ロンドンの英国王立音楽院と同大学院で学び、すでに数々の協奏曲やリサイタルで客席を魅了してきた柳田茄那子さんが、名ピアニスト居福健太郎さんとともに、さらなる高みに羽ばたく。
20世紀を代表するヴァイオリニスト、ハンガリー出身のジョルジュ・パウクのもとで磨きをかけた基礎的なメカニック、音楽的なテクニックが花開いたと評すべきか。日本音楽財団貸与の銘器ストラディヴァリウスSamazeuilhサマズィユの音色も、シューベルトと時空を超えた小品を組み合わせた選曲も素敵だ。
曲の様式美を嫌味なく、無理なく紡ぐヴァイオリンで、音楽の句読点に意を払ったフレージングが心地よい。古典組曲の構成に想いを寄せた鮮やかなイザイ、ドビュッシーの世界とも相愛の若き日の武満徹。いずれも聴かせる。彼女は、私が私がと主情を強く掲げた恣意(しい)的なヴァイオリンを弾かない。曲の表面をなぞることでよしとしない。(奥田佳道)
【スオノ・エテルノ 〜永遠の音〜 Vol.1/柳田茄那子, 居福健太郎/ハイレゾ】
1 柳田茄那子[ヴァイオリン], 居福健太郎[ピアノ], フランツ・シューベルト[作曲]
2 柳田茄那子[ヴァイオリン], 居福健太郎[ピアノ], フランツ・シューベルト[作曲]
3 柳田茄那子[ヴァイオリン], 居福健太郎[ピアノ], フランツ・シューベルト[作曲]
4 柳田茄那子[ヴァイオリン], 居福健太郎[ピアノ], フランツ・シューベルト[作曲]
5 柳田茄那子[ヴァイオリン], ウジェーヌ・イザイ[作曲]
6 柳田茄那子[ヴァイオリン], ウジェーヌ・イザイ[作曲]
7 柳田茄那子[ヴァイオリン], ウジェーヌ・イザイ[作曲]
8 柳田茄那子[ヴァイオリン], 居福健太郎[ピアノ], 武満徹[作曲]
9 柳田茄那子[ヴァイオリン], 居福健太郎[ピアノ], ニコロ・パガニーニ[作曲]