【e-onkyo musicの日】マイ・ベスト・ハイレゾ 2019!

2019/12/11
今月のe-onkyo musicの日は年末企画、”マイ・ベスト・ハイレゾ 2019”!
お世話になっているライターの方々や、ハイレゾ業界の方々に今年一番聴いた、特に良かったハイレゾ作品を3作品ずつ選んでいただきました!
充実の内容となっておりますので、是非参考になさってください!

※今回紹介している作品の中には2019年発売でないものもあります。

また、今回もユーザーの方から応募いただく「あなたのマイ・ベスト・ハイレゾ」を募集します!
くわしくは ⇒こちら

麻倉怜士 select


『エトレーヌ [Ultimate Analog Master Ver.]』
情家みえ


UAレコード合同会社の第1弾作品、「情家みえ・エトレーヌ」のUHQCDは2018年1月に発売されているが、実は、2017年8月に東京・代々木スタジオでのセッションでは、アナログでも同時に録音していた。 STUDER A-800 で2インチテープを76cm/secという猛スピードで回して、24トラックにマルチ収録した。そこから2チャンネルへのアナログミックスダウンし、世界最高峰のDAW、PIRAMIXで作成したDXD384KHz/32bitDSD11.2MHzの2ファイルが私のナンバーワンだ。どちらもひじょうにオリジナルの2トラック信号に近接したクオリティを持つが、キャラクターの観点から違うのがとても面白い。DXD384KHz/32bitはきわめて透明度が高く、スケール雄大で切れ味がシャープだ。一方のDSD11.2MHzは空気感の濃密さが凄く、声が消えゆく際のニュアンスの微細さが、信じられないほどリアルに表現される。音色もカラフルだ。甲乙つけがたいので、どちらもナンバーワンだ。

『ルイ・クープラン: クラヴサン曲集』
桑形亜樹子


圧倒的なクオリティだ。素晴らしい音色とソノリティだ。豪奢で、華麗なチェンバロサウンド。一般的なかぼそく、繊細というイメージではまったくなく、ゴージャスでリッチ、剛直だ。音色のカラフルさにも驚く。会場の響きがとてもきれい。響きは深いのだが、ひじょうに透明で、音の粒子があちこちに反射しながら伝播していく様子が目に見えるよう。深田録音はいくら響きが多くても、楽器の音を実にクリヤーなのが特徴だが、まさにその美質が最大限に発揮している。DXDの音も、たいへん情報量が多い。カナダ新弦の音も豪華で繊細。彩度感が高い。

麻倉怜士(あさくられいじ)
1950年生まれ。1973年横浜市立大学卒業。日本経済新聞社、プレジデント社(雑誌「プレジデント」副編集長。を経て、1991年にオーディオ・ビジュアル、音楽評論家として独立。津田塾大学では2004年以来、音楽理論、音楽史を教えている。2015年から早稲田大学エクステンションカレッジ講師(音楽)。HIVI、PEN、ゲットナビ、特選街、レコード芸術、モーストリー・クラシックなどに音楽、映像、メディア技術に関する記事多数執筆。CD、Blu-ray Discのライナーノーツも多い。




天野洋介(ダイナミックオーディオ4F) select


『プラチナ・ジャズ ~アニメ・スタンダード Vol.6~』
 プラチナ・ジャズ


ハウス系プロデューサー兼ジャズマン、ラスマス・フェイバー率いるプラチナジャズの第6弾。結成10年の記念作となる今回のアルバムの注目曲は1997年に放映された「劇場版エヴァンゲリオンAir/まごころを、君に」で使用された「Komm, susser Tod~甘き死よ、来たれ~」をプラチナ・ジャズ一作目で「はじめてのチュウ」を歌ったニクラス・ガブリエソンが、甘く、優しく歌い上げます。

『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー(2018 Bob Ludwig Remastering)』
YELLOW MAGIC ORCHESTRA


YMO結成40周年を記念して名匠ボブ・ラディックによってリマスタリングされたSSS。名曲テクノポリスやライディーンは当然の事ながら、他の楽曲も色あせる事なく、リマスタリングによる新たな発見や聴き方があります。他にもパブリック・プレッシャーや増殖といった名盤、ライブ盤のアフター・サーヴィス等もリマスタリングされ配信されています。

『ニュートンの林檎』
椎名林檎


椎名林檎、初のベストアルバム。新曲も追加された二枚組です。必聴なのは、今回初めてハイレゾ化された、初期の頃の楽曲達。特に「無罪モラトリアム」や「勝訴ストリップ」に収録されていた楽曲は、リマスタリング、ハイサンプリング化されて、懐かしさと新しい感覚を楽しめます。

天野洋介 ダイナミックオーディオ 4F (あまのようすけ)
2007年入社、7Fアシスタント、5Fフロア担当後、4Fスタッフとして皆様にオーディオをご紹介しております。
4Fはデータ再生に関する様々なコンテンツをご用意して皆様のご来店をお待ち致しております。
また、音楽に関してもジャズ、クラシック、ロック等の他、アニソンやクラブミュージック、ヒップホップ等、
雑多に楽しんでいますので、お気軽に話しかけて頂けると嬉しく思います。
DynamicAudio 555



潮 晴男 select


『Abbey Road[2019 Mix]』
The Beatles


毎度お騒がせのビートルズ・アルバムだが、アビーロードはまさかのリミックスで再登場。アナログ盤を買った人はともかく、CDでは満足できないファンはぜひハイレゾで聴いてほしい。オリジナル版はそれはそれでよく出来ている。結構とんがっていてパリッとしたイメージだが、リミックス版はいくぶんおとなしくノーブルな仕上がり。何をどう変えたのか詳細は知らないけど、ジョージ・ハリスンの「サムシング」なんか、声まで若返っている気がした。新旧を聴き比べるもよし、新作ターゲットもよし。いずれにしても膨大な音源がまだ残っているし、ハイスペックのフォーマットにも手が付けられていないということは、また何か出るんでしょうか。

『40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。[Remastered 2019]』
松任谷由実


2019年のリマスターでしかも46曲入という超豪華版。ファンならずとも知った曲のオンパレードだから、ファンなら歓喜の渦間違いなしのハイレゾ音源である。ユーミンの楽曲はこれまで配信されてこなかった。それが一気にハイレゾでの解禁である。どのアルバムから聴こうか悩むところだが、それを解決してくれるのがこのタイトルだ。時代に沿ったHi-Fiサウンドが味わえるので、オーディオに興味のない人でも大いに楽しめることだろう。好きなミュージシャンの楽曲こそ、一番良い条件で聴く、これは鉄則である。

『エトレーヌ』
情家みえ


24トラック76cm/secのアナログマスターテープからダイレクトにトランスファーした極上の音源を、ピラミックスのDAコンバータで384kHz24ビットにPCM化した今望みうる最高峰のクォリティを持つ情家みえのアルバムである。同時に11.2MHzのDSD音源も配信したので、興味のある人はぜひ一対比較していただきたい。音の芯のしっかりしたPCM、音場空間が広く伸びやかなDSD、同一アナログ音源からの変換なので純粋にそれぞれのフォーマットの音の違いが楽しめると思う。少しばかり手前味噌ではあるが、それだけ価値は保証するのでぜひ一度お聴きいただきたい。

潮 晴男(うしおはるお)
オーディオ・ビジュアル評論家・ウルトラアートレコード代表・米子ふるさと観光大使。
オーディオ・ビジュアル専門誌をはじめ情報誌、音楽誌など幅広い執筆活動をおこなう一方、音響監督として劇場公開映画やCDソフトの制作・演出に携わる。ハリウッドの映画関係者との親交も深く制作現場の情報にも詳しい。2017年、高音質ジャズレーベル、ウルトラアートレコードを麻倉怜士と設立しパッケージソフトのリリースとハイレゾ配信を開始する。米子ふるさと観光大使として鳥取県米子市の魅力を発信している。


岡田 卓也 (e☆イヤホン) select

「Pretender」
Official髭男dism


2019年はポップスが特に人気を集めた1年だったと感じています。この一年を代表する1曲として、Pretenderを選定しました。カラオケを始めストリーミングサービスやYoutubeで驚異的な再生数を記録し話題になりました。誰もが耳にしたことのある曲だからこそ、ハイレゾで音質の違いを感じて頂きたい1曲です。ハイレゾ未体験の方にオススメです。

「真夜中のメロディ」
手嶌 葵


イントロのアコースティックギターから心を掴まれるような音の良さ、広がりの良さを感じさせてくれる1曲です。しっとりとしたフォークに、唯一無二の歌声を持つ手島葵さんの声が重なり、気が付けば聴き入ってしまい曲が終わっていることもしばしば。ぜひ聴いていただきたい1曲です。

『Winelight』
Grover Washington Jr.


イヤホンやヘッドホンの試聴を行う際に必ず使用しているアルバムの一つです。多くのアーティストにカバーされるジャズの定番曲「Just the Two of Us」を始めとし、「Let It Flow」など名曲揃いです。歯切れの良いサックスのソロパートはもちろん、ギターやドラム、エレクトロピアノなど、音が重なる度に増していくグルーブ感を感じられるおすすめの一枚です。

岡田 卓也(おかだたくや)
イヤホン・ヘッドホン専門店e☆イヤホンを運営する株式会社タイムマシン取締役兼株式会社TMネットワーク取締役副社長。イヤホンやヘッドホンを100機種以上所有し、TBSテレビ「マツコの知らない世界」に3回出演した「イヤホン王子」としても知られる。
イヤホン・ヘッドホン専門店e☆イヤホン:https://www.e-earphone.jp/



オノ セイゲン select


『J.S. Bach - Violin Sonata No. 3, BWV 1005 - III. Largo』
Kenji Kusakawa


草川研二さんは、2006年-19年「東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団」にてコンサートマスターを務め、Yo-Yo Maとの共演やプラハユース音楽祭で首席奏者を務めたりも。東京大学在学中は環境建築工学を専攻。音楽、テクノロジー、起業といった異色の経歴の持ち主で、アマチュアだからこそ楽しく音楽を続けられるイノベーティブ・バイオリニスト。フルタイムのプロフェッショナルより自由なことがアマチュアの強みでしょうか。アマチュアでもこんな気持ちいい音色を持っていることを再発見。この音源はNeumann TLM50×2本だけによる2chステレオ録音。DSDシングルで「SDMindies」レーベルの第一弾です。続くアーティストを絶賛募集中です。

『Book of Romance and Dust』
Exit North


ワールドプレミアとなった昨年の来日公演(9/25大阪、9/27東京)も大好評だった(JAPAN での活躍でも知られる)スティーヴ・ジャンセンらが組んだプ口ジェク卜。 Nu lでマスタリング。Nu lの何がすごいって、まずはDAC。ミックスマスターが DSDで来ることはほぼないので、まずはWAVをAudioGate4→ Nu lをDACとして再生して一度 11MHzDSDにする。 ただし最終的にSequoia14でCD用のDDPを作成するので、 SequoiaのVIPには、ミックスマスターのWAVそのものも開いてある。比較のためにも。またアルバムであっても、曲によっては、 Sequoia内部だけで仕上げたテイクを混在させることも跨踏しないが、まずは全曲をアナログドメインに持っていく。さらに、新開代真空管 Nutube」のHDFC (Harmonic-Detecting-Feedback-Circuit/倍音抽出帰還回路)により倍音を3種類から選ぶ。もちろん加えないことも選択肢ではある。ぼくは、 HDFC−1が使用頻度が高い。

『U Turn』
Arto Lindsey & Hideo Yamaki


ノイジーで美しいギターの第一人者、アート・リンゼイとレジェンド山木秀夫。CDは出さない。カセットテープとハイレゾだけで発表と決まった。カセットテープとDSDとはオーディオスペック的には両極端のメディアである。カセットテープは音のない部分でもサーッというノイズがあるがDSDは全く歪みやノイズがない。ハイレゾのメインストリームであるクラシック、ジャズ以外にもこんなにも「いい音」があることをお知らせしておきたかった。 「いい音」は、記録されるダイレクト音以外に、収録空間の初期反射と響き、そして再生空間の初期反射が担う。ミックスはおとなしくまとめてもダメで、ダイナミックレンジもボリュームの大きな曲はアナログ・ハーフインチにミックスするイメージで仕上げた。まるで80年代の手法である。

オノ セイゲン (おのせいげん)
エンジニアとして、82年の「坂本龍一/戦場のメリークリスマス」にはじまり、ジョン・ゾーン、アート・リンゼイ、デイヴィッド・シルヴィアン、マンハッタン・トランスファー、オスカー・ピーターソン、キース・ジャレット、マイルス・デイビス、キング・クリムゾン、渡辺貞夫、加藤和彦、今井美樹(2015「Premium Ivory-The Best Songs Of All Time-」のマスタリング)など多数のアーティストのプロジェクトに参加。84年にはソロ・アーティストとしてデビューアルバム『SEIGEN』を発表し、87年に日本人として初めてヴァージンUKと契約。同年、コム デ ギャルソン 川久保玲から「洋服が奇麗に見えるような音楽を」という依頼によりショーのためにオリジナル楽曲を作曲、制作。96年「サイデラ・マスタリング」を開設。CD、SACDなどのプロデュース、録音、ミキシング、ライブFOH、立体3Dサラウンド、DSDライブストリーミング、音響空間のコンサルティングなども手がける。

最新アルバムは『CDG Fragmentation』
オノ セイゲン Biography


島健悟(ダイナミックオーディオ4F) select


『secret longing』
hisaka


収録の楽曲“Valerie”が2か月以上に渡りシングル・チャートの1位を記録するという、異例のヒットを続ける女性シンガー。レコーディングはカナダで行っており、彼女の音楽性の幅広さを感じることができます。スペシャルインタビューは当フロアの試聴室にて行っております。CDでは伝えきれない魅力がこのハイレゾにはあります。ライブも定期的に行っておりますので、是非足を運んでいただきたい。

『DSDで聴くドイツ・グラモフォン&デッカ selected by 麻倉怜士』
ヴァリアス・アーティスト


麻倉怜士×ユニバーサル ミュージック×e-onkyo musicによる独自コンピレーションになっております。当フロアにて麻倉氏をお迎えしてのイベントを開催しており、音楽に対する思い入れ、そしてDSDの魅力がしっかり伝わるイベントとなっております。個人的にはDSD音源は非常に好みではあります。クラシックに馴染みのない方でも入りやすい選曲も魅力です。

『sweet, bitter sweet YUMING BALLAD BEST[Remastered 2019]』
松任谷由実


今年待望のハイレゾが発売されました。“海を見ていた午後”は荒井由実時代の楽曲ですが、録音のこだわりが色々なところで垣間見えます。ハイレゾ用にしっかりリマスターされており音質も抜群です。良い音で聴くユーミンワールドを感じてください。これがきっかけとなり、日本の有名なアーティストの作品がハイレゾ化されるのを期待したい。

島健悟 ダイナミックオーディオ4F (しまけんご)
ダイナミックオーディオ5555 4Fにて、10年に渡りデータ再生に取り組んできました。特にハイレゾに関して、利便性だけではなく、音質に着目し、お客様へご紹介、そしてご理解を頂き、多くの関連製品をお納めさせて頂きました。また、アナログに関しても多数の商品を展示し、デジタル関連と同じように皆様へご紹介させて頂きます。固定概念を持たず、様々なオーディオの魅力を感じ取って頂けるフロアを心がけています。
DynamicAudio 5555




西野 正和 select


『Essence』
Michel Camilo

ホーンセクションの空間を切り裂くような高音は、レコードやCDでは再現が難しく、ハイレゾの独壇場と言えます。スパッと切れ、分厚く、ノリノリのブラスを聴くならコレ!



『Across The Stars[Deluxe Edition]B'Ridge』
Anne-Sophie Mutter, The Recording Arts Orchestra of Los Angeles, John Williams

馴染みある映画音楽を超一流ミュージシャンが演奏すると、巷によくあるBGM風とは一線を画する名盤が生まれる。そんな当たり前を、見事に証明してみせた制作スタッフに拍手。演奏良し、音良しで、2019年ナンバーワンのハイレゾはコレ!



『Spectrum』
Hiromi

再生が困難であり、普通のシステムで聴くのと、練り上げられたシステムで聴くのとでは、サウンドに大きな差が出る音源として秀逸。連載執筆後に最も聴き続けており、今もチェック音源として活用しているのはコレ!



西野 正和(にしの まさかず)
3冊のオーディオ関連書籍『ミュージシャンも納得!リスニングオーディオ攻略本』、『音の名匠が愛するとっておきの名盤たち』、『すぐできる!新・最高音質セッティング術』(リットーミュージック刊)の著者。オーディオ・メーカー 株式会社レクスト代表。音楽制作にも深く関わり、制作側と 再生側の両面より最高の音楽再現を追及する。自身のハイレゾ音源作品に『低音 played by D&B feat.EV』がある。『厳選! 太鼓判ハイレゾ音源ベストセ レクション キングレコード ジャズ/フュージョン編』をプロデュース。


野秋 勝(i-dio)select


『MISSLIM[Remastered 2019]』
荒井由実


2019年後半のハイレゾ界最大の話題といえば、ユーミンの全423曲の配信スタートではないでしょうか。ユーミンの作品の中で私が好きなのは荒井由実時代の2ndアルバム『MISSLIM』。特に『瞳を閉じて』は「ラジオを介して長崎の分校の校歌として作られた」というその成り立ちや、ティン・パン・アレイによる演奏、山下達郎のコーラスアレンジ、シュガー・ベイブのコーラスなどすべてが素晴らしく、当時からヘビロテ作品でした。今回改めてハイレゾで聴いて、そのクオリティの高さにビックリ! 20歳のユーミンの溢れる才気とプロフェッショナルたちの技との融合が、息遣いに至るまで詳細に観察できます。

『My Songs[Deluxe]』
Sting


10月にスティングの来日公演に行ってきました。1988年、まだ出来たばかりの東京ドームで観た『Nothing Like the Sun』ツアー以来の、なんと31年振りのスティングです。セルフカバーアルバム『My Songs』を引っ提げてのベストヒットツアーで、ポリス時代からのヒット曲を惜しげもなくじゃんじゃん演ってくれました。68歳になったスティングは変わらずカッコよくて、休憩もなく水も飲まずに全20曲を歌い切りました。いやすごいぞこの人、声は出るし身体は鍛え上げてるし、莫大な遺産は子供に残さないし(?)。このアルバムも、セルフカバーだけど変に手を加え過ぎてないのが良いです。そしてボーナストラックのライブテイクでまた余韻に浸っております。

『COMPLETE SOLO PIANO WORKS I』
和泉宏隆


T-SQUAREといえばまずはもちろん安藤まさひろなのですが、THE SQUAREの時代から私は和泉宏隆の曲が好きでした。その元T-SQUAREのキーボーディスト、和泉宏隆の「集大成的」ソロ作品集です。第一弾の本作はT-SQUARE時代の曲をアコースティックピアノで演奏しているのですが、こうしてピアノ一本で聴くと、作品そのものがとてもしっかりしていることがわかります。そしてこういった原曲たちをあのキラキラサウンドに仕上げたアレンジ能力の素晴らしさと、さらにこの鍵盤的なメロディーをとてもエモーショナルに演奏していた伊藤たけし(sax/EWI)の凄さも改めてわかります。

野秋 勝(のあき まさる)
ハイレゾに迫る高音質デジタルラジオ放送「i-dio HQ Selection」は開局2年目に突入し、e-onkyo musicとのコラボ番組も4番組になりました。ランキング紹介番組「J-POP NOW」(月曜22:00~)、「JAZZ-NOW」(火曜22:00~)、「ROCK’N’POPS NOW」(水曜22:00~)、毎週1組のアーティストを特集する「The Right Stuff」(金曜23:00~)、そしてリラックスミュージック中心の「COZY LOUNGE」(水曜9:00~)はデジタル放送サービスi-dio(アイディオ)で好評放送中です。スマホアプリで手軽に聴けますので、ぜひ体験してください。
『i-dio HQ Selection』
https://ch.i-dio.jp/hq
アプリは
http://www.i-dio.jp/app/


橋爪徹 select


『素敵関係』
三角関係 feat.三浦拓也


ピアニスト園田涼、トランペット奏者山崎千裕、ギタリスト三浦拓也によるユニット、三角関係feat.三浦拓也の2ndアルバム。とってもポップで聴くとハッピーになれるインスト集だ。筆者はソノダバンドが2009年の東京バンドサミットで国内一位を獲得したときに客席で見ていたので、園田氏の名前を二度見してしまった。普段インストを聞かない人にもぜひ一度試してもらいたい。スッと頭に入ってくる軽快なメロディは歌心に溢れる。テクニカルな演奏も聴き所。録音とミックスは、現代的な日本のジャズフュージョンの王道という感じ。非常にクリアで、分離も良く、楽器それぞれが瑞々しく鳴り響く。マルチマイクによるスタジオ録音のハイレゾインストとして、一つの理想系といえよう。

「生きる」
安野 希世乃


15分枠の深夜アニメ「ソウナンですか?」のED主題歌。安野は、作品に声優としても出演しているが、こちらは本人名義のアルバムに収録されている1曲。音はとにかくレンジが広い。スピーカーの周りをここまで自然に音で満たすことができるのかと驚く。躍動感もアニソンとしては非常に優秀で、AメロBメロのマーチのリズムから、ブレイクを入れてからのサビへ至る流れがグッとくる。音量の起伏によって曲の盛り上がりをドラマティックに表現してくれる。その分、音圧は控えめだ。優秀なミックスは音量を上げてもうるさく感じない。聴き手の側が曲に応じて音量を変更すれば(変更することが文化的コンセンサスになれば)、作り手も無駄に音圧を突っ込む必要もなくなるのではないか。それはクリエイターの想像力を解放するスイッチになると思う。

『NEW ERA』
Beagle Kick


ピアノをメインとした4ピースバンド構成のジャズロック。疾走感のあるリード曲と、はかなげな雰囲気のバラードを合わせたシングル。手前味噌で恐縮だが、筆者が総合プロデュースを勤める自主制作音楽ユニットの楽曲である。「自主制作」といっても、演奏は第一線の実力派ミュージシャンが担当し、作編曲はNHKスペシャルでも劇伴経験のある和田貴史が手掛ける。SANOVAを好きな橋爪Pが「ウチもカッコいいピアノジャズロックをやりたい!」と我が儘を言い出したのがシングル制作の発端。音質としては、演奏のダイナミズムが一番の魅力。音量をガンガン上げたくなる広大なダイナミクスと、肉厚かつナチュラルな生楽器の迫力はオーディオファイルにもお勧め。ピアノは、ベーゼンドルファーの290 Imperial。マイキングは同じだが、NEW ERAは音像型、UTATAKAは音場型のミックスが楽しめる。録音ミックスは和田貴史が担当、最終的な音決めには筆者も関わっている。自薦してしまうほどに自信作だ。

橋爪徹(はしづめとおる)
オーディオライター。音響エンジニア。ハイレゾ音楽制作ユニット、Beagle Kickの総合プロデュース担当。WEBラジオなどの現場で音響エンジニアとして長年音作りに関わってきた経歴を持つ。現在は、自宅にアトモス対応の6.1.2chシアターと併設する音声録音ブースによるStudio 0.xを構える。Beagle Kickは、768kHz/32bit整数、384kHz/ネイティブ32bit整数、といったモンスターフォーマットの配信を世界で初めて実現させた。また無料MQA音源を当サイトで配信中(全3曲)。こちらは国内録音の作品としては唯一にして初。平日生放送のNEWS opedでは不定期に音声オペレートを担当している。聴き手と作り手、その両方の立場からオーディオを見つめ世に発信している。
Beagle Kick OFFICAL WEB  http://beaglekick.com/


長谷川教通 select


『L' Esprit de l' ENKA』
Naoki Kita, Toru Nishijima






『Tomba sonora』
Stemmeklang






『ルイ・クープラン: クラヴサン曲集』
桑形亜樹子







ハイレゾを牽引する3人の録音エンジニア。UNAMASレーベルのMic沢口の『L' Esprit de l' ENKA』(=演歌の真髄)は、ヴァイオリンの喜多直毅とベースの西嶋徹によるデュオだが、これが凄まじい情念の世界。ガット弦を張ったヴァイオリンが悲鳴に近い音色を奏でる。生と死の間を行き交うようなENKAが聴き手を刺し貫いていく。2Lレーベルの創始者モルテン・リンドベリが録った『Tomba sonora』。ノルウェーのヴィーラン美術館にある墓所と呼ばれる巨大な石の空間に響き渡る声は、まさに異世界へ扉だ。5.1ch音響が誘う神秘体験は陶酔と闇の情念が入り混じっている。録音という行為が創り出す表現の可能性を導き出している。dream window Treeレーベルの『ルイ・クープラン: クラヴサン曲集』はチェンバロ奏者桑形亜樹子とエンジニア深田晃のコラボによる第3弾で、フランスのウンターリンデン美術館で1624年アントワープのヨハネス・ルッカース製作による2段鍵盤を演奏した録音。352.8kHz/24bitで、チェンバロの質感と倍音を含んだ響きと空間描写を徹底的に追求。400年という時空を超えた鮮烈さ。ハイレゾだからこそ描き出せる音の世界と言える。

長谷川教通(はせがわのりみち)
音楽&オーディオ・ビデオ評論。オーディオ研究家。往年の名演がハイレゾリマスターで甦る悦びと同時に、ハイレゾのポテンシャルを最大限に生かした新しい音楽潮流が溢れ出すことを熱望。ハイレゾを周波数特性などの物理特性やデジタル信号処理だけで理解するのではなく、人間の感覚にどう作用するのか、どのような音が快いのかを 追求する。音楽コンテンツを正しく評価するには精度の高いスピーカーが絶対条件だとして、試聴用スピーカーをすべて自作。ステレオ再生だけでなくサラウンド再生にも精通する。長年にわたってカーオーディオ・コンテストの審査員を務める。『CDジャーナル』誌でレビュー、およびウェブ『e-onkyo musicではじめるハイカラハイレゾ 生活』(https://www.cdjournal.com/main/special/high-collar-high-resolution/711)を連載中。


原 典子 select


『ZINGARO!!![Hi-Res FULL version]』
尾池亜美, Ensemble FOVE


今、クラシック音楽の世界には本質的な意味においての「リミックス」の時代が到来している。作曲家の坂東祐大と若手精鋭プレイヤーたちによる Ensemble FOVEの1stアルバム『ZINGARO!!!』を聴いてそう感じた。《ツィゴイネルワイゼン》《チャールダーシュ》《ツィガーヌ》といったおなじみのメロディ満載のジプシー音楽集は、坂東による遊び心のあるアレンジとプレイヤーたちの創意に満ちた即興が生み出すリミックス・アルバムとも言うべきもの。従来のクラシックの録音とは異なる発想によってレコーディングされた音の肌触りにも注目したい。

『Mari』
Mari Samuelsen


マックス・リヒターとの共演を重ね、2019年3月にはともに来日も果たしたノルウェー出身のヴァイオリニスト、マリ・サムエルセン。彼女のドイツ・グラモフォン・デビューとなるアルバム『Mari』もまた、リミックスを意識させるものだった。アルバムの中核にバッハの《シャコンヌ》を据えつつ、リヒターをはじめ、ヨハン・ヨハンソン、フィリップ・グラス、ピーター・グレッグソン、ブライアン・イーノまで、自身を形作るさまざまな色どりのピースを集め、ひとつの作品としてまとめ上げている。BGMとして私が今年いちばん頻繁に聴いていたアルバムであり、まさにプレイリスト時代の音楽。

『Abbey Road[Super Deluxe Edition]』
The Beatles


昨年に引き続き、ビートルズの50周年記念リミックス・シリーズを。あまりにベタなチョイスだと思いつつ、学生時代にメドレーまで一音漏らさずコピーした『Abbey Road』を外すわけにはいきませんでした。遠くで鳴っていた虫の音がすぐ近くに! 生身の肉体から発せられる歌声は魂を宿し、すべての音が実体を伴って迫り来るような立体感。リマスターではなく「リミックス」であるという点が気になるファンもいらっしゃるかとは思いますが、私は新しいビートルズ体験として存分に楽しみました。さらに [Super Deluxe Edition] には未発表のアウトテイクやデモが盛りだくさん。ハイレゾで聴くと「くうう、このハモンドの音たまらん!」とか、いちいち悶絶しっぱなしです。

原 典子(はら のりこ)
音楽に関する雑誌や本の編集者・ライター。上智大学文学部新聞学科卒業。音楽之友社『レコード芸術』編集部、音楽出版社『CDジャーナル』副編集長を経て、現在はフリーランス。音楽雑誌やweb媒体への執筆のほか、CDのライナーノーツや翻訳などを手がける。坂本龍一監修の音楽全集『commmons: schola』の編集を2018年まで担当。ミュージックバード『ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music』パーソナリティ。コンサートのコーディネートも行う。鎌倉で子育て中。


牧野良幸 select


『PEARL PIERCE[Remastered 2019]』
松任谷由実


荒井由実/松任谷由美の全アルバムとシングルが一気にハイレゾ配信されたのが今年いちばんの事件だったと思う。話題性だけでなくリマスターされた音は大変に聴きごたえのあるものだった。その中で大方の方はまず『ひこうき雲』か『MISSLIM』を聴きたくなるだろう。それは僕も同じだが、ここはあえて1982年作品の『PEARL PIERCE』をマイベストに選びたい。1曲目「ようこそ輝く時間へ」からグルーヴィでノリのいいサウンドが押し寄せる。リマスターの音質もいい。仮にヴォーカル・トラックをアレサ・フランクリンが歌ってもビクともしない仕上がりだ。それをユーミンが歌っているところがまた味わい深い。

『Abbey Road[Super Deluxe Edition]』
The Beatles


ビートルズの『アビイ・ロード』がジャイルズ・マーティンによって新ミックスされた。そのハイレゾは、前の2作品『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』や『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』の仕上がりと同じく素晴らしいものだった。それにしてもどうしてジャイルズ・マーティンの仕事はこうも上手くいくのか。やはり父ジョージ・マーティンの血を受け継いでいるのが大きいのか。オリジナルを壊さない微妙な匙加減ながら効果は絶大な新ミックス。スタジオでの最新機材を使った丁寧な仕事だけに、ジャイルズの仕事は24bitのハイレゾで聴くのが僕の中では不文律になってしまった。2020年に出るであろう、そして出てほしい『レット・イット・ビー』の新ミックスも期待したい。

『Mahler: Symphony No.9 in D』
シカゴ交響楽団, カルロ・マリア・ジュリーニ


自分がミーハーな証明かもしれないが、長い間マーラーの交響曲第9番の名盤はバーンスタインがベルリン・フィルと共演した演奏だと思っていた。もしくは同じくバーンスタインがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮しての演奏。実際これらのCDはよく聴いたし、他の指揮者の第9番を聴いてもピンとこなかったのだから仕方がない。しかしハイレゾ配信が出たのを機会に初めて聴いたジュリーニとシカゴ交響楽団による第9番は、バーンスタインと違ったこの曲の素晴らしさを教えてくれるものだった。1976年録音で昔からクラシック・ファンには名盤と呼ばれていたもの。今さら気づいたのも恥ずかしいが宝物が一つ増えたようで嬉しい。音質も良かった。

牧野良幸(まきのよしゆき)
1958年、愛知県岡崎市生まれ。関西大学社会学部卒業。版画家、イラストレーター。音楽やオーディオ関連のイラスト・エッセイも多数執筆。 単行本に『僕の音盤青春記』『僕のビートルズ音盤青春記』『オーディオ小僧の食いのこし 総天然色版』(音楽出版社)など。

ツイッター @makinoyoshiyuki
ホームページ http://mackie.jp


丸井大福 select


『エトレーヌ [Ultimate Analog Master Ver.]』
情家みえ


これ以上の演奏と録音がこの世に存在するのか?敬愛するウルトラアートレコードの麻倉、潮、両先生が高音質に拘って丁寧に創り上げた今世紀最高と言っても過言では無いリファレンス音源だ。ハイレゾ音源は、PCM、D×DとDSD256が存在するが、聴き比べると各々の規格の特徴が具にわかる。PCM系のキリッとした力感と、それと対照的に1bitの滑らかでリアルな質感だ。B面3曲目のCaravanのベースとドラムが絡む情家さんの相棒・後藤(ピアノ)氏のド派手なアレンジメントは、バスラバーとしては絶対に聴き逃す訳にはいかない神品である。

『Soul of the Bass』
John Patitucci


ジャズ・ベーシスト界で最高峰の一人、4年ぶりのリーダー作だ。ハイレゾとしてはサンプリング周波数が低いのが少々気がかりだったが、それは全くもって杞憂に終わった。アルバムタイトルのSoul of the Bassから3曲目までのベースソロは、地を這うかの如く見事なまでの沈み込みと、太く勢いのある低域が圧巻だ。バンドが入る4曲目からも、弦が俊敏に立ち上がる様や胴鳴りまでをも他の楽器に混濁することなく非常にリアルに捉えている。9曲目のドラマー・ブライアン・ブレイドとの動脈の漲る丁々発止のファンキーな絡みも聴きどころである。バスラバーなら必聴の今年一番の推薦作だ。

『羽田健太郎: 交響曲 宇宙戦艦ヤマト (96kHz/24bit)』
大友直人, 東京交響楽団, 横山幸雄, 大谷康子, 小林沙羅


羽田健太郎生誕70周年を記念した新録音盤。目を瞑ると眼前に広がる異空間は、まさにコンサートホールそのもので、アニメのBGMという固定概念を遥かに超えた、歴としたシンフォニーとして演奏され、後世に語り継がれるべき壮大な作品としての仕上がりかと思う。一般的には第四楽章のピアノとバイオリンの鮮烈な競演が取り沙汰されているが、バスラバーとしてはやはり劇画タッチの戦闘シーンを想起させる第二楽章 闘い〈スケルツォ〉の連綿と続く低音パートの迫力を推したい。実は未発表でサラウンド版が存在しており、早期の発売を希望する。

丸井"イヤホンおじさん"大福(まるい"いやほんおじさん"だいふく)
芸歴41周年を迎えた俳優、オフィス・ルード所属。
代表作は「転校生」「パンツの穴」「スクール☆ウォーズ」など。
Apple教、iPhone派、インスタやクルマ、筋トレ(体脂肪率20%)が趣味。
イヤホンおじさん(50数本所有、バスラバー) 、ラグビーのまち府中サポーターズ、
オウルテックエバンジェリスト(アンディ認定)としても活動、キャラクターグッズも発売中!
オフィス・ルード:http://officerude.com



山崎 健太郎(AV Watch)select


『camomile Best Audio』
藤田恵美


ヘッドフォン/イヤフォン試聴で決まって再生する1枚。SACD盤の発売は2007年と12年も前になるが、“かないまる”こと当時ソニーの金井隆氏がサウンドクオリティアドバイザーを担当し、その音質が話題となった。配信がメインとなった現在でも、その音質は白眉だ。2曲目の「Best of My Love」はイーグルスのカバー。冒頭、アコースティックギターのソロからスタート。音数が少なくシンプルな方が、再生機器の音の傾向がつかみやすい。弦の金属的な響きと、木製ボディの温かみのある響き、その質感が描きわけられているかを聴く。ユニットや筐体の素材で音は大きく違う。鋭いだけでも、温かいだけでもダメだ。

『Dirty Computer』
Janelle Monáe


ソウルフルかつファンキーなJanelle Monae(ジャネール・モネイ)。どこかSFチックな楽曲が多いのも彼女の特徴だが、2018年に発表された「Dirty Computer」は、それだけに留まらない幅広さも感じさせる。「Make Me Feel」は、どこかプリンスを思わせるファンキーかつポップな1曲。冒頭のビートからキレキレで、サビも中低域の張り出しがパワフル。トランジェントが良く、低域がしっかり再生できるオーディオで、ボリュームを上げ目にすると“快感”の一言。好きな曲と理想の機器が巡り合えば、細かい話はさておき「コレだよ! コレ!」と膝を叩く。まさにオーディオ的悦楽。

『今日だけの音楽』
坂本 真綾


11月26日に発売されたばかり。声優であり、歌手としても活躍する坂本真綾、4年ぶり、10枚目のアルバム。声優のアルバムというと、アニメの主題歌が入っていそうだが、収録曲は全て新曲。参加しているアーティスト達も、大沢伸一(MONDO GROSSO)、堀込泰行(キリンジ)、川谷絵音(ゲスの極み乙女。)、荒井岳史(the band apart)、渡邊忍(ASPARAGUS)、伊澤一葉(the HIATUS)など超豪華。そのため、収録曲のカラーも千差万別。そんな曲に合わせ、少年のようにも、少女のようにも、大人な女性のようにも、性別を超えた神秘的な存在の声のようにも聴こえる、表現力の豊かさが坂本真綾最大の魅力だ。

山崎 健太郎(やまざきけんたろう)
好きな音楽や映画をより身近で便利に、時には最高のクオリティで! そんなオーディオ・ビジュアル趣味の楽しさを日々お伝えする総合情報サイト AV Watch編集長。最近では映像・音楽配信や映画作品、映画館情報にも力を入れています。アニメ系記事も多いのは編集長の趣味です。
AV Watch:https://av.watch.impress.co.jp/


山本昇 select


『パブリック・プレッシャー(2019 Bob Ludwig Remastering)』
YELLOW MAGIC ORCHESTRA


2018年末からスタートしたリイシュー・プロジェクト“YMO40”は、ボブ・ラディックによる最新リマスターをベースに、SACDやアナログ・レコード、ストリーミングといった各アイテムが届けられたが、やはり注目は初のハイレゾ。2019年は中期の重要作品『BGM』や『テクノデリック』以降のアルバムが順次リリースされた。どのタイトルも、マスターに記録された情報をハイレゾらしい懐の深い音で引き出されているようだ。中でも、架空のライヴ・アルバム『パブリック・プレッシャー』のハイレゾは、従来のややこもり気味な印象を払拭。シーケンス・フレーズもよく見え、ダビングされたシンセ・ソロの広がりも気持いい。待っててよかった。

『超絶サウンド!芸劇オルガン』
川越聡子, 小林英之, 平井靖子, 新山恵理


『超絶サウンド!芸劇オルガン』は、世界的にも珍しい回転式のパイプオルガンを備える東京芸術劇場とキングレコードがタッグを組むことで実現した共同プロジェクトだ。巨大なアナログ楽器の豊かなサウンドを、優れた音響を誇るホールの鳴りと併せてDSD11.2MHzでレコーディングするという興味深い試みは、4人のオルガニストたちの好演にも恵まれ大成功。その詳細はe-onkyo musicサイト内の記事にたっぷりと書かせてもらった。マイキング、アナログ機材、風の楽器、ステレオ感……様々なキーワードからも本作の面白さを感じてもらえるはずなので、ぜひ参照ください。しかもe-onkyoなら、素敵な特典が付いてきます♡

『So[Remastered]』ほか
Peter Gabriel


いつの間にかシレッと出ていたピーガブのハイレゾ。ベスト盤だのドイツ語版だのあれやこれや22タイトルが一気に登場。この人のハイレゾは記念エディションや高音質アナログの特典でもちょこちょこと出ていた気もするけど、あらためて名盤『SO』あたりを聴けば、確かにハイレゾらしい透明感があり、マヌ・カチェのドラミングも細部がよく見えるようで思わず引き込まれる。とまあ、今年もハイレゾのリイシューがたくさん出ました。ビートルズ『アビイ・ロード』も悪くなかったし、ザ・バンドも良かった。日本のバンドでは、四人囃子の『一触即発』もついにハイレゾ化。積極的なマスタリングも印象的だった。やっぱりアナログ・マスターはいいですね。

山本昇(やまもと・のぼる)
音楽誌、オーディオ誌などの編集を経てフリーランスの編集者・ライターとして活動。編集を担当した書籍に『ああ詞心、その綴り方』(鈴木博文著)、『THE DIG presents ハイレゾ音源ガイド』、『Ciao! ムーンライダーズ・ブック』、『50年目に聴き直す「ホワイト・アルバム」深掘り鑑賞ガイド』、『50年目に聴き直す「アビイ・ロード」深掘り鑑賞ガイド』など。Webメディアでは「A Taste of Music」の構成を手がけるほか、「e-onkyo music」NEWSコーナーでのインタビュー記事でも一部、編集・執筆を担当している。



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