PC SP

ゲストさん

NEWS

大村憲司 配信限定アルバム『ヴェリイ・ベスト・ライヴトラックス』配信!

2018/02/28
急逝から20年経った今もなお、絶大な支持を集めづける唯一無二のギタリスト大村憲司。 数多くのライヴトラックから、配信限定アルバム『ヴェリイ・ベスト・ライヴトラックス』がついに配信開始!


『大村憲司 ~ ヴェリィ・ベスト・ライヴ・トラックス (PCM 96kHz/24bit)』大村憲司



1998年の逝去以来20年、その評価がますます高まる大村憲司。 今ここにいないということがこれほど喪失感を伴うギタリストはめったにいないだろう。 渡辺香津美、鈴木茂など同世代の名手たちが還暦を超えて円熟のプレイを しているのを見るにつけ、大村憲司が生きていたら、と思わずにいられないのである。 獅子座流星群に連れて行かれたあの時、日本の音楽は大事なものを失った。 そして、親交のあるミュージシャンたちは“憲司がいないのは困る”と口々に語った。 彼らの胸にあいた穴はそれ以来決して埋まることはない。それはファンも同じである。

大村憲司は1949年5月5日、神戸に生まれた。
71年に赤い鳥の『スタジオ・ライブ』に参加したことがプロ活動のスタート。
73年から本格的にスタジオ・ワークを開始し、生涯を通じて厖大な数のレコーディングやライブに参加している。
80年には高橋幸宏の誘いでYMOのワールド・ツアーに帯同。
当時のライブは頻繁にテレビ中継されたが、ストラトキャスターで朗々と泣きのギター・ソロを 弾く「MAPS」は衝撃的で、大村憲司の名を全国区にした。
ソロ・アルバムは4枚発表。 中でもハービー・メイスンのプロデュースによりLAでレコーディングされた『KENJI SHOCK』 (78年)と自らのプロデュースによる『春がいっぱい』(81年)は傑作として 名高い。
80年代以降はプロデュースやアレンジの仕事も多くなり、大江千里、井上陽水、 大貫妙子、EPO、柳ジョージなど多くのアーティストを手がけている。

この配信限定アルバムは、
・男が女を愛する時~ベスト・ライヴ・トラックスIII
・大村憲司バンド(ポンタ・セッション・4デイズ!)~ベスト・ライヴ・トラックスIV
・25周年ライヴ~ベスト・ライヴ・トラックスV
・ケンポン・バンドライヴ~ベスト・ライヴ・トラックスVI
・レインボウ・イン・ユア・アイズ~ベスト・ライヴ・トラックスVII
以上5タイトルの既発売CDアルバムから、選りすぐりのトラックを、 ハイレゾリューション音源(CDを超えた高音質)へのマスタリングを行い、 アルバム化した音源です。(※上記アルバムのe-onkyo musicでの配信はありません)


《収録曲》
1.Left-Handed Woman レフト・ハンディッド・ウーマン (シリーズIVより)

曲:大村憲司

パーソネル:大村憲司(G)/村上“PONTA”秀一(Ds)/高水健司(B)/続木 徹(Key)/重実 徹(Key)

2.When a Man Loves a Woman 男が女を愛する時 (シリーズIIIより)

曲:Calvin Lewis/Andrew Wright パーソネル:大村憲司(G)/村上“PONTA”秀一(Ds)/高水健司(B)/続木 徹(Key)/重実 徹(Key)

3.Georgia on My Mind ジョージア・オン・マイ・マインド (シリーズVIより) 曲:Hoagy Carmichael パーソネル:大村憲司(G)/村上“PONTA”秀一(Ds)/高水健司(B)/佐藤 博(Key)

4.Leaving Home リーヴィング・ホーム (シリーズVより)

曲:大村憲司 パーソネル:大村憲司(G)/村上“PONTA”秀一(Ds)/青木智仁(B)/小林信吾(Key)

5.Charlotte シャーロット (シリーズIVより)

曲:大村憲司

パーソネル:大村憲司(G)/村上“PONTA”秀一(Ds)/高水健司(B)/続木 徹(Key)/重実 徹(Key)

6.Spring Is Nearly Here 春がいっぱい (シリーズIIIより)

曲:Brian Bennet/Bruce Welch パーソネル:大村憲司(G)/村上“PONTA”秀一(Ds)/高水健司(B)/続木 徹(Key)/重実 徹(Key)

7.Everyday I Have the Blues エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース (シリーズVIより) 詞曲:Peter Chatman パーソネル:大村憲司(G&Vo)/村上“PONTA”秀一(Ds)/高水健司(B)/佐藤 博(Key)

8.Tokyo Rose トーキョー・ローズ (シリーズVIIより)

曲:大村憲司 パーソネル:大村憲司(G)/村上“PONTA”秀一(Ds)/青木智仁(B)/小林信吾(Key)

9.Summertime サマータイム (シリーズVIIより)

曲:George Gershwin パーソネル:大村憲司(G)/村上“PONTA”秀一(Ds)/青木智仁(B)/小林信吾(Key)

10.The Lady in Green ザ・レディ・イン・グリーン (シリーズVより)

曲:大村憲司 パーソネル:大村憲司(G)/村上“PONTA”秀一(Ds)/青木智仁(B)/小林信吾(Key)

《解説》
1.Left–HandedWoman (1989.12.30 神戸チキンジョージ)
78年の2ndソロ・アルバム『KENJI SHOCK』に収録されていたオリジナルで、 フュージョン時代の憲司を代表するギター・インストゥルメンタル。
ライブの定番としてたびたび演奏されてきたが、このテイクは極めて完成度が高い。 跳ねる村上のドラムと安定感抜群の高水のベースがあってこそだろう。

2.When a Man Loves a Woman (1989.12.29 神戸チキンジョージ)
す〜っと忍び込むように始まり、絶妙な間(ま)で歌い出すプレイはまさに憲司節で、 最初の1小節だけで聴く人を鷲づかみにしてしまう。
一貫してストラトのクリーン・トーンでプレイし、 ボリューム奏法を巧みに取り入れながら、静かに歌い上げる名演。
11分超えの長丁場を少しも飽きさせない。 終盤のテンポ・チェンジ後は村上のドラムと呼応しながら、 複音奏法とカッティングで盛り上げていく。まさにこの二人ならではのグルーヴだ。

3.Georgia on My Mind (1998.3.3 神戸チキンジョージ)
レイ・チャールズの名唱でよく知られたホーギー・カーマイケル作曲による ジャズ・スタンダード。
憲司の歌ものカバーの十八番で、『best live tracks』シリーズでも いくつかのバージョンが聴ける。
もう何百回と演奏した曲であろうが、この曲を心から愛していた憲司は プレイするたびに感慨を新たにしたに違いない。
イントロの佐藤 博のピアノが絶妙。 憲司が最高に気持ちよく弾けるように導いていくその歌心が素晴らしく、 憲司もそれに見事にこたえて気合いの入ったギターを弾いている。
ことほどさように、このライヴは憲司と佐藤がお互いを引き立て合うように 進行する場面が多く、一番の聴きどころとなっている。

4.Leaving Home (1997.4.26 六本木ピットイン)
“ベスト・ライヴ・トラックス”シリーズではすっかりお馴染みとなった 憲司のオリジナル・インストゥルメンタル。 故郷神戸を思って作曲したというメロディアスなインストゥルメンタルである。
ここでは、ややテンポダウンしてタメを効かせたギターが聴ける。 エレアコで演奏されることが多いこの曲だが、ここではストラトキャスターを使用。
5.Charlotte ( 1989.12.30 神戸チキンジョージ) 60年代ロックへのオマージュとして作ったという憲司のオリジナル。 幻想的でダークな曲調に憲司の音楽性の幅広さがうかがえる。
エコーをたっぷりとかけて朗々と歌い上げる長尺のインプロヴィゼーションが圧巻。 感極まってフレーズがアウトしていく瞬間がたまらなくスリリングだ。

5.Spring Is NearlyHere (1989.5.20 神戸メリケンパーク)
憲司がギターを始めたきっかけはベンチャーズだったが、すぐにシャドウズにも惹かれるようになる。
「春がいっぱい」はイギリスではシングルカットされていないが、日本では67年にリリースされ彼らの代表曲として知られている。
憲司は3rdアルバムのタイトルにこの曲を冠して、愛情いっぱいにカバーしていた。
のちのち、ライブではスティーリー・ダン風の洗練されたシャッフルにリアレンジされて演奏されるようになる。
ここに収録されたのは、89年5月の“里帰りコンサート”でのバージョン。 きらびやかな倍音に彩られたのびやかなトーンが鮮烈だ。

7.Everyday I HavetheBlues (1998.3.2 六本木ピットイン)
B.B.キングの代表曲で、憲司の十八番。 普段はかっちりしたシャッフルで演奏される曲だが、ここでは佐藤のピアノに 引っ張られるようにニューオリンズ風のファンキーなリズムでプレイされている。
そのせいか憲司のギターはいつもよりハネ気味で、切れ味も鋭い。 ボーカルはもちろん憲司。 腹の底から飛び出るような第一声に、憲司のボーカリストとしての円熟を感じる。
中盤の佐藤の長尺のピアノ・ソロも聴きどころだ。

8.Tokyo Rose (1997.4.12 神戸チキンジョージ)
晩年の入院中に書かれた憲司のオリジナル。
「東京ローズ」は、戦時中に日本が連合国向けに行なっていた対敵宣伝放送のアナウンサーの愛称だが、アメリカ文化と日本人の関係に一家言持っていた憲司らしいタイトルである。
エリック・クラプトン・ストラトにワウをかけた分厚い音が耳に残る。
ちなみに、「トーキョー・ローズ」は残存しているテイクがふたつしかなく、もう一方は『リーヴィング・ホーム~ベスト・ライヴ・トラックスII(ビクターよりリリース)』 に収録されている。

9.Summertime (1997.4.26 六本木ピットイン)
ジャニス・ジョプリンの名唱でも知られるジョージ・ガーシュウィン作曲の ジャズ・スタンダード・ナンバー。
憲司流の解釈によりグルーヴィでエモーショナルな インストゥルメンタルに変貌している。 エリック・クラプトン・ストラトキャスターによる演奏で、 ミッドをブーストした憲司ならではのトーンがのびのびとよく歌っている。

10.TheLadyinGreen (1997.4.26 六本木ピットイン)
ゆったりとしたハチロク(6/8拍子)で演奏される憲司のオリジナル。 ドラマチックなコード進行と美しいメロディが印象に残る。 ここでも流れるようなコード進行を縫って憲司のギターはよく歌う。
ポンタ、青木、小林のバッキングがまた絶妙で、 憲司のギターの息使いをしっかりと感じ取りながら好サポートしている。

解説全文:野口広之(ギター・マガジン編集人)