素晴らしい演奏とともに味わえる、マーラーの最高傑作の一つとされる、最後の交響曲。
1997年に設立され、クラシックを中心に厳選された良質の音楽を提供し続けているイギリスのレーベル「Signum Records」より、2010年にリリースされたマーラーの「交響曲第9番」がハイレゾ音源で登場!
フィルハーモニア管弦楽団(The Philharmonia Orchestra)はイギリスを代表するオーケストラの一つである。イギリスのレコード会社EMIのウォルター・レッグにより立ち上げられた。その創設の経緯から「レコーディング回数の多いオーケストラ」として1945年の創立以来、名高い多くの指揮者との共演が残っている。
指揮は、2016年現在、フィルハーモニア管弦楽団の主席指揮者・芸術顧問として活躍するエサ=ペッカ・サロネンである。
グスタフ・マーラー (1860-1911) は、オーストリアで活躍した作曲家・指揮者であり、交響曲・歌曲の大家として、数多くの作品を残している。
当アルバムの「交響曲第9番」は、1909年に2ヶ月間でほぼ書き上げられた作品である。「交響曲第10番」が未完成のままマーラーが死去したため、完成された交響曲としては、この曲が最後となった。マーラーはこの曲の中で、過去の自作や他作から多くの引用をしており、これらが過去の追想や別離の気分を高めている。また、この曲の第4楽章、最後の小節にマーラーはドイツ語で ersterbend(死に絶えるように)と書き込んでおり、このことが「交響曲第9番」の全体を貫く「死」のテーマにつながっている。
マーラーの死によって、自身で初演を果たすことはできなかったが、今日もなお多くのオーケストラにより世界中で演奏されている。
全体を通してぜひ聴いていただきたい傑作であるが、特におすすめは、第1楽章「Andante comodo」。精巧に創り上げられた構成で、激しさの中に機微を含んでおり、時間を忘れて聴き入ってしまうような楽曲。第4楽章「Adagio. Sehr langsam und noch zuruckhaltend」は、冒頭の穏やかな主題からクライマックスに向かう高揚感、そして徐々に影をひそめていく。めまぐるしく変化する曲の展開に心を揺さぶられる。
世界屈指のオーケストラとマーラーの傑作による、贅沢なコラボレーションを堪能できるアルバム!
Philharmonia Orchestra (Orchestra)
Esa-Pekka Salonen (Conductor)
【マーラー:交響曲第9番/フィルハーモニア管弦楽団, エサ=ペッカ・サロネン/ハイレゾ】