実力派の若手演奏家を紹介するセレーノミュージックがハイレゾ配信開始!

2020/06/12

関西を中心に活躍する若手演奏家をサポートしているセレーノミュージックから将来を担う実力派ピアニストたちのアルバムが一挙6タイトル配信開始。さらにレーベル主宰者である静間佳佑氏が音楽監督を務めるセレーノチェンバーオーケストラの DSD 5.8MHz のベートーヴェンも登場。いま関西のクラシック界が熱い!

セレーノミュージック第一回配信作品







これらのタイトルの配信開始を記念して、ピアニスト南部由貴さんにお話を聞きました。



南部由貴インタビュー



■日本の音楽大学を卒業してウィーンに7年間留学をされていたとのことですがウィーンを留学先に選ばれた理由は何ですか?

もともとはフランス音楽が好きでパリに憧れていたのですが、桐朋在籍中に声楽家の木村俊光先生のクラスでピアニストとしてレッスンに同行しているうちに、ドイツにいらした木村先生の創り出すドイツ歌曲の世界に魅了され、ドイツ語圏に留学したいと思うようになりました。その後、大学を卒業した春にウィーンの講習会でウィーン国立音楽大学ピアノ室内楽科主任のアヴェディス・クユムジャン教授と出逢い、一瞬で先生の音楽の虜になり留学を決めました。

■3 年前に完全帰国してからいままでどんな音楽活動をして来られましたか?

ウィーンでは、クユムジャン先生のもとで6年半、室内楽を専門に勉強しました。帰国してからも主にアンサンブルの仕事をしています。ヴァイオリン等の器楽奏者との演奏や、歌曲コンサート、また新進気鋭の室内合唱団 vocalconsort initium との共演など、いつも刺激をもらいながら活動しています。また、オーケストラとのピアノコンチェルト協演やソロのリサイタルも行いました。演奏活動の傍ら、昔からの夢であったピアノの先生としても活動しています。

■今回発売の アルバム「TAMZ IM TRAUM~夢の中で~」についてお聞きします。選曲について “好きな曲を集めた私らしいアルバム”という表現をされていますが、ラインアップを見るとハイドンからバーバーまで時代的にもまた地域的にも幅広いものになっていますよね。 選曲のコンセプトについて教えてください。

どんなアルバムにしたいかな、と思った時に、今までお世話になった応援してくださっている方々への感謝の気持ちを込めたものにしようと思いました。また、有名な曲ばかりを扱うのではなく、自分が心から演奏できる作曲家の作品を録音しようと思いました。そんなことを思いながら選曲していくと、大好きなハイドンに始まり(ウィーン国立音大の室内楽科はハイドン研究所といいます)、高校時代に夢中になっていたドビュッシーやフォーレ、プーランクの作品、ウィーンでパウル・バドゥラ=スコダ氏にレッスンしていただいたモーツァルトのロンド、大学時代に出会ったバーバーなど、それぞれ自分にとって欠かせない曲を収録することになりました。聴いていて心地が良いことも選曲のポイントです。また、アルバムを通してお聴きいただいた時に違和感のないよう、曲同士の調性関係なども考えながら選曲しました。

■録音会場であるスティマーザール、また使用ピアノのベーゼンドルファーインペリアルについての印象や感想について教えてください

調律師・上野泰永氏の考え抜かれた音空間であるスティマーザールは、ヨーロッパの石造りの建物のような響きのする空間に、豊かな響きを持つベーゼンドルファーがあり、まさに私が求めていた録音場所でした。ベーゼンドルファーのピアノは、前述した桐朋の木村俊光先生のレッスン室にもあり学生時代から大好きでした。ベーゼンドルファーの生まれた地であるウィーンに留学したことで、自分にとって一番演奏しやすい楽器となりました。自分の欲しいあたたかい響きをつくってくれる楽器です。

■音創りについては、どのようなことに留意しましたか? またレコーディングスタッフへはどんなことを要望しましたか?

その場で聴いているような、音の響きに包まれるような感覚をそのまま録音できたら、と考えました。空間としての響きをそのままお届けできる作品にしたいとお願いしました。

■録音中のエピソード、苦労話、秘話など教えてください

なごやかな雰囲気の中で録音でき、緊張しつつもリラックスして演奏できました。スタッフの方々がホール内にいらしたので、コンサートのような気持ちで演奏に向かえたことも良かったです。録音は2日間かけて行いました。アルバムの順番ではなく、弾きやすい曲を最初に、そのあとは曲順は決めずにその時の気分で「弾きたい」と思った曲を演奏していてきました。ウィーン古典派のハイドンとモーツァルト、細かいパッセージのあるラフマニノフは、ピアノの微調整をしていただいた上で、2日目に演奏しました。調整によって弾き心地がまるで違うピアノのようになり、軽やかな粒立ちの映える仕上がりとなりました。

■初めてのソロアルバムということで、構想から、具体的選曲、録音、そして実際にアルバムとして完成して、自分の音を聴いてみていかがでしたか?アルバム制作の一連の過程を終えて今のお気持ちを聴かせてください。

まさか自分がアルバムを出すことになるとは思っていなかったので、セレーノミュージックさんからお声掛けをいただき、それが形となって実現したことに本当に感謝しています。アルバム製作は、コンサートのプログラムを構成するのとはまた違う楽しみがありました。ブックレットの執筆作業も楽しかったです。長年の友人でもある美術作家・林美希さんにデザインをお願いし、二人で共同作業ができたこともとても嬉しかったです。実際に完成して自宅で作品をを聴いた時、まるで自分の演奏ではないような音の仕上がりに驚きました。ブラームスまで聴いた時に、安堵で思わず嬉し泣きしました。(笑)

■e-onkyo music のユーザーに向けて

この度はこのページをご覧いただき、ありがとうございます。ベーゼンドルファーピアノ独特の、深い低音の響き、和音の際の音が溶け込むあたたかさ、軽やかなパッセージの真珠のような響き、etc…、細部までお楽しみいただけることと思います。いろいろな作曲家の作品が収録されているので、ぜひお気に入りの曲を見つけていただけますと嬉しいです。




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【プロフィール】

桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部卒業。同大学研究科を経て2010 年渡欧。

ウィーン国立音楽大学ピアノ室内楽科を最優秀の成績で、同大学院修士課程を審査員満場一致の最優秀の成績で修了。2017 年帰国。

2009 年ルーマニア国際音楽コンクールピアノ部門第2 位、併せてルーマニア政府観光局賞受賞。2016 年トレビーゾ国際音楽コンクール(伊)室内楽部門、現代音楽部門において第1 位、ベルリン・ライジングスターズグランプリ国際音楽コンクール(独)室内楽部門にて奨励賞受賞。その他、国内外のコンクールで受賞多数。

桐朋女子高等学校音楽科卒業演奏会、関西桐朋会新人演奏会、読売新人演奏会、ベートーヴェンハウス(ハイリゲンシュタットの遺書の家)でのコンサートやシューベルトハウス(シューベルトの生家)でのウィーン若手演奏家コンサートシリーズ "Junge Talente" 、在パリ日本文化会館での "作曲家・伊福部昭オマージュコンサート" など、多数の演奏会に出演。ポーランド国立クラクフ室内管弦楽団、鹿児島モーツァルト室内オーケストラ、墨染交響楽団、新進気鋭の室内合唱団vocalconsort initium と共演するなど、ソリスト、アンサンブルピアニストとして演奏活動を行う傍ら、後進の指導にもあたっている。
2020 年、自身初のアルバム「TANZ IM TRAUM ~夢の中で~」をリリース。

ホームページ

https://www.yuki-nambu.com/

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