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【12月25日更新】 ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music

2017/12/25
衛星デジタル音楽放送ミュージックバードで、2017年1月にスタートした番組「ハイレゾ・クラシック by e-onkyo music」と連動したコラム。音にこだわるオーディオ・ファン、ハイレゾに初トライしてみたいクラシック・ファンのために、「ハイレゾ女子」として活躍する音楽ライター・原典子が、e-onkyo musicから選りすぐりのタイトルをご紹介します。 文◎原典子
1月のテーマ:神々の音楽

◆キリスト教の歴史とともに発展してきた音楽
 クリスマスやお正月は、日本にいると普段はあまり意識することのない「神」の存在を感じられる時期かもしれない。街角からキリストの誕生を祝う音楽が聞こえてきたり、神社やお寺へ初詣に行って1年の無事を祈ったり……。そこで1月は「神々と音楽」というテーマで、神話や宗教に関連したクラシック作品をご紹介していきたい。

 とはいえクラシック音楽においては、ギリシア神話を除けば、キリスト教との関わりについての話が大半を占めることになるだろう。西洋音楽の源流といわれるグレゴリオ聖歌からはじまり、ルネサンス・宗教改革を経て、モンテヴェルディやヴィヴァルディ、バッハといった作曲家たちが司祭や教会の楽長として活躍したバロック時代に至るまで、クラシック音楽はつねにキリスト教の歴史、教会における礼拝の音楽とともに発展してきた。そして音楽が演奏される場所が教会からコンサートホールに移った現代においても、モーツァルトやブラームス、ブルックナーなど大作曲家たちが書いた宗教的な作品は、一般的なクラシック音楽として私たちの間に浸透している。

◆聖書の物語を知っているだけで

 そんな教科書的な話はさておき、私は子どものときにカトリックの洗礼を受けているので、毎週ミサに行くほど敬虔な信者ではないものの、聖歌やオルガンの音色を聞くと家に帰ってきたようにホッとする。小学校のとき、クリスマスに全校生徒で歌っていた「ハレルヤ・コーラス」がヘンデルの『メサイア』だったことは大人になってから知ったし、はじめてバッハの『マタイ受難曲』を聴いたときは、いつもミサで歌っていた聖歌「いばらのかむり」のメロディが登場して驚いた。ちなみにルターの宗教改革によって「コラール(讃美歌)」が生まれ、敬虔なルター派だったバッハの音楽の源になったということは、もっと後になって知ったことである。

 なにもキリスト教の信者でなくとも、このように身近な文化としてキリスト教に触れていると、自然とクラシック音楽への親しみや理解が深まるということもある。
 そんな思いを新たにしたのが、シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団によるメシアンの『アッシジの聖フランチェスコ』のコンサートを聴いたときだった。巨大編成のオーケストラによる4時間を超える大作、しかも複雑きわまるリズムと極彩色の音響が交錯する音楽だが、物語としては小鳥と話すことができたといわれる聖フランチェスコの信仰と生涯を描いたもので、カトリックの教えを知っている人ならばおなじみのエピソードや言葉、概念があちこちにちりばめられている。もちろん知らなくても音楽的な醍醐味を感じるには十分だが、少しでも聖書や聖人の物語を知っているだけで、こんなに難解な作品でさえ身近に感じることができるのである。

 クラシック音楽だけでなく西洋絵画も同じだと思うが、聖書の物語や教えに触れることで開く扉がたくさんある。ストーリーとしても意外と面白く、日本の古典などよりも読みやすいので、ぜひトライしてみてはいかがだろう。



<神話と音楽>

『オルフェオの物語』
フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー)ディエゴ・ファソリス指揮イ・バロッキスティ他
ERATO




『ルーセル:バッカスとアリアーヌ 第1組曲&第2組曲、ドビュッシー:6つの古代碑銘 他』
デ山田和樹指揮スイス・ロマンド管弦楽団
録音:2015年/PentaTone




『シマノフスキ:ヴァイオリンとピアノのための作品集』
デュオ・ブリュッヘン=プランク
録音:2016年/Genuin





<中世~ルネサンスの教会音楽>

『四旬節と聖週間のグレゴリオ聖歌』
アレクサンダー・M・シュヴァイツァー指揮コンソルティウム・ヴォカーレ・オスロ
録音:2006年/2L




『マショー:ノートルダムのミサ曲』
ウィーン・ヴォーカル・コンソート
Klanglogo




『モンテヴェルディ:聖マルコ大聖堂のための晩課(アレッサンドリーニ編)』
リナルド・アレッサンドリーニ指揮コンチェルト・イタリアーノ
録音:2013年/Naive





<宗教改革と音楽>

『ルターの音楽集』
VA
Berlin Classics




『J.S.バッハ:ルター派ミサ曲II』
鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン 他
録音:2014年/BIS




『メンデルスゾーン・イン・バーミンガムVol.1』
エドワード・ガードナー指揮バーミンガム市交響楽団
録音:2013年/CHANDOS





<バロック~キリストへの愛>

『ヘンデル:オラトリオ「メサイア」(全曲)~1754年捨子養育院上演版~』
エルヴェ・ニケ指揮ル・コンセール・スピリチュエル、サンドリーヌ・ピオー(S) 他
Alpha




『アジタータ 法悦と官能のイタリア・バロック ~オペラ作曲家たちのアリアとカンタータ~』
デルフィーヌ・ガルー(コントラルト)オッタヴィオ・ダントーネ指揮アカデミア・ビザンティーナ
Alpha





<大作曲家の宗教曲>

『モーツァルト:レクイエム(ロバート・レヴィン版) 他』
チャールズ・マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団&合唱団 他
録音:2012年/LINN RECORDS




『ブルックナー・イン・カテドラル -天上の音楽-』
ラデク・バボラーク(hrn)アレシュ・バールタ(org)チェコ・ホルン・コーラス
録音:2008年/CRYSTON




『ブラームス:ドイツ・レクイエム op.45』(全曲)』
マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団 他
録音:2012年/RCO Live





<近現代の宗教曲>

『ラフマニノフ:晩祷 Op.37』
ニコライ・コルニエフ指揮サンクトペテルブルク室内合唱団
PentaTone




『メシアン:彼方の閃光』(全曲)』
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
Warner Classics









【バックナンバー】
<第1回> 違い歴然!ハイレゾで聴きたい名曲名盤
<第2回> ポスト・クラシカルが止まらない!
<第3回> 世界のこだわりレーベル探訪 その1!
<第4回> 春の声
<第5回> 確信犯的クラシック――革新的NEXT GENERATIONS
<第6回> 雨の日の音楽
<第7回> 第7回:世界のこだわりレーベル探訪 その2 ~自主レーベル篇
<第8回> 第8回:エキゾでフォークなクラシック
<第9回> 第9回:来日オーケストラ&演奏家特集2017
<第10回> 第10回:物語から聞こえる音楽
<第11回>
第11回:いま聴きたい弦楽器奏者たち
<第12回>
第12回:話題作&私的ベスト2017




※ミュージックバードとは
音楽にこだわる人の「高音質」音楽放送サービス。
本格派クラシック、ジャズをはじめ、歌謡・演歌、ロック、J-POPなど、 音楽ジャンルごとに専門チャンネルを放送。
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出演者:原典子(はら・のりこ) 音楽に関する雑誌や本の編集者・ライター。上智大学文学部新聞学科卒業。音楽之友社『レコード芸術』編集部、音楽出版社『CDジャーナル』副編集長を経て、現在はフリーランス。『intoxicate』『CDジャーナル』など音楽雑誌への執筆のほか、坂本龍一監修の音楽全集『commmons: schola』の編集を担当。鎌倉で子育てをしながら、「レゾナンス<鎌倉のひびき>コンサートシリーズ」の企画にも携わる。
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