【期間限定プライスオフ】小原由夫セレクト オーディオ的視点で選ぶ 必聴アルバム25選

2020/05/15
オーディオ&ヴィジュアル評論家として、幅広い世代のオーディオファイルから絶大な支持を得る小原由夫氏が「オーディオ的視点」からセレクトした、オーディオファイル必聴のアルバム25タイトルをご紹介。ここでは、特にオーディオ的に楽しめる作品を「アコースティック」「ヴォーカル」「質感再現/ステレオイメージ」「ダイナミックレンジ」「低音」「ビート/リズム」という、オーディオを楽しむうえで重要になる6つの要素別にカテゴリ分けし、小原氏の解説と共にご紹介。初心者から上級者までオーディオ好きのためのセレクト企画です。



■□■小原由夫セレクト オーディオ的視点で選ぶ 必聴アルバム25選 ローンチ記念プライスオフ!■□■

小原由夫セレクトによるオーディオ・ファイル必聴のハイレゾ名盤25タイトルが期間限定プライスオフ!

期間:2020年5月15日(金)~6月14日(日)23:59まで
対象アイテム:本ページでご紹介の全25タイトル
内容:対象アイテムを30%オフ
※プライスオフは「アルバム購入」のみ対象となります。





 「ハイレゾ音楽コンテンツの醍醐味は、CDクオリティを遥かに凌ぐスペックによって、音楽が一段と鮮度高く、生々しく感じられること。声のニュアンスや楽器の質感がより克明に再現され、スタジオの空気感、コンサートホールの臨場感やプレゼンスを一層スケール感豊かに実感することができる。その結果、好きなアーティストの本質、リアルな姿にさらに近付くことができるのである。
 私がここで採り上げたいのは、そうした音質(音楽)的な魅力を、主要なオーディオ要件毎に分析してみようということだ。
 私たちオーディオ・ファイルは、音楽を聴きながらオーディオ機器をチェックする際、その再生音から周波数特性の広さや分解能、情報量などを推し量っている。リラックスしながら純粋に音楽を楽しむ時ももちろんあるが、そうした場面でもいつの間にか声の温かみや楽器の響きの自然さ、ステレオイメージの広さや深さなどを分析してしまうのである(それこそがマニアの性といえるかもしれない)。
 そこで今回は、独自企画のオリジナル録音作品も数多いJVC/ビクターの関連タイトルの中から、オーディオ的視点でテーマ(チェックポイント)を絞り込んだアルバムをピックアップして特集企画を組むこととなった。テーマは6つに分類し、それぞれのアルバムにおいてどのような要素がチェックポイントとして有効なのかを解説しているので、オーディオ面からの再生システムのチェックの参考にして頂ければ幸いである。」

小原由夫




【アコースティック】

 クラシックギターやピアノ、ヴァイオリンなど、それ自身が発音体として成り立っているアコーステイック楽器は、録音現場の反射や反響、拡散や残響も伴って収録されることが多く、音色の鮮度や響きの広がり、微かなニュアンスの生々しさやその描写性など、オーディオ的なチェックポイントも数知れない。特にソロ演奏では楽器の質感、タッチの強弱や緩急など、さまざまな要素からチェックができる。
 一方でエレクトリック楽器の場合、往々にしてアンプやスピーカーを通した音を録音するケースが多く、サウンドクォリティはそれら周辺機器に依存しがちだ。アコースティック楽器は、空間に解き放たれた楽器そのものの響きをマイクで集音するので、よりナチュラルでデリケートな響きが楽しめる。

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 先頃逝去したマッコイ・タイナーは、ジョン・コルトレーン黄金期のカルテットでピアニストを務めた片腕的存在だ。「エコーズ~」ではコルトレーン所縁の曲をソロピアノで収録。トランジェント感の鋭い打鍵は、マイクを近接配置した録音のように感じられ、鮮度とクローズアップ感が白眉だ。左右のスピーカー間にグランドピアノの音像が克明に浮かび上がる。
 それとは対照的なのが国府弘子のピアノ・ソロ。やや距離を置いたような定位の印象で、ホールエコーが適度に重畳した残響感が心地よい。ステージをやや俯瞰した位置から聴いているようなナチュラルなアンビエンスが感じられる。
 この2枚のピアノと比べると、フジコ・ヘミングの場合は、クローズアップでも遠い感じもなく、ほどよい距離感でピアノの音像が定位し、アンビエンスを含んだ余韻やオーバートーンがきれいだ。特に<ラ・カンパネラ>のデリカシーに富んだ旋律が、タッチの強弱や高いキーの鋭いアタック、低いキーの力感を伴って響く。ドイツの名ピアノ、ベヒシュタイン特有の強靭な音色も楽しめる作品だ。
 宮沢昭のカルテット演奏は、録音当時日本を代表する若手ジャズメンの熱いプレイが聴ける。センターにベースとドラムが鎮座してさまざまなアクセントを繰り出し、Rchに定位するテナー・サックスとLchのピアノとが丁丁発止を繰り広げる。生々しくて鮮烈なその響きは、ハイテンションな空気を切り裂くようなホットなもの。それが音場内にどう浮かび上がるかが鍵だ。
 沖仁はDSD録音による情熱的なフラメンコギターだ。カスタネットやカホン、手拍子のアタックの鋭さと、ガットギターのカッティング/ストロークが鮮やかに収録されている。決してクールで硬くなく、ホットでしなやかな温度感がある。その繊細かつ緻密なニュアンスをミクロで捉えた音を楽しみたい。








【ヴォーカル】

 私たち人間にとって最も接する機会が多くて馴染みやすく、的確なチェックソースとなるのが人の声、すなわちヴォーカルだ。特にオーディオファィルには女性ヴォーカルファンが多い(男性ヴォーカル好きは少数派かもしれない)。温かみや冷たさ、湿り気や乾き具合、ハスキーだったりスモーキーだったり、色艶や華やかさといった質感は多岐に渡り、優しさや厳しさ、チャーミング、セクシーといった要素は歌唱力や表現力にも関わってくる。さらには音像のフォルムやサイズ、定位の確かさや位置などに始まり、発音のニュアンスやイントネーション、強弱や抑揚、「R」や「TH」などの発声など、ヴォーカルに関するチェック項目は枚挙に暇がない。

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 『ニューヨークの溜息』と称されたヘレン・メリルは、ジャズファンからもオーディオ・ファイルからも絶大な人気を誇る女性ジャズヴォーカリスト。ボサノヴァをセレクトした本作では、英語だけでなく、オリジナルのままポルトガル語で歌うナンバーも。ストリングスの優雅な響きや、ジャズコンボの小気味よいリズムを背に歌うヘレンの声には、かなり強めのリヴァーブ(エコー)が掛かっているのが特徴。そのハスキーな質感にはしっとりとした色気が感じられる。終始聴こえるLchのマラカスやRchのコンガ等もあって、左右のセパレーションのチェックにも使える。
 サリナ・ジョーンズが「Stuff」のメンバーの来日に合わせて日本で録音した『マイ・ラヴ』も優秀録音だ。サリナの声は濃密で厚みがあり、ウォームと形容したくなる声質。P・マッカートニー作のタイトルナンバーは、慈愛に満ちたラヴ・バラードで、腕達者な面々に支えられてしっとりとした声がポッと定位する感じだ。
 ジェーン・モンハイトは、豊かな声量に裏打ちされ、表現力の確かさと発声(イントネーション)の美しさでヴォーカルのリファレンスにしている人も多い。私は本作中の<イル・ウィンド>が大好きで、ベースに絡み付くようなジェーンの声の豊満さをチェックしている。実にシルキーで色っぽい雰囲気だ。
 それに対してヒラリー・コールは粘着質(!?)がまったくなく、スッキリした色艶。陽性でスレンダーなイメージがあり、都会的な溌剌とした雰囲気を楽しみたい。
 そのヒラリーよりもさらに若々しいのが、ヘイリー・ロレンだ。国内のジャズクラブ「コットンクラブ」で実況録音された同作では、健康的で乗りの良いライブが繰り広げられる。表現力よりも、ここではバックバンドとの一体感を味わいたい。サザンオールスターズの<いとしのエリー>を日本語で歌うのはご愛敬。









【質感再現/ステレオイメージ】

 単に質感再現というと漠然とした印象だが、ステレオイメージと絡めることで明確な要素として打ちだせるのではないだろうか。ここでは複数の楽器のアンサンブルから楽器そのものの表現、表情の生々しさに加え、楽器の配列や立体感、定位する位置やその距離感、演奏現場の空気感、余韻の残響や反射などがどう聴こえるかという点から判断できるのではないかと考えた次第である。
 この要素のクオリティに大きく関わってくるのがS/Nだ。これは、信号とノイズのレシオ(対比)で決まるパラメータで、S/Nが悪いと音楽信号はノイズにマスキングされてしまい、微細なニュアンスが聞き取りにくくなる。S/Nがどんどんアップして高まっていくことで、消え入りそうな微かなニュアンスが次第に浮き彫りとなり、ステレオイメージの広さや奥行き感が向上していくのだ。それは川の水が透明度を増し、川底の様子がより鮮明に見通せることに喩えられよう。

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 チェリスト/長谷川陽子とピアニスト/仲道祐子のデュオアルバムは、目を瞑って聴いていると、まるでチェロとピアノが今まさに眼前で演奏しているのではないかという迫真的なリアリティが味わえる。各々の楽器の響きが周囲の空気に溶け込み、波動となってリスナーの耳に届くような生々しさなのだ。ハイレゾの広帯域だからこそ味わえる自然なバランスと空気感を堪能したい。
 オーケストラを聴けば、この要件をより深く理解してもらえるのではないだろうか。フェドセーフ指揮/モスクワ管のチャイコフスキーは、奥まった配置の管楽器群、例えばフルートの定位位置(左側)とホルンの定位位置(右側)の違いを克明に提示しながら、立体的なステレオイメージの中に流麗なハーモニーが浮かび上がる。
 一方で村治佳織の<アランフェス協奏曲>は、やや距離を置いたクラシックギターがホログラムのように見える。クラシックギターの集音には電気的な手段をとっているはずだが、オーケストラの残響感にホールの高さや奥行きが醸し出されている。第2楽章のギターのメロディーの哀愁とはかなさ、アルペジオの微細なニュアンスをうまく引き出したい。
 王道的なオーケストラ録音のマズアのベートーヴェンは、ハーモニーの重層的な響きとローエンドの厚みが圧巻。とりわけ<運命>の第2楽章の優雅な旋律と弦の豊満さ、勇壮な雰囲気のファンファーレが素晴らしい。







【ダイナミックレンジ】

 ダイナミックレンジこそ、オーディオの一番の醍醐味だと私は信じて疑わない。これは、微細な音から耳をつんざくほどの強音に至る音の大小の範囲(広さ)を段階的に表したものだ。下限は残留ノイズのレベル、上限は歪む直前の最大出力で表される。当然この数値が広いに越したことはなく、それだけ小さな音から大きな音まで再生可能な範囲が広いことを示している。一般的にホールのオーケストラ演奏で約80dB、レコードで65dB、CDで100dB程度。人間の耳は120dBの音を感じ取ることができるといわれる。

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 リー・リトナーの<オン・ザ・ライン>は、もともとダイレクトディスク方式で収録されたアルバム。各楽器の生々しい鮮度とパワー感が凄い。ドラムはスネアのスキンの震えが見えるかのようで、パーカッションの立ち上がりの鋭さも実に刺激的。ユニゾンで繰り広げられるギターとサックスの変拍子が切れっ切れのタイトさで、ダイレクト感の鋭い音が堪能できる。また、いかにも西海岸録音ならではのカラッと乾いたトーンである。
 デイヴ・グルーシンは前述のリトナー盤でもキーパーソンとして活躍したキーボーディスト。79年リリースの<マウンテン・ダンス>はニューヨーク録音で、スタジオのエアーがそこはかとなくを感じられる。デジタル録音ならではの細部までクリアーなサウンドは歪み感を一切感じさせない。まだ初々しかったマーカス・ミラーのベースも含め、リズムセクションの躍動感も素晴らしい。
 日野皓正の大ヒットアルバムは、アンソニー・ジャクソンのベースのピッチの正確さもあり、太いリズムが心地よい。コルネットの突き抜けるようなトーンやビブラートが鋭く描写される。
 渡辺貞夫も当時ベストセラーになった作品。跳ねるようなベースが繰り出すレゲエ調のビートがにぎやかな雰囲気を生み出している。リー・リトナーのカッティングギターも小気味よく、細部まで見通しのよいダイナミックな演奏である。







【低音】

 オーディオ・ファイルには低音好きが多い。低音再生に命を賭けているマニアが大袈裟でなく存在する。自分の望む低音を存分に浴びることができた時の恍惚感は、マニアでなければ決してわからない喜びだろう。それはまた耳だけでなく、身体にも感じ取れることから病み付きになる人も多い。この皮膚感覚も低音独特の楽しみかもしれない。ただし、部屋の遮音(防音)性能も関わってくる。集合住宅にお住まいの方は、くれぐれも周囲に迷惑をかけないようご注意いただきたい。
 量感、歯切れ、伸び、太さ、強さ、厚みが肝であり、重低音などともいう。鈍重になることなく、クリアーに再生したいところだが、痩せた低音はイタダけない。太く、重く、逞しい低音再生が、いつの時代もオーディオ・ファイルの憧れだ。

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 マーカス・ミラーのベースは、鋭いアタックとサスティーンの効いたディープな響きが特徴だ。メロディーを奏でるスラッピング(チョッパー)のアタックの鋭さ、リズムを刻むフレーズの音域の広さに耳を傾けたい。ベースはセンター付近に太く、厚く、力強く定位する。高速スラッピングが鈍くならず、スピード感たっぷりに鳴らしたい。
 「トリビュート・ジャコ」は、さまざまなベーシストが参加したオムニバス盤だが、弦の震えがイメージできそうなリアリティで、ピッチの正確さや胴鳴りの豊かさがきっちり再現できないと消化不良に陥るだろう。特にジャコが得意としていたハーモニクスの柔らかなオーバートーンや、高速ハンマリング/プリングの微妙なニュアンスを鮮明に再現したい。
 鬼太鼓座のトラック1は、かつて私もリファレンスソースとしてずいぶん聴いた。三味線のイントロの後に大太鼓の乱れ打ちがあり、コンパクトなスピーカーでそれを満足に再生するのは困難だろう。地鳴りのような低音は、響きというよりも“空気の揺れ”だ。







【ビート/リズム】

 ビートというと低音と深く関わりがあるとイメージしがちだが、リズムという要素が絡んでくると低音だけには限らない。テンポ、乗りといった点が加味され、オーディオ機器のレスポンス、トランジェント性能と密接に関わってくる。立ち上がり、立ち下がりなんていう言い方をマニアはよく使う。正確さがないと、リズムが尾を引いたようになって何だか気持ちが悪い。ロックファンがよく用いる「グルーヴ」という表現もビートやリズム感を言い表したものだ。軽やかなビート、重々しいリズムといった表現もある。
 ビートやリズムは、いわゆるリズムセクション(ベースとドラムス)が重要な楽器パートとなるケースが多い。エレクトリックベースのチョッパー(スラッピング)の切れ、ドラムのリムショットの正確さなど。8ビート/16ビートといった早いテンポの心地よさは、いうなれば「踊り出したくなるような」「腰(お尻)がムズムズするような」感覚で、私たちのリズム感を刺激するのである。

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 オーケー・ゴーは、強烈な打ち込みビートがどっしりと鎮座するようで、コンプレッサーが強烈にかかった独特のうねりのようにも感じる。その上を男性コーラスが軽やかに躍動するのだ。蛇足ながら、彼らの<アイ・ウォント・レット・ユー・ダウン>のPVは傑作だ。ドローン撮影による無編集のワンカット撮影で、実に楽しい。
 ブライアン・セッツァーは、ストレートなロックンロール/ロカビリーで、ホーンセクションが演奏全体を強烈にプッシュする。8ビート/16ビートのゴージャスでダンサブルなリズムをくっきりと再現したい。
 スペクトラムは、さしずめ和製アース・ウィンド&ファイアーという感じで、70年代後半に国内で大人気を誇った。もともと卓抜したテクニックを持つスタジオミュージシャンの集団だけに、リズムの正確さは推して知るべし。ホーンセクションの厚みのあるアンサンブルを達者なリズム隊が支える。
 ギターワークショップは、70年代半ば以降のクロスオーバー/フュージョン全盛期に活躍した、渡辺香津美、森園勝敏、山岸潤史、大村憲司の4名の邦人ギタリストをフィーチャーしたインストゥルメンタル・アルバム。各人が当時日本を代表するリズムセクションのサポートによって実に伸び伸びとプレイしている。正確無比なビートを明確に再現することで、ギターの存在感も一段と際立つ。








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小原由夫セレクトによるオーディオ・ファイル必聴のハイレゾ名盤25タイトルが期間限定プライスオフ!

期間:2020年5月15日(金)~6月14日(日)23:59まで
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小原由夫 プロフィール


小原由夫(おばらよしお)
理工系大学卒業後、測定器エンジニア、雑誌編集者を経て、92年よりオーディオ&ヴィジュアル評論家として独立。
自宅には30帖の視聴室に200インチのスクリーンを設置。
サラウンド再生を実践する一方で、6000枚以上のレコードを所持し、超弩級プレーヤーでアナログオーディオ再生にもこだわる。
ハイレゾ音源再生にも積極的に取り組んでおり、よりよいネットワーク環境整備に余念がない。

著書は「ジェフ・ポーカロの(ほぼ)全仕事」(DU BOOKS)。
主な執筆雑誌は、「HiVi」「ステレオサウンド」(以上、ステレオサウンド)、
「オーディオアクセサリー」「Analog」(以上、音元出版)、など。
Web系は「NIKKEI STYLE/AVフラッシュ」(日経電子版)に連載を持つ。







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