ASKA、10年ぶりのシングルCD発売!

2019/11/06
11月20日に発売されるASKAのニューシングルCD「歌になりたい」(カップリング曲は東京オリンピックをイメージして作られたという「Breath of Bless~すべてのアスリートたちへ~」)。未来、命、宇宙。ときおり歌われる大きな言葉と、リアルで確かな人の鼓動が交差するような、不思議なスケール感を持った魅力的な歌だ。なぜだか、インストゥルメンタルのカップリング曲にも同じ匂いを感じた。シングルCDのリリースは、2009年の「あなたが泣くことはない」以来、約10年ぶりだそうで、その発売を前に、収録曲の話、12月10日から始まる全国ツアー「billboard classics ASKA premium ensemble concert -higher ground-」の話などをご本人に伺った。
※e-onkyoでは「歌になりたい」「Breath of Bless~すべてのアスリートたちへ~」のハイレゾ音源・通常音源(CD音質)を同時配信中!

Interview & Text:藤本真



ASKA、10年ぶりのシングルCD発売!



『歌になりたい/Breath of Bless~すべてのアスリートたちへ』/ASKA





■「歌になりたい」のイメージ撮影はアイスランドで

 



――「歌になりたい」のMVはアイスランドで撮影されたそうですね。CDジャケットもそうですが。

ASKA 監督(石井貴英さん)のアイデアなんです。僕は、アイスランドの土地柄は知ってはいたものの、自分がそこで歌ってるイメージは浮かばなかった。でも、すごく信頼している監督だったので「監督の頭の中にある映像を信じて、行ってみよう」と。行ってみたら、その土地が持つエネルギーに触発されて。

――ASKAさん自身のなかにも、何か映像イメージがあったのではないでしょうか。

ASKA チームラボ(最新のテクノロジーを活用したデジタルコンテンツなどの開発を行うウルトラテクノロジスト集団)の、明かりを使って未来を描いたような展示をアイスランドに発つ直前に見て、もしかしたら「歌になりたい」はこういう世界かなと思ったりもしました。でも、アイスランドで正解でしたね。

――「漂流教室」(楳図かずお)のイメージもおありだったとか。

ASKA アイスランドでの撮影はその世界に近いものがありました。砂漠ではないですけど、火山灰と溶岩が広がる荒涼とした土地。そこに幹線道路となる一本道があるんですが、そこからはずれた道は、“車が通ったからできた”ような道でね。まさに何もない世界でした。

――プリミティブな場所という印象を受けました。

ASKA 僕は歌のなかで未来という言葉を使っているんですが、映像は逆説的に映っていて、それがすごくよかったと思っています。あの場所に行ったからこそ、そこから未来が見えるような気もした。





――タイトルは「歌になりたい」ですが、ASKAさんがなりたい歌ってどういうものでしょう?

ASKA そういう説明はうまくできないんですが、2012年に出した『SCRAMBLE』というアルバムのなかに「UNI-VERSE」という歌がある。ラテン語で「UNI」は「1」、「VERSE」は、海外ではAメロのことを言います。しかし、もっと語源を探っていくと、実は「歌そのもの」を指していたりするんです。僕はそのふたつの言葉をハイフンでくっつけたんですよね。歌でひとつになる、という気持ちを込めて。

――UNIVERSE(宇宙)は、UNIとVERSEでできている。

ASKA よく言いますよね、「歌には国境はない」って。本当にそのとおりだなと思う。もし、地球外生命体がいるとするならば、コミュニケーション方法は、音じゃないかと思う。音階って、半音を含めて12個しかありませんからね。

――そういうASKAさんの思考の深さが歌にも表れてくるんでしょうね。

ASKA どうでしょうね? 僕の詞はよく哲学的だとも言われる。もしそうなら、自分の思考がもともと哲学的で、それが歌になっているのかもしれません。


■約10年ぶりのシングルCD

――シングルCDのリリースは10年ぶりだそうですが、10年リリースしなかったのはどうしてでしょう。

ASKA シングルを出す意味がないと思ったんですね。シングルチャートというものを、僕がまったく気にしなくなったので。今もその気持ちに変わりはないんですが、ただ、最近、新たに僕のことを知ってくれる方や再認識してくれる方が多くなっていて、そういう人たちに今の自分の音楽を聴いてもらうためには、シングルも必要なのかなと思ったんです。名刺代わりとしてね。「歌になりたい」は自分でも快作だと思っているので、十分“名刺”としての役割を果たしてくれると信じています。

――カップリングが、「Breath of Bless~すべてのアスリートたちへ~」。

ASKA 実は、この曲こそ「隠れシングル」だと思っているんです。ボーカルはなく、インストゥルメンタルなんですが。

――人の歌声も入っているように聴こえますが、あれは人の声ですか?

ASKA そう。サンプルボイスで作っているんですけどね。エニグマ(ヨーロッパの音楽ユニット)は、一時期、ある種族に代々伝わってきた歌を、その種族の歌のうまい人にうたってもらい、それを録音して自身のポップスに使ったりしていた。でも、その種族の言語なんて誰もわからないですよね? 声の響きの気持ちよさだけですよ。それがメロディーに乗ったときに力を持つ、というね。

――音としての声。

ASKA 「Breath of Bless~すべてのアスリートたちへ~」も、意味を持つ言葉ではなくて、ただ声がほしかったんです。それで、“アー”とか“ウェー”とか“ビィー”とか、人が発するいろんな音をつなぎ合わせてメロディーにしている。人の声を楽器として使っているんですよね。共同制作した「矢賀竜成(やかべたつなり)」が、そのようなサンプルボイスを手にしたことから始まりました。デモでは、メロディの入り口にストリングスを使用していましたが、そこをサンプルボイスに変えたんですね。そこから一気に世界観が変わりました。ならば、後半には混声合唱となるボイスを鳴らし、壮大にしようと。一口に「壮大」と言っても、間違うと下品になるケースがあるんですね。しかし、あのメロディであれば、そうはならないという確信がありました。

――どこかの国の言語のようにも聞こえますが、意味はないんですね。

ASKA ないんです。単に響きだけ。この曲にあるのは、「アスリート」というイメージだけです。僕は最初から東京オリンピックに向けて作っていましたからね。

――シングルに収録されるこれらの2曲には何か通じるものがある気がしています。色合いとか、透明度とか。

ASKA みなさんそうおっしゃいますね、ぼくも最近そう思うようになりました。でも、作った時期はまったく別の時期なんですよ。ただ、聴いた人が、そんなふうに何かを感じてくれるというのはありがたいこと。聴く人それぞれの解釈で聴いてもらえればいいと思っているんです。





■ハイレゾ音源と通常音源を同価格で配信!

――これらの曲は、ハイレゾ音源・通常音源(CD音質)の2種類を同価格で配信されるそうですね。

ASKA 最初にハイレゾを聴いたとき、僕のオーディオはハイレゾ対応じゃなかったのに、違いが歴然としていた。「もしハイレゾ対応のオーディオだったらどう聴こえるんだろう?」と驚いたくらいです。でも、ハイレゾはまだまだ普及に至っていませんよね。理由のひとつは、ハイレゾ音源の価格が高すぎることです。96khz24bitで録音しておけば、マスタリングの工程は何も変わらないのに高い。だから「少なくとも僕の作品についてはハイレゾの価格を下げよう」と。それが、ハイレゾの普及には必要なことだと思っているからです。だって、「ハイレゾは音がいい」というのは音楽ファンならみんな知ってることじゃないですか。もし、ハイレゾも通常のCD音質のものも、同じ価格だったらどっちを買います?

――迷わずハイレゾを買いますよね。

ASKA そうですよね。今、多くの人は「ハイレゾ対応の環境がないし、とりあえず通常配信音源を…」という意識だと思うんですよ。でも、対応環境下で、同じ料金なら間違いなくハイレゾを買うでしょう。そんな思いもあって、僕の今回のシングルからは、「ハイレゾ音源」と「通常音源」の両方を配信します。「ハイレゾ音源」と「通常音源」が同じ価格で並んでいることで、よりハイレゾのほうに心が動くし、それによって、音楽ファンは「ハイレゾプレーヤー」を手に入れようとします。「ハイレゾイヤホン」もでそうでしょう。部屋でハイレゾを聴きたいならスピーカーもです。全ての機器メーカーが、ハイレゾプレーヤーをリリースします。

――ニーズが増えていくことで、プレーヤーもより低価格になっていきますね。

ASKA そのうち、配信音楽も「ハイレゾ」しかなくなる環境が生まれると思っています。その昔「レコードプレーヤー」が「CDプレーヤー」に移行し、業界に革命が起こったような状況が、今また起ころうとしています。この変化で、不幸になる人はいません。低迷している音楽に未来を見出すとしたら、今、それができるタイミングなんですよね。

――近ごろは、ハイレゾのストリーミングサービスも始まっています。

ASKA ストリーミングに関しては、「定額聴き放題」というメリットがあります。一見、たくさんの音楽を自由に聴けるストリーミングは、リスナーにとって魅力的でしょう。また、新人ミュージシャンにとっては、自分たちを見つけてもらえるチャンスでもある。ストリーミングを、アーティストプロモーションとして捉えた上で参加すればいいと思っていますが、「聴き放題」とはいえ、はたしてリスナーは1ヶ月に数千曲もの曲を聴くでしょうか?

――聴きませんよね。

ASKA 好きなアーティストの楽曲を聴くことがほとんどで、結局、毎月好きなアーティストの楽曲にお金を払うことになります。また、ストリーミングは、新人アーティストにとって、制作費には全く見合わない配当となります。“突出して売れるアーティスト”と“それ以外”が2極化し、もちろん、個人差はあるでしょうが、1ヶ月、数十円しか還元されないアーティストが山積みになるでしょう。 “山積み”という表現は、それくらいミュージシャンという職業が魅力を失っていくのではないかという感覚に基づいたものです。ストリーミングでの配当だけでは、次の楽曲制作ができない状態を迎え、すぐに活動ができなくなります。活動できるのは、新人でもライブができて、グッズで収入を得ることができるアーティストだけになっていくんじゃないでしょうか。

――アーティストは、ストリーミングを上手に使わなくてはなりませんね。

ASKA やはり労力をかけて制作した楽曲は、リスナーに買っていただかなくては双方の関係が成り立ちません。僕は、ストリーミングは、プロモーションツールとして上手く使えばいいと思っています。「世界」を市場とできる英語圏のアーティストは、なんとか活動できますが、日本のミュージシャンは、ストリーミングでアーティスト生命を絶たれる現実を突きつけられるでしょうね。





■全国ツアーに15人のストリングスチームが参加!

――12月10日からはツアーも始まりますが、もう構想は固まっていますか?

ASKA おおよそのイメージはできていますし、選曲もほぼ終わっています。3月にリリース予定のアルバムも既に完成しているので、そのなかからもいくつか演奏するつもりです。

――今回は、ストリングスチーム(ビルボードクラシックス・ストリングス)と一緒に全国を回るそうですね。

ASKA 去年、ビルボードさんに声をかけていただいて、約5年ぶりとなるツアー「billboard classics ASKA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018 - THE PRIDE -」を行いました。ビルボードクラシックスオーケストラをはじめ、各地の交響楽団と共演するという画期的なツアーでしたが、僕が風邪をひいてしまい、結局、初日以外は、思うように声が出ないという、プロとしてあるまじきステージになってしまったんです。にもかかわらず、今回もまた声をかけていただいて。ただ、同じことはやりたくないので、今年のツアーでは、ストリングスチームをツアーメンバーとして迎え、全国を回ります。

――バンド+弦楽アンサンブルというスタイルで、ライブアレンジも広がっていきますね。

ASKA バンドとストリングスチームが一体となってやる曲、バンドだけでやる曲、ストリングスだけでやる曲、カルテットくらいの小編成でやってもいいし…いろんなことができますよね。それに、今回はストリングスのひとつひとつにピックアップマイクをつけようと思っているので、音もまた際立ってきます。約2時間半のライブ。その中でのバリエーションを楽しんでください。


■最後に、e-onkyo musicのユーザーの方へ

ASKA いつしか配信は「ハイレゾ配信」のみとなる状況において、これまで「ハイレゾ音源」の配信を貫いてこられた「e-onkyo music」さんが、「Weara理念」に深く賛同してくださいまして、今後、リスナーに音源購入時の選択肢を持ってもらうために「通常音源」を配信することに踏み切ってくださいました。「通常配信音源」と「ハイレゾ音源」の音質の差は、誰が聞いても歴然ですので、今回「通常音源」と「ハイレゾ音源」を同一価格に設定したことで、今後、他のハイレゾ音源自体の価格も見直されていくことになるのではないかと考えています。これは低迷した音楽業界の大改革となり、未来を変えることになるでしょう。
また、配信サイト「Weare」(ASKAが設立したアーティストのための音楽配信会社)のアーティストへの還元率は、どこよりも高く設定しています。みなさんの好きなアーティストの活動を応援するつもりで、ぜひ「Weare」 と提携している「e-onkyo music」から、ダウンロードしてください。また、今後「Weare」には、さらに多くのアーティストが参加していく予定ですので、発表の時をお待ちください。

――貴重なお話、ありがとうございました。



billboard classics ASKA premium ensemble concert -higher ground-





【開催日時/会場】

  • ●2019年12月10日(火) 開演18:30
    京都コンサートホール 大ホール
  •  
  • ●2019年12月11日(水) 開演18:30
    愛知県芸術劇場 大ホール
  •  
  • ●2019年12月20日(金) 開演18:30
    兵庫県芸術文化センターKOBELCO大ホール
  •  
  • ●2019年12月27日(金) 開演18:00
    東京エレクトロンホール宮城 大ホール
  •  
  • ●2020年1月3日(金) 開演17:00
    福岡サンパレスホテル&ホール
  •  
  • ●2020年1月6日(月) 開演18:30
    フェスティバルホール
  •  
  • ●2020年1月9日(木) 開演18:30
    東京国際フォーラム ホールA
  •  
  • ●2020年1月11日(土) 開演17:00
    札幌文化芸術劇場hitaru
  •  
  • ●2020年1月15日(水) 開演18:30
    LINE CUBE SHIBUYA
  •  
  • ●2020年1月18日(土) 開演17:00
    りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
  •  
  • ●2020年2月2日(日) 開演17:00
    高崎芸術劇場 大劇場
  •  
  • ●2020年2月9日(日) 開演17:00
    神奈川県民ホール 大ホール
  •  
  • 【特別公演】
    ●2020年3月20日(金・祝)開演16:00
    熊本城ホール

出演: ASKA
ASKA BAND: 澤近泰輔(pf、編曲)、菅沼孝三(Dr)、古川昌義(Gt)、鈴川真樹(Gt)、荻原基文(Bs)、SHUUBI(Cho)、西司(Cho)
弦楽アンサンブル:ビルボードクラシックスストリングス


主催、企画制作
ビルボードジャパン

後援
朝日新聞社、米国ビルボード
【仙台】Date fm
【新潟】NST新潟総合テレビ・FM-NIIGATA 77.5
【高崎】FM GUNMA
【熊本】日日新聞社・RKK熊本放送・TKUテレビくまもと・KKT熊本県民テレビ・FMKエフエム熊本

チケットチケット
11,800円(税込・全席指定)
※特製プログラム付き
※未就学児入場不可お問い合わせ

◆お客様からのチケット申込に関する問合せ:
ローソンチケット カスタマーサポートセンター 0570-000-777
受付時間:<自動音声案内>24 時間 <オペレーター対応>10:00~20:00

◆お客様からの公演に関する問合せ:
【京都、西宮、大阪】夢番地(大阪) 06-6341-3525 (平日11:00~19:00) https://www.yumebanchi.jp/
【名古屋】サンデーフォークプロモーション 052-320-9100 (10:00~18:00)
【仙台】GIP 0570-01-9999(24時間自動音声案内) http://www.gip-web.co.jp/
【福岡・熊本】BEA 092-712-4221(平日11:00〜18:00 / 第2・4土11:00〜15:00)
【東京(2020/1/9、1/15)、高崎、横浜】ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
【札幌】道新プレイガイド  0570-00-3871(10:00-18:00 日曜定休) https://doshin-playguide.jp
【新潟】FOB新潟  025-229-5000(平⽇11:00〜18:00) http://www.fobkikaku.co.jp




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