【インタヴュー】ジルデコが放つ新しい時代のJAZZ 『ジルデコ9~GENERATE THE TIMES~』

2019/04/15
JAZZ/FUNK/R&Bをベースに音楽性の高い現在のポップスを展開する、chihiRo(Vo) kubota(G) towada(Drs)の3人からなるJiLL-Decoy association。ここe-onkyo musicでも特に高い人気を誇った『Lovely』や『Lining』など、DSDネイティヴ・レコーディングをいち早く取り入れるなど、音にも格段のこだわりを持つ彼らの最新アルバム『ジルデコ9~GENERATE THE TIMES~』が遂にハイレゾで登場。


『ジルデコ9 ~GENERATE THE TIMES~』
JiLL-Decoy association



前作『ジルデコ8』のリリースからわずか7ヶ月という短いタームでのリリースとなった今作『ジルデコ9~GENERATE THE TIMES~』は、全編に渡りビッグバンドを従えて収録された、実に豪華なサウンドが印象的な作品。「ビッグバンドを従えて」とはいえ、そこはJiLL-Decoy association。通り一遍のジャズではなく「いま」という時代を反映した、極上のジャズでありポップスなサウンドを奏でている。

ここでは、JiLL-Decoy associationのメンバー3人に、今作についてのお話を伺ってみた。


◆JiLL-Decoy association スペシャル・インタヴュー

――新作『ジルデコ9 ~GENERATE THE TIMES~』のリリースおめでとうございます。今作に込められたテーマや想いをお聞かせください。

chihiRo ミュージシャンとしては先輩や後輩のちょうど真ん中に挟まれたような感覚、そして自分も親になり、意識することになった「ジェネレーション」をテーマに取り組みました。親の世代から良いものも悪いものも受け継いだ私たちが、何をどう言う形で次の時代に残していくのか。そして新しい時代が始まる今だからこそ、「時代を作る主人公は私たちなんだ」と言う想いをみんなと共有したいと思いました。

Kubota 今作の音楽的なテーマはストレートに「JAZZ」でした。JAZZと一口にいってもいろんなスタイルがありますが、世代や国境を越えてシェアできる音楽だと思います。今回はオリジナル曲を「JAZZ」というテーマで作るのがとてもチャレンジングでしたが、結果、JAZZという音楽の自由さ、懐の広さ、そしてかっこよさを改めて実感しました。

towada ラジオ→ストリーミング配信、黒電話→スマホ、アナログ盤→ハイレゾ と目まぐるしく変化するメディアや習慣をリアルに体験した自分たち世代を感じながら、アルバム制作に取り組むことがテーマとなりました。

――今作では大々的にフィーチャーされたビッグバンドがとても印象的です。今作でビッグバンドをフィーチャーしようと思ったのは?実際に仕上がった音を聴いてみての印象は?

chihiRo ずっとやってみたかったことではありましたが、昨年夏にジャズフェスで尚美ジャズオーケストラと共演し、現実味を帯びて来たところでした。想像以上に凝ったアレンジになり、アレンジしたkubotaと先生の意気込みを感じました。ベテランのビッグバンドとはまた違う、フレッシュさと勢い、そして若者と一緒に1つの音楽を共有することでアルバムのコンセプトを表現できたことにも感動しました。

Kubota これまでにも何度がビッグバンドとはライブで共演する機会があっていつかビッグバンドを入れて作品を作ってみたいと思っていました。僕がたまたま講師を務めている縁もあって、尚美ミュージックカレッジ専門学校の学生ビッグバンドを今作で呼んでみたら?というtowadaの提案もあり、やってみよう!と。いわゆるストレートアヘッドなJAZZサウンドではない曲にもビッグバンドが参加することによって曲に重厚感や壮大さが足されてサウンドのゴージャスさと迫力に圧倒されました。




――デビューから16年ですが、デビュー当時と、メンバーの結婚、出産などを経た現在とでは、伝えたい事や音作りなど、変化はありますか?

chihiRo 私はボーカリストで歌詞を書く人間なので、やはり歌詞の表現や伝えたいことは目まぐるしく、そしてジルデコの歴史を物語っているように感じます。歌詞が聞き取れることに執着のなかった昔に比べ、経験を重ね、人との出会いを経てメッセージが明確になり、伝えることへのこだわりも多くなった気がします。また、結婚出産を経て、男女の恋愛よりも人間愛を歌うことが断然多くなりました。笑

Kubota デビュー当時はまだジルデコ・サウンドとは一体なんだろうと模索と試行錯誤を繰り返していましたが、今となってはchihiRoさんの歌をちゃんと聞かせられればどんなサウンドや編成でもジルデコの音楽になるんだなと妙に納得している自分がいます。

towada 長期間続けられているバンド活動への敬意や感謝は大きいものではありますが、以前より今現在の自分たちを楽しむという気持ちで音作りに取り組んでいます。

――前作『ジルデコ8』のリリースからわずか7か月でのリリースとなりますが、リリースペースがここまで早まっているのは?

chihiRo 実は昨年3月にリリースしたジルデコDUO ~Zinger~から、3部作として制作していました。1年で3作出して、沢山ライブをやると言う1年だったのです。大変すぎて、もう嫌ですけど。笑

Kubota 常にものづくりをしている1年でした。やはりライブをたくさんしたかったというのはあると思いますが、やろうと思えばそのペースでもリリースできる様々な環境が整ってきたというのは大きいと思います。

towada インターネットを使った様々なコンテンツのライブ配信や作品の配信を自由にすることが可能になり、アルバムなどの作品を制作する事とライブ生中継の中間的な活動スタイル、作り込みというよりライブ活動により近い時間軸での作品づくりに取り組んでみました。

――90年代を代表する1曲ともいえるオリジナルラブの“接吻”をカバーされています。この曲のセレクトは誰のアイデアですか?

Kubota  SHOBI Jazz Orchestra(以下SJO)と共演するにあたり、カバーを1曲やりたいねという話が出ていて、最近いわゆる90年代渋谷系の音楽が注目されているという話を小耳に挟んだりもしていたので、僕ら世代誰もが当時衝撃を受けた“接吻”をあえてストレートなビッグバンドサウンドにアレンジしてカバーしたら面白いかなと思いました。もうこの曲は「スタンダード」という扱いがふさわしいほど浸透し愛されている曲だなと思います。

towada 自分たち世代には胸きゅんな一曲です。

――ビッグバンドのアレンジは誰が手掛けられましたか?その際に理想としたアーティストなどあれば教えてください。

Kubota 基本的には僕がアレンジの下地を作ってSJOの坂本さんに仕上げてもらうという流れでした。でもどうしても自分でアレンジしたかった部分は自力でやりました。ストレート・アヘッドなビッグバンド・サウンドはやはりカウント・ベイシー・オーケストラを聴きこんで研究しました。

――因みに、メンバーのオススメするビッグバンドの作品などあれば教えてください。

chihiRo 私はダイアナ・クラールのクリスマス・アルバムが好きです。

Kubota ラーシュ・ヤンソンの一連のビッグバンド作品はどれも素晴らしいですね。ダイアン・シュアとカウント・ベイシー・オーケストラのスタジオライブを収録したDVDがあるんですがこれも最高です。ミンガス・ビッグバンドのNYのJAZZ STANDARDでのライブ盤も素晴らしいです。

towada バディー・リッチ

――ジルデコはこれまで、DSDネイティヴ録音(Lovely、Lining)やDSDネイティヴ・マルチ・レコーディング(In Concert)など、「実は、裏ですごい事」をやっていたのですが、今作の「実はこんなことやりました」は何かありますか?

towada 『Lovely』『Lining』を制作していた時よりも、ハイレゾのレコーディングや音作りに関して格段に便利になっていると感じます。本作はレコーディング/ミックスエンジニアを、ジルデコデビュー当時お世話になっていた檜谷瞬六氏にお願いしました。それもあり、レコーディングや音作りに関してはリラックスした状態で進んでいきました。(もちろん時間的には無理をお願いした事もありますが。) 以前よりハイレゾのデジタル処理と名器であるアナログ機材がよりスムーズに混在している音源になっていると思います。

――e-onkyo musicのリスナーの皆さんにひとことお願いします。

chihiRo いい音で音楽を楽しんでくださる方がいらっしゃることがジルデコにとって、とても励みになります。皆さんの期待を裏切らないように、今後も気合い入れて発信していきます!

Kubota ぜひハイレゾで歌やいろんな楽器の息遣い、臨場感、空気感を存分に楽しんでください!!

towada ジルデコの活動の中で、e-onkyo musicさんの取り組みから多くを学んでいます。またこのサイトで音源を配信させて頂ける機会があり大変うれしいです。

――貴重なお話、大変ありがとうございました。



◆JiLL-Decoy association 関連作品















◆ライブ・スケジュール

5月25日 :飛騨高山JAZZ FESTIVAL2019 出演予定
6月7日 :ジルデコ×オノマトペル@月見ル君想フ
7月13日 :夏びらきMUSIC FESTIVAL 出演予定



JiLL-Decoy association (通称:ジルデコ)

2002年結成。ボーカルchihiRo、ギターkubota、ドラムtowadaの3人。
2006年メジャーデビュー。
ジャズ/ポップス/ロックをベースにしたオリジナリティあふれる楽曲、
その楽曲を彩る愛に満ちあふれた歌が多くのファンを魅了している。
2013年にはアルバム『ジルデコ5』が「第55回日本レコード大賞」の<優秀アルバム賞>を受賞。
A-HAの「Take on me」をジャズアレンジしたMVが話題を呼び、海外のテレビでも紹介される。
毎年恒例になったビルボードライブ東京、大阪公演も好評で
東京ジャズや日本全国のジャズフェス、国内最大級のロックフェスRISING SUN ROCK FESTIVALにも出演し、
唯一無二の存在を確かなものにした。

◆JiLL-Decoy association オフィシャル・サイト

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