サックスの名手によるメロウなスピリチュアル・ジャズ

フルート、クラリネットも操るマルチなサックス奏者、エンリコ・ゲラルディ率いるスピリチュアル・ジャズ・プロジェクトの新作がイタリアALFA MUSICより登場！

エンリコ・ゲラルディは1954年イタリアのピサ生まれ。幼い頃より木管楽器に触れていた彼は大学卒業後一度は銀行に就職するも3年後に音楽業界に進むという経歴を持つサックス奏者で、イタリアの重要ジャズメンであるジェラルド・イアコーチ、ブルーノ・トマソ、リカルド・ファッシらと共演する等華やかなジャズ・キャリアを送ってきた。今作が8枚目のリーダー作で、シャンティ・プロジェクトとしては2枚目の作品となる。参加メンバーのピエルパオロ・プリンチパート(P)はジャンニ・サヴェッリの作品、ステファノ・カンタラーノ（B）はリカルド・ファッシの作品と、それぞれALFAからのリリース作に参加している。

”シャンティ”とはサンスクリット語で内なる平和や穏やかな不動性を意味する単語で、ヨガ等東洋の精神世界に精通しているゲラルディの思考とジャズを組み合わせたのが今プロジェクト。とはいえ東南アジアっぽい旋律やサウンドが多く出てくるわけではなく、従来のジャズの枠組みに飽き足らない広い音楽性で精神世界を表現する、といったようなスピリチュアルでスケールの大きなサウンド・スケープが展開されている。数々の木管を軽やかに操るゲラルディのプレイに加え、メロウで歌心溢れるフレージングが素敵なプリンチパートのピアノにも要注目！

オススメは、メロウさと疾走感が良い2曲目、穏やかな3曲目、スリリングな4曲目、爽やかな8曲目。

スピリチュアル・ジャズ・ファンはもちろん、ワールド・ミュージック好きも心を動かされる要素があるのでは。壮大な世界観とメロウなフレーズが光るスピリチュアル・ジャズの好盤！

Enrico Ghelardi (bass clarinet, soprano sax, flute, bass recorder)
Pierpaolo Principato (piano)
Stefano Cantarano (bass)
Massimiliano De Luca (drums, percussions)