オランダ出身/伊ボローニャ在住、クール&ハードバップ・テナーの雄=バーレント・ミッデルホフによる、テナー/トロンボーン/ピアノ編成の<新クール・チェンバー・ジャズ>。90年代初頭よりオランダ、ニューヨーク、パリ、イタリアへと活動の幅を広げてきたミッデルホフの温かく説得力に満ちたトーン、優れたアレンジャーとして知られアンサンブルの粋を心得たモルガンティのトロンボーン、シンプルかつ的確なプレイで音楽の重心をキープする正統派ハードバッパー=メンチのピアノによって、音楽は有機的に刻々とその表情を変える。
A new “Cool Chamber Jazz” project in a less common trio format: tenor sax, trombone and piano, led by Dutch saxophonist Barend Middelhoff, whose career spread over countries: from the Netherlands, New York, Paris to Bologna Italy, where he is now resident. The music has an organic structure in its harmony, sequentially transforming itself, together with Massimo Morganti on trombone and Nico Menci on piano. The album contains 6 new compositions and 2 standards, including a beautiful velvet tune “Nothing to Lose” originally composed by Henry Mancini.
テナー、トロンボーン、ピアノという組み合わせは珍しいが、聴いてみると意外なほどしっくり響いて来る。フリー系の即興ではなくて、むしろウェストコースト系といってもいい、大人の対話が聴ける演奏だ。欧州のミュージシャンらしく楽器コントロールは完璧だし、ソロの構成もアンサンブル部分とのバランスも見事にコントロールされている。通好みのハイレベルな演奏といってもいい。特に、楽器の演奏に興味のある方にはぴったりの一枚。フロント二本が時にユニゾン、時にアンサンブルを奏で、ピアノがバッキングするというパターンで即興部分へ突入する。テナーの音色は明らかに後期スタン・ゲッツの影響が大きい。(瀧口秀之)
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【THE CAUSE OF THE SEQUENCE/MIDDELHOFF - MORGANTI - MENCI/ハイレゾ】