【8/28更新】 ハイレゾで聴く 世界音楽漫遊記 musical travel around the world ~フランス編~

2020/08/28
e-onkyo musicでは世界各国の文化に触れていただこうと「2020 ハイレゾで聴く世界音楽漫遊記」と題して、世界の音楽を連載形式でご紹介しています。
それぞれの国を代表する「オーケストラ」「作曲家」をはじめ、その国の「伝統音楽」や「民謡」、そして現代の「ジャズ」「ポピュラーミュージック」をご紹介。これまで日本ドイツ、イギリス、カナダと各国の音楽を紹介してきました。前回からちょっと間が空いてしまいましたが、今回は「フランス」の音楽をご紹介!。是非この機会にハイレゾで世界各地の音楽にふれてみてください。

◆メニュー

フランスを代表するオーケストラ
フランスの作曲家
フランスの伝統音楽
フランスのジャズ
フランスのポピュラーミュージック


◆フランスを代表するオーケストラ

パリ管弦楽団(Orchestre de Paris)
パリ管弦楽団(Orchestre de Paris)は、1828年に設立されたパリ音楽院管弦楽団が解散した後、1967年にフランス文化大臣アンドレ・マルローの要請により指揮者シャルル・ミュンシュを首席指揮者に迎えて新たに設立された。シャルル・ミュンシュは、1968年の初のアメリカツアー中に亡くなり、その後、ヘルベルト・フォン・カラヤンゲオルグ・ショルティダニエル・バレンボイムセミヨン・ビシュコフクリストフ・エッシェンバッハパーヴォ・ヤルヴィダニエル・ハーディングが歴代の首席指揮者を務めた。



チャイコフスキー:《くるみ割り人形》組曲、《眠りの森の美女》組曲
小澤征爾, パリ管弦楽団

若き小澤征爾パリ管弦楽団との華やかなチャイコフスキーの名演。バレエ組曲『くるみ割り人形』と『眠りの森の美女』での雰囲気を巧みに生かした若さ漲る演奏は、聴く人々を魅了させずにはおかない。録音はボストン交響楽団の音楽監督に就任して間もない1974年でパリの伝統のあるホール、サル・ワグラムでの録音。この時期小沢はパリ管弦楽団をはじめ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ニュー・フィルハーモニア管弦楽団でも常連の指揮者となっている。


シベリウス:交響曲全集
Paavo Jarvi (conductor) Orchestre de Paris


1985年、指揮者としてのデビュー演奏会で交響曲第1番を取り上げて以来、30年以上にわたり、シベリウスの7曲の交響曲はパーヴォ・ヤルヴィにとって最重要のレパートリー。パーヴォがこの最も大切な音楽を録音することを決意し、相手に選んだのは何とフランスの名門、パリ管弦楽団。パリ管はシベリウスの独創的かつ個性的な音楽語法を見事に咀嚼し、持ち前の豊麗かつ深みのある美しいサウンドで、新たな作品像を描き出している。



Perlman plays Saint-Saëns, Chausson & Ravel
Itzhak Perlman


現代を代表する世界的ヴァイオリンの巨匠、イツァーク・パールマン。その大家としての巨匠性と、親しみやすい人間性がにじみ出る小品名曲でエンタテインメント的演奏とを両立させる録音の数々。本作は74年録音、EMI原盤のフランスの魅力的なヴァイオリンとオーケストラのための4つの作品で、パールマンは、自身がヴァイオリンを学んだ指揮者ジャン・マルティノンのもと、パリ管弦楽団と共演しています。それぞれの音楽が醸し出す様々な感覚を見事に描き分けています。


フランス国立管弦楽団(Orchestre national de France、略称:ONF)

1934年2月18日、当時の郵政相ジャン・ミストラーの提唱により、フランスラジオ放送(RDF)専属のオーケストラ「フランス国立放送管弦楽団(Orchestre national de la radiodiffusion Française)」して創立。デジレ=エミール・アンゲルブレシュトを初代首席指揮者に迎えてスタートした。1964年以降は「Orchestre national de l'ORTF」( ORTF=フランス放送協会)となる。1974年10月、創立40周年を迎え、セルジュ・チェリビダッケ指揮、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ独奏の記念コンサートを開催した。1975年、ラジオ・フランスに管理・運営が移管されるに伴い、「フランス国立管弦楽団(Orchestre national de France)」と改称。チェリビダッケを初の音楽監督に迎え注目されたが一年足らずで辞任し、その後は常任を置かずにレナード・バーンスタインロリン・マゼールが中心となり精力的にその空白期間を埋めた。1977年にマゼールが首席客演指揮者に就任し、翌1978年にこのコンビで来日した。



R.シュトラウス:楽劇《サロメ》の音楽、管弦楽伴奏による5つの歌曲/ボーイト:歌劇《メフィストーフェレ》から〈天上のモノローグ〉
モンセラート・カバリエ, ニコライ・ギャウロフ, レナード・バーンスタイン

室内楽的な美しさが光るバーンスタインR・シュトラウス作品集。前半は自由な技巧と幅広い表現能力を備えたスペインの名ソプラノのモンセラート・カバリエが歌う《サロメ》のモノローグと管弦楽伴奏による5つの歌曲を収録。後半は戦後最高のバス歌手の一人とされ、広い音域で深みのある声を持ち、知的でよくコントロールした歌唱を聴かせるブルガリアの偉大なバス歌手、ニコライ・ギャウロフをソリストとして迎えての歌劇《メフィストーフェレ》から「天上のモノローグ」。


Americas
Anne Gastinel, Orchestre National de France, cello section, Sandrine Piau


まっすぐな音色で人々を魅了するチェリスト、アンヌ・ガスティネルの2015年作。ピアソラヴィラ=ロボスという2人の南米の作曲家を取り上げている。ピアソラ作品は、チェロ・アンサンブル版。チェロだけで奏でられているとは思えないような、各声部の渋味を効かせた色彩や陰影感が見事。ガスティネルが奏でるソロも、いぶし銀のような音色で光っている。ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」ではピアソラとは一転、カラリとした明るさと美しい響きのバランスが心地よいアンサンブルが展開されている。


Klemperer Rarities: Montreux
Gurzenich Orchestra, Otto Klemperer, Orchestre National de l'ORTF, Clara Haskil

20世紀を代表する指揮者の一人、オットー・クレンペラー指揮の希少な録音を収録。前半はケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団を従えてのブラームス交響曲第1番。後半はOrchestre national de l'ORTF時代のフランス国立管弦楽団によるモーツァルト:セレナード13番(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)、ピアノ協奏曲27番、交響曲29番、交響曲41番を収録。ピアノ協奏曲27番ではルーマニア出身で当時もっとも秀でたモーツァルト弾きと言われたピアニスト、クララ・ハスキルがソロイストとして演奏している。


フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre philharmonique de Radio France)

フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre philharmonique de Radio France)は、フランスのパリにある放送局ラジオ・フランス(Radio France)付属のオーケストラ。正式名称からラジオ・フランス・フィルとも呼ばれる。1937年に指揮者レネ=バトンによりラジオ・シンフォニック管弦楽団として結成。幾多の変遷を経て1989年に現在のフランス放送フィルハーモニー管弦楽団と改称。歴代の音楽監督はウジューヌ・ビゴー、シャルル・ブリュック、ジルベール・アミ、マレク・ヤノフスキチョン・ミョンフン、2015年からはミッコ・フランクが務めている。



Saint-Saëns La Muse et le Poète
Lionel Bringuier

ヴァイオリニストのルノー・カピュソンとチェリストのゴーティエ・カピュソンの兄弟が、フランスの若手指揮者リオネル・ブランギエフランス放送フィルハーモニー管弦楽団と共演。パリのサル・プレイエルとシャトレ座で録音されたこの作品は、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番、チェロ協奏曲第1番、ヴァイオリンとチェロとオーケストラのための二重奏曲である「ラ・ミューズとポエート」で構成されており、叙情的で親密な「ラ・ミューズとポエート」は、滅多に聴くことのできない作品である。


T. ランチーノ:レクイエム
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団, エリアフ・インバル


まるで巨大な鉄槌を振り下ろすかのように、重々しい打撃音が延々と続くこのフランスの作曲家ランチーノによる「レクイエム」の冒頭。ここを聴いただけで思わず頭を垂れてしまいたくなるような、衝撃的な作品。20世紀になって書かれたレクイエムは、宗教的な観点よりも、より人間の存在について掘り下げるものが多いが、この曲もその一つの形と言える。マーラーブルックナーで音楽というものを高みに引き上げた名指揮者インバルによる、人間の暗部に光を当てるかのような明晰な演奏。


Concerto pour piano, Concerto pour violoncelle
Michel Legrand


映画音楽界の巨匠にして、名ジャズ・ピアニスト、ミシェル・ルグラン初の本格的クラシック・レコーディング。ルグランは、多彩な楽器を駆使した豪華でジャジーなオーケストレーションが特徴的だが、80歳を過ぎて原点回帰的な内容のアルバムとなった。「ピアノ協奏曲」はルグラン本人がソリストを務め、「チェロ協奏曲」は気鋭のチェロ奏者アンリ・ドマルケットがソリストを担当した。オーケストラは名門フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、指揮はフィンランド出身のミッコ・フランク



◆フランスの作曲家

エクトル・ベルリオーズ
幻想交響曲』、『ローマの謝肉祭』、『ファウストの劫罰』(ハンガリー行進曲を含む)などが有名なフランスにおけるロマン派音楽の作曲家、指揮者ベルリオーズ(Louis Hector Berlioz/1803-1869)。この他に『死者のための大ミサ曲』(レクイエム、1837年)にみられるように、楽器編成の大規模な拡張や、色彩的な管弦楽法によってロマン派音楽の動向を先取りした。標題音楽のパイオニアでもあり、音楽の新しい在り方を切り開いた。



ベルリオーズ:幻想交響曲('54年録音)劇的交響曲「ロメオとジュリエット」~愛の情景
Charles Munch (Conductor) Boston Symphony Orchestra


シャルル・ミュンシュは、ピエール・モントゥーと同じく、長年にわたりクラシック界のフランス学派を代表してきた。彼は世界中の音楽家にベルリオーズの天才性を浸透させるために、あらゆるエネルギーと才能を注ぎ込んだ。彼はなんと「幻想交響曲」を7回も録音している。1954年録音のボストン交響楽団とのこのバージョンは、バランス、呼吸、色彩が新たな高みに到達している。シャルル・ミュンシュは、彼自身が自分がベルリオーズの音楽の最高の解釈者であることをここで明らかにしているようだ。



ベルリオーズ:レクイエム 【ORT】
エリアフ・インバル, フランクフルト放送交響楽団, キース・ルイス, ハンブルグNDR合唱団


1989年5月にDENONが誇る《CREST #1000》シリーズ《ベルリオーズ作品集成》の第一弾として88年9月録音の本作『レクイエム:死者のための大ミサ曲』が発売された。通常のオーケストラの人数を大幅に超えた数の演奏者での演奏はマーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」に匹敵する迫力あるサウンド。ベルリオーズの作品が併せ持つ狂気と知性を明晰な解釈で繰り広げるインバルの演奏は高く評価され「レコード芸術」誌 "特選"となり、その年の「レコードアカデミー賞 声楽部門」を受賞した。



ベルリオーズ: イタリアのハロルド/他
ジョヴァンニ・ラディヴ, リーズ・ベルトー, フランス国立リヨン管弦楽団, レナード・スラットキン


イギリスの名詩人、第6代パイロン男爵ジョージ・ゴードン・バイロンが1812年に出版した「チャイルド・ハロルドの巡礼」にベルリオーズが音楽を付けた作品。曲全体の物語はとても面白く、まだベルリオーズ特有の「イデー・フィクス(固定観念)」もふんだんに登場し、特に第4楽章での楽器たちの喧騒と狂乱は幻想交響曲を超えるほどの熱狂を呼ぶ。残りの3曲は、全て歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」に関係する作品で、有名な「ローマの謝肉祭」も元々はこの歌劇の間奏曲として作曲されたもの。


カミーユ・サン=サーンス
1835年、パリで生まれる。幼少期はモーツァルトと並び称される神童で、2歳でピアノを弾き、3歳で作曲をしたと言われている。1857年より当時のパリのオルガニストの最高峰といわれたマドレーヌ教会のオルガニストとして活躍。普仏戦争終了後の1871年にフランク、フォーレらとともに国民音楽協会を設立し、フランス音楽の振興に努めた。代表曲は『サムソンとデリラ』、組曲『動物の謝肉祭』、交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」など。



サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン》、死の舞踏、バッカナール、他
シカゴ交響楽団, パリ管弦楽団, ダニエル・バレンボイム


循環形式の手法によって細部に至るまで有機的に関連付けられ、色彩感に溢れたオーケストラと壮麗なオルガンの響きが効果的に対置されたサン=サーンス円熟期の交響曲第3番。バレンボイムシカゴ交響楽団が雄大なスケールの演奏を繰り広げています。オーケストラをシカゴで、オルガンをパリで収録しており、このシンクロ録音は初出当時大いに話題となった。当時音楽監督を務めていたパリ管弦楽団を指揮した「サムソンとデリラ」他3曲の管弦楽曲をカップリング。



Saint-Saens: Cello Concertos, Le carnaval des animaux, Africa & Wedding Cake
Truls Mork, Bergen Filharmoniske Orkester, Neeme Jarvi, Louis Lortie, Helene Mercier


ノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団ネーメ・ヤルヴィによる、オーケストラとピアノまたはチェロのためのサン=サーンスの人気作品を集めた珍しい作品集。フランス放送フィルハーモニー管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスを務めるトゥルルス・モルクが、対照的な2つのチェロ協奏曲のソリストを務めてる。またルイ・ロルティエレーヌ・メルシエのピアノ・デュオが、『動物の謝肉祭』に参加。


Saint-Saens: Violin Concerto No. 3 / Caprice Andalous
Jean-Jacques Kantorow, Tapiola Sinfonietta, Kees Bakels, Heini Kärkkäinen


サン=サーンスは、早くから作曲を始め、長い人生の中で300以上の作品を作曲したが、その中でも最も愛されているのが、本作のオープニングを飾るヴァイオリン協奏曲第3番である。カップリングには「ノアの洪水」(M6)、「アレグロ・アパッショナート」(M8)等、普段あまり聴かれることがないが、「リンゴの木がリンゴを実らせるように、私は音楽を作り出す」とかつて語った作曲家の卓越した芸術性を示す作品を収録。


ガブリエル・フォーレ
ガブリエル・フォーレは、『レクイエム』、『月の光』などで知られるフランスの作曲家。サン=サーンスにピアノと作曲を師事し、パリのマドレーヌ教会でオルガニストとして活躍した。フランス国立音楽学校の作曲家教授としてモーリス・ラヴェルを指導した経歴を持つ。フォーレの音楽は、古典主義的と当時の流行の形式との折衷的な様相を見せるが、和声の領域ではシャブリエとともにドビュッシー、ラヴェルへの橋渡しといえる存在であり、19世紀と20世紀をつなぐ役割を果たしている。



Faure: Cantique De Jean Racine / La Naissance De Venus / Pavane / Requiem
Yan Pascal Tortelier, City of Birmingham Symphony Chorus, BBC Philharmonic Orchestra, Pamela Helen Stephen, 他

オルガンと室内楽を伴ったレクイエムのフォーレのオリジナルバージョンは、近年多く復活している。本作は非常にシンプルで、ゴージャスな録音。指揮のヤン・パスカル・トルトリエは、しなやかなフレージング、滑らかなダイナミックなうねり、温かくブレンドされた弦楽器の色(木管楽器はピリッとしたものではなく、甘美なもの)、優しいルバート(レクイエム「アグヌス・デイ」の最後のエレガントなリズムのコントロールに注目)、そして穏やかなアクセントで、聴き手を驚かせたり音楽の静かな流れを邪魔せずに、フォーレの超越した静けさを際立たせている。



Faure: Masques et bergamasques & Pelleas et Melisande
Seattle Symphony Orchestra, Ludovic Morlot, Demarre McGill, Alexander Velinzon, Efe Baltacigil, Seattle Symphony Chorale


マスクとベルガマスク」、「ペレアスとメリザンド」、「ドリー」といったフォーレの最も愛される管弦楽作品を、豪華で洗練された美しい録音で収録。他にも独奏楽器のための3つの短い作品と、有名なパヴァーヌの合唱版の貴重な録音を収録し、フォーレの管弦楽曲集の決定版となっている。自然な音像、豊かなダイナミックレンジを備えたこれらの録音は、オーディオマニア向けに設計されており、シアトル交響楽団の本拠地であるベナロヤホールのステージで演奏されるオーケストラの音を可能な限りリアルに再現することを目指している。



Fauré: The Music for Cello & Piano
Andreas Brantelid, Bengt Forsberg, Filip Graden


本作では、フォーレのチェロとピアノのための全曲が収録されており、その中には、”サロン・ミュージック”と評されることもある「エレジー」(M11)と「シシリエンヌ」(M10)も含まれている。しかし、この軽めの曲の隣には、フォーレの晩年の2つのソナタがある。1917年に発表されたソナタ第1番ニ短調は、戦時中の作品であり、時に暴力的で荒々しいものである。第2番ト短調のソナタはより親しみやすく、快活なフィナーレで、作曲家ヴァンサン・ダンディが78歳のフォーレに「若くしていられて何て幸運なんだ!」と言ったのがきっかけとなった。チェロのアンドレアス・ブランテリッドとピアニストであり、室内楽奏者としても高い評価を得ているベングト・フォルスバーグとのコラボレーション作品。


クロード・ドビュッシー‎
「月の光(ベルガマスク組曲)」、「2つのアラベスク」、「子供の領分」、「海」、「夜想曲」などの代表曲で知られるフランスの作曲家。特徴的な作曲技法から「印象主義音楽(印象派)」と称され、長音階・短音階以外の旋法と、機能和声にとらわれることのない自由な和声法などを用いて独自の作曲を実行し、その伝統から外れた音階と和声の用い方から19世紀後半から20世紀初頭にかけて最も影響力を持った作曲家である。



月の光~ドビュッシー、ラヴェル、フォーレ:作品集
メナヘム・プレスラー


2008年、自身が1955年に結成したボザール・トリオを解散後、ソリストとして活動を始め90歳でベルリン・フィルにデビュー、その繊細なタッチによる美音と豊かなアーティキュレーション、深い音楽性で人気ピアニストの仲間入りを果たしたプレスラーの2017年録音作品。1946年、サンフランシスコで開催されたドビュッシー国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得して国際的な活躍を始めたプレスラーにとって重要なレパートリーであるドビュッシーフォーレラヴェルを収録したフランス音楽作品集。



ドビュッシー名演集
スイス・ロマンド管弦楽団, エルネスト・アンセルメ


伝統的な和声法や形式感から脱却してフランスの近代音楽を確立したドビュッシー。輪郭を溶かし込んだようなサウンドからモネやルノワールらの絵画にもたとえられ、音楽における印象主義と呼ばれたその代表的なオーケストラ曲を収録した一枚。作曲者と親交があり、演奏に関しても様々な助言を受けたアンセルメの演奏は、古典的なドビュッシー解釈のひとつの規範とも言えるもの。英デッカ原盤で、1957年から翌58年にスイスのジュネーブにあるヴィクトリア・ホールで録音された。



Debussy: Sonatas and Piano Trio
Bertrand Chamayou, Edgar Moreau, Renaud Capuçon


20世紀フランスの粋を音楽で表現した代表的作曲家ドビュッシー。フランスを拠点とするERATOレーベルのアーティストたちが集結し、室内楽の愉悦を展開する、ドビュッシー没後100年を飾る、決定盤。ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)、エドガー・モロー(チェロ)、ベルトラン・シャマユ(ピアノ)、エマニュエル・パユ(フルート)、ジェラール・コセ(ヴィオラ)、マリー=ピエール・ラングメー(ハープ)ら現代フランスを代表する6人の音楽家が参加。


モーリス・ラヴェル
代表曲「スペイン狂詩曲」、「ダフニスとクロエ」、「ボレロ」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、「水の戯れ」などで知られるフランスの作曲家モーリス・ラヴェル。スペイン近郊のバスク地方出身のバスク系フランス人。卓越した管弦楽法は「オーケストレーションの天才」「管弦楽の魔術師」と称賛された。ラヴェルはドビュッシーとよく比較されるが、ドビュッシーは革新派であり、ラヴェルは割と古典的な技法を好む保守派であった。



Ravel: Boléro; Rapsodie espagnole; Ma mère l'Oye
Berliner Philharmoniker, Pierre Boulez


20世紀を代表する巨匠ブーレーズベルリン・フィルの記念すべき初録音となったアルバム。現代の作曲家の視点から作品を見据えるブーレーズのアプローチの冴えと、それを音として表すベルリン・フィルの演奏が見事なラヴェル作品集。同じリズムの上で楽器や編成が変わりながら2つのメロディが延々と繰り返され壮大なクライマックスを築く「ボレロ」他、フランス近代管弦楽法の真髄を極めた、ブーレーズのエスプリ溢れる名解釈による演奏。ラヴェルのカタログの中でも最も優れた作品の一つである。



ラヴェル:ダフニスとクロエ(全曲)
Charles Munch (Conductor) Boston Symphony Orchestra


ダフニスとクロエ』はミュンシュボストン響にとって第1回目の録音で、ステレオ最初期の名演奏・名録音として知られるもの。ボストン響のヴィルトゥオジティを駆使して、ひそやかなピアニッシモからフルオーケストラによる豪快なフォルティッシモにいたるまでダイナミズムを完璧にコントロールし、ギリシャ神話に基づく音楽劇を壮大なスケールで描き出している。冒頭や『夜明け』の精妙な色彩感、『海賊たちの踊り』における明快なリズム感、そして『全員の踊り』における前身全霊を捧げた圧倒的なクライマックスなど、無数の聴き所を備えた名盤。



Ravel: Orchestral Works, Vol. 1
Lyon National Orchestra, Leonard Slatkin, Jennifer Gilbert


スラットキンリヨン管による新プロジェクト、ラヴェルの管弦楽作品集の第1集。まずはスペイン風のリズムが楽しい「道化師の朝の歌」。この曲の解釈にはいろいろなものがありますが、このスラットキンの演奏は、前夜の過ぎた悪ふざけを思い出し、ちょっと苦笑しながら自己反省をするような、シニカルさが漂うもの。落ち着いた「亡き王女のためのパヴァーヌ」、はじけまくりの「スペイン狂詩曲」などを経て、最後はお楽しみ「ボレロ」で締めくくります。本作は2xHDレーベルが新たにリマスタリングを施した作品となります。


その他の作曲家



Gounod: Faust Ballet Music; Bizet: Carmen Suite
Orchestra of the Royal Opera House, Covent Garden, Sir Alexander Gibson

シャルル・グノーはフランス近代歌曲の父と呼ばれ、色彩感に満ちた歌曲の数々を残した。代表曲はバチカンの実質的な国歌となっている『賛歌と教皇の行進曲』、歌劇『ファウスト』、歌劇『ロメオとジュリエット』等。その美しい旋律、色彩感に満ちたハーモニーを伴った優雅でやさしい音楽は今日も広く愛されている。本作はグノー『ファウスト』バレエ音楽、ビゼー『カルメン』組曲といった同時代のフランスの作曲家の代表作を収録。59年録音RCA原盤でのアレクザンダー・ギブソン指揮、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団の演奏。



ジムノペディ~べスト・オブ・サティ~
カール=アンドレアス・コリー

「音楽界の異端児」と称され、その後の西洋音楽に大きな影響を与えたフランスの作曲家エリック・サティ。パリ音楽院在学中にピアノ小品『ジムノペディ』『グノシエンヌ』などを発表した。そのあとは無調へと進み、やがて彼の楽譜からは調合や小節線すら消えた。ジャン・コクトーやピカソと交流し、ドビュッシーラヴェルの印象主義音楽に大きな影響を与えた。本作は、サティの代名詞となっている名曲ばかりをセレクト。「ガラス細工を思わせる繊細なタッチ」と定評のスイス出身のピアノ奏者カール=アンドレアス・コリーによる、美しい響きの極上ベスト・アルバム。



デュカス:交響詩≪魔法使いの弟子≫/ミヨー:バレエ音楽≪世界の創造≫作品81 他
ハインツ・レーグナー, ベルリン放送交響楽団, コンラード・オーター

クロード・ドビュッシーと親交のあったフランスの作曲家ポール・デュカス。音楽評論家としても活動し400を超える評論を執筆した。作曲家の弟子としてメシアンデュリュフレポンセロドリーゴらがいる。構造的なドイツ音楽に印象派としての斬新さを取り入れた交響的スケルツォ『魔法使いの弟子』が代表曲。本作は東ドイツの名門シャルプラッテン原盤で1983年~1992年に読売日本交響楽団の第5第常任指揮者を務めたハインツ・レーグナー指揮、ベルリン放送交響楽団によるデュカス『魔法使いの弟子』他を収録。



ビゼー:歌劇「真珠採り」
アレクサンドル・ブロック, リール国立管弦楽団

19世紀フランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーは9歳でパリ音楽院に入学し、卓越した記憶力とピアニストとしての才能でフランツ・リストを驚かせた。音楽卒業後はオペラ作曲家として活動し、「真珠採り」「アルルの女」「カルメン」「美しきパースの娘」といった有名なフランスオペラを手がけ名声を得るが、敗血症のため36歳の若さでこの世を去った。本作ではアレクサンドル・ブロック率いるリール国立管弦楽団が、誉れ高き合唱団のレ・クリ・ドゥ・パリと豪華ソリスト陣とともにスリランカのセイロン島を背景に地方色にとんだ三角関係の悲劇を描いたビゼーのオペラ『真珠採り』を録音。



Messiaen: Turangalîla-symphonie, I/29 (Live)
Roger Muraro, Yutaka Sado

オリヴィエ・メシアンは、フランス、アヴィニョン生まれの現代音楽の作曲家、オルガン奏者、ピアニスト、音楽教育者。20世紀前半から後半にかけてヨーロッパの現代音楽界を牽引した作曲家のひとりであり、加えて、多くの著名な子弟を育てた音楽教師として知られる。オルガニスト、ピアニストとしても長年演奏活動を続け、録音も数多く残している。本作では指揮者佐渡裕トンクンストラー管弦楽団による20世紀の最も重要かつポピュラーな作品の一つであり、音楽と愛に満ちた人間の心への賛歌でもあるメシアンの代表曲「トゥーランガリラ交響曲」を収録。



Hommage à Boulez
ウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ, ダニエル・バレンボイム

ピエール・ブーレーズは、フランスの作曲家および指揮者。パリ国立高等音楽院でオリヴィエ・メシアンに対位法や作曲を師事する。戦後を飾る数々の傑作を作曲する一方、指揮者としても台頭著しく、59年に南西ドイツ放送響の常任指揮者となり、66年からバイロイト音楽祭に進出。71年から6年間ニューヨーク・フィルの音楽監督。代表作は「ル・マルトー・サン・メートル」「プリ・スロン・プリ」「レポン」ほか。本作はダニエル・バレンボイムによる追悼作。ブーレーズの85歳を記念して2010年にベルリンで行われたコンサートと、2012年のプロムスでのライヴからの選曲。



◆フランスの伝統音楽

伝統的な音楽のスタイルは、コルシカ島やオーヴェルニュ山地などの辺境の地域や、バスク地方やブルターニュなどの民族性の高い地域で生き残ってきました。多くの場合、他国と同様に伝統音楽は比較的近年になって研究対象になり復活し、多くの人に聴かれるようになりました。それぞれの地方で特徴があり、パリではアコーディオンを使ったミュゼット、ブルターニュやガスコーニュなどの西フランスではバグパイプやハープを使ったケルト音楽、オーヴェルニュ、ブルゴーニュなどの中央フランス地方ではバグパイプやハーディー・ガーディーを使ったダンス音楽の伝統があります。



La belle vielleuse: The Virtuoso Hurdy Gurdy in 18th Century France
Monika Mauch, Tobie Miller, Ensemble Danguy, Marc Meisel


全編に渡りハーディー・ガーディーの演奏が堪能できる作品。ハーディー・ガーディーとはビオラ大の弦楽器の一種で、張られた弦の下を通るロジンを塗った木製のホイール(回転板)が弦を擦ることで発音する、一種の機械仕掛けのヴァイオリン。端についたハンドルを回しながら本体に備え付けられた鍵盤を用いて演奏する。本作はポンパドゥール夫人の時代のフランスの作品をセレクト。18世紀フランスのハーディ・ガーディのショーケースとして、18世紀の音楽を愛する人たちの心を楽しませてくれる、充実した内容となっている。



Ciaramella Music from the Court of Burgundy
チャラメッラ

14世紀から16世紀にブルゴーニュで流行した音楽を収録。ショーム、サックバット、バグパイプ、リコーダーなどの古楽器で見事な演奏を披露するチャラメッラは、ルネッサンス期の管楽器演奏家の中でも最も優れた演奏グループの一つ。本作には、ジョスキンの「ラ・スパニア」のような古い曲に加え、アダム・ギルバートによる15世紀風の吹奏楽のための新しい即興曲も収録されている。即興的なスタイルと甘いメロディが交錯する楽しい音楽で、時に騒々しく、また説得力に富んだ響きが魅力的。グラミー賞受賞歴もあり、音質に定評のあるYarlung Recordsからの作品。


Chansons d'amour d'Acadie et de France
Skye Consort


カナダ編でもご紹介したスカイ・コンソートはケベック州モントリオールを中心に活動するアンサンブル。本作は、ニューブランズウィック・ルイスバーク合唱団と共に、愛を主題としたフランス民謡/アカディア民謡とルネサンス期のフランスの作曲家ジャコタン・ル・ベルの作品を演奏。このアルバムに収録されている民謡は、アカディアの民謡選集『La fleur du rosier』と『Chansons d’Acadie』から選ばれたもの。ジャコタン・ル・ベルは同時代のフランスのポピュラーな曲や民謡からアイデアとインスピレーションを得ており、ここからも当時の民謡の状況が垣間見れる。




◆フランスのジャズ

第一次世界大戦後、多くのアメリカ人駐在員がパリに定住し、ジャズ・シーンを築き始めた。1930年代から1950年代にかけて、フレンチ・カリブのジャズのスタイルであるビギンはダンス・オーケストラの間で人気を博した。また1930年代にははクレツマーやミュゼット、シャンソンなどの影響を受けたジプシー・ジャズというスタイルが生まれた弦楽器を特徴とするこのスタイルの創始者はジャンゴ・ラインハルトステファン・グラッペリで、その後、アコーディオン奏者、ベーシスト、クラリネット奏者が加わった。1958年にマイルス・デイヴィスはフランス映画『死刑台のエレベーター』のための音楽を録音した。フランス人ミュージシャンのバルネ・ウィランを含むグループは、映画のシーンがループで映し出されるスクリーンの前で、マイルスからの限られた指示をもとに即興で音楽を演奏した。同時期にマイルスはミシェル・ルグランのジャズ・アルバム『Legrand Jazz』に客演している。60年代後半にはアメリカからフリー・ジャズ系のミュージシャンが多くフランスのパリに移りBYGレーベルなどに多数の録音を残した。


European Swing Giants, Vol.6: Django Reinhardt 
Django Reinhardt

ジャンゴ・ラインハルトは、ロマ音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィング(マヌーシュ・スウィング)の創始者として知られる。また、しばしば「ヨーロッパ初の偉大なジャズ・ミュージシャン」とも評される。短い生涯の中で後世のミュージシャンに多大な影響を与える多くの傑作を発表した。本作はステファン・グラッペリらと共に、弦楽器のみで構成されるバンド、フランス・ホット・クラブ五重奏団を結成した時期の演奏を収めたコンピレーション。代表曲の「Djangology」(M1)をはじめとして、粋なジプシー・スゥイングを堪能できる。



The Masters Sessions
Stéphane Grappelli

ステファン・グラッペリは1908年パリ生まれ。12歳で始めたヴァイオリンを独学でマスター、14歳の頃よりプロ活動を始める。ジャンゴ・ラインハルトと結成した「フランス・ホット・クラブ五重奏団がヨーロッパ中で大人気に。クインテット解散後も自身のバンドや客演、また映画音楽の作曲演奏等で精力的に活動を続ける。本作は'87年にアメリカで行われた、ピアノレスのクインテットでのセッションを録音したもの。録音当時の年齢が80歳目前だった事が信じられない、滑らかで優雅なフレージングとこれぞジャズ・ヴァイオリニスト!といった軽やかなスウィング・リズムが収められている。



Entre elle et lui
Natalie Dessay & Michel Legrand

ミシェル・ルグランは、パリ出身の作曲家、ジャズ・ピアニスト。パリ国立高等音楽院で学び、1950年代からジャズ、映画音楽の分野で活動。ジャック・ドゥミ監督と共に手掛けた『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』をはじめアカデミー歌曲賞を受賞した『華麗なる賭け』、『おもいでの夏』など数々の映画音楽を創作し、20世紀後半のフランス映画音楽界を代表する存在である。ナタリー・デセイは世界最高峰のソプラノ歌手の一人。本作は、ルグランが手掛けた映画音楽をナタリーがルグランとの共演により歌う、という企画盤。世紀の歌姫とメロディ・メーカーの幸せなコラボレーション盤である。




Passione パッショーネ
Barney Wilen Quartet

バルネ・ウィランは、ニース生まれのジャズのサックス奏者、作曲家。主にテナー・サックスを演奏した。1957年、サウンドトラックであるマイルス・デイヴィス死刑台のエレベーター』で共演し知られるようになった。その後も何作か映画のサウンドトラックで演奏をした。1969年には、アフリカに渡り、ジャズとアフリカ音楽を融合させたレコード『Moshi』(1972年)を作った。1990年代にモダン・ジャズに復帰。本作はイタリアが誇るトランペットの鉄人、エンリコ・ラバをフィーチャーして地中海地方の素敵な曲やスタンダードを織りまぜて綴る、ロマンティックで情熱的なバルネ・ウィランの遺作。



Guitars
Philip Catherine

フィリップ・カテリーンはベルギー出身のジャズ・ギタリスト。13歳でジョルジュ・ブラッサンスジャンゴ・ラインハルトに出会い、自分でギターを購入し、当時の偉大なジャズミュージシャンの演奏を聴くようになった。1960年代には、ブリュッセルを通過してヨーロッパを横断する多くのジャズ・ミュージシャンに同行した。1971年、ヴァイオリニスト、ジャン=リュック・ポンティに雇われ、五重奏団「エクスペリエンス」に参加。本作は75年発表のジャズ・ロック風の作品。M1「We'll Find a Way」やM6「Homecomings」などは、知的でありながらも流動的なスタイルを持つ彼のスタイルの代表的な例と言える。



Lune rouge
Erik Truffaz

エリック・トラファズは1960年スイス生まれ、フランス育ちのジャズ・トランペッター。作曲にヒップホップ、ロック、ダンスミュージックの要素を取り入れている。フランスでシルバー・アルバムとなった『Bending New Corners』をはじめ、仏ブルーノートより数多くのアルバムをリリースしている。2007年にリリースされた『Arkhangelsk』は、ポップ、シャンソン、ジャズ・グルーヴをミックスした作品である。本作は2019年発表の最新作。タイトルは「赤い月」を意味する『Lune Rouge』。新たなインスピレーションを求め、今までの枠を飛び出し、様々なスタイルや要素を見事に融合させた作品。



◆フランスのポピュラー音楽


シャンソン 50's-60's

19世紀のパリでは前半にはカンカン、後半にはミュゼットが流行し。キャバレー文化が花開く。この時代は1930年代まで続き、エディット・ピアフシャルル・トレネモーリス・シュヴァリエイヴ・モンタンティノ・ロッシリュシエンヌ・ボワイエなどがキャバレーに出演した。
50~60年代はシャンソン・フランセーズ、いわゆる”シャンソン”の黄金時代だった。ジュリエット・グレコジョルジュ・ブラッサンスジャック・ブレルバルバラジルベール・ベコーシャルル・アズナヴール、アダモ、ムルージなどが活躍。



Le monde de la chanson, Vol. 10: Edith Piaf – The Centennial Album – 100 Years, 100 Chansons 
Edith Piaf

フランスで最も愛されている歌手の一人であり、国民的象徴であったエディット・ピアフ。彼女の音楽は傷心的な声を伴った痛切なバラードであり、その悲劇的な生涯を反映していたのが特徴であった。自ら作詞も手がけ、イヴ・モンタンら若手の男性歌手、作曲家もバックアップした。こちらは2015年ピアフ生誕100周年を記念してのコレクション。代表曲の「ばら色の人生 La vie en rose」(M51)、「愛の讃歌 Hymne à l'amour」 (M25)をはじめとしてシャンソンの名曲全100曲収録。



Les feuilles mortes
イヴ・モンタン

ジャズ・スタンダードとして、つとに有名な「枯葉」。1946年の映画『夜の門』の挿入歌で当時新人歌手だったイヴ・モンタンに歌われたが、映画共々ヒットしなかった。しかし、のちにジュリエット・グレコのヴァージョンがヒットし、1940年代末から1950年代にかけ広まり、シャンソン界のスタンダード曲となった。こちらはそのイヴ・モンタンが歌ったオリジナル版。モンタンは1944年にキャバレーに出演しているところをエディット・ピアフに見出され、1945年に映画デビュー。歌手としてもこの「枯葉」の他に「セ・シ・ボン」、「バルバラ」などの代表曲がある。

 


Les 50 plus belles chansons
Juliette Gréco

約70年のキャリアを誇る、フランスを代表する歌手の一人ジュリエット・グレコ。世界的にも最高峰の歌手と称えられ、戦後のシャンソン界を牽引する存在であったが、2016年を最後に一線から退いた。1946年11月に演劇でデビューし、1950年に本格的に歌手としてデビュー。本作は代表曲を網羅したコレクション。「枯葉 Les feuilles mortes」(M9)、「ラ・ジャヴァネーズ  La javanaise」(M16)、「ジョリ・モーム Jolie môme」(M13)、「アコーデオン Accordéon」(M17)等を収録。



La Valse A Mille Temps
ジャック・ブレル

ジャック・ブレルはベルギーで生まれのシャンソン歌手、作詞作曲家。彼の曲は多くの歌手に歌われており、多くのトリュビュート作品が制作されている。1950年代初期から自作曲をナイトクラブで歌っていたブレルは1953年にパリに移り住み、キャバレーやミュージックホールでステージに立ちながら曲を書き溜める日々を送りつつ、1954年に本格的にデビュー。本作は1959年の4枚目のアルバム。冒頭の「華麗なる千拍子 La Valse A Mille Temps」はゆっくり始まり次第に調子を上げていくワルツで日本では宝塚歌劇の主題歌の一つとして知られている。M5「行かないで Ne me quitte pas」は数多くのアーティストたちにカバーされる名曲。



L'Aigle Noir
Barbara

現代的だがどこかミステリアスな美貌を持ち、黒く長いローブを身にまとい、聴く者の魂を揺るがすエモーショナルな歌声でシャンソンの新しいスタイルを確立し、1997年に惜しまれつつ世を去った伝説的な女性シャンソン歌手、バルバラエディット・ピアフ以来、フランスのシャンソン界を代表する人物の一人と考えられていた。本作は1970年発表でほとんどの作詞をバルバラが担当、アレンジはミシェル・コロンビエ。タイトル曲「黒いワシ L'aigle noir」(M6)は彼女の代表曲で最大のヒット曲。若者たちの熱狂的な支持を得て、フランス国内チャートでのビートルズの「レット・イット・ビー」の首位を阻んだ。
 


La Bohème
Charles Aznavour

シャルル・アズナヴールはアルメニア系のパリ出身のシンガーソングライター、俳優。母国語の仏語だけでなく英語等も堪能で、5つの言語で歌い、最も世界に知られたフランスのシャンソン歌手の1人でもあった。また60本以上の映画にも出演しており、特にフランソワ・トリュフォー監督の「ピアニストを撃て」(1960年)での主演が著名である。ジャック・ブレルと同様に彼の作品はフランス語圏に留まらず、世界中で歌われている。本作は彼の代表曲である「ラ・ボエーム La Bohème」をフィーチャーした66年のアルバム。全体を通してゴージャスかつ軽妙なポール・モーリアのアレンジが光る一枚。



シャンソン 70's-2020

70年代になるとミシェル・フギャン、ルノーアラン・スーション、ジョー・ダッサン等が、80年代にはエチエンヌ・ダオやパトリシア・カース、パトリック・ブリュエルらが時代に合った新しいシャンソンを作り出しました。そして90年代~現代では”ヌーベル・シャンソン”というセルジュ・ゲンスブールやブリジット・フォンテーンらに強い影響を受けたアーティスト達が現れています。代表的なアーティストはバンジャミン・ビオレケレン・アンモラーヌルナン・リュースなどです。



Morgane De Toi
ルノー

ルノーは1952年パリ生まれのフランスの国民的シンガー・ソングライター。1975年にアルバム『Amoureux De Paname』でデビュー。特徴的な「しゃがれた」声は、彼のトレードマークとも言えます。 歌詞にスラングを多用する彼の曲は、ユーモア、感情、社会批判を交互に交えながら、軽やかなテーマとシリアスなテーマの両方を扱っている。本作は83年発表の6作目のスタジオ・アルバム。ルノーの代表曲である海の物語「Dès que le vent soufflera」(M1)、娘ロリータを題材にしたバラード「Morgane de toi」(M4)の2曲を含む、現在でもルノーの最も成功したアルバムの1つ。



Eden
Étienne Daho

エティエンヌ・ダオはアルジェリア出身のシンガー・ソングライター。81年デビュー。低い囁くような歌声から、レナード・コーエンチェット・ベイカーとも比較される。音楽的に影響を受けたのは、セルジュ・ゲンスブールヴェルヴェット・アンダーグラウンドフランソワーズ・アルディ等だという。本作は96年リリースで彼の代表作の一枚。エレクトロ、ジャングル、イージーリスニングをミックスしたサウンドに彼の深みのある歌が乗る。EPでもコラボしたM2のセイント・エティエンヌやM5のアストラッド・ジルベルト、M9のスウィングル・シンガーズなどゲストも多彩。
 


Alain Souchon & Laurent Voulzy
Alain Souchon & Laurent Voulzy

2014年発表のアラン・スーションとローラン・ブルジーの1stジョイント・アルバム。全曲、両出演者の作詞・作曲によるもの。発売後すぐにチャートのトップに踊りだし、1ヶ月も経たないうちにフランスでトリプル・プラチナに認定された大ヒット作。70年代初頭にデビューした二人は1974年、「j'ai 10 ans」で初コラボ。以降折々にコラボレーションを続けてきたが 2014年、ついに彼らはこのジョイント・アルバムを作ることとなった。後にフランスのサイモン&ガーファンクルと称されたように、フォークサウンドを下敷きにしてポップで美しいメロディーが際立つ名作。



Palermo Hollywood[Deluxe]
Benjamin Biolay

バンジャマン・ビオレはローヌ県出身のシンガー・ソングライター兼プロデューサー。プロデューサーとしてはアンリ・サルバドールを始め、ジュリエット・グレコフランソワーズ・アルディなど数々の大物をプロデュースしている。本作は2016年発表の彼の10枚目のアルバム。以前から訪れているアルゼンチンのブエノスアイレスの街が本作のインスピレーションの源となっており、その流浪の雰囲気をキャプチャし、そこでの愛と人生のさまざまな物語を歌っています。本作はフランスのグラミー賞であるヴィクトワール音楽賞の2017年度の「アルバム・オブ・ザ・イヤー」を受賞。



Bleue
ケレン・アン

ケレン・アンは、イスラエル出身のシンガーソングライター。2000年、当時恋人だったバンジャマン・ビオレのプロデュースによって「La Biographie de Luka Philipsen」でデビュー。活動の拠点をパリとニューヨークに置いている。交流のあるデヴィッド・バーンイギー・ポップ、ホーザ・パッソス、ジェーン・バーキンフランソワーズ・アルディなどが彼女の曲を歌ったり、カバーしたりしている。本作は『Bleue(青)』と題された2019年作。サウンドはフォーキーかつ。それにメランコリックな彼女のヴォーカルが実によく合う。M8ではデヴィッド・バーンが参加。
 


Brel - Ces gens-là
Various Artist

2019年、ジャック・ブレルの90歳の誕生日を記念して、メロディ・ガルドーマリアンヌ・フェイスフルカーラ・ブルーニマデリン・ペルートマ・デュトロンザーズ、そしてマリのヒップホッパー、オックスモ・プッチーノなど13組の国際的なアーティストが偉大なシャンソニエに敬意を表し参加したトリビュートアルバム。グラミー賞を4度受賞した名プロデューサー、ラリー・クラインがプロデュースしたこのアルバムは、ジャズのテイストをベースにジャック・ブレルの名曲の数々に現代的な新たな解釈を加えています。


イェイェ / フレンチポップ 60's
最初に誕生した明確なフランスのポップ・ミュージック・スタイルは、1950年代のアメリカのロックンロールや1960年代のビート・ミュージックに影響を受けてフランスで生まれたイェイェ(Yéyé)である。イェイェは、1959年10月に最初に放送されたラジオ番組「Salut les copains」に起源を持っていました。有名なイェイェのスターには、ジョニー・アリディエディ・ミッチェルディック・リヴァースクロード・フワンソワ、ジャック・デュトロン等の男性歌手、そしてフランス・ギャル、シェイラ、シルヴィ・ヴァルタンジョセリーヌダリダフランソワーズ・アルディなどの女性歌手などがいた。
また、セルジュ・ゲンスブールはキャバレーのピアニストとしてスタートしたが、ボリス・ヴィアンに影響され58年にシャンソン歌手としてデビュー。イェイェの時代になるとフランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」などを作詞作曲しヒットを連発、ソングライターとしても成功する。



La génération perdue[Super Deluxe Edition]
Johnny Hallyday

ジョニー・アリディはパリ生まれのフランスのシンガー・ソングライター、俳優。1億枚以上のレコードを販売し、10ものヴィクトワール音楽賞を獲得したフランスのスーパースター。キャリアの初期、1960年代には、アメリカのロックン・ロールやアイドルたちの曲をフランス語に翻訳したものを中心にキャリアを築いていった。本作は66年発表のアルバム。M4のパ-シー・スレッジ「男が女を愛する時」やM9のビートルズの「Got To Get Into My life」などのカヴァーが半数、残りを自作曲が占める。彼の力強い歌声とビート時代のヒップな雰囲気が堪能できる。



Salut les copains
Jocelyne

イェイェ・ブームを生んだラジオ番組『Salut les copains』の名前を冠したコンピレーションシリーズの一枚。ジョセリンはチュニジアで生まれ、後にフランスに渡り12歳で初めてレコードを出した。ジョセリンは、そのリズム感と、当時絶大な人気を誇っていたアメリカのロックシンガー、ブレンダ・リーを彷彿とさせるような特別な歌声で、すぐに注目を集めました。ここでもブレンダ・リーのヒット曲「ロンリー・ロンリー・ロンリー・ミー」のカヴァーのM5「Le dimanche et le jeudi」と「ハート・イン・ハンド」のカヴァーのM6「J'ai changé de pays」が収録されています。
 


Mister Pitiful
Dick Rivers

ディック・リヴァースはフランスの歌手、俳優であり、1960年代初頭から活動を開始。 フランスにロックンロール音楽を紹介する上で重要な人物であった。彼はエルヴィス・プレスリーのファンであり、エルヴィスは彼の歌唱と容姿の両方に影響を与えた。イギリスのバンド・ブームに呼応して1966年にリリースされたこの『Mister Pitiful』は、オーティス・レディング、スペンサー・デイヴィス・グループ等の仏語カヴァーや、エルヴィスへのトリビュート曲が収録された、フランス産リズム・アンド・ブルースの名盤。67年にはアメリカへ渡りマッスル・ショールズでアルバム『Dick Rivers story』を作った。



Gift Wrapped from Paris
Sylvie Vartan

ブルガリア生まれで8歳からフランス・パリ育ち。1961年リセ在学中の17歳でパリ・オランピア劇場に初出演。アメリカ音楽が台頭し始める中、ロック歌手としてデビュー。1964年「La plus belle pour aller danser」(邦題「アイドルを探せ」)が世界中で大ヒットし、イェイェの女王と呼ばれるようになりました。本作はナッシュビルに赴きレコーディングされた4作目のアルバム。初の全曲英詞による作品。「あなたの腕の中に」「わたしを愛して」の他、エンジェルズの「マイ・ボーイ・フレンド」など全米ナンバーワン・ソングのカヴァーも収録。



Comment te dire adieu
Françoise Hardy

フランソワーズ・アルディは、フランスの歌手、シンガーソングライター、女優。1960年代にイェイェスタイルで登場して以来、世界の女性アーティストに大きな影響を与えてきた。夫はミュージシャンで俳優でもあるジャック・デュトロン。ギタリスト、歌手のトマ・デュトロンは二人の息子。本作は大ヒットした「さよならを教えて(Comment te dire adieu)」を収録の9作目。自身のオリジナル曲の他、ゲンスブールによる楽曲(M1、M3)、レナード・コーエン(M4)やシコ・ブアルキ(M5)のカヴァーなどで構成。どれも素晴らしい出来栄えの曲ばかりが集まった珠玉の1枚。
 


Initials B.B.
セルジュ・ゲンスブール

詩人、シンガーソングライター、画家、俳優、映画監督と複数の顔を持つ奇才。多くの後続の芸術家に影響を与えた。本作は68年6月発表。アルバム・タイトルは、1967年末にゲンスブールと交際していたブリジット・バルドーの愛称にちなんでいるが、本作を発表した頃には、既にバルドーとの関係は破局を迎えていた。バルドーとのデュエット曲「ボニーとクライド」は、1968年1月にバルドーとの連名で発表されたアルバム『ボニーとクライド』にも収録されていた。ロンドン録音で作品を通してこの時期の英米のビート・ロックの影響がよく表れている。


フレンチポップ 70's-90's
70年代に進むとイェイェの流れは英米音楽の影響とシャンソンのスタイルが融合した言わゆるフレンチポップと呼ばれるようになった。
ミッシェル・ポルナレフシルヴィ・バルタンは世界的に人気を博す。マキシムミシェル・サルドゥ、ミッシェル・デルペッシュ、ジュリアン・クレールダニエル・バラヴォワーヌなどもこの時代に成功を掴んだ。セルジュ・ゲンスブールはパートナーのジェーン・バーキンと共に精力的に活動し、何枚もの傑作を作った。80年代にはアラン・バシュンミレーヌ・ファルメールヴァネッサ・パラディらがデビュー。またAnge、Magma、Gongといったプログレッシブ・ロックグループをはじめとして、TéléphoneTêtes RaidesNoir Désirといったフランス産ロック・グループも活躍した。



Olympia 1975 & 1976[Live]
ミシェル・サルドゥ

1947年パリ生まれの国民的シンガー・ソングライター。65年にシングル「Le madras」でデビュー。サルドゥはラブソングだけでなく、女性の権利や死刑制度など、様々な社会的・政治的問題を扱った歌でも知られている。本作は75年と翌76年のパリのオリンピア劇場でのライブの実況盤。ちょうどアルバム『La Vieille』が大ヒットした前後の時期で、人気が一つのピークに達していたころの録音。「La maladie d'amour(恋のやまい)」(M11)、「Le curé(司祭)」(M6)などの代表曲が70年代らしい躍動感で演奏されている。



Un autre monde
Daniel Balavoine

ダニエル・バラヴォワーヌはロック・バンド「Présence」への参加を経て、73年にソロ・デビュー。75年に初アルバムを出したが期待外れのセールスだった。その後も数年間苦しい時代が続いたが、78年のロック・オペラ『スターマニア』への参加で成功を掴み、その後レコードもヒットするようになった。80年、5枚目のスタジオアルバムとなる本作『Un autre monde』を発表。このアルバムは特に成功を収め、「Mon fils, ma bataille」(M1)、「Je ne suis pas un héros」(M5)、などが大ヒットした。



Jane & Serge 1973[Super Deluxe Edition]
Jane Birkin, Serge Gainsbourg

ブリジット・バルドーと別れたあとゲンスブールは英国人のジェーン・バーキンと付き合うようになり、1969年に二人の連名の『Serge Gainsbourg & Jane Birkin』を発表。収録曲の「Je t'aime... moi nonplus」は内容が猥褻であるとして物議を醸し、国によっては放送禁止に指定されたが、大ヒットし、多くのヨーロッパ諸国でトップ10入りを果たした。本作は73年の発表の二人のそれぞれのアルバム『Di Doo Dah』『Vu De L'Extérieur』全曲にレアトラックを収録したコンピレーション。



Live Tour 85
Alain Bashung

セルジュ・ゲンスブールの後を継ぐ最も重要なフランスのミュージシャンと言われた、アラン・バシュン。後のフランスの多くのアーティストに影響を与え、キャリアを通して12個のヴィクトワール音楽賞を取得したヴィクトワール史上最も多くの賞を受賞したアーティストである。本作は85年に自身初のライブ・アルバムとして発表された。アルバム『S.O.S. Amor』発表の後のライブツアーを収録。ローリングストーン誌のフランス版では、このアルバムはフランスのロック・アルバムのベスト16に選ばれている。



Libertine
ミレーヌ・ファルメール

カナダ・モントリオール出身。1984年にジェローム・ダーンの『Maman a tort』で女優としてデビュー。1986年の『Cendres de Lune』がファーストアルバム。そのアルバムからの3rdシングルで、放蕩な自由主義をテーマにした本作「Libertine」とそのPVは、ショッキング・退廃的と評されて評判を得る。歌手としては初の大ヒットを記録したことで、彼女のキャリアを一挙にスタートさせることができた。その後も活躍は続き、1980年代以降、最も多くのレコードを販売しているフランスの女性アーティストでもある。
 


Les oiseaux
Têtes Raides

テッド・レッドは、音楽、詩、絵画、演劇をミックスしたフランスのロック・グループ。元々はパンクシーンの影響を受けた、どちらかというとエレクトリックなバンドだったが古典的な訓練を受けたチェリスト、アンヌ=ガエル・ビスケが3作目となる本作『Les oiseaux』に参加したことで、バンドの音楽の世界は転換点を迎えた。時に残忍で、どこにでもあるようなブラック・ユーモアに満ちたな歌詞に、深い歌声が寄り添う。ステージ上では、彼らは感情、詩、光、ユーモア、そして音楽を暖かいキャバレーの雰囲気の中で組み合わせてる。


フレンチポップ 00's-2020
2000年前途になると世界の音楽の流通の拡大とともにフランスのポップスにもHIP-HOP等の英米の音楽の流行がオンタイムで反映されるようになってきた。DJのDavid GuettaやラッパーのMC Solaar、Bigflo&Oliはその代表と言える。それとは別の流れでダフト・パンクやエールといったエレクトロ・ユニットはフランスからエレクトロ・ミュージックを発信して世界的な人気を得た。
また最近では、オーディション番組の成功により、ノルウェン・ルロワなど、新世代の若いポップ・ミュージック・スターが誕生している。マリ出身のAYA NAKAMURAはフランス・カリブ出身のシンガーであるShy'mと同様にフランスR&B界のスターとしての地位を確立している。



Paris
Zaz

現代フランスを代表するシンガー、ザーズのシャンソン・カヴァーアルバムでスタジオ・アルバムとしては3枚目。ザーズは2010年デビュー、1stアルバム『Zaz』からの「Je veux」で一躍スターとなる。2014年に本作を発表。エディット・ピアフエラ・フィッツジェラルドフランク・シナトラモーリス・シュヴァリエイブ・モンタンなど著名なアーティストたちの時代を超越した名曲を、シャンソン、スウィング、ビッグバンド、ジャズと多岐にわたるアレンジによって大胆且つ、個性豊かにカヴァーした一枚。クインシー・ジョーンズが3曲プロデュースしたほか、シャルル・アズナブールトマ・デュトロンが参加。



Petite Amie[Edition Délice]
Juliette Armanet

2018年のヴィクトワール音楽賞の新人賞を受賞したジュリエット・アルマネのデビューアルバム。フランスでプラチナ・アルバムに認定。アルマネは1984年パリ生まれ。アラン・バシュンバルバラアラン・スーションを聴いて育つ。14歳の時初めて曲を作り、2014年に音楽コンクールで優勝。その3年後にバークレーから本作『Petite Amie』をリリース。「粘り強く、クラシックで驚くべき感性を持ち合わせたファーストアルバムであり、妥協のない正確さ、メランコリックでダンサブルな面を併せ持つ」、「フランスで最も才能ある新進気鋭の歌手の登場」、「2017年初頭のフランス音楽シーンの革命」等と絶賛を受けた。
 


Brol
Angèle

2018年発表、ベルギー出身のフレンチ・ポップ・プリンセス、アンジェルのデビュー・アルバム。デビューシングルとして発表した “La Loi de Murphy”と”Je Veux Tes Yeux”がyoutubeで注目を集め、満を辞してのリリース。インパクトのある写真は子供の時の自身のスナップとのこと。プロデュースは彼女自身で、往年のフレンチポップス的な要素、エレクトロ/シンセポップの要素を持ち、そしてラップまでしてしまうというジャンルレス、ボーダレスな作品に仕上がっている。ベルギー及びフランスでチャート一位を獲得、2019年のヴィクトワール音楽賞の新人賞を受賞した。



L’oiseleur
Feu! Chatterton

Feu! Chattertonは2011年にパリで結成されたロックバンド。彼らの名前は、英国の詩人トーマス・チャタートンへのオマージュである。2015年に1stアルバム『Ici le jour(a tout enseveli)』をリリースし、批評家から絶賛された。本作は2018年発表の2ndアルバム。収録された13曲は短い映画のシークエンスのようで、丁寧なオーケストレーションによって紡がれている。歌詞は美しく詩的で独創的。ポップ、ロック、エレクトロを絶妙に折衷する音楽はメランコリックで魅惑的な魔法の世界に連れ出す。2019年のヴィクトワール音楽賞のアルバム・オブ・ザ・イヤー受賞した。



NAKAMURA
Aya Nakamura

アヤ・ナカムラ(本名:Aya Danioko)はマリ共和国バマコ生まれのシンガーソングライター。SNSで目覚ましいデビューを果たし、数々のコラボレーションを経て、2017年にリリースされたデビューアルバム『Journal intime』でブレイク。大ヒットしたシングル「Djadja」のリリースを経て2018年2ndアルバムとなる本作をリリース。R&B、HIP-HOPにアフリカ音楽のテイストを取り入れた、アフロ・トラップスタイルの曲を13曲収録。シングルチャートのトップ10に同時に7つのアルバム収録曲がチャートイン。今までにフランスだけで40万枚以上を売り上げている。
 


Frenchy
Thomas Dutronc

母親がフランソワーズ・アルディ、父親がジャック・デュトロンというスター家族に生まれたギタリスト/シンガー、トマ・デュトロンの4枚目のアルバム。全14曲全てフランス産の新旧名曲群からなるフレンチ・スタンダード作品。
日本人にもおなじみの60年代のシャンソン定番からAirやDaft Punkなどのエレクトロ・フレンチまでをギターをメインなアコースティックな演奏で、様々なゲスト・ヴォーカリストを迎えた好企画盤。イギ―・ポップダイアナ・クラールジェフ・ゴールドブラムヘイリー・ラインハートステイシー・ケントら豪華ゲストが参加。


イージーリスニング
かつてはムード・ミュージック、ラウンジ・ミュージックと呼ばれていた主にストリングスやピアノをメロディ楽器とした軽音楽が1970年前後からアメリカでイージー・リスニングと呼ばれるようになった。日本では、フランスのポール・モーリアレイモン・ルフェーブルフランク・プゥルセルらのオーケストラもののインストルメンタル曲が、イージー・リスニングの代表格として人気となった。70年代後半にはピエール・ポルトリチャード・クレイダーマンジャン・クロード・ボレリーといった同じくフランス出身のアーティストが人気を博した。

◆イージーリスニング特集はこちら◆



スティル・ブルー~Best Collection Dedicated To Paul Mauriat~
ニュー・ポール・モーリア・グランド・オーケストラ

“オリーブの首飾り”“恋はみずいろ”など世代を超えて聴きつがれる作品を数多く残し、イージーリスニングの第一人者として知られるポール・モーリア。本作は2013年発表のプロ・デビュー70周年記念作。すでに故人であったが、ポール・モーリアの名跡を継ぐ唯一の公式楽団=ニュー・ポール・モーリア・グランド・オーケストラの演奏で、不朽の名曲が最新の録音で現代に蘇えった。アルバムの冒頭を飾る“ペガサスの涙”をはじめ、“オリーブの首飾り”“恋はみずいろ”など珠玉の名曲ばかりが揃った全15曲を収録。



Flash Back to 1930 (Remasterisé en 2018)
Franck Pourcel

フランク・プゥルセルは1952年に独自の楽団を結成してデビュー。1950年代半ば頃からフランス随一の人気楽団として確固たる地位を築くようになり、当時、米のパーシー・フェイス、英のマントヴァーニと並んでイージーリスニング界の3大リーダーの1人と言われるようになった。ヒット曲としては、1955年過ぎに「急流」が全世界において大ヒットし、その後「オンリー・ユー」が、1959年にアメリカのBillboard Hot 100で最高9位にランクインする大ヒットとなった。本作は1920年代~30年代の流行歌をプゥルセル流にアレンジした74年作。流麗かつ溌剌とした演奏がいい。
 


My Way Of Music
アンドレ・ポップ

1950年代よりラジオ局RTFで働きアレンジや作曲を担当。 1950年代後半から1960年代初頭にかけては、ジュリエット・グレコのアルバムのオーケストレーションを担当した。1967年、歌手ヴィッキーと共にユーロビジョン・ソング・コンテストに出場し、自身作の「恋はみずいろ」を披露。日本でも大ヒットをし、クロディーヌ・ロンジェ他、多くの歌手がカヴァーをした。その後ポール・モーリアのインスト版で再ヒットした。本作は「恋はみずいろ」のセルフ・カヴァー(M6)と日本でヒットをした「マンチェスターとリヴァプール」(M7:オリコン最高位6位)が聴ける1968年発表のアルバム。


《バックナンバー》
・ハイレゾで聴く 世界音楽漫遊記 musical travel around the world ~日本編~
ハイレゾで聴く 世界音楽漫遊記 musical travel around the world ~ドイツ編~
・ハイレゾで聴く 世界音楽漫遊記 musical travel around the world ~イギリス編~
・ハイレゾで聴く 世界音楽漫遊記 musical travel around the world ~カナダ編~

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