2016年7月、インドネシアはアチェの大学で料理を専攻する女子大生ノラ・ナディアと出会った。彼女とその年の暮れ、2004年のスマトラ沖地震による津波で沿岸から4キロ内陸へと流されてきた巨大な船が震災遺構として公開されている村で、いっしょにおしるこを作って地域の人たちにふるまった。2017年、再会した彼女から、実は将来自分のレストランをもつのが夢なのだと聞き、ウェブ上に「ノラの夢のレストラン」という架空のレストランのウェブサイトを公開、スマトラ沖地震から13年ということを踏まえ、13年後の食事の予約をとるという企画を行った。2018年、アチェのランプロという村にある津波で二階に乗り上げた船をモチーフに制作した屋台「ワルン・カパル(船屋台)」を使い、とうとう彼女は自分の店を手に入れた。「チキンテリヤキ」「アチェ風タコ焼き」など和食とインドネシア料理が融合する不思議なメニューを提供する店だ。2019年、こどもたちがペイントしたどんぶりでラーメンの早食い大会を開くという企画を考えた彼女と歌を作ることにした。歌詞はアジジ、ケム、パルディという3人のアチェの若者たちが手伝って出来上がった。パルディは初めてにもかかわらずラップで参加している。
【ワルン・カパル/ノラ・ナディア feat. パルディ・カルリザ&門脇篤/ハイレゾ】