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【1月31日更新】 ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music

2018/01/31
衛星デジタル音楽放送ミュージックバードで、2017年1月にスタートした番組「ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music」と連動したコラム。音にこだわるオーディオ・ファン、ハイレゾに初トライしてみたいクラシック・ファンのために、「ハイレゾ女子」として活躍する音楽ライター・原典子が、e-onkyo musicから選りすぐりのタイトルをご紹介します。 文◎原典子
2月のテーマ:フランスの色と香り

 あるときは、パティスリーのショーウィンドウに並ぶマカロンの夢見るような色合いにうっとりする。またあるときは、ピンクからブルーへと移ろう夕暮れどきの空を見上げながら「ドビュッシーが曲にした美しい夕暮れは、こんな色だったのかな」と思いを馳せる。このように「フランスの色彩」はいつでも私の心を憧れで満たす。

 2月は「フランスの色と香り」と題したフランス音楽特集。私たちを惹きつけてやまない独特の魅力を、存分に味わっていただきたい。

◆ドビュッシー没後100周年

 まずは、今年没後100周年を迎えるドビュッシーから。すでに続々とアニバーサリー企画の新譜がリリースされているが、なかでもひときわ豪華なのがフランスのERATOレーベルの精鋭たちが集結した『ドビュッシー:ソナタ&トリオ』なる室内楽アルバム。ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)、ベルトラン・シャマユ(ピアノ)、ジェラール・コセ(ヴィオラ)、エマニュエル・パユ(フルート)、マリー=ピエール・ラングラメ(ハープ)、エドガー・モロー(チェロ)の6人が織りなす響きは、えもいわれぬ香気に満ちている。
 チョ・ソンジンによる『ドビュッシー:映像、子供の領分、ベルガマスク組曲、喜びの島』も秀逸。音符の間にある「静寂」まで聞こえてくるような、深く研ぎ澄まされた表現。このピアニストは心の奥底に、自分だけの聖域を持っているのだなと思う。

 ドビュッシーと双璧をなすフランスの作曲家といえばラヴェル。この2人の弦楽四重奏曲をカップリングしたアルバムは数多あるが、エベーヌの次世代となるフランスの気鋭カルテット、ヴァン・カイック四重奏団によるアルバムも要チェックだ。最後のトラックで、ふと思い出したようにメゾ・ソプラノが入り、ショーソンの「はてしない歌」で余韻を残す。
 ラヴェルの色彩美とオーケストレーションを味わいたい方には、昨年の来日も記憶に新しいフィリップ・ジョルダンが、音楽監督を務めるパリ国立オペラ座管弦楽団と録音した『ラヴェル:バレエ「ダフニスとクロエ」(全曲)&バレエ「ラ・ヴァルス」』を。バレエ公演で成功を収めた後に録音された演奏だけあって、物語が生き生きと躍動している。

◆タロー入魂のバルバラ・トリビュート

 フランス音楽といえば「歌もの」が外せない。フィリップ・ジャルスキーがライフワークとしているフランス歌曲集の録音も素晴らしいが、アレクサンドル・タローがシャンソン歌手のバルバラに捧げたトリビュート・アルバム『バルバラ』の充実ぶりにも驚いた。タローは1997年にバルバラが亡くなった際、墓地でファンたちが歌うのを耳にして「いつかトリビュート・アルバムを作る」と決意、20年という歳月をかけて完成させたのだという。ほぼすべての曲に違うシンガーを迎え、ミシェル・ポルタルやモディリアーニ弦楽四重奏団など多彩な共演者とともに作り上げたアルバムには、タローがやりたかったことのすべてが詰まっている。

 今年はクープランの生誕350年のアニバーサリーでもある。セドリック・ペシャのアルバム『フランスのフォリア~クープラン、ドビュッシー&メシアン』で、バロック時代のクープランからドビュッシー、そしてメシアンへと時代を超越した旅に出てみるのもいいだろう。
 ほかにも放送では、リュリやシャルパンティエといったバロック音楽から、マントヴァーニやミュライユといった現代音楽まで、あらゆる時代のフランス音楽をご紹介している。かくしてフランスは、いつの時代も人々を惹きつけてやまないのである。


<ドビュッシー没後100周年>

『ドビュッシー:ソナタ&トリオ』
ルノー・カピュソン(vn) ベルトラン・シャマユ(p) ジェラール・コセ(va) エマニュエル・パユ(fl) マリー=ピエール・ラングラメ(hp) エドガー・モロー(vc)
録音:2016・2017年/ERATO




『ドビュッシー:映像、子供の領分、ベルガマスク組曲、喜びの島』
チョ・ソンジン(p)
録音:2017年/Deutsche Grammophon




『ドビュッシー:管弦楽曲全集』
ジャン・マルティノン指揮フランス放送国立管弦楽団 他
録音:1973・74年/Warner Classics





<ラヴェルの魔法>

『ドビュッシー、ラヴェル:弦楽四重奏曲/ショーソン:はてしない歌』
ヴァン・カイック四重奏団 他
Alpha




『ラヴェル:バレエ「ダフニスとクロエ」(全曲)&バレエ「ラ・ヴァルス」』
フィリップ・ジョルダン指揮 パリ国立オペラ座管弦楽団&合唱団
録音:2014年/ERATO




『ラヴェル:ピアノ協奏曲』
ユジャ・ワン(p) リオネル・ブランギエ指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
録音:2015年/Deutsche Grammophon





<フレンチ・シック>

『フォーレ&フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ』
テディ・パパヴラミ(vn) ネルソン・ゲルナー(p)
Alpha




『管楽器とピアノ ~レ・ヴァン・フランセの真髄』
エマニュエル・パユ(fl) フランソワ・ルルー(ob) ポール・メイエ(cl) ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(hrn) ジルベール・オダン(バソン) エリック・ル・サージュ(p)
録音:2014年/Warner Classics




『ビゼー:アルルの女 第1組曲、第2組曲/カルメン組曲』
アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団
録音:1964年/Warner Classics





<フランスの歌>

『ミラージュ(蜃気楼)』
サビーヌ・ドゥヴィエル(S) フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮 レ・シエクル アレクサンドル・タロー(p) 他
ERATO




『グリーン~フランス歌曲集第2集(ヴェルレーヌ詩による)』
フィリップ・ジャルスキー(カウンター・テナー) ジェローム・デュクロ(p) エベーヌ四重奏団 他
ERATO




『バルバラ』
アレクサンドル・タロー(p) 他
録音:2016・17年/ERATO





<典雅なる響き>

『フランスのフォリア~クープラン、ドビュッシー&メシアン』
セドリク・ペシャ(p)
録音:2007年/Claves Records




『モリエールのオペラ~ジャン=バティスト・リュリの劇場音楽 ~モリエールとリュリ&シャルパンティエのコメディ=バレからの歌曲と器楽小品集』
ジェローム・コレア(指揮、チェンバロ) レ・パラダン 他
録音:2015年/Glossa


『エール・ド・クールの「心」』
ヴァンサン・デュメストル、ル・ポエム・アルモニーク
Alpha





<現代音楽最前線>

『ホライゾン2 ~オリヴィエ・メシアンに捧ぐ』
ジョージ・ベンジャミン、インゴ・メッツマッハー指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:2007・2008年/RCO Live


『21世紀のヴァイオリン協奏曲集~リーム、デュサパン、マントヴァーニ』
ルノー・カピュソン(vn) フィリップ・ジョルダン指揮 ウィーン交響楽団 他
2012・2015年/ERATO


『ミュライユ:水源の分有/残酷物語/航跡』
ピエール=アンドレ・ヴァラード指揮 BBC交響楽団 他
Aeon









【バックナンバー】
<第1回> 違い歴然!ハイレゾで聴きたい名曲名盤
<第2回> ポスト・クラシカルが止まらない!
<第3回> 世界のこだわりレーベル探訪 その1!
<第4回> 春の声
<第5回> 確信犯的クラシック――革新的NEXT GENERATIONS
<第6回> 雨の日の音楽
<第7回> 第7回:世界のこだわりレーベル探訪 その2 ~自主レーベル篇
<第8回> 第8回:エキゾでフォークなクラシック
<第9回> 第9回:来日オーケストラ&演奏家特集2017
<第10回> 第10回:物語から聞こえる音楽
<第11回>
第11回:いま聴きたい弦楽器奏者たち
<第12回>
第12回:話題作&私的ベスト2017
<第13回>
第12回:神々の音楽





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出演者:原典子(はら・のりこ) 音楽に関する雑誌や本の編集者・ライター。上智大学文学部新聞学科卒業。音楽之友社『レコード芸術』編集部、音楽出版社『CDジャーナル』副編集長を経て、現在はフリーランス。『intoxicate』『CDジャーナル』など音楽雑誌への執筆のほか、坂本龍一監修の音楽全集『commmons: schola』の編集を担当。鎌倉で子育てをしながら、「レゾナンス<鎌倉のひびき>コンサートシリーズ」の企画にも携わる。
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