PC SP

ゲストさん

NEWS

【5月10日更新】 ヴァイオリニスト寺下真理子の音楽なしでは語れない

2017/05/10
2月にリリースされたアルバム『ロマンス』が、ここe-onkyo musicをはじめ各方面で大きな話題となっているヴァイオリニスト、寺下真理子による連載企画がスタート!彼女自身の作品をはじめ、さまざまなクラシックの作品をご紹介してまいります。
◆バックナンバー
<第1回>寺下真理子 自己紹介前編


前回は、中学生の頃までのお話をまとめたものだったので、今回は、高校以降現在までの様子についてお話したいと思います!

東京芸術大学附音楽高等学校に合格し、東京に出てきてからは、まず、一人での生活に慣れるのが大変でした。
中学までは、ヴァイオリン以外の事をした事がほとんど無かったので、掃除、洗濯、料理、そして練習・・・一気に色んな事をこなさなければならず、それは、まさに珍道中でした。
お風呂に入りたいと思い、お風呂場に行き空っぽの浴槽をみて、「なんでお湯が張られていないのだろう・・・」と、意味の分からない疑問を持ってみたり・・・。高校へ初登校した日の帰り道、行きと景色が違って見えて家がわからなくなり、近くの交番へ行き、「私の家どこですか?」って聞いてみたり・・・。今思い出しても、何も知らない小娘がよく東京で一人で生活していたなぁ・・・と。
こうして、約10年の月日をかけて、一般常識や、自分で何でもすることを学んで行きました。人として、とても成長できた時期でもありました。

学校生活では、全国から集まってきた優秀なクラスメイトから刺激をうけ、毎日練習に励みました。藝高は、毎日、びっしり一般の勉強の授業があり、それプラス音楽の授業(音楽歴史、分析、聴音、副科ピアノ、歌、オーケストラ、室内楽、個人レッスン等)もあり、本当に大忙しでした。

大学では、自由な時間が増え、コンクールを受ける為に日々、練習に明け暮れていました。

卒業後は、ベルギーのブリュッセルに留学しました。
美味しいチョコレート屋さんやワッフル屋さんがズラリと並ぶブリュッセルは、わたしにとって最高に美味しい街でもありました。
レッスン後の疲れている時は、お気に入りのショコラティエでチョコレートを買って帰るのがお決まりでした。
また、美しいグランプラスにでかけ、ワッフルを食べて帰る事もありました。
歴史的な建造物が立ち並ぶ美しい町並み、美味しいスイーツ、レストラン・・・とにかく目に入ってくるものが全て美しく、美的感覚をとても刺激されました。






そして、ヨーロッパで生活したからこそ学んだ事があります。
それは、日本とヨーロッパでは、音の聴こえ方が違うと感じました。
日本の様に、ヨーロッパには湿気がありません。むしろ、常に乾燥しています。そして、石造りの天井が高い建物が多いので、とてもきれいに音が響き上に音が伸びます。この音を彼らは日常的に聴いているため、美しく響く音を自然に理解しているのだと思いました。

こうした音を普段の生活で聴きながら練習しているヨーロッパのヴァイオリニストと、響かない空間で練習している私たち日本人とでは、技術は別として(日本人ヴァイオリニストは世界的にとてもレベルが高いです)音を美しく出す、音を下に押さえつけず、上へ上へ伸ばそうとする感覚には大きな違いがあるように思いました。
なんだろう、、、このヨーロッパの人の音の聴き方、音の伸ばし方、そして、音の美的センスは・・・と、とても衝撃を受けました。
この感覚は、留学してこそ分かった感覚だったと思います。
誰かに教えてもらうことでなく、その場所で自分が感じた事がより貴重な体験になりました。
この感覚は今でも忘れず、演奏する時に音の振動をとめず、美しく伸ばすように心がけています。

次回は寺下真理子の今ハマっている事。5/17更新予定です。




◆寺下真理子 関連作品




◆関連記事
【独占インタヴュー&イベント情報】 寺下真理子 待望のニューアルバム

 | 

 |   |