17世紀には教会のミサや典礼の最初に演奏され、ファンファーレ風な役目を負うこともあるトッカータ。オルガンやチェンバロなど鍵盤楽器のみならず、ハープのような撥弦楽器などの様々な発音機構の音色を操り、バッハ以前の中世・ルネサンス音楽のレパートリーを持ち、実際に即興演奏や17世紀宗教曲でトッカータを演奏してきた西山。彼女ならではの「切り口」は、楽譜からの音楽を受け身として弾くだけではない、生命を宿した音の連なりと力強い響きに満ちている。若さみなぎるバッハの情熱と野望を感じずにいられない7つの傑作トッカータ集。
使用楽器:タスカン・モデル(1997年ブルース・ケネディ制作)
基準ピッチ:A= 415Hz
録音会場:神奈川県立相模湖交流センター
録音日:2018年12月19日-21日
録音フォーマット:24bit 192kHz
西山まりえ(チェンバロ)
チェンバロとヒストリカル・ハープ、2種の古楽器を自在に操る希有なプレーヤーとして世界的に知られ、数多くのコンサート、音楽祭や録音に参加。ルネ・ヤーコプス、ボブ・ヤング、「チーフタンズ」 のパディ・モローニ、カルロス・ヌニェス、ミカラ・ペトリ、コリーナ・マルティ、山下洋輔、波多野睦美、アンサンブル「アントネッロ」など、幅広いジャンルに渡る音楽家との共演は常に多くの 反響を呼んでいる。また音楽番組、教養情報番組などTV出演も多い。 国内外レーベルへの録音も多く、「バッハ インヴェンション&シンフォニア」「バッハ イタリア協奏曲&フランス風序曲」「スカルラッティ 鍵盤の魔術師」以上はすべて「レコード芸術」誌特選盤。「バッ ハ イギリス組曲」「バッハ ゴルトベルク変奏曲」「バロック・ハープとの出会い」は、同誌準特選盤ほか、朝日新聞、毎日新聞などで採り上げられた。スペイン「エンキリアディス」レーベルより 欧州で発売されたCD「ファンタシーアの奏法~イベリア半島の鍵盤音楽」は「リトゥモ」誌(スペイン)の最優秀推薦盤に選ばれる。中世音楽のスペシャリストとしての評価も高く、ゴシック・ハー プとオルガネットを奏するCD「トリスタンの哀歌」は「レコード芸術」誌準特選盤、「ステレオ」特選盤、「音楽現代」推薦盤、「朝日新聞視聴室」個性派盤に選ばれた他、「BURRN!」「フォーブス」「ミ セス」「サライ」「暮らしの手帖」などの一般誌でも紹介され、古楽を多くの聴衆に広めている。2018年にリリースされた最新アルバム「C. B. バルバトル:クラヴサン曲集 第1巻」は、朝日新聞推薦 盤、『レコード芸術』誌特選盤に選ばれた他、様々な雑誌で採り上げられ話題となっている。東京音楽大学ピアノ科卒業、同大学研究科修了後、ミラノ市立音楽院、バーゼル・スコラ・カントールム に留学。第11回山梨古楽コンクール・チェンバロ部門第1位(第23回同コンクール審査員)および栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。古楽ワークショップ「信州アーリーミュージック村」芸術監督。『レ コード芸術』誌「読者が選ぶピープル2007」、HMV「2008年度期待のアーティスト5名」に選出される。現在、武蔵野音楽大学非常勤講師として後進の指導にあたっている。
【J.S.バッハ: トッカータ集 BWV 910-916/西山まりえ/ハイレゾ】