【MEISTER MUSIC新譜】 工藤重典:変化にとんだフルートの響き 平尾雅子:信長公ご所望の南蛮音楽

2019/03/25
世界にも十数ペアしか存在しないというスウェーデン・デトリック・デ・ゲアール製のマイク「エテルナ・ムシカ」を使用したハイスペックな録音で知られる国産クラシック・レーベルの名門「Meister Music」。今週ハイレゾ音源としてリリースされる注目作品2作品をご紹介いたします。
◆変化に富んだフルートの響き、その多彩な彩に驚く


『牧神の午後への前奏曲 フルート・アンサンブルの愉しみ』
工藤重典

名手、工藤重典によるソロ、トリオ、フルート・オーケストラと多彩な演奏が楽しめる、数少ないプログラム。アンサンブルは、ランパルのもと工藤と共に学んだ世界的奏者アンドラシュ・アドリアンを筆頭に、パリ・エコール・ノルマルでの工藤の弟子たちという、フレンチ・スクールの伝統を受け継ぐメンバーで構成。その真骨頂ともいえる、輝かしい響きが幾重にも重なり、色彩感溢れる音場を築き上げる様は圧巻です。



◆はるかなる16世紀、ヨーロッパ伝来の響きに、思いを馳せる


『王のパヴァーヌ』
平尾雅子

ちょうど信長公が活躍した1550年から1580年代に、ヨーロッパ各地(主にイタリア、スペイン)で人気のあった美しい歌や変奏曲、そしてパヴァーヌやガリアルドといった舞曲等を厳選して集めたものです。今から四百年須十年前、御前演奏されたかもしれない・・・、というよりも、もし信長公がここにいらしたら、御所望であったに違いない出し物を揃えました。(平尾雅子)(オリジナルスペック:44.1kHz/16bit)

CD「王のパヴァーヌ」ライナーノーツより一部抜粋

空想 安土城御前演奏会
 時は1582年、ここ安土城の大広間において、信長様御所望の南蛮音楽を、踊りも交えて披露する宴が催された。南蛮文化にお詳しい信長様の御前演奏とあって、選りすぐりの南蛮人奏者が、ヨーロッパ中で知られた名曲を揃えてこの名誉ある場に臨んだ。能舞のお得意な信長様は、特にイタリーの踊りに大層ご興味を示され、その振りをまねしてごらんになるほどであった。
 戦国の世、つかの間のやすらぎ。

アルバムについて
◯ヨーロッパ音楽事情
 織田信長(1534〜1582)が活躍した時代、ヨーロッパの宮廷では、優れた歌手や器楽奏者を様々な地方から呼び寄せ、豊かな音楽環境を作ることが、支配者としてのステータスを示すものの一つと考えられていました。雇い主に気に入られて、生涯一つの宮廷で過ごす音楽家もいれば、より良い待遇を求めて色々な宮廷を巡る名手達もいました。ですから、ヨーロッパ各地の流行り歌や舞曲が様々な国の音楽家によって異なる地方の宮廷に伝えられたことは、容易に想像することができます。また、印刷術の発達によって多くの出版業者による楽譜がヨーロッパ中に出回り、今日私たちが想像するよりずっと国際的な交流が行われていたのです。

平尾 雅子(CD「王のパヴァーヌ」ライナーノーツより一部抜粋)
ライナーノーツ全文は こちらにてお読みいただけます。
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