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祖堅正慶が語る『THE FAR EDGE OF FATE:FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack』

2017/06/07
「ファイナルファンタジーXIV」“パッチ3.xシリーズ”の集大成となるサウンドトラック、『THE FAR EDGE OF FATE:FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack』がハイレゾでも登場!
サウンドトラック用に素材を再構築して制作されたというこの作品について、サウンドディレクターでありコンポーザーの祖堅正慶氏にその舞台裏を語っていただいた。

『THE FAR EDGE OF FATE:FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack』



◆ハイレゾでサントラを制作しようと思われた理由やきっかけがあれば教えてください。

オンラインゲームはユーザー様からの要望に応えて随時バージョンアップしていくゲームコンテンツなので、各種カスタマイズが可能となるユーザーコンフィグの項目も通常のゲームに比べると非常に多いです。
FFXIVはコンフィグをいじれば誰でも容易にゲーム内で鳴っているBGMのみを聴く事が可能です。ゲーム内で聴けるBGMのビットレートは一般的な音質でサービスをしている配信サイト等で販売されている音源と同等か、それよりも若干悪いくらい。
このように昨今のゲームコンテンツに関して言及すると、ゲームで実装しているデータを抜き出しただけのサウンドトラックを世に出す行為自体が、あまり意味のない時代になっています。
サウンドトラックとして購入して頂けるお客様に、サウンドで実現可能な、より価値の高いコンテンツは何かと考えた際、制作段階では生き生きとしていたものの、ストレージの容量やメモリ制限など、ゲームならではの様々な制約の中で削られていった、失われたサウンドを殺すことなく生き生きとお届けするという事に意味が出てきます。これを実現してくれるフォーマットがハイレゾなのです。
これはゲームコンテンツでは実現不可能であり、サウンドトラックというコンテンツの魅力でもあります。

◆楽曲を録音、ミックス、マスタリングする際に気をつけていることやこだわりがあれば教えていただけますか?

ゲームサウンド制作は非常にスピードが求められる世界です。昨今マシンのスペックがあがったとはいえ、トラック数が嵩んだり重たいプラグインを多数使用しなければならない場合、96kHz24bitベースで楽曲の制作を行うと通常よりも非常に制作時間を要する場合が多々あるのが現状です。そこで止む無く48kHz24bitベース等、往来のCDクオリティベースで制作をして、最終的に44.1kHz16bitや48kHz16bit辺りにおとしこんでゲームにサウンドを実装しているわけですが、FFXIVのサウンドトラックの場合、この48kHz24bitベースで制作された楽曲データをハイレゾ音源用にアップコンバートしておしまい、といった事は行っていません。FFXIVのサウンドトラックとして収録する際は楽曲のプロジェクト自体を48kHz24bitから96kHz24bitベースにまず置き直して、その際ハイレゾ対応していない音源等があった場合は似たような音を発せられるハイレゾ対応の音源に差し替えて楽曲データを再度制作し直しています。録音素材は全て96kHz24bitでまずは録っているので、48kHz24bitにリサンプリングして作業していたトラックは全て捨て、元の96kHz24bit素材からやり直しています。
つまり、既に存在しているゲーム実装データをただアップコンバートしている訳ではなく、高品質なデータをお届けする為に、サウンドトラック用にまた1から全て制作し直しているのです。この辺りはあまり余所では聞いたことが無いので、こだわりポイントだったりするのかもしれません。

◆最後に、e-onkyo musicのお客様にメッセージをお願いします。

手軽に高品質なサウンドを楽しめるいい時代になりました。みなさま是非より良い環境で、より良い音で、様々な音楽コンテンツに積極的に耳を傾けていって下さい!今までにない世界が広がると思います!

◆ありがとうございました!!


祖堅正慶(そけん まさよし)

株式会社スクウェア・エニックス所属のサウンドディレクター/サウンドデザイナー/コンポーザー。
自称・ニー祖堅。アーケードゲームのサウンドクリエイターを経て、1999年に株式会社スクウェア(現スクウェア・エニックス)に入社。サウンドディレクターを担当する『ファイナルファンタジーXIV』は、「ビデオゲームで最も多くのオリジナル・サウンドトラックを持つタイトル」としてギネス世界記録™に認定された。2014年には同作公式ロックバンド・THE PRIMALSを結成し、北米・欧州・日本でのツアーイベントに出演。ワールドワイドに活躍の場を広げている。
父親は元NHK交響楽団首席トランペット奏者で琉球交響楽団代表の祖堅方正氏で、交響組曲『ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ』にも参加している(2013年に他界)。

【代表作品等】
「ファイナルファンタジーXIV」、「Load of Vermilion」シリーズ、「ナナシノゲエム」シリーズ、「聖剣伝説4」、「MARIO SPORTS MIX」、「マリオバスケ3on3」、「ドラッグオンドラグーン2」、「ドラッグオンドラグーン3」など

公式Twitter:@SOKENsquareenix