“Music”+“Unity”=“Munity”
「音楽を通じて1つになる」という願いが込められた、神保 彰20枚目のソロアルバム!!
ゲストに、元タワー・オブ・パワーのリチャード・エリオット(sax)をフィーチャー
<ライナーノーツ>
1986年、初めてのソロアルバム制作の為にロサンゼルスにやってきました。期待と不安が入り交じったの当時の心持ちをよく覚えています。その後、ほぼ1年に1枚のペースで1997年までに10枚のアルバムを制作。からっと晴れ上がった空を彷彿とさせるLAならではのサウンドが、いつしか自分のスタンダードとなりました。10年休んで2007年から制作を再開し、この『Munity』がキングレコードで10年連続の10作目、トータルでは20枚目のオリジナルアルバムという事になります。随分作ったものだと自分でも驚いてしまいます。
2007年以降の後期ソロアルバムでは、プロデュースとアレンジも自分で行うようになりました。メンバーもほぼ固定で、ベースのエイブラハム・ラボリエルとキーボードのオトマロ・ルイーズは10年連続、ギターのアレン・ハインズも7年連続で参加してもらっています。当然のことながらコミュニケーションは年を追うごとに深まり、4人の演奏を核にして、そこに自分で作っておいたプログラミングパートを加えるというスタイルが定着しました。小編成なので、ドラマーとして演奏家として、一歩前に出た内容になっているのも特徴です。
10月末だというのにLAは真夏のような気温でした。初のセルフカヴァー・アルバム『JIMBO de JIMBO 80’s』と今作の2枚を、マスタリングまで含めて実働9日間で完成させるという、通常ではあり得ないスケジュールですが、10年間培ったチームワークがあれば大丈夫。1年がかりで準備した曲が見る見る形になっていく様子は、まるでフィルムを早回ししているかのような目眩く体験です。オトマロが、「今回はみんな最高の演奏だったよ。」と言ってくれた通り、全員の素晴らしいミュージシャンシップが記録されています。
<曲目解説>
Blowin’ In The Street
アルバム冒頭は、リチャード・エリオットのテナーサックスをフィーチャーしたファンクナンバー。元タワーオブパワーのメンバーで、僕とほぼ同世代ながら、10代で既にプロになっていたという長い経歴の持ち主。演奏も人柄も最高でした。ドライヴ感あふれる壮快な曲です。そうかい。
Let Me Go
同じリフが延々と繰り返される、いわゆる一発もの。ピアノソロでいきなりジャズになってしまいます。頭で想定していたのとはまったく異なるものが出来上がってくるのがレコーディングの醍醐味でもあります。出だしの逆回転サウンドはオトマロのアイディア。メンバー全員のソロがフィーチャーされています。主となるメロディーは2つの音が上がったり下がったり。
Wind & Cloud
一転して爽やかな曲調。レコーディング初日の1曲目に録音しました。“真っ青な空を白い雲が流れて行く様を、砂浜に寝転がって見ている”、そんなイメージです。アレン・ハインズの艶やかなギタートーンにしびれます。
Munity
この曲のみ家内との共作です。もちろん家内は音楽家ではありませんが、彼女がスマホに吹き込んだメロディーをつなぎ合わせてハーモニーを付けてみると、自分からは出てこないタイプの曲が出来上がりました。手前味噌で恐縮ですが、アルバムタイトル曲になりました。リチャード・エリオットのソプラノサックスをフィーチャーしています。
Standing On The Ground
スイング感のある重めのグルーヴが特徴の曲です。エレクトリックな味付けをしてみました。セクションごとにがらっと雰囲気が変わります。メンバー全員のソロもフィーチャーされています。主となるメロディーは3つの音が上がったり下がったり。
Beach Walk
“風に吹かれて海辺の道を歩く心地よさ”を曲にしました。2つの音が上がったり下がったりするシンプルなメロディーが特徴です。今回は使う音の数をなるべく少なくすることに腐心しました。エンディングで盛り上がってしまうので、フェードアウトがなかなか出来なくて困ります。一番最後に出てくるテキーラの一節に思わずニヤリ。
Can’t You See
これもシンプルなメロディー。3つの音が上がったり下がったり。エイブラハムのベースのメロディーで始まります。歌心溢れた演奏。なんだかじーんとしてしまうのは僕だけでしょうか。バラードなのにエンディングでは思いっきり盛り上がってしまいます。ダイナミクスの振れ幅が聴きものです。
Double Rainbow
昨年夏のハワイ旅行で、雨上がりにダブルレインボーを初めて見ました。本当に見事に2重になって見えるのですね。ラテンフレーヴァーあふれる、ゆったりとしたグルーヴが特徴の曲です。オトマロのピアノのブロックコードがとても美しく響きます。ハワイのイメージとは異なる方向に行ってしまったかもしれませんが、、、
Pop It !
今回の曲順は結構悩みました。ミックスが終わって翌日がマスタリングなので、一晩で決めなければならないのです。最後の曲はちょっと怪しい雰囲気で始まります。しかしサビでいきなりポップに展開します。エンディングのアレンのソロが本当に素晴らしい。フェードアウトするのがもったいないです。
今作のタイトル『Munity』は、“Music”と”Unity”を掛け合わせた造語です。“音楽を通じて1つになる”という意味を込めました。音楽の心地よさは音が出た瞬間に伝わります。何の前知識も必要なく、あたまで考える事もなく。思えば随分と不思議なコミュニケーションの手段です。人間は国境や文化といった枠を超えたどこか深い所で、実はみんな繋がっているのかもしれません。その音楽を生業として何十年も歩んで来られた事の幸せを、このアルバムを通して皆さんと分かち合う事が出来たら、それは本当に素敵な事だと感じる今日この頃です。
2016年1月吉日 神保 彰
<録音クレジット>2015年10月~11月ロサンゼルス
All songs are produced, written, arranged & programmed by Akira Jimbo
Except “Munity” co written by Yukari Jimbo
Special Guest : Richard Elliot (Tenor sax on track 1 & Soprano sax on track 4) Recorded & Mixed by Talley Sherwood at Tritone Studio (Glendale, CA) Mastered by Gene “The Machine” Grimaldi at Oasis Mastering (Burbank, CA) Recording Coordinated by Keisuke Nakai for Songbirds Inc.
Akira Jimbo plays YAHAMA Drums, Zildjian Cymbals, REMO Drum Heads,
Vic Firth Drum Sticks and Groove Booster.
Richard Elliot appears courtesy of Heads Up International / Concord Music Group
【Munity/神保 彰/ハイレゾ】
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