【1月17日更新】 ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music

2019/01/17
衛星デジタル音楽放送ミュージックバードで、2017年1月にスタートした番組「ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music」と連動したコラム。音にこだわるオーディオ・ファン、ハイレゾに初トライしてみたいクラシック・ファンのために、「ハイレゾ女子」として活躍する音楽ライター・原典子が、e-onkyo musicから選りすぐりのタイトルをご紹介します。

文◎原典子
世界のこだわりレーベル探訪 その4 ~2019アップデート

 新年最初の特集は「世界のこだわりレーベル探訪 その4 ~2019アップデート」と題し、録音にこだわりを持つ個性派レーベルや、ハイレゾだからこそ楽しめる高音質アルバムを配信しているレーベルをご紹介していく。

 第1回目は「ECM」。1969年にマンフレート・アイヒャーによって創設されたジャズ・レーベルだが、84年に『アルヴォ・ペルト~タブラ・ラサ』をリリースして、現代音楽やクラシック作品にスポットを当てた「ECM New Series」を開始。以降、ギドン・クレーメル、ハインツ・ホリガー、アンドラーシュ・シフ、キム・カシュカシャンらがECMから新作を発表し、クラシック界でもその存在感を大きなものにしている。
 ECMのコンセプトは「静寂の次に美しい音」。静謐さをたたえた独自の世界観は、洗練されたジャケットのアートワークからも伝わってくる。ジャズも現代音楽もクラシックも垣根なく、ECMというレーベル自体がひとつのジャンルを形成していると言っても過言ではないだろう。

 第2回目はフィンランドのレーベル「ONDINE」。1985年にレイヨ・キールネンによって創設され、89年にエイノユハ二・ラウタヴァーラのオペラ『トーマス』をリリースしたことで、その名が世界へと広まった。以降、着実に成長を続け、現在では北欧を代表するレーベルとなっている。
 ONDINEはフィンランドの現代音楽を強力にバックアップしているのが大きな特色。ラウタヴァーラをはじめマグヌス・リンドベルイ、カイヤ・サーリアホら現代の作曲家のアルバムを積極的にリリースし続けている。また、自国以外の一流アーティスト、たとえばクリスティアン・テツラフ、ベンヤミン・シュミット、トルルス・モルク、ラルス・フォークトらとも数多くの録音を行ってきた。「妥協なき録音制作」をモットーに掲げ、高いクオリティの録音には定評がある。

 第3回目はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の自主レーベル「MPHIL」。2018年に創立125周年を迎えた名門オーケストラは、2016年に自主レーベルを立ち上げた。2015年から首席指揮者を務めるヴァレリー・ゲルギエフをはじめ、1979年から96年まで一時代を築いたセルジュ・チェリビダッケの伝説的な録音など、古今の名演をリリースしている。配信限定のタイトルもあるので要チェックだ。

 第4回目から第6回目までの3回は、以前に「世界のこだわりレーベル探訪」特集を組んだ際にご紹介したレーベルをあらためて取り上げ、新しくリリースされたアルバムをお届けする。ノルウェーの「2L」、オランダの「PENTATONE」、スウェーデンの「BIS Records」、いずれもオーディオ・ファイルの間ではおなじみの高音質レーベルだが、時流やマーケティングに流されることなく、「良いものを作る」というシンプルなこだわりを大切にしながら、優れたアルバムを世に出し続ける姿勢には頭が下がる。



1月のテーマ【世界のこだわりレーベル探訪 その4 ~2019アップデート】
<ECM>

●『シューベルト:夜』
アニヤ・レヒナー(vc)パブロ・マルケス(g)




●『イェルク・ヴィトマン:オラトリオ「ARCHE」』
マルリス・ペーターゼン(S)トーマス・E.バウアー(Br)ケント・ナガノ指揮ハンブルク州立フィルハーモニー管弦楽団




<Ondine>

●『マグヌス・リンドベルイ:光陰矢の如し、ヴァイオリン協奏曲』
フランク・ペーター・ツィマーマン(vn)、ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団




●『ベートーヴェン:協奏曲集』』
ラルス・フォークト(p、指揮)クリスティアン・テツラフ(vn)ターニャ・テツラフ(vc)ロイヤル・ノーザン・シンフォニア




●『シベリウス:交響詩と歌曲集』
アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms)ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団




<MPHIL>

●『マーラー:亡き児をしのぶ歌、R.シュトラウス:交響詩「死と変容」』
セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ブリギッテ・ファスベンダー(Ms)




●『ブルックナー:交響曲第1番』
ワレリー・ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団




●『プフィッツナー:交響曲 嬰ハ短調』
クリスティアン・ティーレマン指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団




●『シューベルト:劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」序曲』
ズービン・メータ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団





<2L>

●『ストーレ・クライベルグ:現代人のためのミサ曲』
アイヴィン・グッルベルグ・イェンセン指揮トロンハイム・ヴォーカルアンサンブル、トロンハイム交響楽団




●『ヘンニング・ソンメッロ:ウジャマー』
インガル・ベルグビュー指揮トロンハイム・ヴォーカルアンサンブル、トロンハイム交響楽団




●『ビョルン・モッテン・クリストフェシェン:金管の織物』
オスロ・フィルハーモニック・ブラス





<PENTATONE>

●『ドヴォルザーク:交響曲第7番・第8番』
アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮ヒューストン交響楽団




●『ストラヴィンスキー:ペルセフォーヌ』
エサ=ペッカ・サロネン指揮フィンランド国立歌劇場管弦楽団




●『R.シュトラウス:泡立ちクリーム、ドビュッシー:遊戯、リゲティ:メロディーエン』』
ジョナサン・ノット指揮スイス・ロマンド管弦楽団





<BIS>

●『ブラームス:交響曲第3番 他』
トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内管弦楽団、アンナ・ラーション(A)




●『カレヴィ・アホ 2つの協奏曲』
エルッキ・ラソンパロ、エヴァ・オッリカイネン(指揮)トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団




●『夜の曲(Nocturnal)』
ヤコブ・リンドベルイ(リュート、ソプラノ・リュート)







【バックナンバー】
<第1回> 違い歴然!ハイレゾで聴きたい名曲名盤
<第2回> ポスト・クラシカルが止まらない!
<第3回> 世界のこだわりレーベル探訪 その1!
<第4回> 春の声
<第5回> 確信犯的クラシック――革新的NEXT GENERATIONS
<第6回> 雨の日の音楽
<第7回> 世界のこだわりレーベル探訪 その2 ~自主レーベル篇
<第8回> エキゾでフォークなクラシック
<第9回> 来日オーケストラ&演奏家特集2017
<第10回>物語から聞こえる音楽
<第11回>
いま聴きたい弦楽器奏者たち
<第12回>
話題作&私的ベスト2017
<第13回>
神々の音楽
<第14回>
フランスの色と香り
<第15回>別れと旅立ちのクラシック
<第16回>4月のテーマ:アメリカのリズムとメロディ
<第17回>5月のテーマ:子供と音楽
<第18回>6月のテーマ:世界のこだわりレーベル探訪 その3 ~音の匠編
<第19回>7月のテーマ:先取りコンサート情報&来日アーティスト特集
<第20回>8月のテーマ:ライジングスターをキャッチせよ!
<第21回>9月のテーマ:21世紀のレジェンドたち
<第22回>10月のテーマ:銀幕のクラシック
<第23回>11月のテーマ:ディスカバー・ロシア!
<第23回>12月のテーマ:話題作&私的ベスト2018





※ミュージックバードとは
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出演者:原典子(はら・のりこ) 音楽に関する雑誌や本の編集者・ライター。上智大学文学部新聞学科卒業。音楽之友社『レコード芸術』編集部、音楽出版社『CDジャーナル』副編集長を経て、現在はフリーランス。『intoxicate』『CDジャーナル』など音楽雑誌への執筆のほか、坂本龍一監修の音楽全集『commmons: schola』の編集を担当。鎌倉で子育てをしながら、「レゾナンス<鎌倉のひびき>コンサートシリーズ」の企画にも携わる。
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