【「High Resolution Soundtracks Real Boot Modulation -CHAOS;CHILD OST-/音楽:阿保 剛」】
【阿保 剛 コメント】
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①『CHAOS;HEAD』に続く、シリーズ最新作の制作にあたって
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舞台や世界観など、音のイメージは『CHAOS;HEAD』から引き継いでいます。
前作は初期段階に、幾つかのサウンドの方向性やイメージ等をプロデューサから指定がありましたが、
本作ではシナリオ読みからのサウンドリストの制作、そして音による世界観の構築まで担当させて頂きました。
その中で静と動、色で言うと黒と白。それらを意識して楽曲制作をしました。
全体的に明るい曲は少な目に、全体的に暗めの雰囲気で統一しています。
制作環境は従来通りMacPro上のCubase+REASONです。
日本映画のようなサイコホラーのジャンルは、比較的好きだったりします。
物語を印象づけたり、雰囲気を出す為にサウンド面は重要な演出だと思っていますので、明暗に関わらず作りがいがあります。そしてアンビエント的な暗さや重さの楽曲も好きなので、作っていて楽しいジャンルです。
『CHAOS;CHILD』は特にホラー要素を意識しています。よく聞くと曲中に悲鳴が入っていたりもしますので、ハイレゾ環境で細部まで是非聞いてみて下さい。
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②本作でのハイレゾ化の作業、そして楽曲について
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『CHAOS;CHILD』は当初からハイレゾ化を意識して制作してました。
楽曲製作中もハイレゾ環境で作っていたようなものですので、ハイレゾ化の作業は今までで一番スムーズでした。
一番始めに作ったPV曲「RE:START」はイメージを固める為と、PV映像に合わせる為に展開を考えたので思い入れ深いです。
「FAIRY'S DANCE」は開発初期にシナリオからのインパクトで作った曲でして、
見えない恐怖の中で展開していく物語とのリンクを意識してみました。
「VIEW POINT」「COUNT DOWN」「PEAK LEVEL」は三部構成的な段階付けで作った思い入れある曲です。
「INSPECTION」「AN INTERFERER IN WHITE」もセット曲で、物語に進展があり加速していく様子をイメージして作ったお気に入り曲です。
「HE IS ...」は勢いもあって作った思い入れある曲です。不可思議な世界観を拡大させて作りました。
「LAST LINE -SHIBUYA-」は前作『CHAOS;HEAD』からの唯一のアレンジ曲であり、お気に入り曲です。何故この曲を持って来たのかは、是非『CHAOS;CHILD』ゲーム本編で体験して頂ければ、と思います。
【阿保 剛 プロフィール】
豊富なゲームサウンドシステム知識を有し、全てのコンシューマーゲームハードの内蔵音源の様々な特性を最大限に生かした音色遣いで定評。洗練されたメロディセンスで、キャッチーで切ない楽曲や、スタイリッシュなEDM系、恐怖やホラーを表現するものまで、それぞれが強い世界観を持つゲーム原作の世界に呼応する、音響的かつ幅広い作風を持つ人気ゲームミュージック作家。1992年よりパソコン/コンシューマーゲームのBGM制作をスタート。その後、KID、5pb./MAGES.等で数多くのゲームタイトルの BGM/効果音を統括的に制作し、メインコンポーザとして活動。代表作は「Memories Off」シリーズ、「Ever17」等のInfinityシリーズ、「CHAOS;CHILD」や「STEINS;GATE」「ROBOTICS;NOTES」の科学ADVシリーズなど多数。「STEINS;GATE」「ROBOTICS;NOTES」はアニメ版の劇伴制作にも参加。現在も常に新作と向き合い続け、年間200曲ペースの制作活動を精力的にこなす。
【High Resolution Soundtracks CHAOS;CHILD/阿保剛/ハイレゾ】