およそ30年のブランクを経て書かれたショスタコーヴィチの2つのピアノ協奏曲。1933年に作曲された第1番はトランペットがピアノと同等に活躍する「二重協奏曲」であり、もともとトランペット協奏曲として書かれた後、ピアノ・パートを書き加え、全体のバランスを取ったという成立経緯があります。また自作や他人の作品からの引用も多く、全体的には同時期に書かれた「ムツェンスク郡のマクベス夫人」と雰囲気が似ています。ピアノとトランペットは時に対立しながらも、第2楽章では美しく陰鬱なワルツを歌い上げます。
第2番は1957年の作曲で、彼の息子マクシムのピアノ練習用として書かれました。第3楽章の「ハノン(代表的なピアノの練習曲)」の引用が有名ですが、この曲も第2楽章に美しいワルツが置かれており、ギルトブルグはこれを意識し、“ワルツの作曲家”としてのショスタコーヴィチに焦点を当てることを目論みました。そして彼自身が「弦楽四重奏曲」第8番の第4楽章と、第2番の第3楽章をピアノ独奏に編曲し、そのの繊細なリズムの揺れを表現しています。協奏曲での華麗なタッチとともに、こちらの編曲の妙もお楽しみください。
【ショスタコーヴィチ: ピアノ協奏曲第1番/第2番/ボリス・ギルトブルグ, リーズ・オーウェンス, ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団, ヴァシリー・ペトレンコ/ハイレゾ】
1 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], リーズ・オーウェンス[トランペット], ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団[アーティスト], ヴァシリー・ペトレンコ[指揮], ショスタコーヴィチ[作曲]
2 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], リーズ・オーウェンス[トランペット], ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団[アーティスト], ヴァシリー・ペトレンコ[指揮], ショスタコーヴィチ[作曲]
3 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], リーズ・オーウェンス[トランペット], ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団[アーティスト], ヴァシリー・ペトレンコ[指揮], ショスタコーヴィチ[作曲]
4 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], リーズ・オーウェンス[トランペット], ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団[アーティスト], ヴァシリー・ペトレンコ[指揮], ショスタコーヴィチ[作曲]
5 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], ショスタコーヴィチ[作曲]
6 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団[アーティスト], ヴァシリー・ペトレンコ[指揮], ショスタコーヴィチ[作曲]
7 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団[アーティスト], ヴァシリー・ペトレンコ[指揮], ショスタコーヴィチ[作曲]
8 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団[アーティスト], ヴァシリー・ペトレンコ[指揮], ショスタコーヴィチ[作曲]
9 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], ショスタコーヴィチ[作曲]
10 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], ショスタコーヴィチ[作曲]
11 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], ショスタコーヴィチ[作曲]
12 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], ショスタコーヴィチ[作曲]
13 ボリス・ギルトブルグ[ピアノ], ショスタコーヴィチ[作曲]