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2013年の最優秀録音「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ」の最新作が待望の配信開始

2018/01/26
去る4年前、第21回日本プロ音楽録音賞「2ch ノンパッケージ部門」最優秀賞受賞作として話題になった「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート 2013」。その新作であるコンサート・ライブ録音「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラコンサート2017」が、待望のリリースとなりました。本作も、前作と同じく、エンジニア・長江和哉氏のチームによるこだわりのレコーディング。スペックも192kHz/24bitにパワーアップしてのお届けです。


『飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート 2017』
/ 飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ




●コンセプトは「あえて指揮者をおかない」

飛騨高山ヴォルトーゾオーケストラは、2005年に、飛騨に縁のある一流演奏家が集結して結成されたオーケストラ。高山市出身の栃本浩規氏(トランペット/東京藝術大学准教授)、下呂市出身の森純一氏(ファゴット/東京フィルハーモニー交響楽団)ほか、国内外で活躍するトップ・プレイヤーたちがずらりと顔を並べるオーケストラですが、その最大の特徴は「あえて指揮者をおかない」こと。コンサートマスターの荒井英治(東京音楽大学教授/ヴァイオリン)が全体の方向を導きながら、「ヴィルトーゾ = 超一流の演奏家」の魂のぶつかり合いによって紡ぎ出されるサウンドが魅力です。メンバー全員が、聴覚・視覚・第六感まで研ぎ澄ませ、針穴に糸を通すように一分の狂いもなくピタッと音を合わせるさまは、まさに圧巻。演目はモーツァルトの交響曲とフルート協奏曲、「スペインのモーツァルト」ことアリアーガの協奏曲、そして糸川玲子によって高山市に敬意を表して作曲された組曲 「飛騨高山」。ハイレゾ音源であれば、その隙のない冴え冴えとしたシャープな音色が、いっそうリアルに伝わってくることでしょう。

指揮者がいないのが特徴のオーケストラ




●会場&楽器&レコーディングのポイント

長江氏いわく、この音源をレコーディングした「飛騨芸術堂」は、非常にすばらしい音響を誇り、「ほかのホールにはない「何か」があるように感じる」とのこと。 メロディはとても明るく響きながらも、中低域の残響はとても暖かく太いのが特徴。また、ホールの表面にも、木工家具の生産が盛んな飛騨らしく、ふんだんに木材が使われており、より飛騨らしさを醸し出しています。 また、今回の第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの各弦楽器のプリンシパルは、「飛騨春慶塗弦楽器」という、江戸時代に高山で生まれた国指定伝統的工芸品の「飛騨春慶」塗りと、ヴァイオリン製作で世界的に有名なイタリアのクレモナ市で製作された「弦楽器」とのコラボレーションにより生み出された楽器を演奏しています。 この木のあたたかみもオーケストラの特徴といえるでしょう。

今回のレコーディングで、長江氏がもっとも重視したのが「メインマイク」。 メインマイクは、ミックス全体の70%から80%のレベルを占めることもあり、レコーディングの上でもっとも重要な存在。音楽にとって最もふさわしい音色とバランスが得られる位置にメインマイクを配置することが、クラシック音楽録音の技術面で大切なことのひとつだと長江氏はいいます。 このコンサートのオーケストラの編成は通常のオーケストラより小規模なため、弦楽器のレコーディングの際、通常よく取られるようなスポットマイクでのバランス調整というよりも、弦楽器全体を全指向性マイクでホールトーンとともに収録するという工夫が行われています。 録音チームの3人は、リハーサルの時から録音を行い、最適なメインマイクの位置を設定していったということです。 加えて、メインマイクの微弱な電気信号にノイズが混入しないよう、マイクの近くにマイクプリアンプを設置。マイクレベルを増幅しADコンバーターでデジタル化することもあわせて行われています。

録音は、長江氏と、長江氏の教えた名古屋芸術大学サウンドメディアコースの卒業生で、名古屋テレビ映像のサウンドエンジニアである島田裕文氏と、東海サウンドのサウンドエンジニア村上健太氏の3名のチームで行われ、前日のリハーサルは3名、当日のゲネプロと本番では長江氏を除く2名が録音を担当しました。

収録後は、長江氏が編集、ミキシングを行い、収録したフォーマットのままである192kHz/24bitでマスターを制作しました。










「指揮者なし」というオーケストラ独自のこだわりや、会場の長所が存分に活かされたレコーディング。2013年以来、4年ぶりに話題となるに違いないこの最新作をぜひお聴きください。



◆関連作品




●飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ 公式ウェブサイト