◆ 2016年 第58回グラミー賞 「ベスト・オーケストラ・パフォーマンス」賞受賞!
◆ GRAMOPHONE CLASSICAL MUSIC AWARDS 2016 「Orchestral」部門 受賞作品ラトヴィア出身の俊英、36歳のネルソンスと2014年から彼が音楽監督を務めるボストン交響楽団によるショスタコーヴィチ・チクルス第1弾!br>
ボストン交響曲とドイツ・グラモフォンは新たな契約を結び、アドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団の演奏で、ライヴ録音によるシリーズ・アルバムを制作すると発表しています。この新シリーズは、「スターリンの影の下でのショスタコーヴィチ」と題するプロジェクトで、ショスタコーヴィチがソビエト体制のもと、スターリンとの関係が悪化した時期に書かれた作品を中心に構成されるとのことです。乞うご期待!!
〝2014年からボストン響の音楽監督を務めるアンドリス・ネルソンスが、同楽団と取り組むショスタコーヴィチ・チクルス。このライヴ・シリーズは“スターリンの影の下でのショスタコーヴィチ”と題され、5番から10番までの交響曲が制作される。その第1弾が交響曲第10番だ。ラトビア生まれの36歳。一時はマリス・ヤンソンスの後継としてロイヤル・コンセルトヘボウ管の常任候補とも言われたネルソンスだったが、ボストン響とのコンビでどんな化学変化が起こるのか。その成果は音楽ファンの期待をはるかに超えている。
アルバムの冒頭に「ムツェンスク郡のマクベス夫人」から「パッサカリア」という激しく斬新な音楽を配し、スターリンの影を暗示させる。そしてスターリンの死後に発表された第10番。1978年、ソ連時代のリガに生まれたネルソンスにとっても、自由のない時代の記憶は生々しい。それがショスタコーヴィチに対する視線の奥にあるはず。ときには密やかに、ときには絶叫するほどに激しく……。ボストン響の合奏力が圧巻だ。重々しいのに混濁感のない響き、ピアニシモの緊張感、強靱なブラスと打楽器の連打、恐怖と紙一重の単調なリズム、自由を求める叫び。曲が終わった瞬間、会場はブラボーと割れんばかりの拍手。ボストン響は新時代を迎えたのだ。”(text by 長谷川教通)提供:
CDジャーナル■アンドリス・ネルソンス(指揮)
1978年に、当時まだソ連領だったラトヴィアのリガに生まれる――は、演奏とショスタコーヴィチの音楽に対して独自の視点をもっている。彼はソビエトの音楽的伝統のもとで教育された、最後の指揮者の一人である。そしてサンクトペテルブルクで長く学んだネルソンスは、ロシアの偉大な巨匠たちの伝統を受け継ぐと同時に、レパートリーの中核をなすドイツ作品では西欧の巨匠たちの伝統も受け継いでいるという、現在ではたぐいまれな指揮者の一人でもある。
「ボストン交響楽団、そしてドイツ・グラモフォンというすばらしい仲間と仕事ができるのは、私にとって本当に胸の躍る、名誉な体験です。ショスタコーヴィチの作品を中心に演奏できるのも、私にとっては誇らしいことです。彼は大いなる勇気と気高さをそなえた作曲家であり、彼の偉大な作品には多くの点で、書かれた時代状況を超えた永遠の価値があります。同時にショスタコーヴィチの音楽は、ソ連のラトヴィアですごした私の修行時代と重なるところがあり、私に特別に個人的な近親感をもって語りかけてきます。そうした特別な思いが、今回の録音にも反映されるにちがいありません」
録音時期:2015年4月
録音場所:ボストン
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)