オーストリアの巨匠・マーラーの交響曲を見事な指揮で楽しめる1枚
1997年に設立され、クラシックを中心に厳選された良質の音楽を提供し続けているイギリスのレーベル「Signum Records」より、2013年にリリースされたオーストリアを代表する作曲家グスタフ・マーラーの作品を取り上げたアルバムをご紹介!
今作『Mahler: Symhponies Nos.1-3』はもともと3枚組のアルバムだが、今回はその3枚を1枚ずつリリースという形になる。
その第1弾にあたる今作では『交響曲第1番ニ長調』を収録。18世紀から19世紀にかけてドイツで活躍した小説家ジャン・パウルの小説に由来することから『巨人』というサブタイトルが広く知られているが、実はマーラーは最終的にこのタイトルをカットしているといういわく付きの作品だ。
指揮を担当したのは、この作品のリリースの翌年に逝去したロリン・マゼール。ユダヤ系ロシア人の父とロシアとハンガリーのハーフの母の間に生まれ、生後間もなく移住。その後はアメリカで生活を続け、ヴァイオリンを弾きながら指揮をする「弾き振り」を披露し一躍有名になった人物でもある。
マゼールの見事な指揮により、その魅力が最大限に引き出されている。緩急・強弱に富んだ作品(ミニマムとマックスの音量差が大きいので、音量設定にご注意を)のため、消え入るような小さな音からダイナミックなオーケストレーションまで大きな振り幅で楽しめる作品だ。
【マーラー:交響曲第1番/Philharmonia Orchestra, Lorin Maazel/ハイレゾ】