「空間を読む男」が録るフランツ・リストとは? 新レーベル「MClassics」第1弾先行配信スタート デビューより30年を迎え、ソリストはもとよりドラムとのユニット「Obsession」など多岐に渡り活躍をする日本を代表するピアニスト三舩優子の8年ぶりとなるソロ・アルバムです。
収録曲はピアニズムの頂点を位置するリストの「巡礼の年 <第1年 スイス>」。三舩が子供のころより向き合い、寄り添い大事にしてきた作曲家がリストです。デビューアルバムに収録したのも、そして30周年を迎えた昨年記念リサイタルとして取り上げたのもこのリストの「巡礼の年」でした。長年演奏し続け到達した、確固たる境地が広がります。三舩がこれまでの人生の旅路において積み上げてきた音楽の襞が、リストの深淵なる旋律とドラマに共鳴し合い、重厚に響き渡ります。三舩の意志の強さが音楽へと昇華してゆくかのような見事な演奏です。
「情熱が年を重ねるとともに更に強くなっていく」と語る三舩と、情熱に溢れた若かりしリストの作品が対峙します。最も有名で美麗な「泉のほとりで」やリストの革新的な様式が見られる「オーベルマンの谷」、さらには村上春樹の小説で注目された「郷愁」など、色鮮やかな技巧や純真な音粒が聴きものとなっています。
30年を迎え、また新たなスタートに相応しい「巡礼の年 <第1年 スイス>」。三舩優子の新たな音楽への旅路が始まりまる渾身のリスト・アルバムです。