◆NEWSボーカリスト井筒香奈江が気心の知れたトリオで一発録りを敢行! 変化に富んだ意欲作『Laidback2018』が完成
自身のユニット、Laidbackによるトリオ編成での一発録りにて収録された待望の新作。サウンド・プロデューサー/レコーディング・エンジニアに日本を代表するエンジニア、高田英男氏を迎え、更なる次元で結実したサウンドは、オーディオ的側面はもちろん、シンガー井筒香奈江の魅力が存分に引き出された見事な内容。e-onkyo musicの独占インタヴューと共にお楽しみください。
【メンバー】
Laidback
Vocal:井筒香奈江
Piano:藤澤由二
Electric Bass:小川浩史
Guest
Flute:中川昌三
Percussion:大久保貴之
Recorded Mixed & Sound produced:高田英男
Assistant Engineer:小坂剛正 川島尚己
Sony Music Studios Tokyo STUDIO1 (2017.11.14&15)
Engineer:石光孝
MIXER’S LAB Cst (2017.11.27)
Assistant Engineer:宮沢竣介
VICTOR STUDIO 202st (2017.12.9)
Mastered:袴田剛史
FLAIR MASTERING WORKS 212st (2017.12.28)
Photography:渡邉久美(K.O.G.PHOTO)
Design:凌俊太郎
Production Supported:校條亮治 照井和彦(日本オーディオ協会)
Produced:井筒香奈江
◆サウンドプロデュースを終えて
井筒さんから新作のアルバムレコーディングのお話を頂き、都内ライブハウスでのリハーサルにお伺いする。極限まで音数を減らし、一音一音に思いを込めた心地よい緊張感により、一瞬でアルバムのサウンドイメージが伝わってきた。
「Laidback2018音の世界」である。
レコーディングはソニー・ミュージックスタジオ(乃木坂)、コンソールはNEVE8872Rアナログ卓であり、NEVE独特のクリアーサウンドが特徴的なスタジオである。
サウンド創りのコンセプトとして開放感・透明感・躍動感とし、音の色彩・温度など感性領域の魅力を音で捉えるチャレンジである。
録音システムはPro Tools・HDにて192kHz/32bitマルチ録音、更にPyramix HorusにてDSD11.2MHz/1bitによる究極のハイレゾダイレクト2CH同時録音である
録音アプローチ
①ピアノ
6mの天井高さを持つメインエリアにて演奏、クリアーで音場空間が広く余韻の美しいピアノサウンドを目指す。
メインマイク:SCHOEPS CMC-56U(MK-21)×2、低音域マイク:NEUMANN-150 Tube×2、
アンビエントマイク:SANKEN CO-100K×2
一音の力・余韻の魅力・藤澤さんのピアノの世界を感じながら、フレーズに合わせ直感的にリバーブの量感を変化させ、多彩なピアノサウンドを表現。
②エレキベース
ベース絃に伝わる感情が、繊細な音表情となる小川さんベースサウンド。
ライン録音:AVALON DI BOX、ベースマイク:AKG D-112をミックスし音創りをする。リズム演奏ではクリアーなベースサウンド、ソロ演奏ではリバーブ処理にて極端にベースサウンドに変化をつける。
③ヴォーカル
冷たい・暖かい・オレンジ色・淡いブルー色・井筒さんの思い、言葉の力を音にする。
録音現場ではヘッドホーンに伝わる唄の音色・リバーブ質感で唄の表情が大きく変化する。
ヴォーカルマイク:NEUMANN U-67 Tube
録音して感じる事は、それぞれが強烈な個性の持ち主であり、上手く演奏(サウンド)纏める事では無く、それぞれが乱反射し尖りながらLaidbackサウンドを創っている。演奏の派手さや音量の大きさでは無く、ピアニシモ(静寂感)に心地よい緊張感があり、井筒さんの歌声(言葉)が鋭く・優しくリスナーに伝わる。録音・ミックス・マスタリング全ての工程に井筒香奈江さんの新たな決意を感じながら一音一音に想いを込めたLaidback2018 Soundここに完成。