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大坂昌彦プロデュース!ジャズシンガー、森岡典子による「Bop & Pop」な新作!

2018/03/07
国際特許事務所勤務のキャリアウーマンからジャズシンガーに転向した異色の経歴。森岡“マレーネ”典子のニックネームのとおり、往年の大女優マレーネ・ディートリヒを思わせる長身のジャズ・ビューティー。


『In The Still Of The Night』
/森岡典子



ニューヨークを往き来する中で着想を得た“Bop & Pop”をアルバム・コンセプトにバップ・ナンバーはもちろん、ポップスのバップ風アレンジにも挑戦。大坂昌彦をプロデュースに迎え、深みのあるヴォーカルを聴かせる本格派ジャズ・ヴォーカルアルバムが遂に完成。

【パーソネル】
森岡典子(Vo)
大坂昌彦(Ds)/山田拓児(AS)/サイモン・コスグローヴ(AS)/西口明宏(TS)/岡崎好朗(Tp)/熊谷泰昌(P)/矢藤亜沙巳(P)/宮上啓仁(B)/山口友生(G)




ジャズドラマーとしてだけでなく、プロデューサーとしても手腕をふるい、日々のセッションの中で新たな才能を見出す大坂昌彦プロデュースによる、女性ジャズ・ヴォーカリスト森岡典子のニューアルバム。エンジニアに塩田哲嗣を起用し、深みのあるヴォーカルを聴かせる、こだわりの本格派ジャズ・サウンドを追求。

「癒しの声」「ヒーリング・ヴォイス」と定評のある森岡典子は、国際特許事務所勤務のキャリアウーマンから転向した異色の経歴を持つジャズ・シンガーで、森岡“マレーネ”典子のニックネームのとおり、往年の大女優マレーネ・ディートリヒを思わせる長身のジャズ・ビューティー。

日本の女性シンガーには比較的珍しいバップ・ナンバーに挑戦。またスティービー・ワンダーやビリー・ジョエルらのポップスをバップ風にアレンジしたナンバーも歌いこなし、ヴォーカリストとしてのスキルの高さがうかがえる名盤に仕上がりました。また本作では、ニューヨークでの経験を回想しながら自ら作詞した初のオリジナル・ナンバー「New York Rhapsody」を収録。



【ライナーノーツ】
“Bop & Pop”をコンセプトにした森岡“マレーネ”典子の新しいヴォーカル・アルバム


国際的キャリアの英語力抜群のジャズ歌手森岡“マレーネ”典子は数年前から高名なジャズ・ドラマー大坂昌彦のプロデュースによるアルバム制作や、大坂を中心とする自己のリーダー・ユニットによるライブで研鑽を積み、度々ニューヨークに渡ってヴォーカルの研修を重ねてきた。今回ジャズの原点Bopの有名曲を英語詞で歌うと共に、PopなメロディーをBop的アレンジでスキャットも交えて取り組むという“Bop & Pop”という新しいコンセプトを思い付き、大坂と選曲とアレンジメントを相談してレパートリーを決定し、大坂のプロデュースでレコーディングを完成させた。初のメジャー・デビューを飾る本アルバムは、チャーリー・パーカーやセロニアス・モンク、マイルス・デイヴィスらのBop曲にスキャットを交えて歌い込むという日本人歌手としては殆ど初の挑戦を実現した。一方スティーヴィー・ワンダーやバート・バカラック、ミシェル・ルグランらのPop曲をジャジーなアレンジで取り組むと共に、コール・ポーターのスタンダード曲も加えた全12曲、ジャズ・ヴォーカルの新旧の本道をいく意慾的な新アルバムが完成した。

今回のレコーディングに際しては、大坂昌彦(ds)を中心とするピアノ・トリオを主体に、曲によりギターを加えてリズムを増強し、さらにジャズ的サウンドを出すために、ホーン奏者4人を曲によって参加せしめて絶妙のホーン・アレンジを施している。曲趣により微妙に変化するバラエティに富んだ森岡の声質と演奏者のサウンドを最高に表現するために音響エンジニア塩田哲嗣を起用した音響面の成果にも注目して欲しい。 森岡“マレーネ”典子の詳細な経歴と演奏ミュージシャンの紹介については別掲を参照願いたい。

彼女の芸名“マレーネ”は、長身美形の容姿が往年の大女優歌手マレーネ・ディートリヒを彷彿させると名付けられたもので、是非彼女のライブの舞台に接して実感して頂きたい。

〔歌唱曲目について〕
各曲についてマレーネから歌唱観を貰ったので曲解説に含めて紹介したい。


1.イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト(夜の静けさに)
「サンバの軽快なアレンジで都会的なサウンドにバックで七色に変化する大坂さんのドラムが素晴らしい」(森岡)

1937年、コール・ポーターが映画『Rosalie』に作曲してネルソン・エディが歌い、トミー・ドーシー楽団のスウィート・トロンボーンにジャック・レナードの唄がヒット。ジョー・スタッフォードやエラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラ版もある。 ポーターらしく4部構成全72小節と長いが、メロディーは判り易く親しみ深い。3管のホーン(as, ts, tp)が、モダンで軽快なサウンドで唄声を包み込む好調なオープニングだ。

2.パート・タイム・ラヴァー
「原曲のもつ刹那の享楽的なイメージとは打って変わったアレンジで、内省的で奥行きのある世界観が感じられるように歌いました」(森岡)

森岡の好きなスティーヴィー・ワンダーの1985年の大ヒット曲。3リズムだけの静かなバックで、森岡のシリアスな唄声が生きる。

3. フォア
「本作のコンセプトである“Bop & Pop”の象徴的なナンバーで、大坂さんの小気味良いアレンジが半日位でアッという間に完成。ライブでの人気ナンバーになっています」(森岡)

マイルス・デイヴィスの1950年代ジャズの「DIG」と並ぶ代表曲で、ジョン・ヘンドリックスの詞がついて、アニタ・オデイらが歌った。3リズムにトランペット、アルト・サックス、テナー・サックスの3管が加わり、ハード・バップ的なサウンドを繰り広げる。先ず英語詞で1コーラス(32小節)歌い、次いでスキャットで1コーラス、見事に気分を出す。次いでピアノ~テナー・サックス~トランペット~アルト・サックスの順でソロをとっている。

4.ミッドナイト・サン
「ライオネル・ハンプトンの曲を幻想的なテイストに仕上げました。西口さんの存在感のあるテナーと矢藤さんの女性らしいピアノの音色に大坂さんのマレットと宮上さんのベースが絶妙に絡んで、とても心地よく歌えました」(森岡)

1947年、ハンプトンとソニー・バークが作曲し、初演からハンプトンの十八番となって大ヒットした。AABA形式だがAが14小節、半音階下降の続く難曲で、雪山と真夜中の太陽を描写した色恋のない曲で、54年にジョニー・マーサーの詞がついた。ジューン・クリスティのアルバム『Something Cool』の唄が定番で、エラ、カーメン版もある。ピアノとテナー・サックスが絡んで森岡がファンタジックに歌う本曲は、日本人歌唱の秀逸といえるだろう。

5.ザ・ウィンドミルズ・オブ・ユア・マインド(風のささやき)
「ミシェル・ルグランの難曲で、何度も試行錯誤を重ねてアレンジを練り上げて頂き、ようやく自分のものになりました。後半ドラマティックに展開します。アルバム中でも、ずっしり聴きごたえのある曲に仕上がったと思います」(森岡)

1968年、映画『華麗なる賭け』の主題歌でアカデミー主題歌賞を得た。ジャズとヨーロッパ的エレガンスが見事に融合した曲。3リズムにソプラノ・サックスを加えたジャズ的サウンドに巧みに呼応して歌う。

6. ストレイト、ノー・チェイサー
「モンクのブルース・ナンバーを3管とヴォーカルとドラムの掛け合いパートも入れてゴージャスに仕上げたところを楽しんで頂きたいと思います」(森岡)

セロニアス・モンク(p)が1951年、アート・ブレイキー(ds)やミルト・ジャクソン(vibe)とブルーノートに録音した12小節のリフ・ブルースで、50年代後期クインシー・ジョーンズやオリヴァー・ネルソンの編曲でヒットした。歌詞がついてカーメンがモンク曲集で歌っている。3リズムにアルト・サックス、テナー・サックス、トランペットの3管ジャズ・サウンドにのって、中間部スキャットとドラム・ソロとの掛け合いで盛り上げる。

7. ニューヨーク・ラプソディー
「本年(2017年)夏に約1ヶ月間ニューヨークに留学し、帰国後直ぐに思い浮かんだオリジナル曲で、私が作詞し、大坂さんが本当にメロディアスで抒情的な作曲をつけてくれました」(森岡)

3リズムでしっとりと歌い、矢藤の抒情的なピアノ・ソロを経て、第2コーラスをスキャットで始めサビから詞をラプソディックに歌う。

8. レイトリー
「2曲目と同じスティーヴィーの曲をソフト・ラテンにアレンジし、明るい曲調の中に歌詞の語る物悲しさを出すように努めました。ギター(山口)とアルト・サックス(山田)の彩りが曲調にぴったりきます」(森岡)

スティーヴィー・ワンダーの1981年の作で1993年MTVで大ヒットし、R&B部門首位に立った。ギターを含む4リズムにアルト・サックスが加わる軽快なボサ・ノヴァ・リズムで、軽やかに歌っている。

9. ホワット・アー・ユー・ドゥーイング・ザ・レスト・オブ・ユア・ライフ(これからの人生)
「メロディーと歌詞の双方に惚れ込んだ曲で、前半ベース(宮上)とのデュオにチャレンジしました。人生の奥深さ、重厚さを現わすよう努めました」(森岡)

1969年、映画『Happy Ending』主題歌で、ジャズ版が多い。ルグラン自身の編曲したサラ・ヴォーンはじめ、カーメン、アニタ、シナトラ、カーリン・クローグ版と数多い。3リズムだけのバックで、中間にベース・ソロを含めて全篇しっとりと歌う。

10. オーニソロジー~ハウ・ハイ・ザ・ムーン~チカディー
「メドレー3曲目の『チカディー』は大坂さんの1998年のベスト・セラー・アルバム『Walkin’ down Lexington』に収録されたオリジナル曲。作詞はグラミー賞に輝いたニューヨーク・ヴォイセズのキム・ナザリアン。20年の時を経て私がカバー出来て光栄に感じます」(森岡)

Bop調の3曲メドレーというユニークな構成で「Ornithology(鳥類学)はチャーリー・パーカーの1946年のDial盤で有名なBop曲。アンソニー・プロビューの英詞で森岡は見事に歌う。続いて「Ornithology」作曲の源となったといわれるコード進行をもつ「How high the moon」を歌い、ピアノがアドリブをとる。次いで大坂のオリジナルBop曲「Chick-A-Dee」をキム・ナザリアンの英詞で表現する。

11. アルフィー
「バカラックの名曲をUp Jumped Springのようなイメージで歌いたい」という私の希望通りに優しい風合いのジャズ・ワルツに仕上げて貰いました。トランペット(岡崎)の鳥の羽毛のようにふんわりとした音色が切なく美しいと思います」(森岡)

1966年の同名映画主題歌でシェールが歌い、ディオンヌ・ワーウィックがヒットし、カーメンやアンディ・ウィリアムスまで歌った。3リズムにトランペットが加わり森岡の愛好するフレディ・ハバードのようなミュート・プレイを聴かせる。

12. ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー(素顔のままで)
「本作のメイン・コンセプト“Bop & Pop”に副って、ビリー・ジョエルをポップなジャズにアレンジして、ドライブ向きのさわやかなイメージを出すように歌いました」(森岡)

1977年の大ヒット曲で、ジャズのクレオ・レーンや石川セリの唄が良かった。3リズムにアルト・サックスを加えてソフトに歌いかける。

瀬川昌久



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