TVアニメ『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』EDテーマ「CHIASTOLITE」やTVアニメ『閃乱カグラ』OPテーマ「Break your world」、TVアニメ『だから僕は、Hができない。』OPテーマ「Reason why XXX」など、数々のアニソンを歌う佐咲紗花。海外でのアーティスト活動も積極的に行っている彼女が、世界基準で名曲アニソン13曲をチョイス。これぞ日本のアニソンの歴史を変えたともいえる楽曲の数々を「佐咲紗花」ならではのフィルターを通して、原曲の世界観に共感しつつ、最新のサウンドに昇華させたアニソンカバーアルバムが「SAYAKAVER.」だ。そのハイレゾverが、CD版と同時リリースされることとなった。
今回のハイレゾverは、96kHz/32bitで作成されたスタジオマスターを、96kHz/32bit floating環境でリマスタリングする「HD RENEWAL MASTER」を採用。ここから配信用の96kHz/24bitデータを作成することで、CD版とは異なる、新たな音楽表現を実現している。マスタリングエンジニアは、ランティスのハイレゾ音源ではお馴染みとなった原田光晴氏が担当している。
<サウンドインプレッション>
ただのアニソンカバーアルバムと侮るなかれ。楽曲ごとに編曲者、アレンジャーが異なっていたり、演奏形態も異なるなど、原曲の良さを活かしつつも新たなる魅力を引き出しすという、作品として凝りに凝った内容となっているのだ。
そういった、アーティストや制作スタッフの作品の対するこだわりの強さ、素晴らしさはCD版でも感じ取られるのだが、ハイレゾverでは、音数がグッと多くなって演奏の表現がとても豊かになっている。たとえば「DISCOTHEQUE」は、編曲を行ったTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDならではの、アナログシンセなどのビンテージ楽器を駆使したふたつとない存在感の曲に生まれ変わっているし、いっぽうで「LEVEL5-judgelight-」は、シンセサイザー&エレキギターメインという演奏は変わっていないものの、AstroNoteSならではの特徴的なアレンジによって、まるで別のアニメの主題歌のよう。そういった絶妙なニュアンス表現が、ハイレゾverではしっかりと伝わってくるのだ。
そのいっぽうで、佐咲紗花のヴォーカルがよりインパクトの強い歌声になっている点も、ハイレゾverのアドバンテージいえる。一段と突き抜け感のある、通りの良い歌声となっていることに加え、表現も細やかなのだ。たとえば「プラチナ」などを聴くと、原曲の良さをしっかりと受け止めつつも、佐咲紗花ならではの歌声を活かし、より透明感のある、それでいてパワフルな歌い回しとなっている。単なるカバーアルバムではない、まさに“ひとりトリビュート”アルバムと呼ぶべき良作だ。
(野村ケンジ)
※「アルバム購入特典」は当作品のジャケット写真データ(jpeg)です。
【SAYAKAVER./佐咲紗花/ハイレゾ】
1 佐咲紗花[アーティスト], 山田ひろし[作詞], 太田美知彦[作曲]
2 佐咲紗花[アーティスト], 真行寺恵理[作詞], 真行寺恵理[作曲]
3 佐咲紗花[アーティスト], 渡辺 翔[作詞], 渡辺 翔[作曲]
4 佐咲紗花[アーティスト], 岩田アッチュ[作詞], 栗原 稔[作曲], 岩田アッチュ[作曲], 伊藤孝氣[作曲]
5 佐咲紗花[アーティスト], 園田凌士[作詞], 上松範康[作曲]
6 佐咲紗花[アーティスト], 岩里祐穂[作詞], 菅野よう子[作曲]
7 佐咲紗花[アーティスト], 畑 亜貴[作詞], 山田高弘[作曲]
8 佐咲紗花[アーティスト], 橋本 淳[作詞], 大野雄二[作曲]
9 佐咲紗花[アーティスト], 山川啓介[作詞], 鈴木キサブロー[作曲]
10 佐咲紗花[アーティスト], 藤林聖子[作詞], tatsuo[作曲]
11 佐咲紗花[アーティスト], 谷山紀章[作詞], 飯塚昌明[作曲]
12 佐咲紗花[アーティスト], fripSide[作詞], 八木沼悟志[作曲]
13 佐咲紗花[アーティスト], 永野椎菜[作詞], 馬飼野康二[作曲]