ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」WAB104
ブルックナーの名声を決定付けた中期の大作・第4番「ロマンティック」。聴き尽くされた交響曲が圧倒的な鮮度で蘇るさまは、まさにパーヴォならでは。
当アルバムは、フランクフルト放送響とのブルックナー・チクルス第4弾となった、ブルックナーの交響曲の中でも早くから高いポピュラリティを獲得していた第4番「ロマンティック」。経験を積んだ老齢の指揮者のみが名演を成し遂げるというイメージがあるブルックナーの交響曲ですが、そのイメージを覆さんばかりの勢いと鮮度を持つパーヴォ・ヤルヴィの演奏は、これまでの3作でも実証済み。全曲を通じて約63分という快速演奏ながら、密度の濃い演奏が繰り広げられ、随所の改訂版の引用(第1楽章の展開部冒頭、第4楽章提示部のシンバル)もアクセントを添えています。絶好調のフランクフルト放送響の金管セクションが咆哮する重量感のある響きのみならず、弦のトレモロによる密やかな繊細さを存分に堪能できるダイナミック・レンジの広いサウンドも魅力的です。
『ブルックナーが残した交響曲の中でも、第4番は特別な存在に思える。性格的には軽やかで明るく、田園情緒も備わっており、何といっても彼が初めて長調(変ホ長調)で書いたシンフォニーなのだ!ブルックナーの交響曲は、いわゆる標題音楽に対する絶対音楽的なものの代表例として扱われることが多い。しかしこの作品を「ロマンティック」と銘打ったのは作曲者自身であり、叙述的な説明も各楽章に付されている。それゆえ我々も自分なりに標題的な内容を思い描くことが許されよう。
「ロマンティック」という副題は重要視されるべきだが、ただ字義どおりにとらえることも避けねばなるまい。私にとって「ロマンティック」とは、この交響曲がベルリオーズやシューベルトやシューマンやメンデルスゾーン、そしてリストの精神を直接的に受け継いでいる事実を示す概念なのだ。
演奏にあたっては、いわゆる「因習的」なアプローチから距離を置くように意識した。よくありがちな、重厚で物々しい、ことさらに宗教的を装ったような解釈を避けて通るのである。そしてこの録音でも実演の場でも、複数の版から細部を取捨選択する形で組み合わせている。私なりに「第4交響曲」の最良の形を追求する試みとして。』―――パーヴォ・ヤルヴィ
[演奏] フランクフルト放送交響楽団指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
[録音] 2009年9月3日&4日、フランクフルト、アルテ・オーパーでのライヴ・レコーディング[レコーディング・プロデューサー]ウド・ヴュステンドルファー[サウンド・エンジニア&ステレオ・ミキシング]リュディガー・オルト[マルチ・ミキシング]ウド・ヴュステンドルファー、リュディガー・オルト
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【Bruckner: Symphony No. 4 "Romantic"/Paavo Jarvi, Frankfurt Radio Symphony/ハイレゾ】
1 Paavo Jarvi[AssociatedPerformer], Paavo Jarvi[MainArtist], Frankfurt Radio Symphony[AssociatedPerformer], Frankfurt Radio Symphony[MainArtist], Anton Bruckner[Composer]
2 Paavo Jarvi[AssociatedPerformer], Paavo Jarvi[MainArtist], Frankfurt Radio Symphony[AssociatedPerformer], Frankfurt Radio Symphony[MainArtist], Anton Bruckner[Composer]
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4 Paavo Jarvi[AssociatedPerformer], Paavo Jarvi[MainArtist], Frankfurt Radio Symphony[AssociatedPerformer], Frankfurt Radio Symphony[MainArtist], Anton Bruckner[Composer]