チャイコフスキー唯一の標題交響曲である「マンフレッド交響曲」。冒頭の分厚い音色の弦楽器群と管楽器群により描かれる主人公・マンフレッドの苦悩から始まる第一楽章。フレーズ一つ一つを大切に奏でさせる小林の演奏は、圧巻の集中力でマンフレッドの苦悩を表現してゆきます。第2楽章での妖精の描写や、第3楽章の牧歌的で心温まる旋律を各楽器の名手たちが見事に表現してゆき、第4楽章ではフーガ部分から壮大なクライマックスを経て幻想的な終焉に向かう気迫に満ち溢れた演奏を、小林の熱い節まわしとロンドン・フィルの近代的で機能的なアンサンブルが見事に表現してゆきます。楽曲の隅々まで知り尽くした両者でこそ成立する見事な構成力と推進力によって、聴く者を主人公「マンフレッド」自身へとい誘い、バイロンの劇詩を目前に感じさせる充実・圧巻の演奏です。
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【チャイコフスキー:マンフレッド交響曲/小林研一郎, ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/ハイレゾ】