「sonorité」レーベルのピアノの音はなぜ美しいか? ── プロデューサー・内藤晃の美学と2つの新作
1994年生まれの鶴澤奏によるシューベルト・アルバム。謙虚で気負いのない自然体のピアノが、シューベルトの佳曲の魅力を清々しく引き出しており、珍しいD459のソナタを含む選曲もたいへん素敵です。アルバム名のAn die Musikは、シューベルトの名歌曲のタイトルに、鶴澤の信条を重ね合わせたもの。凛として純度の高い音楽を奏でる、稀有な新進ピアニストのデビュー盤です。
<アーティスト・プロフィール>
鶴澤奏(つるさわ かなで)
高校3年時にピティナ・ピアノコンペティション特級にて銅賞を受賞し、本格的に演奏活動を始める。2016年に野島稔・よこすかピアノコンクールにて第1位を受賞した際には審査委員長の野島稔氏からその演奏を「自分の内にある音楽を極めて自然に表出し(中略)作為のあと
が見えない、けれん味のない音楽がそのまま楽曲の満ち足りた表現として十分に聴き手に伝わる」と評された。
現在主に日本と北米を行き来しながら活発に演奏活動を行っている。2019年にはカサルマッジョーレ音楽祭(イタリア)で弦楽器の公式伴奏者を務め、またカナダではバンクーバー交響楽団の管楽器首席メンバーらと共演するなど、室内楽奏者としての信頼も厚い。
これまでに菊地麗子、野島稔、清岡登志子、鈴木弘尚の各氏に師事し、東京音楽大学付属高校および東京音楽大学ピアノ演奏家コースを首席で卒業。在学中3年間ヤマハ音楽奨学金を受ける。2017年9月よりバンクーバー音楽院アーティストディプロマ課程に在籍、Lee Kum-Sing氏のもと研鑽を積んでいる。
<レコーディング情報>
2021年6月23–25日 コピスみよしにて収録
使用楽器:1982年製ハンブルク・スタインウェイD型
(タカギクラヴィア所蔵)
Director /Producer 内藤 晃
Piano Producer 高木 裕
Recording & Mixing Engineer 北見 弦一
※「アルバム購入特典」はデジタルブックレット(PDF)と当作品のジャケット写真データ(jpg)です。