二度目の日本武道館公演を大成功させるなど、デビュー10周年となる2014年に、華々しい数々の軌跡を残した茅原実里。明けて2015年は、新たなる試みとして選りすぐりの11曲を豪華オーケストラ×バンドのリアレンジでしたセルフカバー・シンフォニックアルバム「Reincarnation」をリリース。そのハイレゾverが、CDと同日リリースされることとなった。

　今回のハイレゾverは、96kHz/32bitで作成されたスタジオマスターを、96kHz/32bit floating環境でリマスタリングする「HD RENEWAL MASTER」を採用。ここから配信用の96kHz/24bitデータを作成することで、CD版とは異なる、新たな音楽表現を実現している。マスタリングエンジニアは、ランティスのハイレゾ音源ではお馴染みとなった原田光晴氏が担当している。

＜サウンドインプレッション＞
　オリジナルとは同じ曲であって同じ曲ではない、スケール感の大きいサウンド。オーケストラなどアコースティックな演奏はとかくハイレゾとの相性が良い傾向はあるが、単に“向いている”というだけでない、楽曲の世界観にグイグイと引き込まれていく、ヴォーカルや演奏の存在感の強さ、ステージの広大な広がりを持ち合わせているのだ。今回のアレンジが、もともとストーリー性を感じさせる、展開の多い内容となっているのでその魅力や楽しさは、CD版でも存分に感じ取れるのだが、ハイレゾverではさらに一歩踏み込んだ、起伏と表現力に富んだサウンドに仕立てられているおかげで、“茅原実里オーケストラ・コンサート”を特等席で楽しんでいるかのような、ワクワクする臨場感が味わえる。 　数多くのアニソンを手がける茅原実里だからこそ、ランティスだからこそ作りだす事ができた、素晴らしい完成度のアルバムだ。
（野村ケンジ）

※「アルバム購入特典」は当作品のジャケット写真データ（jpeg）です。