君の届かない私

ネリエ

2021/09/25

(P) 2021 ネリエソング
(C) 2021 ネリエソング

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君の届かない私
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ネリエ[MainArtist], ネリエ[Lyricist], kaz[Lyricist], ネリエ[Composer]

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「君の届かない私」◇◇◇◇◇ 歌詞はkazさんとコラボ 今回はフェニ(Phoennix)さんに配信リリース記念に 小説を描いていただけました! この曲の歌詞は 女性から彼氏への上から目線な抜群の妄想 笑 でも小説は彼氏からモトカノへのフワフワした幻想かも? ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ (小説) 名前を呼ばれた気がしてうすらと目を開けた。 イマカノの姿はそこにはない。 (そういえば「明日は早ばーん」って言っていた) アパレル勤務のイマカノは週末には休めない。 僕の休日に合わせて会いに来てくれる。 「彼女」は僕に合わせるというより僕が彼女に合わせていたな。 と思い出す。 今日は土曜日。 僕の仕事は休み。 もう一度目を閉じた。 思い出したくもない昨日の偶然がストーリー仕立てで脳内再生される。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 僕がスタバで名前の書かれていないカップを受け取ったとき、 そこに既に立っていたのがモトカノだった。 正確にはモトカノが僕に気づいた。 モトカノは僕の知っているモトカノより綺麗だった。 ピカピカと自分用照明を持っているかのようにみたいに。 「あれ?久しぶりだね」 とモトカノに声をかけられたときの僕の目線はモトカノの手元だった。 僕はスタバで名前やメッセージを書いてもらったことがない。 だから気づくのが2秒ほど遅くなった。 モトカノのカップには「今日も素敵な一日を!」と可愛らし気なイラストが描かれていた。 そんな些細なことになんだか僕は打ちのめされた。 何も書かれていない僕のカップ。 凝ったメッセージとイラストのモトカノのカップ。 モトカノが僕の知ってる彼女よりずっと晴れ晴れとした美しさをまとっていること。 その二つのカップの差が そのまま「だからお前なんてダメなんだよ」と言われているように感じた。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「・・・うん。久しぶり、だね」 僕の目線に気づいたモトカノは、カップを顔の近くに持ち上げた。 モトカノは、白い歯を見せながら目元も口元も三日月型に思い切り笑った。 昔、僕が大好きだったくしゃくしゃの笑顔。 「席はもうとってるの?」 「うん」 「そっか。よかったら隣に座らない?ほら、 あそこのカウンター席をとってあるんだけど隣まだ空いてるし」 「うん」 自然な流れで僕たちは再会し、なんとなく隣で珈琲を飲むことになった。 僕は何も書かれていない自分のカップを恥じていた。 この日は僕の27歳の誕生日だった。 あと3年で30歳になる。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 僕とモトカノが出会ったのは中学校の入学式だった。 春休み前まで小学生だった僕たちなのに、中学の制服を着たその子は髪がつやつやで、 気が強そうな目元で、同じ学年には見えなかった。 たぶん、僕が彼女に恋愛的な感情を抱いたとしたらその時だと思う。 僕は直接彼女に話しかけることはできなかったけど。 気づいたら、視界の端っこに彼女を捉える特技は獲得した。 彼女はよく笑い、男子ともケンカして、陸上部でめっぽう足が速く。 まぁ、キラキラした存在だった。僕のキラキラ。 中学三年の時、同じクラスになった。 (やべぇ・・・) これがクラス替えの時の僕の気持ちだった。 だって。 どうしても入りたい高校と、その先の大学があったから。 自意識過剰な中学生の僕は単純にエリートになってガンガン金を稼いで、 「僕」という存在を世界に知ってもらうような存在になりたかったから。 受験勉強を必死でしないといけないのに。 入学式の時からのキラキラの彼女が近くにいるなんて。 これは、本格的にやばい。 その時の僕はそう思った。 しかもなんと座席は前後になっている。 僕は無表情を装おうとして必死で顔を引き締めた。 前の席の彼女が振り向いた。白い歯を見せて三日月型に笑って 「よろしく~!」といった直後にムッと白い歯をしまい込んだ。 「なんで怒ってんの?」 「・・・怒ってないよ」 「ふーん」 すっと前を向く彼女。 「あのさ」 「ん?」 彼女はつやつやした髪を揺らしながらまた振り向いた。 「一緒に受験勉強仲間やんない?」 それは僕の告白だった。 精一杯の15歳の告白だった。 爪の跡がつくくらい握りしめた拳は、汗でぬるっとしていた。 僕には長い時間が過ぎたように見えたけど 実際にはすぐに彼女は答えた。 「いいね!受験は団体戦でもいいと思ってるんだよね!あたし」 彼女はまた、白い歯を見せた。 僕はもう、全世界を手に入れたような気分になった。 実際にそこに存在しているのは世界どころか、 高校入学も手に入れてない ただの中二病の中三男子だったけど。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 一年後。 彼女は第一志望、僕は第二志望の高校に入学した。 「付き合って一年だね」 と僕が言うと、彼女は驚いた顔をした 「え?!あたしはずっと好きだったけど、いつから付き合ってくれてたの?!」 「え?」 今度は僕が驚いた。 (あたしはずっと好きだったけど)という彼女のセリフが大脳新皮質を占拠した。 「告白もなにもされてない!」 はじけて笑いながら、彼女が抱き着いてきた。 「ちゃんと言葉にして」 僕は、想像以上の彼女の体の柔らかさに爆発しそうになりつつビビりながら言った。 「好きです。付き合ってほしい」 声はカスカス。掌に汗。 「もちろん!」 彼女の声は耳をコロコロと転がる。 僕は、ぎこちなく唇を彼女にあてた。 今思えばなんて淡い告白とキスだろう。 顔を離したあと、僕の肩に顔を押し付けながら 「今、あたしの顔みないでね。うれしくて可愛くないから」 そんな可愛い言葉を聞きながら、僕は彼女の髪を撫でた。 たぶん この時が二人の一番幸せでダサい瞬間。 別れた理由はつまらないケンカだった。 それまでだって、何回か衝突はあったけど。 気の強い彼女が好きだったのに、その時仕事がで四苦八苦していた僕には 「彼女に馬鹿にされた」という気持ちがわいてきてしまった。 昨日まであんなに仲良かったのに。 僕の別れの切り出しに、彼女は泣いていた。 「分かった。元気でね」 それでも気丈に彼女はそれを受け入れた。 3日後 別れを後悔しながら仕事に集中する僕がいた。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ そして。 「なんとなく」付き合い始めたイマカノはキラキラとは全く違うタイプ。 焼けるようないら立ちもなく、思い続ける苦しさもない。 ただ平和な日々。 何者でもない僕。 そして今、僕は一人部屋で眠ったふりをしている。 「イマカノジョ」ではなく 僕の「キラキラ」を思い出しながら。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 次回の配信リリースもお楽しみに~♪ イラスト/作詞/ギター/作編曲等/小説のコラボ/ みなさまのお力有難うございました。 これからも たくさんのご縁がはじまりますように?
【君の届かない私/ネリエ/ハイレゾ】

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