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連載『厳選 太鼓判ハイレゾ音源はこれだ!』 第53回

2017/12/15
『厳選! 太鼓判ハイレゾ音源ベストセレクション キングレコード ジャズ/フュージョン編』
~ 試聴テストに最適なハイレゾ音源は、これだ! ~



夢の高音質ハイレゾ音源コンピ、堂々完成!

ハイレゾ機器を購入するとき、イヤホンやスピーカーの買い替えを検討するとき、もちろんチェックする音源は大好きな曲を聴くのがベストです。それに加えて準備したいのが、圧倒的なハイレゾ音源。つまり、ハイレゾ規格の目一杯まで音楽エネルギーに満ち溢れているような、ガツンと鳴る曲があると最高です。なぜなら、高いパフォーマンスのハイレゾ音源を再生することにより、好きな曲がご機嫌に聴けるという基本的性能にプラスし、試聴機器の潜在能力が明らかになるためです。

そんな試聴テストに最適なのが、これまで連載で取り上げてきた太鼓判ハイレゾ音源の数々。とはいえ、過去の連載から試聴に的した曲だけをピックアップしていくのは面倒な作業ですし、購入金額も跳ね上がります。太鼓判ハイレゾ音源の中から、試聴テストに最適な美味しい楽曲だけを集めたコンピレーション作品があればいいのに・・・。その夢、叶えましょう!

今ままで選出してきた太鼓判ハイレゾ音源をリサーチすると、老舗レコード会社の音源が多いことに気付きます。理由は、アナログマスターテープ音源などの歴史あるお宝マスターを数多く所有していること、自社の音楽制作スタジオを活かした高い技術でハイレゾ化作業を行っていること。そして何より、優秀なスタッフやエンジニアなど、実際に関わる人の力が、これらの優秀ハイレゾ作品を生み出している背景だと感じています。

そこでキングレコードさんに、今回のハイレゾ・コンピレーション企画をご相談ししてみました。キングレコードさんの多くの太鼓判ハイレゾ音源たちなら、音楽を聴くことの素晴らしさに加え、“試聴テストに最適なハイレゾ音源” という今回のテーマにピッタリだからです。

お話しはウソのようにスムーズに進み、夢のハイレゾ・コンピレーション作品が誕生しました。コンピレーション作品は数々あれど、連載から生まれたハイレゾ音源コンピなんて、おそらく日本初ではないでしょうか!


試聴テストでは、ここを聴く!

もちろん、決して試聴テスト専用というわけではなく、リスニング用としても大いに楽しんでいただける楽曲ばかりを集めました。試聴テスト向きというのは、あくまで裏メニュー的な楽しみ方なので、どうぞご安心あれ。

『厳選! 太鼓判ハイレゾ音源ベストセレクション キングレコード ジャズ/フュージョン編』/V.A.
WAV 96kHz/24bit
flac 96kHz/24bit




今回のコンピレーション音源を、文字どおり “厳選” するにあたり、テーマを2つ設けました。

ひとつは、低音。主な収録ベーシストの名前を挙げてみましょう。アンソニー・ジャクソン、ルイス・ジョンソン、マーカス・ミラー、エイブラハム・ラボリエル、ブライアン・ブロンバーグ、櫻井哲夫、KenKen(敬称略)。低音好きの私としては、もう気絶しそうな神ベーシストの皆様が大集合。これだけのベーシストの演奏を一気に楽しめるハイレゾ音源は、今までなかったと断言しましょう。

ベースの種類も、エレキベースとウッドベースの各々の演奏が収録されています。奏法も様々ですが、私の好み的にスラップ奏法が多めなのはお許しを。生楽器だけでなく、シンセベースが重低音で響くトラックもありますので、ベースサウンドの比較対象として面白いかと思います。

超絶ベーシストが放つ、低音エネルギー。ハイレゾ規格の醍醐味のひとつは、低音再現にあると私は考えています。そう、ひとつめのチェックポイントは、この低音。スピーカーならウーファーをガンガン動かし、イヤホンなら(もちろん聴く音量に注意しながら)飽和しない低音再生限界の挑戦にしてみてください。

もうひとつのテーマは、グルーブ。良いグルーブを記録したハイレゾ音源をチョイスするため、生演奏にこだわり、アナログ・マスターテープ時代のものから最新海外デジタル録音まで、幅広い時代の録音を選んでいます。これら音楽の記録には、超絶ミュージシャンの唸りを上げるグルーブが収録されているはずなのです。あとは、それが再現できるかどうか。機材の試聴テストに最適な課題だと思います。

もうひとつのチェックポイントは、世界最高レベルのグルーブ。現代の打ち込み音源では到底再現不能な、音楽の持つ心地よいリズムの揺れ具合に着目してみてください。


本作から広がるハイレゾの未来

今回のコンピ音源は、多くの音楽好きやオーディオ好きの皆様に聴いていただきたく、全力でオススメします。理由は、私にロイヤリティーが入るから・・・なんてことでは決してありません。本作がきちんと評価され、実際の販売数も伸びてくれると、次のコンピ企画の実現につながるからです。キングレコードさんの第2弾はもちろん、他のレコード会社編も提案できます。もっと妄想すると、独自のハイレゾ・リマスター作品なんて面白そう!

今回の夢のコンピ企画が実現したのは、これまでの連載で皆様が太鼓判ハイレゾ音源を積極的にご購入いただいた実績の賜物です。ですから、この次の夢も、本当に叶うかもしれません。ワクワクしてきますよね!

私も音楽好きの一人として、少しでも夢の次回作実現のお手伝いをできればと思い、入魂の試聴解説を書き下ろしました。本作の付録pdfデータとして添付されます。ぜひお楽しみください。

音楽好き&オーディオ好きの私たちが、共通の試聴ハイレゾ音源を所有することで、大いにコミュニケーションしようではありませんか。私がハイレゾ・イベントを開催する際は、積極的に本作を鳴らします。機器メーカーさんは、ぜひ「ウチは、こんなに軽々鳴らせるんですよ」と、本作をデモンストレーションに使って欲しい。音楽制作現場では、本作に負けない高音質ハイレゾの新作に挑戦して欲しい。今回のコンピ企画、ハイレゾの未来へ繋がる良い連鎖が生まれてくれる予感があります。

夢のコンピ作品第一弾、完成の祝砲となる太鼓判レビューでした!



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筆者プロフィール:

西野 正和(にしの まさかず)
3冊のオーディオ関連書籍『ミュージシャンも納得!リスニングオーディオ攻略本』、『音の名匠が愛するとっておきの名盤たち』、『すぐできる!新・最高音質セッティング術』(リットーミュージック刊)の著者。オーディオ・メーカー代表。音楽制作にも深く関わり、制作側と再生側の両面より最高の音楽再現を追及する。自身のハイレゾ音源作品に『低音 played by D&B feat.EV』がある。