音が明瞭で、それらが混ざり合ってもクリヤーさは微塵も減らない。個別の音が明確に聴け、合奏にて異なる音色が混ざり合う融合感が楽しめるのが木管アンサンブルの醍醐味。見事な録音で堪能できる。




プーランク:六重奏曲
クドウ・シゲノリ・ウインド・アンサンブル

クドウ・シゲノリ・ウインド・アンサンブルの「プーランク:六重奏曲」(flac 192kHz/24bit、flac 96kHz/24bit、WAV 192kHz/24bit、WAV 96kHz/24bit、DSF 11.2MHz/1bit。2018年リリース)。
 木管アンサンブルの魅力がたっぷり詰まったアルバムだ。音がとても明晰だから、フルート、クラリネット、オーボエ……という楽器が持つ個別の音色感と、それらが合奏によって融合する、音色的ターミノロジーの二面性が楽しく聴ける。録音もこの二面性---「個個と集合」というコンセプトを大事にしており、音色的キャラクターを明確に捉えている。

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